二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

音色探し。

2010-08-30 12:13:46 | ■工房便り 総合 
二胡を最初に作り始めた時。

もちろん、お手本通り作る。

良いモデルを探し、それを真似して作る、これは、物つくりの基本だと思います。

最初から、オリジナルが出来上がると、思うほどには、

私の、物つくり人生は、短くありません。

若い時に、家具屋を始めるとき、オリジナリティーと言うことについて、

様々迷いもし、無茶を重ねて、変なものを良く作りました。

年を重ねて、解ったことは、自然に作る、

材料に対して、無理をさせない、デザインも、用途を、突きつめ

それに従う、

後は、自分の感性信じるしか、有りません。

それらが、やっと解った時に、二胡作りに出会いました。

ホントにその意味でも、良い出会いだったかな、と、思います。


さて音色探しです。

最初は、蘇州型、6角形でした。

買ってきた二胡分解して、その通り作ってみました。

贅沢にも、最初から、インドローズを使いました。

もちろん、従来の形そのままです。

当然、二胡の、蘇州型の音そのままです。

いま後悔しているのは、そのころは、何回か教室に行き、多少の弾き方教わった程度で、

ホントには鳴らせていなかったことです。(いまも、ホントに鳴らせているのか?多少良くは鳴ったと思いますが?)

そしたら、少し違った答えが出ていたかもしれませんが、

見事に、蘇州型の難点出てしまいました。

高音が、でないのです。

これは、最初から関わっていただいた、楽器屋さんにも、言われていることであり、

様々な、本にも書かれていることですが、二胡は、高音が出にくい。

もちろん、全部がということでは、有りません。

演奏家たちの、持っている二胡は、ちゃんと、高音も出ています。

この蘇州型、相当良い皮(9歳雌と言われます)を、使って、

長年の、経験と、感覚で、鍛え上げられた職人さんが、皮を張れば、

また、良い演奏家が、何年も弾きこむと、高音まで、でるものも有ります。

それにしても、それは、コンクールで金賞、銀賞取るようなレベルだそうです、

一つの工房が、社運をかけるような仕事のレベルで、

多分、年間100万台作られるといわれている二胡のうちほんの数台ではないでしょうか。

そうでなければ、様々な、ホームページや、本などで、二胡は雑音が出易く、高音が比較的出にくい、

等とは、書かれていないと思います。

しかし、折角二胡作り始めたのです、その選ばれた二胡に匹敵するもの、作りたい。

だからこそ、かなりしつこく、作り続けてきたのかもしれません。

皮を張れるようになるのに、10年掛るといわれています。

それでは、私の人生終わっているかもしれません。

それでは私の持っている経験なんだろうと、持っている者最大限活かすしか、

これを超えられないな、と考えて作り始めたのが、今の西野二胡に繋がっていきます。

先ず雑音どうやって消すのか、次にどうやったら高音でるのか?、

木の方をいままでと違った形にすることで出来ないのだろうか?

あるいは、もっと違った形はあり得ないのか?

試してみたのは、北京型でした。

この項続く。

西野和宏
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3 Comments

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Unknown (Jimmy)
2010-08-30 20:41:09
それってモノ作りの基本ですね。
某世界最大の楽器メーカーはカラヤンの要求に応えようとしてもなかなかダメだったので、最後は世界の名器の金属組成を分析して作ったそうでございます。カラヤン大満足だったらしいです。5本中の1本を見せてもらいましたが、楽器担当者が白手袋をはめて持ってきたのには驚いたものでございます。

で、西野二胡は既に新作二胡では世界トップレベルといっても過言ではないでしょう。そのうち分解されて、真似される日もそう遠くはないと思います。
歴史は繰り返す、または悪い意味ではなく因果応報でございますねぇ。

北京型楽しみでございまする。
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まだ、壊されたくないですね (nishino)
2010-08-31 08:50:39
jimmyさん

お誉めのお言葉?ありがたく頂戴します。

でも、まだ書いていないのに、何で結論解るのですか、?

素晴らしい。

ホームズ君
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いえいえ (Jimmy)
2010-08-31 11:43:38
勝手にそう思い込んでいるだけでございます。

つたない経験から、、、って感じでしょうか(笑
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