10月 21日

2024-10-21 04:54:33 | Weblog

                           石蕗の花・つはぶき

                           <季=冬>

 

 

 

                     

 

 

 

          石蕗卑し湯屋の煙の一すじに          沢木欣一

 

          石蕗の花の大株昔のまま            細見綾子

 

          徳川の蔵書の匂ひ石蕗の花           栗田せつ子

 

          石蕗日和窯小屋で聴くジャムセッション     矢野孝子

 

          石蕗咲いてぬくき日差しの二三日        下里美恵子

 

          嫁ぐ子にたつる朝湯や石蕗の花         花村登美子

 

 

 

                     

 

 

 

          つはぶきはだんまりの花嫌ひな花        三橋鷹女

 

          仏心のそこらに咲いて石蕗の花         森 澄雄

 

          一人来て一人去る島石蕗明り          中嶋秀子

 

          石蕗咲いて生家の間取おもひ出す        能村研三 

 

          石蕗咲くや裏口に入る母のみち         小檜山繁子

 

          蝶の黄を淡しと思ふ石蕗の花          五十嵐播水

 

 

 

                     

 

 

                      サイトから一部資料・写真お借りしています 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 20日

2024-10-20 04:24:38 | Weblog

                             黄葉・黄葉期

 

 

 

                     

 

                       沢ぐるみ

 

 

 

          倉庫裏銀杏黄葉が明るくす            沢木欣一

 

          いち早く黄葉したりむかご蔓           細見綾子

 

          無患子の黄葉明りに雀くる            栗田やすし

 

          みよしのの渓の深さよ葛黄葉           金田義子

 

          欅黄葉観音様は留守なりし            磯田なつえ

 

          ぶな黄葉透かし津軽の海光る           船橋 良

 

 

 

                     

 

                       ゆりの木

 

 

 

          アカシヤの黄葉まみれの巴里雀          林 翔 

 

          片削ぎのままの歳月栃黄葉            福永耕二

 

          黄葉描く子に象を描く子が竝び          稲畑汀子

 

          黄葉を見よと硝子を拭きくるる          石田波郷

 

          ポプラ黄葉より平らな雲の湖に伸ぶ        大野林火 

 

          まんさく黄葉頭にしみる頭にしみる        金子兜太

 

 

 

                     

 

 

 

                     

 

 

 

                      サイトから一部資料・写真お借りしています 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 19日

2024-10-19 05:13:58 | Weblog

                         柿干す・吊し柿・柿すだれ

 

 

 

 

                

 

 

 

          雪来るを待つとしもなく柿干して        細見綾子

 

          柿干すや軒の蜂巣に蜂居らず          栗田やすし

 

          餘部の高き波音柿を干す            河原地英武

 

          不揃ひに吊る民宿の柿すだれ          篠田法子

 

          百目柿あるだけ吊し甲州路           大谷みどり

 

          波静か伊根の舟屋に吊し柿           白鳥光枝

 

 

 

 

                

 

 

 

          藁くづのついて干したて吊し柿         星野立子

 

          柿簾ひとつこぼれてころがれる         長谷川櫂

 

          柿干してなほ木に余る伊賀の国         森 澄雄

 

          縁側は母の仕事場吊し柿            高橋悦男

 

          吊し柿空見る窓は残し置く           笠井清女

 

          三日目といへる朱さの吊し柿          片山由美子

 

 

 

                

 

 

 

                  サイトから一部資料・写真お借りしています  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 18日

2024-10-18 04:38:59 | Weblog

                            撫子・なでしこ

 

 

 

             秋の七草のひとつ「撫子」です万葉集の中にも多く歌われています

             河原撫子(大和撫子)は「撫でし子」を掛詞にすることが多いそうです

             また源氏物語には「撫子(なでしこ)」と「常夏(とこなつ)」の花が登場します。

             ナデシコは開花期が5~10月と長く、夏の間も咲くことから古くはトコナツとも呼ばれていましたが

             頭を撫でたくなるほどのカワイイ子」から小さな子供に対して使い、「トコナツは、床懐かしい」から

             大人の女性に対して使う言葉ということです

 

 

 

                

 

 

 

          撫子の花野浄土となりにけり          沢木欣一

 

          撫子の句碑になでしこ早や咲きて        細見綾子

 

          尼御前の海へ撫子投じけり           中川幸子

 

          撫子に雨脚強し休め窯             長江克江

 

          撫子の白も咲きけり母の畑           松永敏枝

 

 

 

                

 

                  虫取り撫子

 

 

 

          酔うて寝むなでしこ咲ける石の上        松尾芭蕉

 

          露の世や露のなでしこ小なでしこ        小林一茶

 

          撫子や上野の夕日照り返す           正岡子規

 

          撫子や高野の道の地蔵堂             河東碧梧桐

 

          撫子も草の庵も富士のもの            高浜虚子

 

 

 

                     

 

                       蝦夷撫子(浜撫子)

 

 

 

                      サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 17日

2024-10-17 04:45:42 | Weblog

                       棉・棉摘・棉吹く・棉取・棉の桃

 

 

 

             棉吹く/棉の桃/綿の実. 棉の蒴果が裂けて中の棉がふきだすこと、コットンボールといわれ

             コットンボー ルといわれる実が桃の形状に似ていることから、「桃吹く」 とい われる

             棉・綿(めん)とも言う。摘み取った状態までのものが棉、種子を取り除いた後の状態のものが綿だが、

             区別しないことも多い。

 

 

 

                     

 

 

 

          細々暮らす人が作りしか畑の棉         細見綾子

 

          綿弓を打ちたる宮司綿まみれ          牧野一古

 

          綿の実のはじけて峡の日和かな         日野圭子

 

          束ね干す棉に陽の差す庫裏の軒         松平恭代

 

          棉吹くや一際あをき朝の空           加藤ゆうや

 

          棉摘むや窯の煙突見ゆる畑           長江克江

 

 

 

               

 

 

 

          棉摘むや黄河が吐きしこの泥土         加藤秋邨

 

          紡げよと棉ことごとく吹く荒地         正木ゆう子

 

          山あれば富士と名づけて棉を摘む        木村要一郎

 

          二つ三つ棉吹く学級花壇かな          高須禎子

 

          棉吹くや母が遺愛の糸車            栗田素江

 

          ブラジルの広さは知らず棉を摘む        森田 峠

 

 

 

                     

 

 

                     

 

                         棉の花

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 16日

2024-10-16 04:50:37 | Weblog

                      菊・菊日和・菊の宿・菊作り・菊の香

 

 

 

                     

 

                        泡黄金菊

 

 

 

          菜畑に黄菊一うね上越線            細見綾子

 

          菊の香や加賀の鶴来の板庇           栗田やすし

 

          漱石と話したきこと菊日和           河原地英武

 

          子の婚に集ふうからや菊薫る          武藤光晴

 

          磯菊や藍深みたる伊豆の海磯          山本法子

 

          佐渡今日は見えし弥彦の菊日和         ころころ

 

 

 

                     

 

                        磯菊

 

 

 

          つくばひをうつ鶺鴒や菊日和          水原秋櫻子

 

          あまたなる菊の一つに日が当る         林 翔

 

          菊日和いづこにゆくも子が重荷         福永耕二

 

          ふるさとに母は健やか菊咲けり         伊藤敬子

 

          百々御所を曲りて路地の菊日和         古賀まり子

 

          抱かれてもかのひとを恋ふ夜の菊        谷口桂子

 

 

 

                     

 

                         浜菊

 

 

 

               

 

                   段菊

 

 

 

                      サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 15日

2024-10-15 04:52:43 | Weblog

                     榠樝の実・かりん・花梨・唐梨・きぼけ

 

 

 

                

 

 

 

          くわりんの実教材につき盗るべからず       沢木欣一

 

          くわりんの実風のみがきし艶もてる        細見綾子

 

          榠樝の実海を隔てし子に送る           栗田やすし

 

          榠樝の実傷深くして空青む            下里美恵子

 

          手びねりの茶碗いびつやくわりんの実       長崎眞由美

 

          歪みなきものは鬼つ子榠樝の実          伊藤旅遊

 

 

 

                     

 

 

 

          かりんの実どれも歪めば安心す          鍵和田釉子

 

          三つ四つは数へてさびしくわりんの実       森 澄雄

 

          黄のかりん仏頂面をころがしぬ          野村光子

 

          花梨の実高きにあれば高き風           池上樵人

 

          ぴちぴちとくわりん青實に雨跳ねて        高澤良一

 

          青かりん大きな滝に供へけり           岸本尚毅

 

 

 

                

 

 

 

                 サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 14日

2024-10-14 04:48:49 | Weblog

                     瓢の笛・ひよんの実・いすのき・ひよんのき

                      <季=晩秋>

 

 

 

             瓢の木とも呼ばれる柞(いすのき)という常緑高木にできるのが瓢の実。 実といっても、

             実体は秋に柞の葉で作られる虫瘤、アリマキの巣です。 虫が出たあとにあいた穴に口をつけて吹くと、

             ヒョウヒョウと鳴るので「ひょんの笛」と呼ばれています。写真は愛知の俳句友達から頂いたものです

 

 

 

                     

 

 

 

          ひよんの笛杜国の墓へひびきをり        福田邦子

 

          ふるさとの風の音なり瓢の笛          近藤文子

 

          ひよんの実を吹けば夕暮近くなる        井沢陽子

 

          陶土谷見下ろし吹けり瓢の笛          小柳津民子

 

          ひよんの実を鳴らすみやらび句碑の前      小島千鶴

 

          おほかたは吐息の音よ瓢の笛          ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          はればれとはぐれゆきしか瓢の笛        飯島晴子

 

          瓢の笛五つに音色五つかな           山田弘子

 

          ひよんの実や山の厠へ雨の跳ね         手塚美佐

 

          心して吹けば妙なり瓢の笛           小路紫峡

 

          瓢の実を貰ひて縁生れけり           星野 椿

 

          ひよんの笛鳴らす傘寿の同窓会         中山 杲

 

 

 

                     

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています          

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 13日

2024-10-13 05:33:05 | Weblog

                               新豆腐

 

 

 

            「新豆腐」(しんとうふ)とは、今年収穫した大豆によって作られた豆腐のことです

 

 

 

                

 

 

 

          新豆腐固きを喰めば夜の鳥           沢木欣一

 

          うすもみぢせし山水の新豆腐          細見綾子

 

          新豆腐母の齢の倍生きて            佐藤とみお

 

          新豆腐馬穴に届く河原茶屋           森 靖子

 

          新豆腐震えて沈む水の底            足立サキ子

 

          穴多き新豆腐買ふ和紙の里           田畑 龍

 

 

 

 

                

 

 

 

          僧堂の飯の白さよ新豆腐            水原秋桜子

 

          高原の戸に物売りや新豆腐           星野立子

 

          沈むまで風に吹かれて新豆腐          今瀬剛一

 

          新豆腐ビルの谷間に商へり           堀之内和子

 

          さいのめの花びらめきて新豆腐         鷹羽狩行

 

          山国の竹箸太し新豆腐             茨木晶子

 

 

 

                

 

 

                 サイトから一部資料・写真お借りしています

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月 12日

2024-10-12 04:28:22 | Weblog

                            銀杏・銀杏の実

 

 

 

                

 

 

 

          いてふの実ここぞと落ちてゐたりける      細見綾子

 

          銀杏落つ仏足石の指の窪            栗田やすし

 

          銀杏や熟読したるレシピ本           河原地英武

 

          銀杏を拾ふ銀行街に住み            伊藤範子

 

          銀杏の実傘撓ませて弾みけり          武藤光晴

 

          青シート広げ銀杏打ち落す           櫻井勝子

 

 

 

                

 

 

 

          お寺はしづかなぎんなん拾ふ          種田山頭火

 

          ぎんなんをむいてひすいをたなごころ      森 澄雄

 

          宮守のぎんなん莚乾しひろぐ          石塚友二

 

          軋みあふ新ぎんなんの象牙玉          百合山羽公

 

          ぎんなんを焼きてもてなすまだぬくし      星野立子

 

          ナース来て銀杏拾ふ夜勤明け          下山宏子

 

 

 

                

 

 

                  サイトから一部資料・写真お借りしています

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする