昨年は、20世紀における歴史の大転換点となった。何と言っても、70年以上続いてきたソビエト連邦があっさりと解体されてしまったからである。
この結末を読めた識者はいるのだろうか。ソ連体制がいずれは崩壊するという希望半分の予測なら西側では従来からおなじみのものだが、昨年という時期に崩壊するとは読み切れなかったのではないか。
ただ、ソ連はもちろん自然現象として崩壊したわけではなく、人為的に解体されたのであるから、ある種の革命が起きたわけである。結局、ロシア革命の所産であったソ連体制が74年後、今度はソビエト革命によって倒れたということになる。
レーニンやスターリンをはじめ、ロシア革命の功労者たちは地下でどう見ているだろうか。また従来、ソ連体制を賛美してきた世界のマルクス主義者たちの反応は? 突如、信じていたものがひっくり返った感覚だろうか。
筆者にとって、ソ連と言えば、学校の社会科で習ったコルホーズとソフホーズというソ連の農業制度がなぜか一番印象に残っている。逆に言えば、その程度の印象しかないということでもあり、教師の説明も覚えていないのだが、なんとなしに進んだ制度であるようなイメージは持っていた。
実際のところ、こうしたいわゆる農業集団化政策は成功していなかったらしいのだが、その要因その他の詳細を理解できるほどの知識が、今のところ筆者にはない。
いずれにせよ、ソ連の解体により世界は大きく変わるだろうということだけは、無知なる筆者でもわかる。どう変わるのかはわからない。アメリカ御推奨の資本主義と自由主義が世界の唯一の信仰体系になるのだろうか。アメリカはそう望むだろうが、望み通りになるだろうか。
個人的には、昨年も一言したように、そうした流れにはあえて乗らず、今年も模索を続けるつもりである。到着点はまだ何も見えてこないけれども。