8月2日

2009-08-02 07:53:19 | Weblog

         ( 酔芙蓉 )

 

酔芙蓉白雨たばしる中に酔ふ         水原秋櫻子

 

白といふはじめの色や酔芙蓉          鷹羽狩行

 

曲らねば町を出る道酔芙蓉          鈴木俊策

 

待ちびとを持たぬ気やすさ酔芙蓉             岩切青桃

 


★ いつもより一日遅れで俳誌が届く、今月号栗田主宰の第四句集「海光」の特集
で様々な方が鑑賞を寄せている。会員として末席にあっても主宰との関係は一対一
まずはその特集から読みふけています。どなたからも主宰の代表句になるだろうと
言われている一句 

    滝凍てて全山音を失へり

は勿論揺ぎ無い大きな景色がその景色を見ていない読者にも良く伝わる名句に
思いますが、私は

    へそ小さき風神雷神桜舞ふ

この一句が特に気に入っています。柴又吟行会の帝釈天での一句です。
この句会は各支部からの参加も多く多人数の句会でした。句会終了後の酒席、
まだ入会間もないので主宰の近くへ座るよう同人に促され,お話を伺いました。
お酒のせいもあって思い切って少し意地の悪い質問を承知で「なぜ中八になさった
のでしょう?」「風雷神や」なら七ですよね。と・・・・
主宰は笑ってお答えなさらなかったのです。今思えばなんて失礼な事をと恥じていますが、多人数連座の中では聞けない話もこんな時にこそ出来る、それを許されて
いる主宰の人柄の大きさに惹かれます。この句には形に拘って眼目を見失っては
いけないと教えられます。楼門の憤怒の顔の風神像,雷神像、に思っても見なかった小さな臍が見えた。そんな風に観て感じられたのも桜舞うころの旅の地に主宰の
喜びがあるからだろうと納得しています。

 へその小さき風神像雷神像桜舞ふ だから ぶれないのだろうと今更痛感し
 主宰の膝下に学ぶ喜びを感じています。
今月号の中での主宰の一文に
「何事も基本が大切です。それぞれ所属の句会でしっかりと基本を学んで欲しいと
思います。句会の指導者は繰り返し基本の大切さを説くとともに、自ら実践される事を願っています。」と公平に厚く指導されています。
ころころが最終的に結社の俳人となれるかどうかは分かりませんが、まだまだ学ぶことが多いと実感するばかりです。







 

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