ベルリンの高橋さんが再度、再再度光舜松脂について書いておられます。
そこで少し天然の松脂の話です。
松脂は木の樹脂です。
そのままではただべたべたした液体ですから。使えません。
多分昔の人が、使ったのは松の木の根元に落ちていたあるいは埋まっていた固形化した松脂だったと思います。
松脂が固形化するには、内部の油分が抜けないと固形にはならないのです。
どうなってその油分が抜けるかというと、雨に当たったり、あるいは土壌の中の酸やアルカリなどに晒されて、油分が抜けて言ったのだと思います。
もう一つ、熱によっても油分は抜けます。
地面のなかでどうやって熱に出会うかと言いますと、一つは山火事でしょう。
山火事は落雷などでも起きますし、空気の乾いた時期ですと枯た木同士の摩擦などでも起きます。
その松の木が山火事の最中どんな位置にあるかによっても、松脂の質は変わります。
山火事の一番盛んな場所に生えていたとすれば、松脂など残らずすべて灰になってしまいますね。
ただ地面に埋まっていたものだとすると一番強い火からは保護されて適度な温度になったのかもしれません。
これらの松脂はかなり硬いものができます。
そして一番良い状態になった松脂というのは、むしろもっと低い温度でじっくりと何十年も熟成されたものだと私は考えています。
山火事ならその火力の違いによっても松脂の性質は変わり土に埋まって熟成されたとしてもそのの熟成度で質が皮いrます、ですからいわゆる本物の天然ものというのは同じ質に出会うというのが難しいです。
そこで、
それらの自然現象によって起きた状態を人工的に作り出して、原料の液体に近い松脂から作り出したものが、この光舜松脂です。
天然の松脂は不純物を取り除くととても細かい粒子になります。その細かい粒子が弓に塗られるととても敏感な発音をします。
ですから音の立ち上がりがとても速く、あらゆる倍音を引き出しますので、音色がとても深くなります。そして松脂の粒子が油分でつながっていませんので、音が一つ一つ際立ち、切れの良い音になります。
それが天然の松脂の優れた特性です。
音を一つ一つ大切に扱おうとする人のための松脂です。
工房光舜堂西野和宏＆ほぉ・ネオ
