踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

核兵器・原発・再エネの波間に漂う青森県(2023年7月1日号記事)

2023年09月15日 | 環境・エネルギー
核兵器・原発・再エネの波間に漂う青森県

 この1か月の間に、後世にまで影響を及ぼす重大な出来事が相次いでいる。

 5月の広島サミットでは、あろうことか核抑止論が肯定され、明文化された。この論理の中にいる限り核兵器の廃絶は不可能だが、核保有国が自ら否定すれば保有する核兵器は無意味となるので、この結果は最初から見通せていたはずだ。岸田首相は広島の地で「核兵器永続宣言」を残した。

 5月末には原発活用を掲げたGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が成立した。「原子力の憲法」と呼ばれる原子力基本法にも手を付け、原発活用を国の責務と位置づけ、原子力事業を国が将来まで支えることを明確にした。岸田政権による「原発永年持続法」の完成である。

 6月に入り、予想通りの大差で宮下氏が県知事に選出された。保守系市長対決という構図の中で、原発・核燃問題は争点とされず、共産党候補に投票したのは有権者の1%で、泡沫候補の0.5%と大差なかった。

 三村前知事は、福島原発事故後の民主党政権における議論の際にテーブルを叩いて怒りをあらわにした場面を除けば、規制当局の議論を待ちながら、自ら判断せず問題を先送りにするかのような姿勢に終始した。

 一方、宮下新知事は立地4市町村の代表として発言し、選挙戦の中でも推進姿勢を明らかにしてきた。とは言え、この問題は既に行き詰まっており、知事や法律が変わろうとも、状況が変化するわけではない。

 その宮下氏の公約の中に、再エネ推進のためのゾーニング条約が掲げられた。原発反対・再エネ推進の環境派が「八甲田だから」絶対反対を叫ぶ姿を奇異に感じなかっただろうか。横浜町なら良くて八甲田なら全てダメなのか、論理性や説得力に欠けた。ゾーニングは宮下氏のオリジナルではなく、久慈市では実証事業で報告書も出されている。青森県はここでも周回遅れだったのだ。

(青森県保険医新聞7月1日号掲載)

自由研究「八戸の夏は暑くなっているか」1951〜2018年の最高気温の分析から

2018年10月04日 | 環境・エネルギー
<結論>
1)7月は暑くなっている可能性が高いが、比較期間の設定により変化しうる
2)8月の傾向はこの検討では何とも言えないが、
3)ヤマセの影響もあり変動が大きく、8月後半でも暑くなることもある
4)熱中症の危険性を考えると八戸三社大祭は9月にすべき

<方法>
気象庁のサイトから1951年〜2018年の7/1-8/31の最高気温をダウンロードし、エクセル上で整形し、1951-2010年の最高気温の平均、最高、最低、2011-18年の最高気温、平均を算出
WBGTは熱中症サイトからダウンロード(7/1-8/31)

<結果>
図1 1951-2010年の最高気温の最高、平均、最低(各太線)の上に、2011-18年の最高気温を重ねてみた

変動が大きく、一見して何かの意味を読み取るのは難しい。
7月は平均(黄色)よりも上に偏っているように見える。
8月は2017年(オレンジ色の太線)のように低温が続いた年もあり、変動が大きく傾向は読み取れない。

図2 2011-18年も平均してみた(オレンジ色)

特に7月から8/5頃にかけて、黄色より上の部分が大きくなっているが、8/20過ぎの数日も高くなっているように見える。比較期間が前者は60年、後者は8年なので、今後の傾向を追加していかないと(あるいは比較期間を変えてみないと)なんとも言えない。

図3 7月の最高気温の平均

各年の平均最高気温の推移と、その平均。51-10平均(緑)と比べて、11-18平均(黄色)は高くなっているように読み取れるが、これも比較期間の選定により変わり得る。

図4 8月の最高気温の平均

こちらは、各年の推移と平均値(過去60年間と最近8年間)を見て、明らかな傾向は指摘できない。

表1 7月と8月の最高気温の平均

以上を数字で示すと、7月は平均で1度以上高くなっているが、8月はほとんど差がない。

図5 三社大祭開催期間(8/1と8/3)の最高気温

1970年代半ばにも高温の時期があったことが示されている。1990年代後半以降は、ほぼ隔年で32℃以上に上がっている。

図6 かつての三社大祭開催期間(8/21と8/23)の最高気温

「8/1と8/3」に比べると32℃を超える日数は明らかに少なくなっているが、数年に1回は2日のうちどちらかが32℃を超えていることが読み取れる。

表2 7/31-8/4の最高気温

図2のうち、現在の前夜祭〜後夜祭の期間(7/31-8/4)を表にすると、過去の最高気温がいずれも34℃を超えており、過去最高の37℃(1978年)を記録したのもこの期間である。図2をみてわかる通り、この期間が最も最高気温が高い時期であり、屋外で長時間の活動を強いられる祭りをあえて期間に実施する危険性について厳しく再考すべき。

表3 8/20-8/24の最高気温

同様に8/20-8/24を表にしてみると、過去60年間では平均が26℃台かそれ以下であるのに対し、直近8年間のうち4日で27℃か28℃を超えている。2018年の最高気温はこの期間に観測されており(図1)、7/31-8/4よりは低くなる可能性が高いものの、変動幅が大きくこの時期が安全であるとは判断できない。むしろ、今後危険性が増ことを想定した方が良いだろう。

図7 暑さ指数(WBGT)と気温の関係

実際の熱中症対策の指標となる暑さ指数(WBGT)と気温の関係を2018年の8月に限って調べてみたが、両者はほぼパラレルに動いており、最高気温が高かった3つの時期で解離がみられるものの、WBGTが「危険」となる31℃以上に上がった日はなかった。ただし、8/1と8/20過ぎの時期は「厳重警戒」を超えており、今後もどの時期でも厳重警戒以上になり得ると考えた方が良いだろう。

図8 気温(乾球温度)と相対湿度、WBGTの関係

例えば同じ32℃であっても、湿度によってWBGTの値には大きな差が生ずる。図7での解離はそのためと考えられるが、8月後半から9月に入れば同じ気温でも湿度が下がって過ごしやすくなるはず。今回の検討では9月は調査していないが、9月以降遅ければ遅いほど熱中症の危険性が低くなるのは自明の理である。

以上について、①正常性バイアス、②事故防止に関するハインリッヒの法則、③熱中症予防と水分補給についての誤解(必要条件と十分条件の違い)等について考察を加えた上で、正式に要請文を個人名で出そうかと考えたが、面倒なのでやめることにする。子どもの命が大事でないわけではないが、ここで得られた結論は実証的ではあるが、ある意味では自明の話とも言えるので、これをもって新たな知見が得られたとして変化が起きることは考えにくい。

取り返しのつかない事態が起こる前に、自律的に変化が起きることを期待したいとは思うが。。

幸せを増やす5つの方法「世界で一番幸せな国は?」The Happy Planet Index 地球幸福度指数

2014年11月05日 | 環境・エネルギー
スーパープレゼンテーション(TED)「世界で一番幸せな国は?」より
統計学者 ニック・マークス Nic Marks
The Happy Planet Index (HPI) 地球幸福度指数

(別ウインドウで拡大)
横軸 エコロジカル・フットプリント 環境への負荷
縦軸 ハッピー・ライフ・イヤーズ(幸せに暮らせる年数)
   平均寿命×幸福度=人生の質と長さ
右上 アメリカ、ヨーロッパ諸国、一部の湾岸諸国 環境負荷大
左下 主にサハラ以南のアフリカ
左上 地球を犠牲にしない良い暮らし ラテンアメリカの国々

一番上 コスタリカ
平均寿命78.5歳 アメリカより長い
地球上で最も幸せな国
資源消費量は欧米の4分の1
電力の99%が再生エネルギー由来
軍隊は1949年に廃止
健康や教育に力を入れている
ラテンのノリ 社会的連帯感

Five ways to wellbeing 幸せを増やす5つの方法
Connect... 人間関係
Be active... 活動的であること
Take notice... 敏感でいること
Keep learning... 学び続けること
Give... 与えること 人間は思いやりを持つと脳の報酬系が活性化される

