光舜松脂は、音の立ち上がりが速く、キレが良い。
お陰で、弦を横に引っ張らずにヴァイオリンの表板に縦に振動させやすくなり遠鳴りが効く。
これかなり重要な事ですね。
いわゆる引っ掛かりの強い松脂ですと、どうしても弦が横に振動して、側で聞いているといかにも音が強く出ているようですが、表板をそして裏板を真でしっかり鳴らしません。
大きなホールでも必要なのは遠鳴りです。
そして遠鳴りするという事は楽器全体が振動して十分その音色を活かしているという事になります。
弓は横にひかれるのに、弦は縦に振動するという矛盾があります。
これは弓の扱いが相当熟練してこないと出来にくいようなのです。
更に引っ掛かりの強い、ましてや吠えるような噛みつくようなと、爆音を出すことを目標とした松脂ではなかなかに実現しにくいようです。
それを解決するのが音の切れの良い松脂でしょう。
昨年末、オールドマスターという松脂を何種類か試させてもらいました。
今までの油分を含んだ松脂の中では、比較的切れも良く粒子も細かく倍音も豊かなものとかなり好評なものです。
光舜松脂と比べてみたのです。
結果は、私などのように下手な奏者には明らかに音のキレの良さと倍音の豊かさ、そして弓の操作性の良さでは、光舜松脂ほどには鳴らなかったです。
「基」そして00と比べたのです・
オールドマスターを試させていただいたお客様は、「何とか、この00購入できないのですか?」と。
残念ながら、今回は4つだけしか出来上がっていません。
光舜松脂を作り始めた5年前、本当に偶然できたもので、その後時間のある時、触媒を変え加熱時間や熟成時間など様々に変化させて作ってはいるのですが、大量にはできないことが分かって来ました。
元々、それほど多くは作れない(一回に8ケくらい)のに更に少ないのです。
そして、00の難点、大きく一弓で弾くと滑る!
いつもでは無いのですが、稀に起こります。
これはプロが演奏の際には大変な問題になります。
ところが、それの起きない時の00の良さは、、、
まあ、昨年末抽選で00に当たった方に聞いてみてください。
しかし、昨年ネットで、恐る恐る「光舜松脂製造販売所」を始めたのですが、その後皆さんからの評判を聞くと。私共が作る松脂は、本当に擦弦楽器の弓を楽器をそして皆さんの演奏を助けるものになったのだと、自分自身納得できたようです。
今年の目標は少なくとも何とか安定した00を作る事でしょう。
松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