6月 20日

2023-06-20 06:44:01 | Weblog
                   萱草(かんぞう)の花・忘草・野萱草・藪萱草



          ユリ科の多年草。道端や田の畦などに咲く。八重咲きがヤブカンゾウで、一重咲きはノカンゾウと呼ばれる
          中国の帰化植物の一つで別名忘れ草という。花の美しさにウサを忘れるからと言う説もある



          萱草の捧げたる朱に帰り来し           細見綾子


          御前崎浜萱草の濃かりけり            中村たか


          野萱草(かんぞう)ポトマス河畔うめつくす    河村恵光


          氷室跡藪萱草の野となれり            上田博子


          蝦夷萱草岬に海人の墓二つ            山本悦子


          野萱草明し観音像の裾              巽 恵津子




                    

                          藪かんぞう


          萱草やこゝに芽をふく忘草            正岡子規


          花萱草どこも崖なす海女のみち          和泉 好


          野萱草もつてのほかの恋をして          大石悦子


          野に咲いて忘草とはかなしき名          下村梅子


          狐啼く神威岬の花萱草              井村和子


          今日をうたえ藪萱草の百の舌           豊口葉子




                    


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6月 19日

2023-06-19 04:14:23 | Weblog
                        目高・緋目高・白目高・目高捕り



          赤目高針のごとき子生れたり           細見綾子


          石臼の目高に足せり日向水            栗田やすし


          大甕は唐三彩や目高棲む             国枝隆生


          人住まぬ家の大甕目高生る            長江克江


          朝市やペットボトルに目高売る          奥山ひろ子


          糸尻に祖父の刻印目高生ゆ            市川正一郎




                    



          一ひらの花にあつまる目高哉           正岡子規


          めだか散り少しは見ゆる池の底          桂 信子


          緋目高と思ひてゐたりあらし山          岡井省二


          菱の中に日向ありけり目高浮く          村上鬼城


          初目高二つの影の始めより            百合山羽公


          目高孵る塵のごときが飛びちがひ         野澤節子




                    


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6月 18日

2023-06-18 05:38:01 | Weblog
                         父の日



          父の日の娘と酌み交はす赤ワイン         栗田やすし


          父の忌は父の日雨の降り止まず          関根切子


          父の日や嫁ぎ来る子に貰ふ酒           武藤光晴


          父の日や寝椅子に夫のコンサイス         内田陽子


          父の日や地球に戦禍絶えぬ日々          櫻井勝子


          父の日に娘好みのシャツ届く           森垣一成




                    



          父の日や朝一番に子の手紙            今泉貞鳳


          父の日の隠さうべしや古日記           秋元不死男


          男子厨房に入る父の日の独り酒          水原 春郎


          父の日や母も画いて似顔展            松沢佐多子


          緑濃き朝の雨降る父の日よ            菖蒲あや


          胸中の父と父の日語らはむ            大橋敦子
 




                    

                       父子草


 
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6月 17日

2023-06-17 07:11:30 | Weblog
                           捻花、文字摺草



          鵜の塚に群ら咲きゐたりねぢり花         片山浮葉


          雨誘ふ風の匂ひや文字摺草            国枝洋子


          道三の首塚小さし捩れ花             上村龍子


          捩花の天へ行きつく小虫かな           中川幸子


          ねぢれ花芝生に一本残し置く           石原進子


          関跡に捩りゆるびし文字摺草           野島秀子




                



          文字摺の階を下りゆく雫かな           阿波野青畝


          ねぢ花をゆかしと思へ峡燕            角川源義


          ねぢれては焔のぼるよ文字摺草          山口青邨


          捩花を摘めば蜜恋蜂が従く            平畑静塔


          捩花の影も捩れてをりにけり           高須賀恵美子


          もじずりの花の恋歌なかりしや          大谷ふみ子




                    



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6月 16日

2023-06-16 04:54:40 | Weblog
                     罌粟の花・罌粟の実・罌粟坊主・芥子の花



          白芥子を賞でたる眉や背には海          細見綾子


          旅の子の便り短し罌粟の花            栗田せつ子


          風の来て忽と鬼罌粟揺らぎけり          武藤光晴


          江の電は風の径なり花ポピー           野島秀子


          綾子師の墓訪ふ道辺芥子の花           佐藤とみお


          罌粟の花路上に娼館案内図            武田稜子




                    



          午後の日の暈に僧院は罌粟咲けり         水原秋櫻子


          スケッチの鉛筆軽し芥子然り           阿波野青畝


          罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき         橋本多佳子


          ただふかき睡りを欲りす罌粟の前         能村登四郎


          めんどりの首立ててゐる罌粟の昼         鷲谷七菜子 


          午後からは頭が悪く芥子の花           星野立子




                    



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6月 15日

2023-06-15 06:12:06 | Weblog
                         蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華


                     



          てのひらに蓮の紅玉つゝみたし          沢木欣一


          蓮ひらく祈りの十指解くやうに          伊藤範子


          明日咲くか蓮の蕾のふくよかに          横井美音


          白連の大揺れしたり一揆寺            中斎ゆうこ


          群生の蓮に湖国の風荒し             巽 恵津子


          伸びきつて大蓮の花せめぎあふ          幸村志保美




                    



                    



          蓮の花さくや淋しき停車場            正岡子規


          一つづつ夕影抱く蓮かな             高浜虚子


          ほのぼのと舟押し出すや蓮の中          夏目漱石


          水暗し葉をぬきん出て大蓮華           杉田久女


          くれなゐの蓮鑑真のために咲く          津田清子


          古代蓮宝珠のごとき蕾あぐ            伊東とみ子




                    


                  古代蓮・大賀蓮
                  古代のハスの実から発芽・開花したハス(古代ハス)。1951年(昭和26年)、
                  千葉県千葉市検見川(現・千葉市花見川区朝日ケ丘町)にある東京大学検見川厚生農場
                  (現・東京大学検見川総合運動場)内の落合遺跡で発掘された経緯から「検見川の大賀蓮」
                  として千葉県の天然記念物に指定されている。





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6月 14日

2023-06-14 06:07:41 | Weblog
                            桑の実・桑苺



          葉をしきて熟れし桑の実とどけたる        細見綾子


          遠き日を語りて摘めり桑苺            国枝洋子


          たはむれに桑の実を食み渡船待つ         河合義和


          遠くなる母なき故郷桑苺             上村龍子


          萱屋根に山桑熟れし実をこぼす          山本悦子


          傘の柄で引きて摘みたり桑苺           山崎文江




                    



          桑の実の紅しづかなる高嶺かな          飯田龍太


          柵に打つ牛の表札桑苺              鈴土郁子


          桑の実の少年の日を口中に            黒坂紫陽子


          桑の実や轆轤たちまち壺をなす          吉良 蘇月


          桑の実の熟れて靄立つ高嶺村           飯島 愛


          山桑の実をふくみつつ熔岩の道          大久保幸子




                    



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6月 13日

2023-06-13 05:57:37 | Weblog
                    茄子・鴫焼・茄子漬・初茄子・焼茄子・なすび



          故郷の日やけの茄子を送り来し          細見綾子


          二人居の安らぎ茄子の一夜漬           国枝隆生


          茄子太る波音近き海女の畑            掛布光子


          雨粒を零して採れり初茄子            小原米子


          片減りの鍬で土寄す茄子の畝           村崎妙子


          焼き茄子の一品で足る独り者           兼松 秀




                    


                    



          ふるさとや支へ木しかと茄子実り         鈴木真砂女 


          犬の背で濡手拭ひて茄子を買ふ          加藤秋邨 


          ひとくち茄子ひとくちほどの紫や         能村登四郎


          古事記伝読みし夜は茄子鴫焼に          有馬朗人


          もぎたての茄子の紺や籠に満てり         星野立子


          漬茄子の色あざやかに嫁かずあり         菖蒲あや




                    


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6月 12日

2023-06-12 06:53:34 | Weblog
                         胡瓜・胡瓜もみ・一夜漬



          崖下に異形の胡瓜露厚く             沢木欣一


          丹精の胡瓜見事に反り返る            武藤光晴


          駅弁の蓋に分け合ふ胡瓜漬            奥山ひろ子


          糠漬の胡瓜の艶や母の味             太田滋子


          朝採りの細き胡瓜に花残る            花村富美子


          モンゴルの岩塩かけてきうり食ぶ         鈴木久子




                    


                    



          青き胡瓜ひとり噛みたり酔さめて         加藤楸邨


          食卓に夫がゐる夜の胡瓜もみ           西村和子


          マニキュアの指をどらせて胡瓜もむ        副島いみ子


          しの字曲りのの字曲りの胡瓜かな         辻 桃子


          一雨去り一雨また来る胡瓜揉み          角川春樹


          輪にもせず竪にもわらず胡瓜哉          正岡子規




                    


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6月 11日

2023-06-11 06:04:05 | Weblog
                           梔子の花・花山梔子



          梔子の花や帯屋の長暖簾             河原地英武


          月光に浮きて梔子匂ひ濃し            金田義子


          梔子の渦にとどまる昨夜の雨           伊藤範子


          舞稽古終へ梔子のよく匂ふ            大島知津


          夜の公園梔子の香の濃いかりけり         山下 護


          くちなしの花の真白や兵の墓           奥山ひろみ




                    

                      八重咲きくちなし



          錆びてより梔子の花長らへる           棚山波朗


          山梔子の花の晴間へ乳母車            中村汀女


          地震の中山梔子の香のはげしさよ         石田波郷


          中山道山梔子こそは人の魂            金子兜太


          くちなしの逢魔が時をしろじろと         下村梅子


          今朝咲きし山梔子の又白きこと          星野立子




                    


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