上位の国々は(順に)
コスタリカ ドミニカ共和国 ジャマイカ グアマテラ ベトナム コロンビア キューバ エルサルバドル ブラジル ホンジュラス

日本は143カ国中75位
71位より順に フランス グルジア スロバキア イギリス 日本 スペイン ポーランド アイルランド イラク

http://www.ted.com/talks/nic_marks_the_happy_planet_index?language=ja

『1億3000万人の自然エネルギー』『エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会』

2012年04月26日 | 環境・エネルギー

『1億3000万人の自然エネルギー』

3.11後に読んだ本の中でも特にお勧めの一冊。単に自然エネルギーのあれとこれとを足してナンボという問題ではなく、私たちの生き方、考え方、地域や社会のあり方を変えていく「エネルギー・デモクラシー」が本質だということに気づかされる。大きな文字の部分だけ読めば1時間もかからない。読み終わったら20人の人に貸して回し読みして下さい。(図書館で借りて読んだのだが一冊注文したところ)

高エネルギー社会とは、物質的な生産と消費が拡大していく社会です。低エネルギー社会とは、社会的公正や人々との交際、ゆとりなどに価値を見いだす社会です。(『1億3000万人の自然エネルギー』より-出典『エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会』ヨアン・S・ノルゴー/飯田哲也訳)

『エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会』

『エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会』は2002年に初版本を購入(元は更に20年前の本)、1章までで挫折して続きを読もうと枕元に置いておいたのだが。。ちゃんと読んでおけば良かった。(帯には坂本龍一さんの推薦文も)

『エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会』坂本龍一さんの推薦文「すばらしい本だ。これが20年前のデンマークで書かれたということがまったく気にならないどころか、現在の日本や世界の様々な国で、まさにこれから必要とされている本であることはまちがいない。(以下省略)」

あっという間にガラス固化試験停止

2008年07月04日 | 環境・エネルギー
あっという間に、劇場~~~♪
この落第生の「再試験」、はたして何日「稼働しているふり」ができるのかと眺めていたら、半日もしないうちに全面的に停止して、再開の見通しが全くたたない状態に陥ってしまいました。

元々「危険なウンチ」をガラスに固める技術がなかったのに、何兆円もかけて(これは私たちの電気料金から出ているものです)、環境に放射能をまき散らすだけの再処理工場をつくってしまった。。この「危険なウンチ」が固められなければ、せっかく封じ込められていた使用済み燃料をハサミでズタズタに切ってできた危険な放射性物質で一杯の溶液を、どうしようもなく再処理工場の中に貯め込まれたまま放置するしかなくなるのです。。

ガラスに固めても危険なものが、樽の中で熟成していくんですよ。(…違うか)
ガラスと言っても特別なガラスじゃなくて、その辺の普通のガラスですが。。

この「再試験」も、やったことのない理科の実験を、頭で考えて紙に書いて提出しただけのもので、それでOKのゴーサインを出した国と青森県の責任も当然問われるべきでしょう。

>「オールジャパンの体制」(兒島伊佐美・原燃社長)で
などと星野ジャパンみたいなことを言ってたようですが。。(-_-)

ガラス固化試験を停止/原燃(2008年7月3日)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20080703124715.asp
ガラス固化再開、白金族堆積防止が焦点(2008年7月3日)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20080703101234.asp

ガラス溶融炉運転性能確認試験の停止(平成20年7月3日 日本原燃株式会社)
http://www.jnfl.co.jp/press/pressj2008/pr080703-1.html

残飯はダメで放射能はタレ流しOK

2007年11月19日 | 環境・エネルギー
なるほど、確かにあちこちの船から残飯やら屎尿やらゴミを投げ捨てられたら大変なことになります。持ち帰って処理するのが当たり前で、摘発は当然ですね。
はて、さて、
しかし、六ヶ所の再処理工場では海洋に総量規制なく(要するに自由に)放射性物質を垂れ流しているのではなかったか…。
海に流せば薄まるから何の心配もないと国はのたまっていますが…。
(八戸をはじめとする三陸沿岸に集中的に流れ着くことは間違いありません)
前にも書いたかもしれませんが、私は自分の子どもたちに「当たり前のことを当たり前に分かる人間になれ」と言ってきました。(それだけしか言ってなかったかも)
で、、当たり前ってなんなんでしょう。(-_-)

宴会ゴミを川へ廃棄、横浜海保が屋形船所有者を摘発
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071118i212.htm

