と、書くと喜ぶ人もいるかもしれませんね!
この苦情!御来房の方から様々あります。
光舜堂への苦情では無いです、もしあったとしても、直接私にはなかなかに言わないでしょうね。
もしあったとしたら、ちゃんと言ってください!
それはさておき、御来房の方から不満は聞こえて来ます。
一番多いのは、かなり特定のお店の話です。
何だか今一つ音が物足りない、そこで調整というのに行ったら、
「これは良くない二胡だから新しく購入しなさい!」
「この駒は高さが高すぎる、削って調整する。はい!3000円」
「これは紫檀と書いてあるけれどこれだけ真黒なのだから黒檀です」
たまに自社で販売して、今一音が納得できないと言ったら「これはこういう音なのです」
もう一つ多いのはアフリカ紫檀!
アフリカ紫檀というのは、この20年くらい前から小葉紫檀がインドから輸入できずその代わりにアフリカの東海岸から輸入されたパーローズという木ですね。
赤くてきれいなのですが、意外と育たない!
これなんでなのでしょうね、いつまでも硬い音が続くのです。
そして木が捻じれるために胴割れがとても多い。
この木の中国に入ってきたころ中国人の先生が都の楽器を褒めて随分販売していたことがありますが、最近ではすっかり販売されなくなってきています。
先日いらしたお客さんのお持ちの老紅木。
私から見ると、これは最近ではほとんど使われていない東南アジアのパドウク。
「これは。パドウクと言ってとても良い老紅木と言われるものですよ、良かったですね」
しかしよくよく見ると棹に黒檀と書いてあるのです。
パドウクはそれこそ烏木と言われてしまいかねないほど真黒になります。
お客様は「?????」
その後もう一台の楽器を直して受け取りに来られた時。
「お友達の老紅木と比べたらそっくりでした。なんでこんなこと(黒檀と書いてあった)書くのでしょうね」
違う話ですが、
「友人に紹介されて、その友達の二胡愛好家の人に調整してもらったのですが上手くいかず結局駒のお金だけ払ったのです」
良くよく調べると楽器には問題なく弓毛が一部荒れていて低音弦を弾くとびりびり言っています。
これ以前、私の皮の張替えが悪いと!
その時にも結局、福音弓に取り換えたら全く問題なくなりました。
光舜堂には福音弓きり置いてありませんので、皮の張り替えた後など試しびきをしてもその様なビビり音というのが出てこないのです。
今後は悪い弓もおいて置かないといけないのですかね??
これ、その方も自分で二胡の調整覚えていきたいというくらいの方でしたが、弓までは目が届かなかったのでしょうね。
皆さんお友達の紹介、あるいはお友達が調整などしてくれると、なかなか苦情も不満もいいにくいですよね!
二胡の調整、いやいや、楽器の調整というのは、調整する人それぞれの考え方があります。
ヴァイオリンなどのようにいくらこれが最高という形状形態になっているものでも、調整する人の考え方で鳴りも音色も響きも変わります。
それは問題ないのです、一つのしっかりした考え方の中でやりさえすればです。
ところが二胡の調整というのは、まだ、そこまでしっかりした考え方を持っている人は、愛好家の中にはいないのではないでしょうか?
それは、二胡そのものを作れないからです。
駒を作ったり、それこそ、音響に詳しいという人でも、楽器そのものを作れない限り分からないのが当たりまえなのです。
例え何百台も見てきた人でもです。
ヴァイオリンの調整する人で、楽器そのものを作れない人などいません。
これから日本でもネオちゃんのように楽器そのものを作れる人が出て来るでしょう。
そうなって初めて二胡の調整というのが仕事として成り立つようになるのではと考えますし、期待します。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