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こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

音盤日誌:ニューウェイヴ・カセットシリーズ8 A面 1982.6

2021-07-01 18:00:00 | 音楽帳

15の夜、のもう1本。カセットNo.9と同時並行でエアチェックしていたNo.8。
たまたま初夏の時期に録っていったのだが、「夏っぽい曲」が多くなったため、わくわくした少年はインデックスカードに「Summer Music In '82」と書いてしまっていた(苦笑)。
しかも、書いただけでなく、実際このカセットテープとラジカセを持って夏の海に行った。浜辺にラジカセ、と良い時代の風を感じる。
そんな想い出をたくさんはらむ、全曲「クロスオーバーイレブン」からのエアチェックテープ。

A面
1/ヴィサージ「ザ・ホースマン」

・ニューロマンティックのムーヴメントが開花してから2年。1982年4月25日に国内発売されたヴィサージのセカンド・アルバム「The Anvil」。
国内発売のLPタイトルは「舞(ダンス)」。バンドの顔はスティーヴ・ストレンジだが、実際の音創りの黒幕はミッジ・ユーロ/ウルトラヴォックスを核としたメンツ。
1枚目ではおとなしく裏に隠れていたミッジ・ユーロは、この2枚目であからさまにヴォーカルやギターでその存在を主張している。
アルバム・ジャケットの幻想的写真は、写真家ヘルムート・ニュートンによるもの。

そのセカンド・アルバムのB面1曲目がこの「ザ・ホースマン」。
この曲では、やたら乾いたドラム音が気になって仕方がない。なぜタイトなデジタル感あるドラム、ゲートリヴァーブ的な音にしなかったのだろう?と当時も今も思う。
スティーブ・ストレンジは「このアルバムはエレクトリックファンクを目指したものだ」と言っている事を知って、そんなアプローチ・観点で再び聴いてみた。
なるほど珍しく明らかにミッジ・ユーロと分かるエモーショナルなギター、バックヴォーカル、コーラスの声はファンキーな音ではある。メロディも良い。
しかし、せっかくのそれらの素材に対して、バサバサ打撃音ばかりが強いドラムはやはりマッチしていない。

「The Anvil(ジ・アンヴィル)」は名曲多き名盤なのだが、「ホースマン」はどうも・・・。
そう言いながら、エアチェックしたからには、と数百回聴いてきた。出会ったからには付き合う、という性格のじぶんは、そうやって生きてきた。
サマー、で誰もこの曲を選曲しない。初夏に出会った「サマー」イメージと直結しない1曲。


2/カン「アイ・ウォント・モア」
・「ペルシアン・ラヴ」で出会ったホルガー・シューカイが所属したバンドであるカン。
そのカンに関心は抱いていたものの、実際の音楽は1981年11月に「クロスオーバーイレブン」で出会った。この曲は2曲目に知ったもの。
「アイ・ウォント・モア」は1976年発表の「フロウ・モーション」収録、シングルカットもされたポップな1曲。






3/XTC 「ヨット・ダンス」
・前作「ブラック・シー」から一転し、アコースティックでフォークロアな世界が展開する「イングリッシュ・セツルメント」。
プロデューサーは、ヒュー・パジャム。師匠のスティーヴ・リリィホワイトと違い、ナマ音の繊細さを大事にして仕上げを行う音職人のプロデュース。
この作品は本土イギリスで2枚組として発表されたが、日本では編集された1枚組として4月21日に発売された。個人的にはその国内盤をすぐ買いに行った想い出。
2,800円の正規値段は高かったが、XTCへの敬意を払い、素直に国内盤を買った。
「ヨット・ダンス」は、教授のサウンドストリートでも掛かったキャッチーな1曲。ワルツ調の音に、つい波間のヨットの風景が映像として浮かぶ。XTCにしては素直な1曲。




4/坂本龍一「ゴナ・ゴー・トゥ・アイコロニー」
・「サマー・ナーヴス」収録曲。1979年発表された「坂本龍一&カクトウギセッション」のアルバムより。
まだカタカナ名時代の「高橋ユキヒロ」がドラムで参加。そして、エフェクトを掛けてダブ処理した、英語のバックグラウンド・ヴォーカルは山下達郎。
達郎さんの声を歪ませた南洋的アイランドミュージック、と言って想い出したのは、教授のソロアルバム「音楽図鑑」(1984)に収録された「パラダイス・ロスト(失楽園)」。
この曲にも達郎さんが参加しており、この「ゴナ・ゴー・トゥ・アイコロニー」の後継曲みたいに勝手に思えてきた。
まあ、単なるこじつけと妄想ですが、、、どちらも永遠に忘れ得ぬ夏の名曲であることは紛れもない事実。

じぶんが持っているCDは「CD選書」として廉価版発売されたもの。浅井慎平さん撮影「パシフィック」のLPジャケットに載せてみた。


5/ホール&オーツ「ユー・アー・No.1」
・たまたまクロスオーバーイレブンの放送の流れの中で録音した曲。
まだホール&オーツがブレイクする手前の1979年アルバム「X-Static」収録曲。日本盤は「モダン・ポップ」というタイトルで、ラジカセをビニール袋に入れたジャケットデザインから
FMレコパルの雑誌でやたら紹介していたのをかすかに思い出す。


6/ウォー「ベイビー・イッツ・コールド・アウトサイド」
・1982年5月発表された当時の新譜「アウトロー」に入ったバラード曲。




7/鈴木茂「ノアノア」
・この日のクロスオーバーイレブンをきっかけに、企画盤「パシフィック」(1978年)の存在を知り愛聴盤となった。
毎年夏になると、今でもこのアルバムを聴く。

以下は田中雄二さんによる「パシフィック」の紹介文章より。
・・・「パシフィック」のプロデューサーは、山口百恵、郷ひろみを育てたことで知られる酒井政利である。
これは、電通がスポンサーとなって78年、酒井、横尾忠則、浅井慎平、池田満寿夫、阿久悠ら個性派のクリエイターが参加し、まだ珍しかったサモア諸島を旅行した時の体験が下敷きになっている。池田は同じくこの体験をもとに小説 『エーゲ海に捧ぐ」を執筆、同名の映画を撮り、横尾はトロピカル・コラージュを、酒井は島での時間感覚をもとに矢沢永吉「時間よ止まれ」をプロデュースし、池田の映画のために阿久悠とジュディ・オングの「魅せられて」を作った。

浅井慎平がジャケットを撮り、酒井がプロデュースした「パシフィック」というアルバムも、その副産物と言えるものだ。
細野、山下、鈴木が三者三様に南洋のイメージをインストゥルメンタル曲にしたためたこのアルバムの中に、なぜか1曲だけ不調和なドイツ風ディスコ・ビートが入っているのが「コズミック・サーフィン」である。・・・



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Unknown (wakaby)
2021-07-10 20:26:35
XTCのヨット・ダンスを紹介していた教授のサウンド・ストリートは私も聞いていました。とても品のいい端正な曲ですね。ははーん、教授はそういう趣味なのかと思ったものです。「イングリッシュ・セツルメント」は私も、日本版1枚組を買っていました。後になって、輸入盤の2枚組をバンド仲間から聞かせてもらって、失敗したなと思いました。2枚組には「ナックル・ダウン」というとても好きな曲が入っていたからです。
そんな昔のことを思い出させてくれる記事でした。
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XTC (かたちんば→wakabyさんへ)
2021-07-13 21:04:20
wakabyさんのおたよりを見て、久々にカセットテープとCDをひっくり返していました。
教授のこの放送回、カセットにはさんだ紙切れの走り書きの曲名を見ると、ペンギン・カフェ→XTC→伊藤つかさ(笑)。
ちょうどYMO各人が歌謡曲に本格参入(笑)し出し、サウンドストリートもそれまでのアンダーグラウンドな世界を脱して、ポップな曲がよく掛かるようになった頃。そんなときのポップな1曲が「ヨット・ダンス」でした。

私は当時は2枚組聴けずじまいで、全曲を聴いたのはCD時代になってからでした。
ということで「ナックル・ダウン」、改めて聴きました。。。ねばっこくうねるように進む曲調がXTCらしいですね。
2枚組って当時は値段も重量も中身を咀嚼することもとても重く感じて、がっぷり四つに取り組む気合が必要とされましたが、CDにしてしまうと掛けっぱなしでスーッと流れてしまって、
「ナックル・ダウン」忘れていました。聴く機会貰えて感謝します。
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