( 牡丹 )
牡丹に真向ふごとき一日あり
牡丹のため朝夕を土に佇つ
日蝕の闇や牡丹の生動す
何といふ風か牡丹にのみ吹きて
牡丹七日いまだ全容くづさざる
牡丹十日母にもの言ふ如きかな
老ゆることを牡丹のゆるしくるるなり
父母と在りし日の牡丹目の前に
わが八十水色のシャツ牡丹の前 細見綾子
伊吹嶺4月号 遠峰集より
病棟にパジャマで交わす御慶かな
寒晴や日にち薬とナース言ふ
鵜の山の寒の芹煮て見舞はるる
北風をまとひて来たり見舞犬
見舞夫と分かつ節分恵方巻 谷口千賀子
牡丹に真向ふごとき一日あり
牡丹のため朝夕を土に佇つ
日蝕の闇や牡丹の生動す
何といふ風か牡丹にのみ吹きて
牡丹七日いまだ全容くづさざる
牡丹十日母にもの言ふ如きかな
老ゆることを牡丹のゆるしくるるなり
父母と在りし日の牡丹目の前に
わが八十水色のシャツ牡丹の前 細見綾子
伊吹嶺4月号 遠峰集より
病棟にパジャマで交わす御慶かな
寒晴や日にち薬とナース言ふ
鵜の山の寒の芹煮て見舞はるる
北風をまとひて来たり見舞犬
見舞夫と分かつ節分恵方巻 谷口千賀子