【ロバート・フリップ 「ノベンバー・スイート」】
まずは、音をポンと置いてみる。
■Jansen・Barbieri 「Breaking the Silence・・・The Way Light Falls・・・Distant Fire」1985■
11月30日(月)
NASAのVIDEO音楽のオファーが、元ジャパンのリチャード・バルビエリにあったのは、1984年・夏のことという。その”BGM”がLPレコードとなった『Worlds In A Small Room』。
A面始まりの「ブレイキング・ザ・サイレンス」は、イーノとハロルド・バッドがコラボレーションした「鏡面界」A面始まりの『ファースト・ライト』からの影響そのまんまである。
イーノは1983年、NASAの月への挑戦を実映像にした映画「宇宙へのフロンティア」のサウンドトラック『アポロ』を制作している。
その片方では、途中ブワァーと鳴る音色(おんしょく)は教授の「戦場のメリークリスマス」からの影響。そしてメイン曲のメロディは「戦メリ」そのもの。アルバム全体が、イーノと教授からの影響がないまぜとなって出来上がっている。
1987年、大学時代知り合った友人の下宿に泊めてもらうと、彼は実家・久留米から持ってきたこのLPとD.シルヴィアンの2枚組「ゴーン・トゥ・アース」をカセットに落としたテープを掛けていた。
2人で明け方まで話しながら、その背景で『Worlds In A Small Room』がよく鳴っていた。
11月25日(水)
朝、お茶とパン。三島さんの命日。長袖ヒートテック着る。傘を持ち外に出る。まだ雨は無い。
車中マニュエル・ゲッチング。立っているのが苦しい、そう思ううち電車は着く。白い空、川端で一服。
昼近く雨が降り出した。
マスクして仕事、たまにハナをかむ。
午後、外に出ると雨。冬らしい寒さというのに街燈てっぺんには泊まるカモメ、川ではカモたちがみんなで遊んで泳ぐ。鳥たちには寒さも雨もまるで恵みのようで、愉しそうに見える。
電車を待っていると偶然O氏に会い、途中まで座って話すことになった。
建物に合い、誰にも喜ばれるものは何だろね。などと。
そんな話をしているうち経由駅に着く。幸手の工場に向かうという彼と別れた。
駅前のらーめん屋で、ラーメン・チャーハンセット食べる。おろしニンニクをたっぷり入れ、カラダをあたため励ます。
寒い中、湯気が立つラーメンをすする。男の学生さんが楽しげに友達とラーメンを食べるのが目立つ。
雨のなか一服着ける。破れ三度笠みたいなボロボロの傘、ホネが壊れたままでも差すかわいい女の子が通り過ぎた。そのさまがほほえましい。
あいにくの各駅停車。ハナが出るから、と前日より着用し始めたマスク。
マスクは便利な道具。顔の防寒対策にもなり、すれ違う人が会いたくない場合も、わからずに相手が通り過ぎていってくれる。一種の変装になる。
地方駅、不思議な色をした花。スプレーで着色されたかのようなピンク。
寒い中歩くとしんどいとともに息切れが苦しい。
打合せ終えて外に出ると暗闇になっていた。歩いて無人駅に着く頃には、顔耳冷たくなってヘルニアも登場し出す。地方から都内に戻り、見舞いへ向かう。
駅前にはクリスマスのイルミネーション、もみの木、そしてクリスマスソング。北風がピューピュー吹き、道行く人は肩をすぼめて足早に歩く。
病室に入ると、久々に意識ある相手。会話やりとりもあり安心したと思えば、数分で痛い痛いが始まる。
脇でつくTVから天気予報、明日西日本には雪が降るらしい。天気予報が終わると「ためしてガッテン」が始まり、山瀬まみちゃんが出てきた。
病院を出ると雨が再開、橋を渡り坂を下る。さぶいさぶい、そう言いながら数キロ歩いてしまう。さぶさでいつもの首肩痛に加え頭痛がする。あったかくすればよくなるはずだ。
お腹が空くが外で食べるとお酒が呑みたくなり、呑んだら帰るのがおっくうになるからやめる。
駅構内、通る人の顔を見るがみんな冴えない顔付きに見える。電車乗るとがらがらの席に座り、先週のパカパカ行進曲を聞く。
島に着くと北風と雨が強くなっている。チョコパイとレーズンパンを買う。家に向かう道、寒さから来る首肩痛がひどくなり小走りになる。
帰って湯を沸かし、ほうれん草・にらを追加した野菜スープをことこと弱火で煮る。
夜半、原節子さんが9月に亡くなっていたことを知る。唐突過ぎて、何も言えない。
みうらじゅん先生の「仮性フォーク」掛けながら寝た。