不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

7月 11日

2017-07-11 18:27:24 | Weblog
             (  浜木綿  )


浜木綿を兵発つ駅に観たりけり           沢木欣一



浜木綿やひとり沖さす丸木舟             福永耕二



浜木綿や坐りてぬるき海の砂             長谷川櫂



浜木綿に雨走り来る岬かな             下里美恵子



浜木綿や開けつ放しの蜑の家             山本法子



浜木綿や荒垣に干す磯草履              木村仁美



浜木綿咲く神社に祀るくじら石            嶋田尚代



浜木綿や何処でも止まる浦のバス           八尋樹炎



浜木綿の白きかんざし月に濡れ             滝春一






インド浜木綿
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 10日

2017-07-10 19:27:26 | Weblog
               (  酔芙蓉  )



白といふはじめの色や酔芙蓉              鷹羽狩行



恋ならぬ逢瀬もありぬ酔芙蓉              松永静雨



白きまま雨に昏れゆく酔芙蓉              矢野孝子



深川や樽に咲かせし酔芙蓉               関根切子



ロゼといふ色に出でたる酔芙蓉             後藤比奈夫



酔芙蓉根こそぎ掘つて足場組む             伊藤範子



酔芙蓉まだほろ酔の塀の上               中根多子



はなびらを風にたゝまれ酔芙蓉              川崎展宏



志士駈けし伏見の路地に酔芙蓉             巽 恵津子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 9日

2017-07-09 05:07:20 | Weblog
            (  浅草寺四万六千日・鬼灯市・酸漿市  )


今日9日、10日は浅草浅草寺の四万六千日。このご縁日の日に御参りをすれば四万六千日の
功徳を得られると言い伝われています。雷除けの御守の授与もあります




ほほづき市のほほづき雨に濡れて来し          細見綾子



炎立つ四万六千日の大香炉               水原秋桜子



鬼灯市はずれに灯す洋食屋                山崎祐子



四万六千日誰が面影とすれちがう             八代敏子



スカイツリー四万六千日の晴れ              佐藤とみお



宅配便のコーナー立ちて鬼灯市               森 啓子



風煽る四万六千日の雨                  中山敏彦



いつからか都電なき町鬼灯市                山越渚





どの顔も浅草の顔四万六千日

幼名で酸漿市に待ち合はす                こころ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 8日

2017-07-08 17:38:44 | Weblog
            (  青田・青田道・青田風・青田波  )



家裏の青田水張り男子生る              栗田やすし



青田風吹く一村の大藁屋               吉光 久馬



日本海青田千校の裾あらふ              能村登四郎



青田波ポンプ小屋へと寄せにけり            大野信子



信濃路や青田真中に村の墓              藤田岳人



ふる里や下駄つつかけて青田道            佐々木美代子



青田道隠れ聖徒のまで              服部鏡子



老いまじき手元鯉切る夕青田             細見綾子



舷側の西日の透きに能登青田             沢木欣一        




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 7日

2017-07-07 18:26:15 | Weblog
            (  乞巧奠・七夕  )



写真は東京杉並の大宮八幡宮で平安の七夕・乞巧奠飾。平安時代には七夕を乞巧奠(きっつこうでん)とも
呼ばれていました
旧暦7月7日の行事・秋の季語です
乞巧奠は我が国の棚機つ女の信仰や中国の織女・牽牛の星祭りが重なり、宮中を中心に技芸の上達を祈る
七夕行事として行われていたもので、短冊のルーツと云われる梶の葉や紙垂を四方にめぐらせ、
詩歌・管弦・裁縫などの上達を祈り筆硯・雅楽器・糸などをお供えしてお飾り致します。
併せて、神門前には梶の葉や五色の布を垂らし平成の七夕・大宮八幡「乞巧潜り」が設えられ、
これを潜ることにより技芸の上達を祈ります。(大宮八幡宮HPより)
笹に飾る短冊の色にもそれぞれの意味が有り、願い事によって短冊の色を選んで飾ります。



乞巧奠願ひの糸の絹の艶           中尾杏子



今昔のためしをひきし乞巧奠         筑紫磐井



朗詠す乞巧奠の捧げ歌            高橋淡路女






緑(青)= 人間性の向上  = 仁
赤   = 感謝のこころ  = 礼
黄   = 信頼の気持ち  = 信
白   = 義務や規律   = 義
紫(黒)= 学業の向上   = 智


