11月 17日

2020-11-16 13:47:03 | Weblog
                        八手の花・花八手 


     炭を切る筵明るし花八ッ手           沢木欣一


     空広く声たまにくる花八ツ手          細見綾子


     暗きより牛が貌出す花八手           下里美恵子


     出格子の残る商家や花八ツ手          山 たけし   


     花八手活く煤色の野焼壺            玉井美智子


     花八ツ手庫裡立て替への杭を打つ        神尾朴水


     猫出入り自在の地窓花八手           伊藤範子


     花八つ手明神下に平次の碑           日野圭子


     あと幾度訪ふ故郷や花八ツ手          小長哲郎


     白極む室生の里の花やつで           鈴木英子


     白壁の剥げし味噌蔵花八ツ手          関根近子 


     上げ舟の櫂の細さや花八ツ手          加藤ノブ子


     爪立ちて玻璃拭く巫女や花やつで        小田二三枝




          



     どの路地のどこ曲つても花八ッ手        菖蒲あや


     君発たせ来し駅裏の花八ツ手          寺井谷子


     花八ッ手生涯母は紅ささず           中嶋秀子


     出家には遺書などいらぬ花八手         無着成恭


     老いはかく音もなく来る花八つ手        林 翔


     庭先に江の電軋む花八つ手           水原春郎


     花八つ手水を貰ひに研師来る          森藤千鶴




          
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