10月9日

2009-10-09 17:42:47 | Weblog

         ( 新蕎麦 )

 

能書きは要らぬ新蕎麦打たれけり        石田郷子

 

新蕎麦や雨後の日輪のれん透く          菅裸馬

 

新蕎麦を打つ昼酒のうまき頃                        角川春樹

 

おおまかに新蕎麦きつて山ぐらし                   鈴木保彦



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10月8日

2009-10-08 20:16:15 | Weblog

        ( 台風 )

 

稔り田に雨や濡れ身の青年佇つ           寺井谷子

 

稲稔りゆつくり曇る山の国               廣瀬直人

 

堀割に台風避くるマストふゆ              亀井糸游

 

ひとりぶんの米研いでゐる台風裡           辻美奈子



 

 

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10月7日

2009-10-07 19:00:10 | Weblog

        ( 金木犀 )

 

日本列島を足早に縦断しつつある台風ですが、皆さまの周りでの被害は如何だった
でしょうか?ころころの在住の東京では深夜雷雨、朝方から大雨、昼頃まで突風
の目まぐるしい変動でした。
古くからの俳句の仲間で行っている句会の当番が私なので兼題に「台風」を閃き
ました。桜前線も紅葉前線もゆっくり進むものですが、この台風は大方一日二日で
過ぎて行きます。「台風一過」「台風裡」「台風前」「台風来」「台風圏」連衆には新鮮な
属目なような気がします。

人生の台風圏に今入りし      高浜虚子

この句にある台風圏がはたして季語として成り立つかどうかは、修業の身のころころ
には分かりませんが、もし句会にこの句が投句されていたら、ころころは頂きません
皆さんならどうでしょう?

 

金木犀風の行手に石の塀           沢木欣一

 

金木犀ふりむく季節来てをりぬ        森川光郎

 

出勤のあゆみを止める金木犀                 棚橋澄子

 

金木犀ふいに抱かれ深呼吸                   高橋静子



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10月6日

2009-10-06 17:57:58 | Weblog

      ( 茶の花 )

 

茶が咲けり働く声のちらばりて         大野林火

 

茶の花にほのとゆくての夕がすみ              飯田龍太

 

茶の花も崖も静かにこぼれゐる         水原秋桜子

 

茶の花や生きて近づく父の齢                     篠田悌二郎



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10月5日

2009-10-05 19:07:37 | Weblog

       ( 梅もどき・梅擬 )

 

兄が満56歳で亡くなった翌年,虚子の「兄のこと話せば泣くや梅擬」の句を知った。
胸に突き刺さる衝撃を受けた。前にも書いた事だが俳句という共通の思いが男兄弟
の繋がりの深さを一層強くしていたから。私には唄えない歌が有るそれは
「涙そうそう」 ・・・
虚子はこの梅擬の赤さに紅涙を思ったのだろうか?

 

梅擬つらつら晴るゝ時雨かな           川端茅舎

 

伊賀人の土間艶やかや梅擬           皆川盤水

 

兄のこと話せば泣くや梅擬             高浜虚子


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10月4日

2009-10-04 00:04:50 | Weblog

           ( 中秋の月 )

 

 昨日は家に辿り着いたのが日付の変わる少し前、とうとうブログを空けてしまう。
車を降り見上げる空には見事な満月が上がっていました。どんなに俳句が好きでも
仕事で疲れている時には俳句心に移りにくい。
今日は久しぶりに板橋区立美術館へ行ってみようと思っている。
英一蝶展が開かれている。http://www.itabashiartmuseum.jp/art/schedule/now.html

     月天心はたらくことを励まさる

 

名月や門の欅も武蔵ぶり            石田波郷

 

名月や崖に窮まる家二軒            長谷川かな

 

名月に花風といふ踊り見し            細見綾子

 

十五夜の醤油とくとく匂ひけり           岡本眸

 

十六夜の一客に焚く蔭香炉                        佐野美智

 

 

 

 






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10月2日

2009-10-02 19:38:00 | Weblog

        ( 丸葉萩 )

 

一家に遊女もねたり萩と月           芭 蕉

 

明日3日は中秋の名月・月齢による満月は4日15時頃です。
明日の夜にはお天気も回復するとか、何とか楽しめたらいいですね。
今日は仕事で大雨の竹の塚へ、ここは一茶の「やせ蛙負けるな一茶ここにあり」
「蝉なくや六月村の炎天寺」で知られる縁の地。いつか吟行地としての候補です。

 

夕月や萩の上行くおとし水           一茶

 



 

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10月1日

2009-10-01 19:21:28 | Weblog

          ( 稲架・はざ )

 

今日から10月、旧暦ならば神無月です。

 

豆稲架にとどかむばかり波の先        沢木欣一

 

しばらくは新稲架として雨はじく         能村登四郎

 

稲架の中離れ離れに遺跡あリ         深見けん二

 

島の稲架合掌に組み風に耐へ         高浜年尾



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