こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月25日(水曜日)

2021-09-02 21:00:00 | クロスオーバーイレブン
1982年8月最終週のクロスオーバーイレブンは、その前の週がリクエスト特集だったのに対し、アーチスト別の特集となっていた。
しかも面白いのは40分(土曜は50分)を2つの特定アーチストの曲で組み合わせる構成となっていたこと。

当時のじぶんは、なぜこの時期(1982年)にこのようなアーチストが組み合わせて特集されるのか?理解できずにいた。
じぶんとしてはニューウエィヴに近いミュージシャンをメインに据えてほしかったが、クロスオーバーイレブン自体が70年代から始まった番組ゆえ、最初から聴いているファンへ配慮したのだろう。
フュージョン、ブラック・コンテンポラリー、ギタリストなどがメインの特集となっていた。(決して嫌いではないけれど。)
そんな中、月~金で唯一蛍光ペンでアンダーラインを引いていたのが、水曜日の放送だった。

8月23日 月曜日・・・リー・リトナー、レイ・パーカー・ジュニア&レィディオ特集
8月24日 火曜日・・・グローヴァー・ワシントン・ジュニア、スティーヴィー・ワンダー特集
8月25日 水曜日・・・タンジェリン・ドリーム、デヴィッド・ボウイ特集
8月26日 木曜日・・・高中正義、サンタナ特集
8月27日 金曜日・・・デオタード、クール&ザ・ギャング特集

***

8月25日(水曜日) タンジェリン・ドリーム、デヴィッド・ボウイ特集 23:15~:55

1・ネットワーク23(4'54") /タンジェリン・ドリーム → アルバム「EXIT」1981
2・バールの賛歌 (4'02") /デヴィッド・ボウイ → アルバム「バール」(サントラ)1982
3・TVC15(3'29") /デヴィッド・ボウイ → アルバム「Station to Station」1976
4・スクラップ・ヤード(4'39") /タンジェリン・ドリーム  → アルバム「Thief」(映画「ザ・クラッカー」サントラ)1981
5・ムーンネイジ・デイドリーム (4'40") /デヴィッド・ボウイ  → アルバム「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」1972
6・バーニング・バー (3'10") /タンジェリン・ドリーム  → アルバム「Thief」(映画「ザ・クラッカー」サントラ)1981
7・野生の息吹き(5'59") /デヴィッド・ボウイ → アルバム「Station to Station」1976
8・冒険旅行 (7'27") /タンジェリン・ドリーム → アルバム「Force Majeure(偉大なる標的)」1979

ナレーター:津嘉山正種

***

ボウイとタンジェリン・ドリームの組み合わせ、というと、つい、ボウイがベルリンに引きこもってブライアン・イーノと「ロウ」「ヒーローズ」を制作していた時期を連想する。
その頃、ボウイはクラフトワークやドイツの電子音楽に傾倒していた。個人的には、その頃のボウイの作品が好きなもので。。。
では、この日の放送はそういった接点で選曲構成が出来ているのか?というと全くそういうことでもなかった。

タンジェリン・ドリームの「EXIT」は名盤だった。
その1枚前のサントラである「Thief」は、ジャケットだけに惹かれて、当時銀座のソニービル地下にあったレコードショップ「ハンター」で買った。
映画を見たわけでもなかったが、買って帰ってこのサントラを聴き。。。そして「良かった!」
・・・なら万歳だったが、実際は、全くこちら側に迫ってくるような何かがある訳ではなく、「ジャケ買い大失敗の巻」だった。

あきらめがつかず、何度もレコードを聴き、数曲好きな曲を発見し、「それがあっただけマシやろ、じぶん」と自らを癒した。。。ある意味想い出深い1枚である。
このレコードは、実は1回中古屋に売り払ってしまったのだが、のちに再度買い直している。
元は古い痛手だったくせに、なぜかこういう行動をとることがある。

裏ジャケット。
夜の明かりと濡れて反射して輝く路面のさまがとても美しくて、ずっと眺めていられる。

下記の曲は、最初から好きだった数少ない曲である。

■Tangerine Dream 「Burning Bar」1981■

そういえば、今年の夏はクロスオーバーイレブンの特番が無いまま終わってしまった。
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月21日(土曜日)

