高橋さん、こんにちは。
高橋さんのブログにコメントしようと思ったのですが、長くなりそうなので、申し訳なく、こちらで読んでいただけると幸いです。
昨日垣内兄妹の演奏聞きに行ってきました。
キラキラと輝いていました。
何となく、これはK20の音だなと感じていたのです。
演奏後にお聞きしましたら、0の上にK20だったそうです。
ホールに最初に入った時に、これは音が籠る感じのホールだなと感じて、二人の演奏という事で、少し心配したのですが、二人の演奏はそんなことを吹き飛ばしてくれました。
実は、私は演奏会という形で、プロの演奏家の光舜松脂をつかった音楽を聴いたことが無かったのです。
勿論、松脂を作る上で、十数名の二胡の演奏家、ヴァイオリンの演奏家などにはお願いして試してもらってはいます。
以前は芸大の院を出てその後ヴァイオリンつくりに転向した人には、松脂が変わるたびに聞かせてもらってはいます。
色々作り上げていく間、自分の作ったヴァイオリンと二胡それと中国製の二胡などで試し、また弦堂さんにもそのたびに御来房いただいて確認はしてきています。
かなり最初のころ、ある二胡演奏家、その友人から、さらにその友人の東京芸大の院生の方にまで、私の知らないところで、0が渡っていまして、その方の周りでも大変評価されたようで、販売は何時になるのかなどいきなり販売の話が進み始めてしまったのです。
そして弦堂さんを通じて高橋さんに、様々なタイプをお送りして、確かめていただき、その上、高橋さんのブログにも大変推奨していただき、やっと本腰を入れて販売することになったのです。
ただ、昨日のようにプロの演奏会を直接聞くという事はなく、自分自身作った松脂、かなり良いものとは思っていたのですが、昨日の垣内兄妹の演奏を聴いて、音の立ち上がりが早くキレがある。
これは光舜松脂全てに言えることですが、音色の深さというのも特別な気がしました。
ヴァイオリン2台それぞれが、どの弦を鳴らしているかがはっきり聞こえてくるのには驚きました。
2つの音4つの音多い時には8つの音が重なり合ってくるにもかかわらず、パイプオルガンのように響いたのにはびっくりしました。
もちろんお二人の演奏力もあるとは思うのですが。
二胡などは、数人で合奏すると同じメロディを奏でているにもかかわらず、楽器それぞれが、木の種類が違うため音色を打ち消しあって何だかぼーっとしてしまうのです。
その点ヴァイオリンはすべて同じ素材ですので、ある程度の音色のまとまりは出てきます。
昨日、どちらかというと前に前に音が出てくるという印象のあるガッダニーニのハイポジションの音色が響くのには驚きました。二つの違うタイプのヴァイオリンが音色というところで見事に調和していたのは二人の演奏力もあったのでしょうが少しは光舜松脂が手助けできているなという気がしました。
光舜松脂は楽器を鳴らすという印象より弦のあらゆる振動を引き出す、という感じがとても強く感じられたのです。結果としては楽器を鳴らしてはいるのでしょうが。
敢えて言うと、0は音色を補給し、1は弦と楽器の調和を、そして、K20は演奏の演出を助けるのではないのでしょうか。
0は、全ての良い擦弦楽器に更に音色の豊かさを加える働きがあるのではないかと感じました。
大変良い演奏会でした。1時間半がそれこそあっという間でした。
作るのに冬場ですと1ケ月以上、また、高音の続く日本の夏ではこの松脂は作れないことも分かって来ました。まるで日本酒のようです。作る上でも何かと不自由な光舜松脂ですが、これはあらゆる擦弦楽器に役に立つ物と、再認識させられまして、細々と作り続けます。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
なんで3種類もあるのだと聞いてくる人も多いのです。
自分で試しても客観的には聞きにくいです。
やはり上手な人が弾いてくれたのをお客として聞いてみると、分かることもあるのではと思いました。
聞いてみてわかることもありますね。
弦堂さんがサイトに貼ってくださっている拙ブログが説明の助けになると良いのですが、、、。
少し前にこの西野さんが書いてくださったブログを添付して書いたところです。
西野さんのブログ読者のみなさま、コントラバス奏者の高橋徹です。ご興味がありましたらexciteブログに私が書いています
ベルリンでさーて何を食おうかな?
ブログ現行版をご覧ください❗️
高橋さんのブログのお陰で多分多くの演奏者が興味を持たれ、実際に販売に結びついているようです。
私自身は販売には、携わっていませんので、弦堂さんがお客様との対応はやってくれています。
私はただただ、作るのが好きなだけですから。
光舜松脂今はかなり安定して作れるようになりました。結局4年かかりました。
実際に作り始めた時には、スタッフのネオちゃんもいましたので、私がいなくなっても、作り続けることは可能だとは思います。
ただネオちゃんでも、問題があるは、材料の入手ですね。
それと、光舜松脂を作る上で難しいのは、火加減なのです。
鍛冶屋やお酒の杜氏と同じく、熱の加減というのが微妙です。
毎回基本のZEROを作ると、試しびきして、確認しています。
だめなものは、塗料にまわします。
今はヴァイオリンつくりの人はそのほとんどが、アルコールニス、を使います。
理由は、オールドのようにゆっくり乾燥している時間がないからでしょう。
アルコールニスは、3,40年すると硬化してパラパラと剥離してしまうのが分かっていながらです。
オールドのオイルニスは乾燥するのに3,4日かかります。それを7回くらい塗るのです。
そこで私は1日で乾燥できるようにと、オイルの硬化を早めることを研究しまして、今はなんとか実現しました。
ゆっくり乾く塗料は強いです。漆などのように。
後、何十年かしないとこの塗料の結果は出て来はしませんが、実験では、100年以上はもつだろうと思えます。
しかし、アルコールニスのようにコンパウンドで磨くことはしないで済むので、美しさは格段に違います。
この塗料を作る過程で、高橋さんに以前送りました、00の滑る理由も見つけたような気がします。
松脂の性質が少しは分かって来たようです。
ニスが松脂からとは、考えれば漆もだし塗料は化学製品が出てくるまでは植物由来が主だったのですね。
滑る、実は時々、他の試作品でも経験しています、ごく稀ですが。
光舜松脂のお陰様で日々楽しく楽器と過ごしてますが、同時に自分の未熟さや欠点も見えてきます。
なかなかに忙しい日々であります。
が、それは好機❣️と有難く弾いております。
光舜松脂は油分と合いにくい、混ざりにくくなっています。
もともとリンシードが含まれていたとは思えないほど油分が混ざりにくいのです。
そのあたりの事、何時か、(秋くらいですかね?)お会いした時に。