11月 2日

2020-11-01 13:16:11 | Weblog
                         山茶花 < 季=冬 >


     山茶花は咲く花よりも散つてゐる           細見綾子


     山茶花に遺影の眼鏡はし光る             沢木欣一


     烈公の蟄居の庭や白山茶花              栗田やすし


     山茶花や縁切状の女文字               矢野孝子


     葬の庭白山茶花に佇ちつくす             田畑 龍


     山茶花の白こぼれつぐ瑠璃光寺            福田邦子


     山茶花の真赤一輪朝の卓               花田紀美子


     白山茶花お百度石に薄日差す             菊山静枝


     山茶花の冷たさに触れ父を恋ふ            倉田信子


     湯けむりに濡れて山茶花艶めけり           前田昌子


     夕茜庭の山茶花白散らす               中山ユキ


     山茶花のこぼれし庭に陶の屑             神谷洋子



          



     山茶花に入日を惜しむ時津風             飯田蛇笏


     山茶花の咲くだけ咲いて星出づる           永井龍男


     山茶花の咲くか散るかの目白押し           武田和郎


     山茶花の散る月光に畳職               黒田杏子


     また逢へた山茶花も咲いてゐる            種田山頭火


     山茶花の夕日ひとひら剥がれけり           林 翔


     山茶花の暮れゆきすでに月夜なる           水原秋櫻子



          
コメント (2)
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