二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

1月14日営業日。弦の交換などなど。

2023-01-16 17:28:33 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
今年二回目の営業日でした。
毎年必ずお正月に、二胡の調整をしに来て下さる、Uさん。
もう6年ほど前に私が皮も張り替えた楽器です。
北京で購入されたという蘇州系なのですが、大変良い小葉紫檀の二胡なのですが、どうも皮の状態が思わしくなく、わりと新品でしたが、思い切って厚い皮に張り替えました。
少し硬めに張って、先生からは板胡のようだねと言われたそうですが、毎日のようにちゃんと弾いているこの楽器、今やとてもよく鳴る楽器になってきています。
毎年、必ず来ていただいて調子を見せていただいていたのです。
後は弾き込むだけだけというこの楽器、千斤を変えたり、お試しで音色違いを楽しむ程度に駒を変えたり、そして毎年必ず弦を交換していました。
ところが昨年は、弦もあまり傷んでおらず、一番良くなる状態かもしれませんとのことで、弦は変えずに置いたのです。
「どうも内弦の音色が!!」とのこと、そこで駒や、フェルトなども変えてみたのですが、どうも思わしくなく。
ですは私も少し弾かせてくださいと、
「あれ!これ弦交換したの何時ですか?」
「それ昨年は良い状態だから替えていなくて一昨年交換したのですが、昨年夏くらいからどうも内弦の音が不満で!!!」
失礼ししました、そういえば家で毎年一回替えるだけでしたね。良くなっているのでもったいなくて昨年は変えなかったのでね。
弦を変えてから1年半大変良く弾かれていたようで弦が、相当へたっていたのでした。
弦は弾く量に比例して傷んでいきます。
弦を交換して、最初4,5時間くらいは馴染むのに時間がかかります。
最初の10分くらいは、伸びてきますし、調弦をしなおさなければいけません。
また、安定した振動になるのに4,5時間はかかります。
また弦の種類によっても、その寿命はそれぞれ違い、トマスティークやピラストロなどのヨーロッパのメーカーの物は、プロが弾いて1年くらい、中国の弦でも、それぞれに違いはありますが、3ケ月から半年くらいで交換するプロの方が多いようです。
弾き方にもよりますし、弾く曲にもよるでしょう、こればかりは皆さんがご自身で弦の寿命を感じていただくしか仕方がないのかもしれません。
何時間弾いたから。何ヶ月弾いたからではないのでしょう。
その目安はあります。
一つには、内弦の第二ポジションくらいが音が出にくくなり、濁った音がするとき。
もう一つは、押し弓と引き弓とで音程が変わってくる。
また、先日まで高音が良くなっていたのに出にくくなった。
これらの事は、みなさんがご自身の楽器を良く聞いてやることだと思うのです。
弾きこむと同時に、ご自身の楽器の音楽を楽しみつつ、音色を聞いてあげていると、聞こえてくるのではないでしょうか?
以前にも弦の寿命のことなどいろいろ書いてはいます。しかしそれらはあくまで目安です。弓毛の強さにもよります、また弾く曲にもよって耐久力というのは、変わってきます。
弦だけの事ではなく、楽器そのものの変化も、みなさんが、いかに弾き、以下に聞くかによって、その胡の成長具合、その変化の具合感じ取ることができるのだと思います。
まずはたくさん弾いてやってください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ



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