
少しだけ俳句に関係ない話を・・・
303年前(1702年12月14日)の今日、あの赤穂浪士が吉良邸に討ち入りを
した日です。その吉良邸は本所(今の両国、国技館から徒歩5分ていど)に在り
そこから徒歩10分程度のところに、ころころは生まれました。余談です。(笑)
それでは今日のお話・・・
「匂う」について
幸田文さんの随想の中に「匂い」について書かれていたものを見ました。
「おばさんから香水をいただいて、それがなんとかの五番かなんかずい分高級な
もので、みにつけるのが大変楽しかった。ところが年老いてみるとそうして
楽しいんだ香水だけれども何やら疎ましい。むしろ野の花の、かすかに漂う匂いの
ほうがぴったりする。なぜだろうと考えてみると、香水というものはどこか人に
押し付けがましいところがあるではないか。いわば香水は5分でも10分でも
できるだけ長く匂わせるために用いるものだが、花の匂いにはそれがない。むしろ
消える為にある匂いだと・・残る匂いと消える匂い、その微妙な差が、年老いてみると
だんだん分かってきたような気がする。」
俳句の場合でも押し付けがましい感覚とおのずから消えていくなかにも、何かを捉え
て離さない感覚と両方の感覚が俳人には必要だと思います。

蝋梅の夕日隠れに匂ひけり

今週も忘年会・・・寒い、眠い、煙い、お仕事の忘年会。
作り笑いもせねばならない。

夏草をちぎれば匂う生きに生きん 細見綾子