二胡工房 光舜堂

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二胡弾き外伝・これぞ日本の二胡?・木場大輔

2013-09-03 08:25:30 | ■工房便り 総合 
二胡のことを胡弓という方もいらっしゃいます。

胡弓は日本の物だと言う風に言う方もいます。

でもいずれにせよ、胡がつくのですから日本源産でもありませんし、中国源産でもありませんね。

私はどうでもよいのです。

中国に来て二胡として民衆に楽しまれて来た。

胡弓として遥か日本にまでわたってきて、今回のチケットの絵柄になったように、(今回のチケットの絵柄は、美術館のご了承を得て、葛飾北斎の、北斎漫画から取ってあります)

江戸時代の民衆の中にも広がり或いは、歌舞伎や、風の盆のように、広く人々に親しまれて来たというのが大切です。

音楽を楽器を楽しむ、今やバイオリンでさえ日本は世界の生産国のトップクラスに入っています。

そうやって親しみやすい楽器が皆さんの生活の中に楽しい時間を作ってくれることこそ、音楽であり楽器だと思うのです。

胡弓というのは他の弦楽器に無い、独特の事があります。

楽器自体を回して、弦のそれぞれを弾き別けるのです。(もちろん他にもそのように楽器を回転させるものがあるのは知っています)

その為に、駒が胴の一番上の方に付いています。

普通、弦楽器の駒というのは、胴のまんなかか、或いはむしろ胴の真ん中より下に駒を置くと言うのが多いです。

それは弦を一杯に長く使って、弦の響きをよくしようという考えです。

しかし、この胴を回転させる楽器は胴の一番上の所で弾くからです。

そうではないと弓が胴にぶつかって弾くことが出来ません。

そして特徴の有るのはその緩い弓でしょう。

二胡の弓もバイオリンなどに比べると随分緩く張ってありますが、胡弓に比べれば、弾く時にはかなりしっかりとそれこそ木紙面のようにぴんと張ります。

胡弓の弓の毛は、弦を半分ぐらい包みこむぐらいな感じで緩いです。

当然引っかかりが大きくなります。

昔の擦弦楽器の弓のほとんどはこのようにかなり緩く毛を張ってあります。

二胡でも、古い弾き方の人は相当弓を緩く張ります。そして殆ど松脂をつけません。

弓の毛の引っかかるところを大きくして、その摩擦力を利用して弦を振動させます。

この胡弓を見ていると何か弦と弓の毛のひっかkる関係が判るような気もします。

今や、本来日本の物という位であった胡弓も、演奏する人はとても少なくなりました、

普段の生活の中で聴くのは二胡よりり少なくなってしまいました。

その胡弓を、ここで再び、改造に改造を重ねて、今までの3本弦が当たり前と思われていた胡弓に4本弦という新しい風を吹き込んだのがこの方、木場大輔さんです。





■木場 大輔(きば だいすけ)
胡弓演奏家、作曲家

淡路島出身。
1994~95年、甲陽音楽学院にてジャズの音楽理論とピアノの実技を学ぶ。
1998年より、胡弓を始める。
2004年より、名古屋系古典胡弓を原一男師に師事。
2006年より、低音絃を追加したオリジナル四絃胡弓を開発。
2009年、映画「カムイ外伝」(崔洋一監督/松山ケンイチ・小雪 主演)にて演
奏と出演。
2011年、NHK BS時代劇「新撰組血風録」サントラに参加。
NHK Eテレ「にっぽんの芸能 花鳥風月堂」に出演。
胡弓とピアノのユニット「KODACHI ~木立~」のCD「Japan」を発表。
2013年、京都にて人形舞のホリ・ヒロシ氏と共演。自作曲「桜花幻耀」など、高
い評価を受ける。
和楽器ユニット「おとぎ」のCD「音戯紀行」を発表。全楽曲の編曲または作曲
を手掛ける。

江戸時代から連綿と受け継がれる胡弓楽を尊重しつつも、
従来の三味線や箏の持ち替え楽器としての在り方を超え、
独奏楽器としての胡弓の可能性を追求している。
地唄舞の舞地や現代邦楽の演奏にも定評がある。
門弟の会「絹擦会(きぬずれかい)」を東京・横浜・大阪・高知にて主宰。

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