会員の作品(2021年2月）

三谷和夫：志賀直哉我孫子に住みて自活せむと養鶏を営む用意始めき（新アララギ2021.2）
佐々木フミ子：しつかりとラップをされて売られゐつ松茸の香はタダでは嗅げず（新アララギ2021.2）　
千葉照子：「死後の名聞の儀尤(もつとも)大切」の初稿廃(や)め主への恩に動機求めき　　　
　森鷗外『興津(おきつ)弥(や)五(ご)右衛門(ゑもん)の遺書』（歌会2021.2）
今野英山：白川のほとりに立てば人こひし吉井勇の歌口ずさむ（新アララギ2021.2）
高橋毬枝：ゆつくりと動き栄養をとり休みなさい諭す医師ゐて父を憶ほゆ（新アララギ2021.2）
麦島和子：広き空光まばゆき秋の日に渡船に乗りて利根川渡る（新アララギ2021.2）
岸野トモヱ：＊お年玉ドライブスルーよと大笑い孫ら来らずにおせちが余る（歌会2021.2）
大倉康幸：＊猛勉強の同級生を見て逃げて無難に生きたその後の我は（新アララギ2021.2）
相川盈子：＊コロナ禍にプールに行けず一万歩安房の畦道犬連れ歩く（新アララギ2021.2）
宮本通代：経済の好か不調か知らねども新聞の全面広告のページが増えぬ（歌会2021.2）
故葛岡昭男：＊蕗の葉をくるりと丸めコップとし清水汲みたり峠の泉を（新アララギ2021.2）　
丸山さち子：＊ごめんねと言えずに気まずき日々は過ぐ今日はたこ焼き買って帰ろう（新アララギ2021.2）
鈴木英一：筑波にていつも見ていし双耳峰容(かたち)とどめよいついつまでも（歌会2021.2）
永盛佑樹：庭の木の落ち葉枯れ枝かきあつめ焼却炉にてサツマイモ焼く（歌会2021.2）