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前回のイヌシデメフクレフシを採取したあとアカシデの枝も眺めていたらこちらには小さな突起が幾つも集まったような虫えい(虫こぶ)があったのでこれも切り取ってじっくりと観察・・・
この虫えい(虫こぶ)もフシダニの一種が芽を変形させたものでアカシデメムレマツカサフシ(赤四手・芽・松毬・五倍子)と呼ばれています。
観察した限りでは、ほとんどのものは側芽に作られていて冬芽の芽鱗などの組織が変形して小さな冬芽状になったようです・・
変形した冬芽状のものは数個から2~30個集まってマツカサのように見えるのでこの和名が付きました。一つひとつの冬芽状のものは通常の冬芽よりも小さく、個々の鱗片は開き気味で毛も多いようです・・・・(↓)は見つけた中では最大級のもの
アカシデメムレマツカサフシも切断してみました・・・
芽の集合なので何処を切って好いのか分からず中心部に向かって切ったらボロボロとこぼれてしまいました・・・
虫えい(虫こぶ)となった芽は葉を開くことは無く、1芽に50匹程度のフシダニが入っているそうですがルーペでは観察できませんでした。
虫えい(虫こぶ)の形成者には複数の科を寄主とする幅広いもの(広食性)もいれば、複数の属を寄主とする広義の狭食性のもの、同属の複数種を寄主とする狭義の狭食性、単一樹種にしか寄主しない単食性のものが有るのですが、ほとんどは狭義の狭食性か単食性なのです。
イヌシデとアカシデを冬芽で見分けるのは慣れないと大変なのですが、イヌシデメフクレフシとアカシデメムレマツカサフシのフシダニは単食性なのでこの虫えい(虫こぶ)がそれぞれの樹に着いていれば簡単に樹種同定が出来そうですね!
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