2021-08-24 18:00:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(6) 23:05~:55

1・FM (4'50")/スティーリー・ダン
2・レット・イット・ホイップ (4'44") /ダズバンド
3・ジェット (4'08") /ウィングス
4・ソウル&インスピレーション (3'03") /ライチャス・ブラザーズ
5・ふられた気持ち(4'36") /ダリル・ホール&ジョン・オーツ
6・素顔のままで(7'08") /バリー・ホワイト
7・スター・ラブ(5'15")/シェリル・リン
8・オフ・ザ・ウォール(4'05") /マイケル・ジャクソン
9・僕の小さなわがまま(3'58") /エルトン・ジョン
10・言い出せなくて(4'56") /イーグルス

ナレーター:津嘉山正種

***

1982年当時のクロスオーバーイレブンは、土曜日も放送があった。
週休2日制の番組が多い中、土曜の夜まで営業していたクロスオーバーイレブンは実に珍しい番組であった。
月~金は、23時00分から23時15分が「ふたりの部屋」、そして23時15分から23時55分の40分間が「クロスオーバーイレブン」。
土曜の放送は、23時05分から55分が「クロスオーバーイレブン」と10分長い50分番組となっていた。

この日は大御所たちの共演、といった具合のラインナップ。
ソロ1枚目のマイケルやイーグルス最終アルバムの名曲など、盛りだくさん。

1のスティーリーダンの曲はアルバム未収録でシングル盤のみの作品、という珍しい曲。
1978年当時ビルボードチャートでも最高位22位。個人的関心としては、TOTOやイーグルスのメンバーが参加しているということ。

5はホール&オーツの曲の中でも特に好きな1曲。ジョン・オーツの渋く黒っぽい声が素晴らしいナンバー。
この「ふられた気持ち」はライチャス・ブラザーズのカバーで、この日の放送は彼らの「ソウル&インスピレーション」と並べたリクエスト構成となっていた。

「ブルー・アイド・ソウル(青い目のソウルミュージック)」とは微妙な表現だが、白人によるソウルミュージックをそう呼んだ。
その分野の先人であるライチャス・ブラザーズ、そして、それをカバーするホール&オーツ。
この曲は単なるカバーという以上に彼らへの敬意、そして、同じ音楽の道を歩む決意と意志を強く感じさせる。




■Daryl Hall & John Oates 「You've Lost That Lovin' Feeling」1980■
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月20日(金曜日)

2021-08-22 18:30:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(5) 23:15~:55

1・ゴーイング・プレイシス(3'15") /キッド・クレオール&ザ・ココナッツ
2・ビア・イズ・ア・ニュース(3'49") /エレクトリック・ライト・オーケストラ(E.L.O.)
3・イミュニティ (3'53") /ルパート・ハイン
4・ファミリー・アフェア (3'04") /スライ&ザ・ファミリー・ストーン
5・バナナ・リパブリック(5'01") /ブームタウン・ラッツ
6・レッツ・グルーヴ(5"36") /アース・ウィンド&ファイアー
7・プライベート・ジョイ (4'25") /プリンス
8・愛のコリーダ(8'37") /チャス・ジャンケル

ナレーター:津嘉山正種

***

この日はとても夏っぽく鮮やかないろどりに満ちた曲が多い。
ダンサブルだったり、ファンキーな曲だったり、バラエティに富んだ選曲がむしろ素晴らしい1日。。。

1はキッド・クレオール初めての国内LP「楽園の果実」のA面1曲目のナンバー。
5・6は当時毎週のベストテンでよく聴いた大ヒット曲。未だにそのカッコよさは通用する。

8はクインシー・ジョーンズが大ヒットさせたディスコナンバーの原曲。
当時、雑誌「宝島」だと思うが、乗ったクルマから聴こえたら恥ずかしい曲ベスト10(苦笑)で結構上位になっていた。
その気分は分からなくもないが、ストレートな曲調が耳に焼き付いていて、今ではとても懐かしい。




