4月 8日

2011-04-08 00:45:50 | Weblog
            ( 花祭・仏生会*虚子忌 )

焼跡の天の広さよ仏生会             深見けん二


ぬかづけばわれも善女や仏生会          杉田久女


花祭稚児の眉墨太かりき             村山敏行


理髪師のけふも善人花祭             大部哲也


花御堂虚子一族の手につくる           山口青邨


花御堂しつらへらるゝ虚子忌待つ         池内たけし



  伊吹嶺4月号 遠峰集より 


風なりに撓りて氷柱耀へり
雪原に列車の汽笛鋭かり
太宰見し風待ち湊冬ざるる
疵残る太宰の机底冷ゆる
春を待つ駅のベンチに小座布団       鈴木みすず






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4月 7日

2011-04-06 22:30:15 | Weblog
            ( 桜 )   


へそ小さき風神雷神桜舞ふ          栗田やすし


一花よりみなぎる力初桜           稲畑汀子


家郷の夕餉始まりをらむ夕桜         大串章


初ざくら誰へともなき夜の言葉        岡本眸


まさをなる空より枝垂桜かな         富安風生




さまざまの事おもひ出す桜かな        芭蕉


 伊吹嶺4月号 遠峰集より 

太棹のじょんがらの寂冴ゆるかな
雪月夜ランプの宿の露天風呂
たばこ屋にタイルのケース軒氷柱
凧の糸スカイツリーへ伸ばしやる
梅三分風やはらかき蔵の街      佐藤とみお


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4月 6日

2011-04-05 23:44:42 | Weblog
               ( 蓮華草・げんげん・紫雲英 )


げんげ田の鋤かるる匂ひ遠くまで          阿部みどり女


げんげ野ゆく足の先まで明るくて          菖蒲あや


げんげ田や月夜ながらの花ざかり          大峯あきら


睡る子の手より紫雲英の束離す           橋本美代子


タラップを降りて紫雲英の風の中          西村和子


手に取るなやはり野に置け蓮華草          正岡子規





 伊吹嶺4月号 遠峰集より 

病院の待合室に聖樹の灯
下町や都電の柵に冬の薔薇
錫錠に注連飾らるる地蔵かな
通りゃんせの唄の小径や梅の花
針供養豆腐の角に釣りの針         武藤光晴

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4月 5日

2011-04-05 01:07:19 | Weblog
               ( ゆすら梅 )

ゆすら梅まばらに咲いてやさしけれ           国松松葉女


ゆすら梅落ちるにまかせ老二人             矢田 勝代


叱られし後の含羞ゆすら梅               藤田三郎


ゆすら梅少年にしてあるじなり             中田余瓶


伊吹嶺 4月号 遠峰集より 


雪しずる出湯の軒にランプの灯
回し飲む一升瓶や炉火明り
土間深き太宰生家の雪明り
雪しまく蔵に眠れり立侫武多
深眠る津軽の裏と寒の月           中野一灯            
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4月 4日

2011-04-03 23:04:31 | Weblog
              山吹・山吹草 )


山吹の茎にみなぎり来し青さ            細見綾子



濃山吹朝よりひかり招きよす            柴田白葉女


山吹草

杣小屋へ山吹草の雪崩咲              辻田克巳


山吹草夕日うするる隠れ里             桑山ヨシミ



窯出しの壺のかがやき山吹草            小俣幸子




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4月 3日

2011-04-02 23:00:00 | Weblog
            木瓜の花 )



花よりも水くれなゐに井手の木瓜            飯田蛇笏


木瓜咲けり続く奮もかぎりなく              岩城のり子


平氏二十三代緋木瓜つぶらにて             鷲谷七菜子


口ごたへすまじと思ふ木瓜の花             星野立子




草木瓜

木瓜咲くやなまけ教師として終る          栗田やすし


  独り言 

伊吹嶺 4月号 遠峰集より

露天湯へ真直ぐ雪の掻かれあり
ほろ酔ひの旅の寝酒や冬菜漬
裏畑に宿の女将の頬かむり
噴きあがる湯の轟きや山眠る
母が入る日のあるうちの初湯かな

経験した事の無い、大変な三月も終わり、やっと春の日差しが感じられるようになりました
多くの犠牲者が出た被災地にせめて暖かい日差しが届きますように祈るばかりです

伊吹嶺4月号が届きました。今月号には新同人競泳が掲載されています
関東支部の仲間を無理にお誘いして小江戸川越を歩いて何とか間に合った句です
投句する時には吟行の昂ぶりもありますが、こうして印刷された自句を見るとき客観的になり
今更、ああしたほうが、こうしたほうが良かったなどと,推敲不足を嘆いています


「通りゃんせ」の唄の舞台になった川越 三芳野神社

「梅の頃」
剥落のつづく鎮守や木の芽風
僧の打つ刻の早鐘春の辻
蕎麦つゆに春大根の辛味かな
芋十の干割れ看板春の風
ミュージアムとなりし酒蔵風光る
客殿に梅のほの香や羅漢寺
梅の風わたる家光産湯の間
喜多院の庭の石組み笹鳴ける

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4月 2日

2011-04-01 22:21:04 | Weblog
             ( 猩々袴・しょうじょうばかま )

城山は猩々袴ばかりかな              野沢節子


峰入のまづは猩々袴かな              矢島渚男


猩々袴能舞ふ郷を川上に              重松沙代


山陵に猩々袴威儀正す               大島民郎


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