核再処理工場稼働に反対する集会
http://news.tbs.co.jp/20071118/newseye/tbs_newseye3710791.html
 来年の本格稼働をめざして試験運転中の、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理工場の稼働に反対する集会が東京で開かれました。
 「私たちが今何をすべきか考えて下さい。そして、来年2月に本格稼動が始まるかもしれません」
 「若い人たちが自分の問題としてこのことを考えていることに衝撃を受けて」(参加者)
 青森県の六ヶ所再処理工場では現在、来年の本格操業に向けて試験運転が行われていて、今月、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の製造が始まりました。
 この日の集会にはおよそ1000人が参加し、再処理工場の本格稼働に反対するミュージシャンらによる演奏やトークが行われました。
 また、集会のあと、参加者らは日比谷公園から東京駅近くまでおよそ1時間半にわたってデモ行進を行い、稼働の中止を呼びかけました。(18日20:09)

六ヶ所七夕大学習会インターネット中継

2007年07月07日 | 環境・エネルギー
#当日になってしまいましたが、このようなイベントが開催され、インターネット中継されるとの情報です。興味のある方は是非ご覧下さい。以下、転載です。

Subject: 六ヶ所七夕大学習会:インターネット中継やります

【転送・転載大歓迎】

いよいよ今週末になりましたので再度のお知らせです。

『7月7日 どうなっているの?六ヶ所再処理工場
      聞こう、知ろう、考えよう!七夕大学習会』

当日の様子をインターネット中継いたします!
(当日、中継が出来ない場合も録画画像の配信を期間限定で行う予定です。)
    ↓中継画面はこちら↓
ストップロッカショ.JP http://stop-rokkasho.jp/

7月7日当日、会場では混雑も予想されます。
事前予約は100円割引になりますが、お席の確保をお約束するものではございません。お早めにご来場くださいますよう、お願いいたします。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
  どうなっているの?六ヶ所再処理工場
 聞こう、知ろう、考えよう!七夕大学習会
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

日時★7月7日(土)
   open12:30 start13:00~16:30

会場★明治大学リバティタワー1001教室(B1)
   http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

資料代★一般1,000円/youth(25歳以下)600円
    事前予約は当日100円割引!(受付は7/6まで)
    予約受付専用メール:shirukai0707@yahoo.co.jp
    メールを送信するときは@を半角にしてください。

ゲスト★宮川俊晴さん(原子力事業関係者、青森県在住)
   ★小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)

~核燃料工場についての簡単なレクチャー、質疑応答もあります~

現在日本では55基の原子力発電所が運転されています。
発電によって発生する使用済み燃料について、日本の原子力政策は当初から再処理を行う方針で『エネルギー基本法』や原子力委員会の『原子力政策大綱』などによって裏付けられています。

青森県六ヶ所村に建設中の核燃料再処理工場は本格稼動を目前にしていますが、地元六ヶ所村にも工場の稼動には賛成、反対双方の意見があります。

今回、立場の異なるお二人の原子力の専門家にお話を伺える機会を得ました。
これを私たちの議論の糧とするために“大学習会”を開催します。
『お話を聞く』で終わるのではなく、お二人の話を聞いて、共に知り、考え、 語りましょう!

 主催★再処理工場を知る会(連絡先:03-3357-3800)、
    現代史研究会

 協賛★ A SEED JAPAN、原子力資料情報室、大地を守る会

大学習会のフライヤーPDF→ http://cnic.jp/files/070707.pdf

EM菌とニセ科学の間

2007年03月10日 | 環境・エネルギー
まだこんなことやってたんだ…。
小川原湖にEM菌投入せず(2007年3月10日)

この会議では、八戸高専の先生もきっとご苦労を重ねたんでしょうね。。
EM菌については以前WEBサイトをあちこちめくって調べようとしたことがありましたが、途中で馬鹿らしくなってきて思考停止。

EM菌という名称自体、イケてる証拠かも。
「有用微生物群(Effective Micro-organisms)の頭文字をとってEMと名づけられた」ということは、EM菌が有用だという文章を直訳すると「有用な細菌は有用だ」という閉じた世界に入りこんでしまうわけで。。

EM菌についての考察は、下記に一部引用した菊池聡氏のレジュメが簡潔明瞭で参考になるのですが、問題はEM菌がニセ科学やその周辺の全ての例に漏れず「商売・金もうけ」の手段になっていることと、それに連なって自治体の“環境行政”や学校の“環境教育”に入り込み、公金が使われたり、子どもたちの科学的思考を伸ばすのではなく思考停止につながる教育が行われていること。

小川原湖の水質浄化が「待ったなし」の状態なら、こんなことに時間と金をかけていないで、緊急にやるべきことは他にあるでしょう。
練習問題として、面白い課題かもしれませんが、ちょっと突っ込めてません。

水俣病から核燃問題を考える(3/24)

2007年02月09日 | 環境・エネルギー
「水俣病から核燃問題を考える」
第三の水俣病をつくるな!もう核汚染は始まっている
-07年11月予定の六ヶ所再処理工場本格稼働を中止させよう-

日時 2007年3月24日(土)14:00~17:00
会場 弘前文化センター2階1・2会議室(NHK向かい)
   弘前市下白銀19-4 0172(33)6571
参加費無料

講演1「水俣病の真実~水俣病はまだ終わっていない」(70分)
講師 水俣協立病院名誉院長 藤野 糺氏
 戦後最大の公害訴訟の一つである水俣病。一万人におよぶ患者の検診から病像確定まで、血のにじむような献身的な医療活動を続けた藤野糺医師の30年にわたる闘いについて講演。

講演2「青森県・三陸の大気と海に迫る放射能汚染」(40分)
講師 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表 小山英之氏
 放射能が海に垂れ流し?
 濃度規制もないって本当?
 魚介類は安全なの?
 六ヶ所再処理工場の稼働により、青森県や三陸の大気や海がどのように汚染されるのか。その問題点や危険性について講演。

質疑応答&意見交換(50分)
 講師を交えて市民・各団体との意見交流 -今後の核燃料サイクルを考える-

主催 青森県保険医協会
お申込 青森県保険医協会事務局
    青森市松原1-2-12 TEL 017-722-5483 FAX 774-1326

温暖化で青森リンゴは壊滅、白浜も消滅

2007年01月18日 | 環境・エネルギー
昨日放映のNEWS23地球破壊(アル・ゴアと市民との対話)の続きです。昨日のタイトルの「不都合な真実」は映画からのものですが、番組の中では簡単に紹介されただけです。でも、見ておかないと。

(以下、番組のメモ)
現在までに百年で0.7℃上昇。
気温2℃上昇は、早ければ2026年。
百年後を、スーパーコンピュータでシミュレーション。
百年後は、4-5℃。2100年に。そのときどうなるか。
南極とグリーンランドの氷が溶けて、海面が上がる。6-7m上昇。
壊滅的な変化をもたらす。グリーンランドの氷を溶かし続けている。
100年後には大量の水が海に流れ出し、海面が上がる。
6m上がると世界中で影響。東京やNYで50cmの上昇で被害が。
厳島神社で既に被害がひどく。大型台風や異常潮位。
これ以上の環境悪化で世界遺産もダメに。
仮に1m上昇すると日本の砂浜の9割がなくなる。
東京で1m上昇すると江戸川区などが水没。国技館。北千住。
5mでは東京湾から50キロまで。日本では最大1500万人の被害。

将来の干ばつも促進させる。それを予言しているような人々に会いに行った。
ケニアの遊牧民族。地球温暖化のカナリア。数千年生き方を変えていない。
トゥルカナ族。広大な平原。家族単位で移動を繰り返している。
ラクダの放牧から始まる。牛、山羊など。二人の妻と8人の子ども。
肝腎の家畜が次々と死んでいる。ケニヤ北部の激しい干ばつ。
どんどん悪くなっている。気温は40℃近く。飲み水も奪おうとしている。
食べ物は子どもたちに優先。大人の食事は回数を減らしている。
人類全体の未来の姿を先取りしている。
辛うじて遊牧を続ける若者から民族の未来を憂える言葉。
干ばつにより遊牧をやめて町に移住する人々。遊牧は幸せだった。
薪は週に1-2回しか売れない。誇りである民族衣装を着ない。
生きていても死んだも同然の人間だ。
子どもたちの将来、明るい未来はない。家畜がいないのだから。
私たちが殺しあいをしているから神が怒って雨を止めた、と。
彼らに本当のことを告げた。先進国が原因だと。

ゴア 天候は変化している。大きな変化。
ワシントンに桜の木が贈られた。1月の1週に咲いた。世界全体に大きな影響。
日本の問題。食料。桜の開花。真夏日が増えている。
暦通りにしても作物は出来ない。
京都で5%の減収。イネが全部倒伏。米は気温の変化に敏感。
リンゴは産地が変わってくる。
現在は東北と長野で9割。将来は北海道が主流に。
デング熱。熱帯シマ蚊は台湾にいないはずだった。
昨年、日本でも熱帯シマ蚊が見つかった。日本でも定着する可能性。
食料、感染症、未来の子どもたちの命を奪いかねない。