■Chaz Jankel 「Ai No Corrida」1980■
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月19日(木曜日)

2021-08-21 21:30:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(4) 23:15~:55

1・ペルシアン・ラブ (6'25") /ホルガー・チューカイ
2・恋はドラッグ (4'07") /ロキシー・ミュージック
3・ハートに火をつけて (6'30") /ドアーズ
4・オールド・レコード・ネヴァー・ダイ (4'18") /イアン・ハンター
5・ベスト・デイズ・オブ・マイ・ライフ (3'03") /リンダ・ルイス
6・天国への階段 (7'55") /レッド・ツェッペリン
7・アッシャー家の崩壊(5'35") /アラン・パーソンズ・プロジェクト

ナレーター:津嘉山正種

***

この日も名曲が多いが、かなり支離滅裂な選曲。
時代めいた曲と新しい音楽が混在している。当時のじぶんは1・2・7に興味があった。

1982年当時、1はLPで持っていたし、2は「Avalon」を契機に知ったが、7は知らなかった。
7は、1976年デビューアルバム「怪奇と幻想の物語 ~エドガー アラン ポーの世界~」のB面組曲の一部。
組曲、ということで明らかなように、「時代はプログレ」という時期の作品。

あくまで個人的な感覚だが、聴いているとついピンク・フロイドや10㏄が勝手に浮かんでしまう。
・・・と思ったら、アラン・パーソンズはピンク・フロイドの名盤「狂気」のエンジニアであった。
彼らアラン・パーソンズ・プロジェクトのことは、この年後半に現れた作品「アイ・イン・ザ・スカイ」で知ることになる。




■Alan Parsons Project 「A Dream Within A Dream~The Raven」1976■
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月18日(水曜日)

2021-08-20 21:30:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(3) 23:15~:55

1・アメリカ(4'50")/ダダ
2・アイ・アム・ザ・ウォラス (4'35")/ビートルズ
3・キャント・ゲット・イナフ (6'41") /デペッシュ・モード
4・ポップ・ミューヂック (4'54")/M
5・オンリー・ア・ラッド (3'32") /オインゴボインゴ
6・ザ・ホースマン (4'41") /ヴィサージ
7・9月15日(ビル・エヴァンスに捧ぐ)(7'44")./パット・メセニー

ナレーター:津嘉山正種

***

ダダ、というと、私の世代はウルトラマンに出ていた怪獣を想い出す人が多いと思うが、この夜にはダダという名前のアーチストが登場した。
1982年当時この日の放送を、実はじぶんは聴けていないのだが、翌1983年にふたたびこの曲が流れ、そこで出会うことになった。
当初、海外のプログレ的バンド、と勝手に思い込んでいた。ところで一体このバンドの正体は何なんだろうか?と調べる年月は長かった。

結論から言えば、シンセが得意な日本人2人のユニットだった。
正体が判明したのち、彼らのCDを購入したが、これまたナゾめいたジャケット。
音の方はシンセ中心のサウンド、ということではテクノになるのかもしれないが、個人的にはコレという決め手に欠いていて、こういう機会でも無いと聴かなくなってしまった。


田中雄二さんによるダダのアルバム「DADA」紹介文章より。
「・・・ローランド・シンセ・コンテストに入賞経験もある泉陸奥彦と、のちに4-Dを結成、P-モデルのメンバーとなる小西健司のユニット。
泉はカリスマ、小西は飢餓同盟というアングラなプログレ・グループで活動していた人物だが、ここでは2人とも担当楽器を決めない、フリップ&イーノのようなゆるやかな結合体である。
「ステンレス・ママ」のようなアンビエント曲が中心だが、マネジャーを祝ったテクノポップ風「ジロ君のお誕生日会」は当時、テレビのBGMに酷使された。」

この日も名曲が多いリクエスト特集。
5のオインド・ボインゴの曲は、教授(坂本龍一さん)のサウンドストリートでも1981年に掛かった。6のヴィサージは先日も出てきた曲。
またヴィンツ・クラークが居た頃のデペッシュ・モードのシングルカットや「M」ことロビン・スコット唯一の世界的ヒット曲などは言わずもがなの名曲なのでした。




■Depeche Mode 「Just Can't Get Enough」1981■
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月17日(火曜日)

2021-08-17 19:00:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(2) 23:15~:55

1・ファンダンゴ(3"42") /ハーブ・アルパート
2・ノー・リプライ・アット・オール (4'40") /ジェネシス
3・ヴォイシス(4'21") /チープ・トリック
4・ホームワーク(2'45") /J.ガイルズ・バンド
5・テル・ミー (3'46") /ローリング・ストーンズ
6・オンリー・ザ・ロンリー(3'14") /モーテルズ
7・ハッピー・トゥゲザー (2'52") /タートルズ
8・真夜中の誓い(3'43") /REOスピードワゴン
9・愛の残り火(3"58") /ヒューマン・リーグ
10・シェラ(4"34") /ラーセン=フェイトン・バンド

ナレーター:津嘉山正種




■The Motels 「Only The Lonely」1982■
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音盤日誌:クロスオーバーイレブン 1982年8月16日(月曜日)

2021-08-16 22:30:00 | クロスオーバーイレブン
クロスオーバー・イレブン
~リクエスト特集(1) 23:15~:55

1・ア・プレイス・イン・ザ・サン(4'41") /カシオペア
2・ドライヴィング・サタデイ・ナイト (3'25") /キーン
3・ベイビー・カムバック (4'16") /プレイヤー
4・永遠の人へ捧げる歌 (6'36") /コモドアーズ
5・グッド・バイブレーション (3'37") /ビーチ・ボーイズ
6・ゴースト・オブ・フライト401(3'10") /ボブ・ウェルチ
7・セヴンティーン (4'23") /エイドリアンガーヴィッツ
8・マスカレード (7'31") /ジョージ・ベンソン

ナレーター:津嘉山正種

***

80年代の夏休みには、毎年FMで特番が組まれるので、それを楽しみにしていた。
上半期人気だった番組や来日アーチストのライヴの再放送もあったし、正真正銘の夏だけの番組もあった。

1981年夏だったら教授(坂本龍一さん)の「電気的音楽講座」。
放送が家の夕食時間と重なっていたため、少年はいったん食事の席に着きつつ・・・途中トイレに行くふりをしては、部屋に戻ってラジカセの録音ボタンを押したり、様子を見に行った。
親に怒られつつ、食卓と自室を行ったり来たり・・・そわそわしていた。
そんな記憶がある。

クロスオーバーイレブンは、よく夏になるとリクエスト特集をしていた。
リクエスト曲の寄せ集めなので、正直とっちらかった選曲で、通常掛からない曲の並び方をしていたが、番組からの夏の贈り物だった。

普段は曲名すら言わずひたすらセレクトした音楽を紹介する番組と、伝播してくるFM波をチューニングして聴くだけのリスナー。
その双方が夜の闇の中、無言で出会う場だったクロスオーバーイレブン。

しかしリクエスト特集の日だけは、普段には無いお互いの交流が行われた。
まるで1年に一度だけ出会う七夕の夜を想わせる。




■Player 「Baby Come Back」1977■
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ニューウェイヴ・カセットシリーズ ナンバーなしB面 1982年1月12日 

2016-03-19 00:23:05 | クロスオーバーイレブン

ナンバーを付けたカセットテープ以外に、(未完)のまま終わってしまったものがたくさんある。
エアチェックして聴いていたけど、後日とある夜、特番やライヴ番組などが迫り、手元にカセットがそれしかなく、泣く泣く上書きしてしまった。。。
というパターンが一番多かった。

みうらじゅん先生が夜な夜な作詞作曲して録音した、自作DT(童貞)フォークのカセットテープに、B面途中で終わり=「未完成」としたものがある。その理由は、ジョン・レノンに影響を受けた結果とのこと。

じぶんはそんな理由ではなかった。

今ではインデックスカードだけが残る中の1本が上の写真。
(A面はのちのちとして・・・)B面は、1982年1月12日(火曜日)の「クロスオーバーイレブン」を録音したもの。

火曜日ということで、この日は教授の「サウンドストリート」~「ふたりの部屋」を聴いた後のことになる。

当日は、カセットNO.5のB面に3曲収め、ナレーター横内正さん(津嘉山正種さんの前任)の語りの合い間にカセットを即入れ替えて録音したものと思える。

タンジェリンドリームの「イグジット」は、この日初めて聴いた。
この辺の時期に買ったミュージックマガジンの「1981年ベストアルバム」で、LP「イグジット」を挙げる人が多く、この後1982年にレコードを買うことになる。

先週から今週に掛けて、mp3プレイヤーでひさしぶりに「イグジット」を一枚通して何度か聴いた。
35年経った今でも素晴らしい作品。
タンジェリンドリームの作品群は、80~90年代に渡る際起きた”ハウス/アンビエント”以降の流れの発生源の1つ。彼らにもじぶんらにも大きな影響を与えた音楽。

■Tangerine Dream 「Exit」1981■
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2015年1月7日 水曜日 1982年冬・地下室の生活より愛を込めて

2015-01-07 23:55:46 | クロスオーバーイレブン

今週月曜、仕事初めの日、ウォーミングアップだから早々に帰ろう。帰ってゴミ仕分けの続きもせねば。そう、思っていた。
ところが、とある一生の付き合いの先輩に誘われ、おいしいお寿司に舌鼓を打ち、おちょこでお酒をくいっと呑んでいるうちに泥酔。トイレに座って眠っていた。

年末年始、狂ってしまった一日一日のサイクル。平常に戻った初日にお酒でつまづいた。
酒疲れの溜まりは、今日もひきづった。
たぶん、今週一杯、こんな具合にアンバランスなまま行くんだろう。

昨夜は、午前0時前に眠る、という快挙でGood、と思えば、今朝の目覚めのしんどさは変わらない。6時間は珍しく眠った。

昨日は、午後ずっと外に居た。朝からの温かさ。風は南風で、その風の中に佇んでいると、もう春がそこまで来ているように思えた。遠くから春の足音が聞こえた。

元旦に浮かんだお正月の曲は2曲だったが、もう1曲浮かんだ。
はっぴいえんどの「春よ来い」。
悩み深いときのお正月ならば、誰もがなるヤケクソの心境で粗暴に投げうたれ、吐き出すであろう言葉。“春よ来い”。

田端のYMO
たくさん綺麗な冬の花が咲いている。天に向かって背筋をピンとした姿勢の良さでもって咲く・アロエの鮮やかなべに色の花を見るのが、最近は楽しい。
街を歩きめぐりてたくさんの花に出会う中、梅やもくれんの樹々とも会う。
枝の先端は、来たる時を待ちわびながら、頑固にじっと中にエネルギーをたくわえて、春を待っている。

川の面(も)には、等間隔で浮かんだカモたち。楽しそうにぷかぷか浮かび・佇んでいる。

それはともかく。。。
そういえば、と思って1981と1982の境目を見つめていた。
そうそう、あの冬。
受験間際の、夜な夜な机に向かっていた”あの夜”。

まるで苦しみみたいな追い詰められた感は当時あったが、それでもあの時間は自由で永遠だった。
今も、大して進歩していない。

クロスオーバーイレブン 1982年1月12日 火曜日 午後11時15分~55分
1・宇宙の燈台 ティム・ブレイク
2・ニュー・ヨーロピアンズ ウルトラヴォックス
3・アイム・ノット・ザ・ワン カーズ
4・イグジット タンジェリン・ドリーム
5・ア・ドリーム・アウェイ カーズ
6・天啓 ティム・ブレイク

ナレーター:横内正


■カーズ 「アイム・ノット・ザ・ワン」1981■
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2014年1月28日 火曜日 音楽風景 ~スクリッティ・ポリッティ 「オーヴァーナイト」~

2014-01-28 23:23:51 | クロスオーバーイレブン

スクリッティ・ポリッティを知ったのは、1981年4月8日に始まったNHK―FMの「坂本龍一のサウンドストリート」だった。
スクリッティ・ポリッティとパンクの組み合わせというと、意外に思われるだろうが、ドゥルッティ・コラム同様、彼らの活動の始まりはパンク的なムーヴメントの中から始まった。
ちなみに「スクリッティ・ポリッティ」も「ドゥルッティ・コラム」も共に、政治的な意味合いをした言葉。

1981年に教授が掛けてくれた「オペック・イマック」。
当時、暗黒の夜10時過ぎに、重厚なヘッドフォンから聴こえた、リズムもビートもなく、闇の中でうごめく音。
うろうろと聴こえるヴォーカル、低音の土俗的太鼓は一定では無い。
エレキギターはスピードを落とした中、数音を繰り返すが、何度も失敗をする。
あたかも楽器練習のそばで、ラジカセの録音ボタンを押したときのような曲。

これを教授は「まるで坂本的」とぼそぼそつぶやいていた。

この後、1981年・別の火曜日では、「ライオンズ・アフター・スランバー」「スゥイーテスト・ガール」の12インチが掛かった。
そして、おおやけにはファーストアルバム「ソングス・トゥ・リメンバー」が発売される。12インチで実験を行いながら、それをアルバムにしていくという流れ。

アートスクール出身で、裕福な貴族的空気に居たグリーンのセンスが光っていた。ジャケットワークもすべて、グリーンが関わっていた。

1984年になると、12インチシングルが立て続けに発売される。
「ウッド・ビーズ」「アブソルート」「ザ・ワード・ガール」「ヒプノタイズ」「パーフェクト・ウェイ」。
アートセンスあるグリーン/スクリッティ・ポリッティが、今度眼に付けたのは、ニューヨーク。
そこで、一流ミュージシャンとのセッションで産まれた名曲の数々。新たなるソウルフルな音楽。
産まれた曲たちの大いなる変化に驚き、喜ぶのだが、一方では、グリーンは表層的な新しさにしか興味が無いのだな、と分かる。

2枚目のオリジナルアルバム「キューピッド&サイケ85」。
あえてアルバムにする必然性はなかった。
というのは、それまでの12インチの寄せ集め以上のものが無かったゆえの意味として。。
リスナーも音楽家もこのアルバム収録曲に影響を受けたものの、個人的には冷ややかな視線もあった。

グリーンは「坂本龍一のサウンドストリート」にもゲスト出演した。

まあ、グリーンのことだから、次は一体どんな手で、みんなを驚かすのであろうか?
そう思っているうちに、ニューウェイヴは壁に体当たりにて大破した。

グリーンは、さらに新しいアクロバットなワザを繰り広げる。。。であろう。。。という夢はかなわず、1988年・3枚目のオリジナルアルバム「プロヴィジョン」を発表。
極めて正直なポップス。そのことには寂しさを覚えた。
「仕方が無いさ。もう熱を持った時代は終わってしまったんだよ。」と自らをいさめた。

とは言えども、そんじゃそこらにある音楽とは違う。
「キューピッド&サイケ85」の「ウッド・ビーズ」にあった重いズシンと響くドラム・グルーヴ感は無いものの、音質的には前作の延長線上。

昨夜話した、クロスオーバーイレブンのカセットテープは今でも現存する。
1988年のこと。
ここで初めて聴いた「オーヴァーナイト」。
過去のグリーン/スクリッティ・ポリッティにあった奇抜さは無い。
しかし、夜を送るための、安らぐような音がここにはある。
「ホェン・アイム・セヴンティーン・・・」と始まる、アフター・ニューウェイヴの穏やかな夜。

ジャケットデザインは、地球が描かれたビニール風船の空気が抜けて、両手で握りつぶす様。

■Scritti Politti 「Overnite」1988■
アルバム「「プロヴィジョン」には、エフェクターもかけない生のシンセサイザーそのままの音が全面的に使われている。そこに女性的なグリーンのヴォーカルが乗る。
当時、CDプレイヤーも持っていないクセに「CD時代の音の触感だな」と思っていた。

この後、90年代、大阪という異国の地でグリーンの声に再会することになるのだが。。。それはまた別のお話し。
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