学生時代の締め括りに九州を訪れた際、鳥栖で乗り換え長崎に行き、また長崎から熊本、鹿児島に向かう際に通過したことはある。けれども、佐賀を目的地にしたことはなかった。
佐賀と言えば、はなわさん、「がばいばあちゃん」、そして、吉田修一さんの『悪人』を思い出す。有田とか伊万里とか有名な焼きものの産地もあるけど、正直、存在感が希薄だ。
さて、土曜日はバレーボール観戦後に会場からホテルまで1時間以上てくてくと歩いたのに、賑わいのある場所は駅の構内くらいだっただろうか。一見客にはわからない場所があるのかもしれないけど、それにしても寂しい。昼間,、乗り合いタクシーの車窓から眺めただだけたけど、映画『悪人』に登場した佐賀駅前がそのままあったくらいしか印象にない。
結局、夕食はホテルの和食処でいただいた。一流ホテルの系列だけあって、料理は美味しく、また女将さんはじめ店員さんのサービスも良かった。それは、食事代に課されるサービス料以上だったと思う。それでも、地元に根付いたお店の暖簾をくぐってみたかった。
翌日、ホテルからすぐ近くの巨大な建物が目に留まった。佐賀県庁だった。城跡に建てたからだろうか、街並みと比べてあまりにも立派なのに驚いた。
一方で、中心市街地と言えるような場所は前の晩歩いていてもなかなか見つからなかった。こちらはその時に訪れたアーケードを日曜の朝に撮ったものだけど、朝だからシャッターが閉まっているのは当然としても、寂しい。昔は右側の空地(駐車場)にも店舗が立ち並び、
行ったのは随分前になるけど、熊本・天草の本渡や高知の中村などと比べても、街に賑わいがない。もしかしたら気づかなかっただけなのかもしれないけど、どこで食事をしようかと観光情報やGoogleマップなどを見ても確認できなかった…
駅前も再開発の考えがあるのかもしれないけど、広い駐車場となっている現状はやはり寂しい。九州新幹線長崎ルート開通の暁にはこの場所に新たなビルが建設されるのかもしれない。でも、それではただの点になってしまう。
一方で、広い道路を隔てた反対側、市役所のすぐ脇には、話題のJAがあった。公共事業と農業、どちらもカンフル剤として税金を注ぎ込む仕組みは同じなのかもしれない。
何となく、この県の位置づけが見えた感じがした。JAについては僕の中で賛否がはっきりしていないけど、原発やオスプレイの配備などに頼らざるを得ないというか、これらを含めた公共事業を拡大することで経済を回しているのだろう。またそのおこぼれで政治家が甘い汁を吸っているのではないかと想像してしまう。
このような状況だからこそ、日本中で同じ問題を抱えている街の先陣を切ってその解決に取り組むことが出来るかもしれない。だから、部外者であることを承知の上で、敢えて書かせていただいた。