中学生 世界中の人々が自覚する必要があるが。
ゴア まず問題を知ること。生活を変える。若者が影響を受ける。声を上げるべき。
中学生 月や火星は。
我々はニューオーリンズからも避難できなかった。移住など考えられない。
逃げずに闘わなければいけない。人類の未来の為の道徳的、精神的な闘いだ。
ブッシュ 損をするようなことはしない。
京都議定書からの離脱を政権の最初に決めた。根本的な欠陥がある。
温暖化は起きていない、と。
ピルツ氏、環境政策の立案に携わる。政府の報告書が送り返されてきた。
科学的な結論を、可能性を示唆していると変えられていた。
変えたのは、石油業界からホワイトハウスに送り込まれていた人物。
排出削減への独自路線? 経済発展を優先する路線は変わっていない。
いま減らすことに真剣になっていない。
アメリカの路線に多くの人は納得できない。会場全員。ゴアも。
市民 政権が変わったとは言え離脱には怒っている。
ゴア それは正しい。批准すべき。アメリカ中で講演している。
筑紫 日本も自慢できない。8%増えている。6%減らさなければいけない。
市民 政権が変わったらどういう取り組みを。
ゴア 2つの政党の候補が2人とも優先事項にすること。
筑紫 ゴアがもう1回なるべきでは。拍手。
ゴア 嬉しいし感謝するがその予定はない。政治への熱は冷めた。

中国。増え続けるCO2、世界第2位。近い将来アメリカを超える。
5年間で20%減らす。経済成長を続けながらどう温暖化を防ぐのか。
ある実験。燃焼実験炉。鉄鋼産業。日本の省エネ技術。
関心のない人か、関心があれば手遅れだと思う人。
どうすればいいのか。新しい電球の例。
市民 大量生産大量消費の生き方が残っていたら。
ゴア 多くの人は社会の大きな変化が必要だと思ったら、何もできない。
走る前に歩いてみましょう。
この美しい地球の命が失われていく。
健康な姿に戻して欲しい。
2007年に、日本、アメリカ、世界が、手を取り合って、止めたのだと。
今です。

南アフリカの民話。山火事に水を1滴垂らし続けたハチドリのように、私たちは今ここでできることを。
レジ袋3割削減。「このままでよろしいですか」の一言で。
頻発する大雨を利用する。雨水生活利用。
一番影響を受ける漁師たち。リサイクル。合成洗剤は使わない。
エアコンを使わない。アイドリングストップ。
一時点灯スイッチ。最先端のエコハウス。お金に余裕のある方。
わずかでもはじめるしかない。
将来の子どもたちにどんな地球を渡すかは我々にかかっている。

アル・ゴア「不都合な真実」(NEWS23地球破壊)

