二胡工房 光舜堂

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二胡弓を作る竹.

2019-12-17 09:22:30 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
二胡の弓の竹にはいくつかの種類があります。

節無しと節ありがあります。



上が節無しと言われるものです。

節無しといっても、手元近く大体端から20センチから16センチ以内に節はあります。

節ありも、節の位置は大体真ん中あたりに、一つ節があるということです。

二胡の弓は胴の上を滑らせていきます。

演奏上節があると、その節が胴の上のデンペンに引っかかって違和感があります。

節の形状は



このようにかなりゴツゴツとしたものです。

ですので節あり(真ん中に節のあるもの)の節は、削って、なるべく滑らかにしています。



但し節はあまり削りすぎると、その部分だけ弱くなります。

また節は経年変化で曲がることもあります。

節無しは、柔らかいものが多く、比較的太めの材料を弓に使います。

節ありは、比較的細くとも強さがあります。が削りすぎた節の場合、折れたり曲がったりもしやすいです。

竹は伐採してから、弓に作るまで、通常1年以上自然に乾かします。

乾かすと、竹の水分が抜けてきて、硬くなります。

、また竹には、白竹と紅竹があります。

これは白竹です。



これは紅竹です。



白竹は比較的柔らかく、竹自体も真っ直ぐという感じではありません。

紅竹は天然のままでもかなり真っ直ぐです。

また白竹に比べると太いです。(この画像は、選別後の物です)

かなり硬く、そのままで二胡の弓を作るとすると、伐採したものの内、使えるのは、30%を下回ります。

只天然のままでも真っ直ぐで後々変化しにくいようです。

弓の竹は、演奏家の好みによって、選ぶものでしょうが、

天然の物ですので、常に一定の硬さや弾力があるわけではありません。

日本では直接自分で選んで購入するということができにくく、購入するということに、かなり賭けの要素が入るようです。

中国本土では、工房へ行くと選んで購入できるところもあるそうです。

しかし海外の演奏家などは、100本買って、その中から選んで使うという方も多いようです。
(残りは生徒さんに販売するとのことを聞きました)



これは黒竹ではありません。

火をかけて、油分を抜き、竹の硬さと弾力をある一定の幅にしたものです。

全く同じではありませんが、演奏者の癖に左右されることが少ない程度の幅に硬さを調整してあります。

ですので、どれを取っても弓として弾きやすく作ってあります。

良い弓は無駄な力を入れずとも、二胡の良い音を引き出します。

無駄な力を入れないで済みますので弓を弾く手の脱力がしやすくなります。

良い弓に皆さんが出会えると良いですね。









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