先週は、沢山のお客様が工房へ見えられました。
お客様の来ない日は一日だけでした。
流石に、そうでなくとも遅れがちの二胡の修理が、さらに遅れましたが、
皆さん、京都や大阪など、関東にしても2時間以上かかるところからの御来房です。ありがたいことです。
さて、ワックイです。
工房に来られた方の二胡すべてに施しました。
4台の内3台は一応は木軸を削り合わせてこれなら大丈夫、というところまでは調整しました。
それでもなかなか工房へまで来られない方が多かったので念のため、ワックイを施したのです。
やはり良いですね。削り合わせた木軸とワックイを施した木軸と比べていただいて、みなさんワックイをということなったのです。
二胡の場合製造が分散されていることが多いです。本体を作る会社、その下請けで木軸だけ作る会社。棹だけ作る会社なども多いのです。
勿論名品、あるいはプロ用のなどと考えられて作られている一品物の、あるいは作家物と言い換えても良いですが、それらは、きちっと一貫して作られていはいますが。
いくら精度の良い工作機械だとしても、木の場合全く誤差の無いということはできにくいのです。
私なども木軸は旋盤で作り、棹の穴開けは硬い鋼で穴あけをしていますが、最終的には、やはり手で微調整の削りを入れないと合わないのです。
ワックイは動かさなければ半固形、動かした時に流体になるオイルベースにひっかるためのチョークや小麦粉そして蕎麦粉を混ぜ合わせて作ったものです。(ちなみにそば粉アレルギーの方は、念のためやめておいた方が良いと思います)
ですからピタッと止まりゆっくりとスムーズに動きます。
これはぴったりと削り合わせたものとはまた別の感じです。
力のある男性、あるいは若いころから二胡を弾いてきた方などは、多少がたつきがあっても、問題なく調弦できます。しかし慣れない方には調弦そのものが苦痛になるということも、多々あります。
二胡は、というよりすべての多弦の擦弦楽器の音色は調弦が命です。
ぴったり調弦できた時の二胡の音は本当に豊かな音色になります。
そういう点でも、日本の二胡愛好家の方達にはワックイをお勧めいたします。
そんなこんなの、かなりせわしない一週間でしたが、今週はどうやら2日間だけで、ゆっくりおと客様とお話が出来そうです。
そうそう、108工房の若社長に確認しましたら、階段は来月になりそうです。今週のお客様も、まだまだ足場の階段を使っていいただくようになります。ネオちゃんとワタクシとで階段の上り下りは補佐いたしますので。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