2007年01月17日 | 環境・エネルギー
脚が3本あるカエル。冬に冬眠しないカエル。
季節はずれのタンポポ。絶滅が相次ぐカエル。
地球温暖化。我々が知らない真実。
ゴアの1千回以上の講演。来日して市民に訴えた。
科学的データ。60万年前から、気温の変動は二酸化炭素と連動。
産業革命以来かつてないレベルに上昇している。
今後45年以内に600ppmを超える。
科学者は壊滅的な状況になると警告。
今すぐに変化を起こさなければ30-40年以内に北極の氷は消滅。
産業革命以来百年で0.7℃上がっている。
これが世界中の氷を溶かしはじめている。
真冬にアルプスの氷河が溶けている。百年前との写真の比較。
この20年でどんどん溶けている。世界中の氷河が縮小。
ネパール、キリマンジャロなど。
イタリアで5000万年前の人骨。
永久凍土、富士山の大澤崩れ。将来富士の姿を変えるのでは。
30年前、3500mまで。1976-2000年に100m分。
日本では100年間で1.6℃上昇、世界を上回る。
南極・北極、動物の生態に影響。溺れる北極クマ。
ゴア 鳥類が敏感。移動が多い。両生類は水と陸上。最初に脅威の影響。
生物絶滅。温暖化で。
パーメザン教授。たった1℃以下の温暖化で。
ペンギン、蛙、絶滅だけでない。多くの生き物が地球の両極に移動。65%。
イノシシが北上。富山の農作物に。元々雪に弱い。
人間の命も。世界で異常気象。気候システムが綻びている。
オーストラリアでは千年に一度の大干ばつ。自殺する農家。
日本でも去年異例の豪雨。沖縄で土砂崩れ。倒壊の危機。
7月に九州南部で豪雨、氾濫。3年連続。保険金が下りない。
長期的統計でも大雨は増加。河川の氾濫。
7月、岡谷市、土石流で被害。雪かきに追われる被害者。
土石流で追われて「終わりだ」と。雨が降ると眠れない。
話をして数分後に生死の別れ。
これからも被害者を増やすのか。
サロマの竜巻の被害者。
ゴア 竜巻が強力、頻繁に起こることと地球温暖化の関連の証拠はない。
個人的には、おそらくあるだろう。アメリカやカナダでも。
熊本の被害者。八代市のバンペイユ(農作物)。小さく。
ゴア 大雨で世界中で量が多くなっている。洪水も増えている。
同時に干ばつも増えている。北アフリカがその例。
2℃、早ければ・・・・年。
百年後を、スーパーコンピュータでシミュレーション。
百年後は、4-5℃。2100年に。そのときどうなるか。
南極とグリーンランドの氷。海面が上がる。6m上昇すると。
東京やNYで60cmの上昇で被害が。
厳島神社で既に被害がひどく。これ以上の環境悪化で世界遺産もダメに。
仮に1m上昇すると日本の砂浜の9割がなくなる。
(この先が肝腎なのですが記録しきれなかったので、続きはビデオを見て明日にでも)

東通の発電風車ポッキリ

2007年01月10日 | 環境・エネルギー
今朝の新聞を見て「何だこりゃ」と思ったのですが、夕方のTVニュースの映像をみて驚きました。
基礎のコンクリートが八角形の鉄骨からすっぽり抜けた形で倒れている。
建築の専門家じゃないからわかりませんが、あの抜け方はどう考えても普通じゃないですね。
どうして縦の鉄骨だけで横方向の骨組みがないのかというのが素人の疑問なのですが。

高さ70mの発電風車倒壊/東通(2007年1月10日)
経産省が現地調査/発電機倒壊(2007年1月10日)
>風車の強度が風速六〇メートルに耐えられる構造だったのに対し
>事故当時の風速が二五メートル程度だったことや、
>二十五基のうち一基だけが倒壊したことから、
>強風だけでなく設計や施工上の問題についても調べている。

こういった工事って、再処理工場の水漏れプール問題でもそうでしたが、地元の下請け業者が絡んでいて技術面で問題がある可能性がないかどうか。
もしそうだとしたら、他の風車はどうなのか。。

もう一つ気になるのは「風車の強度が風速六〇メートル」しかないということ。
いくら青森県は台風の直撃がないとはいえ、最近の異常気象もあって、風速30~40mはいつあってもおかしくない。
富士山の頂上じゃないから60mを超えることはまずないとは思うけど、安全設計上の余裕がなさ過ぎるのでは?
(などと書いていて、我が家は一体風速何メートルまで耐えられるのでしょう?)

更にもう一つのギモンは、風力発電の事故なのに、どうして原子力安全・保安院が調査しているのかということ。
東通や六ヶ所の風力発電施設は、原発や再処理工場と一体のものだったということか?

しかし、いつも思うのですが、新聞記事というのは一番知りたい情報が書かれていない。
(ホント不思議です)
「風力発電機の高さは約七十メートル、羽根部分も含めると最大約百メートルになる。支柱の根元部分の直径は約三・九メートル」
で、重さはどのくらいなんでしょう?

むつ市が東電に買収されたというお話

2006年12月06日 | 環境・エネルギー
青森県内では(もちろん県外でも)何の関心もひいていないようですが、これは自治体が企業に買収された、ということなんだろうと思います。
東電がむつ市に正式に寄付申し出(2006年12月5日東奥日報)
あんまりコメントしたい気分でもないのですが。。
企業から自治体への寄付(しかも12億とか15億といった超高額の)というのは、いったい何なんでしょうね。
従来から、企業が自治体や国を支配するという構図はあったし、今もあります。
もちろん合法的に。(今回の寄付も合法なんですよね)
普通は税金ですか。
特に原子力関係は、核燃税とか、国からの交付金も重なって、それだけで貧乏市町村は企業に頭が上がらない。
タバコ産業では、タバコ税。
わずかばかりの税金のために毎年11万人もの国民の命が失われている。
核燃関係では、自治体だけでなく、地域の行事や市民活動などに莫大なお金がばらまかれている。
これも元はと言えば私たちの税金ですが、それによってお金をもらった団体や人々が実質的に買収されている。

企業が政治家(議員・首長)や役人にお金を出して便宜をはからってもらえば違法ですが、自治体そのものなら、どれほど高額であろうが、どれほど将来の利益を約束されようが、何の問題にもならない。
そして、その結果として、その自治体では少数意見の住民の意見など無視され、ひたすらお金を出してくれる企業の言いなりになる。
まあ、今回のお金が出ようが出まいが、現在でもそうであるという事実に変わりはないのですけれどもね。。
(元はと言えば市の方が企業にたかったという構図なわけですから)

学校で習う憲法の国民主権なんて、お金で簡単に買い取られてしまうんだということを、子どもたちに何て伝えればいいのか。
(そういう社会を残してしまった私たちの責任が問われるはずなのですが。。)

核燃問題交流会「青森県・三陸の大気と海にせまる放射能汚染」

2006年11月19日 | 環境・エネルギー
標題のような講演会が開催されます。
再処理工場については、プルトニウム抽出、MOX成型などが既成事実化されたり、体内被曝の問題(だけ)が取り上げられたりしていますが、実際に海洋や大気中への放射能の放出が始まっています。
それがどんな影響を及ぼすのか、原燃や県の発表する安全宣言を鵜呑みにしていいのか。
もし興味がありましたらご参加ください。

核燃問題講演会&意見交流会
◆日時 2006年11月23日(木)祝日 13時半~16時
◆会場 青森市文化会館 4階小会議室1

【第一部】13時半~15時(90分)
「青森県・三陸の大気と海にせまる放射能汚染
 六ヶ所再処理工場への警鐘」
◆講師 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
    代表 小山英之氏
【第二部】15時~16時(60分)
 小山氏を交えて市民・各団体との意見交流
 -今後の核燃反対の運動について-
◆参加費 無料
○主催 青森県保険医協会 017-722-5483

記事:県保険医協会が23日に核燃学習会/青森(2006年11月19日 東奥日報)

六ヶ所再処理工場の放射能放出評価方法─フランスは6年も前に変更(院内報より)

2006年10月07日 | 環境・エネルギー
六ヶ所再処理工場が適用している大気への放射能放出評価方法
 ─フランスは6年も前にやめています─  (発信元:グリーンアクション)

 フランスのラ・アーグ再処理工場では、排気筒から放出された放射能(クリプトン85)は、比較的近い風下で地表に降りてしまうことが、実際測ってわかりました。この地表に降りた放射能の濃度は、当初立てていた計算値より大幅に上回っていることが指摘されました。
 フランスでは、このギャップが公的に認識され議論された結果、それまでの理論を捨て去り、測定事実を優先させる別の方法(Alternative Method)が、政府や事業者であるコジェマ社も含めたグループGRNCにより2000年以後採用されるようになりました。
 GRNCの報告書では、当初の気象指針のモデルは、煙突が高い場合、工場から近いところでは、適用は不適切であると結論づけています(煙突が高いのはフランスも六ヶ所も同様です)。
 六ヶ所再処理工場で、フランスの方式を採用すると、現在日本原燃が公表している「これは超えない」という「約19マイクロシーベルト」の2倍ちかい「35.73マイクロシーベルト」になります。フランスの法的な線量目標値は「30マイクロシーベルト」なので、それも上回っています。

先輩のフランスから民主的な方法を学びましょう

 フランスでは、それまでの理論が実測に合わないことを素直に認め、実測値を重視する方法を採用することをコジェマ社、フランス政府、市民団体を含めた広範囲の人びとの知恵を集めて決めています。

次は六ヶ所の番です

 六ヶ所再処理工場からの大気放出放射能の計算に使われているような気象指針は、フランスでは不採用となっています。日本原燃の安全評価の基礎が誤っていることが明確になった今、従来の安全評価は直ちに見直しましょう。