子と飾る七夕妻に姉妹なし          栗田やすし



七夕竹弔旗のごとし原爆地          沢木欣一

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 6日

2017-07-06 18:32:23 | Weblog
             (  入谷朝顔市  )



東京の風物詩、入谷鬼子母神の朝顔市が始まりました
ご承知の通り「朝顔」は秋の季語となっていますが
朝顔の別名が牽牛花、この牽牛は七夕の彦星の別称ですから
七夕に縁深い花と言えましょう
その7月7日の七夕を挟んで今日6日から8日までの開催となります



朝顔市団十郎の渋きさま             小西和子



下谷二丁目朝顔市へ路地抜けて          坪見美智子



着流しの小粋な会釈朝顔市            岸本典子



朝顔市明日咲く莟選りて買ふ           川瀬清子



切火せし朝顔市の護符賜ふ           佐藤とみお



始発電車の窓明け朝顔市に行く          菖蒲あや



鬼子母神朝顔市で賑はへり           福田邦子



狭き道狭め朝顔市の立つ             内田喜美子



寂庵に入谷朝顔市の鉢              茂里正治







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 5日

2017-07-05 19:39:26 | Weblog
               (  卯の花・空木の花・花空木・卯の花腐し  )




卯の花や白川郷へ橋一つ              栗田やすし



ひらくたび卯の花を擦る鉄扉かな           正木ゆう子



藤腐し卯の花腐しつづく谿              福永耕二



卯の花におそき田植をしてゐたる           細見綾子



師の庭の光あふるる花卯木              長江克江



卯の花や釣瓶井残る生家跡              佐藤とみお



いぼ神の丹塗りのほこら花卯木            牧野一古



卯の花や喘ぎて登る謡坂               河合義和



白河の関の卯の花腐しかな              沢木欣一




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 4日

2017-07-04 18:51:38 | Weblog
              (  沙羅の花・夏椿  )



あはあはと沙羅の花びら空にあり           沢木欣一



石段の先に石段夏椿                  鈴木 叔



沙羅の花捨身の落花惜しみなし             石田波郷



真言の寺の奥なる夏椿                 多摩 茜



晩鐘の響く棚田や沙羅の花              八尋樹炎



夏椿もて染上げし作務衣かな              山田弘子



本堂に遠き潮騒沙羅の花               武藤光晴



古備前の壺に一輪夏椿                鈴木みすず



沙羅散るや鑑真廟の苔の上              角田勝代



歳月の石段まろし夏椿                 日浅千恵子






姫沙羅の花


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 3日

2017-07-03 19:48:47 | Weblog
             (  蟻地獄  )



西行堂裏も表も蟻地獄              角川照子



否応もなく落されて蟻地獄            鷹羽狩行



蟻地獄火伏の神の縁高き             半田順子



祇王祇女屋敷跡なる蟻地獄           下里美恵子



寺の子の遊び上手や蟻地獄            橋本榮治



雑居房の床下あまた蟻地獄            武田稜子



蟻地獄すれすれに蟻働けり            加藤かけい



蟻地獄長屋のごとく並びけり           日原傳



降り出しの雨が崩せり蟻地獄           関根近子










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月 2日

2017-07-02 06:07:55 | Weblog
             (  半夏・半夏生・半夏雨  )



半夏生は夏至を3つに分けた最後の3分の1の期間ことを指します。つまり、夏至から数えて
11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間が半夏生です
このころ半夏(烏柄杓・ドクダミ科の多年草)が生ずるのでこの名があるといいます




足萎えの母へ文書く半夏生               栗田やすし



ねじり切る陶土冷たし半夏生               梅田 葵



半夏雨雀とび込む閻魔堂                 芋川幸子



哲学の径に迷えり半夏生                 榎戸雪夫



赤松の赤に見惚るる半夏生                沢木欣一






半夏生草・片白草・烏柄杓

片白草式部職なる鵜匠の家                田中英子



小倉山の水引く寺や半夏生草               水野加代



山頭火句碑に半夏の花ゆらぐ               岸本典子



片白草活けて明るき詩仙堂                倉田信子




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする