踊る小児科医のblog

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幼稚園・保育園の敷地内禁煙77.1%<未実施25施設名一覧>、職員の喫煙率:男性34.8%、女性0.9%

2015年06月19日 | 禁煙・防煙
八戸市内の幼稚園・保育園の禁煙化状況と職員の喫煙率 2015年

● アンケート調査 2015年5月
 八戸市内の114施設:幼稚園24、認可保育所76、認可外保育所14
 (認定こども園を含む)
 回答あり 103 回答なし 6 103+6=109施設を分母とする
 (休園中1+同一施設4=合計5施設は除外)

● 幼稚園・保育園の禁煙化状況
 敷地内禁煙 84/109 77.1% (2014年 76/112 67.9%)
 建物内禁煙 7 6.4%
 分煙    5 4.6%
 措置なし  3 2.8%
 回答なし  10 9.2% (回答なし6+記入なし4)



● 職員の喫煙率
 男性 46/132 34.8% (2014年 44/119 37.0%)
 女性 14/1630 0.9% (2014年 19/1494 1.3%)



● 禁煙化状況別の職員の喫煙率
            男性  女性
 敷地内禁煙の施設   30.8% 0.7%
 敷地内禁煙以外の施設 50.0% 1.7%



● 2014年の医師会調査、乳幼児保健講習会、市からの指導・通達の効果はほとんどみられなかった

● 敷地内禁煙にしていない幼稚園・保育園(回答なしも含む)
 幼稚園 5
  旭ヶ丘幼稚園、千葉幼稚園、長者幼稚園、小中野幼稚園、
  めぐみ幼稚園
 認可保育所 14
  城下保育園、むつみ保育園、藤覚保育園、芽生保育園、
  千草保育園、江陽こども園、松葉保育園、岬台保育園、
  小久保保育園、根城保育園、河原木中央保育園、
  根岸保育所、日計保育園、多賀台保育園
 無認可保育所 6
  ヤクルト城下保育所、ヤクルト小中野保育所、
  竹の子保育園、チャイルドホームこぐま園、
  はちのへこども学園、託児所Nuage

八戸市の小中教職員喫煙率:男性26.7%(一般男性に匹敵)、女性2.2%(女性医師と同等=あと18人でゼロに)

2015年06月12日 | 禁煙・防煙
#2月に調査されていたデータですが公表されずにいたものです。(※)

● 小中学校教職員の喫煙率調査 八戸市 2015
 調査対象 20歳以上の教職員
  校長、教頭、教諭、講師、養護(助)教諭、
  学校事務、栄養教諭(学校栄養職員)
  ※技能主事、特別支援アシスタント、PTA事務は除く
 調査期間 2015年2月~3月
 対象人数 不明
 回答数  1,304人
 回答率  不明
 実施   八戸市教育委員会

● 小中学校教職員の喫煙率 八戸市 2015
 男性
  喫煙   131 26.7%
  過去喫煙 146 29.8%
  非喫煙  213 43.5%
  合計   490
 女性
  喫煙   18 2.2%
  過去喫煙 43 5.3%
  非喫煙  753 92.5%
  合計   814

● 医師(2012日医)、一般(JT2014)との比較


※このデータは市教委が公表することはないだろうと思いますが、行政に情報公開請求すれば強制的に出てくるもの(秘匿する必要のない公的な資料)ですので、こちらに掲載しておきます。

福島県甲状腺がん 本格調査>先行調査の経緯を発表時の数値で検証してみた

2015年06月05日 | 東日本大震災・原発事故
2013年2月に甲状腺がん確定3疑い7合計10人で大騒ぎしてから2年あまり、2014年の本格調査開始から1年が経過したところで、これまで発表された数値を時系列で検証し、本格調査で「増加」と判断した根拠をお示しします。


(表は詰め込んでいて見にくいが必要分だけ抽出してスクリーニング効果の年数と、本格調査の方は前回調査からの間隔で数値を出してみた→別ウインドウで表だけ開くと拡大)

1)先行調査 確定+疑い(緑色)は10人から111人まで増えた。当初の予想どおり、細胞診での疑い例のほとんどは手術でがんと確定された。(残りも経過とともにそうなる見込み)

2)先行調査の有病率(単純に一次受診者数で割ったもの/10万人あたり)も二次検診が進むにつれ増加し、20人前後から37人まで増加。(赤色)

3)スクリーニング効果を10年とすると、年間の発症率は2.0→3.7人(10万人あたり)に上昇し、ベラルーシの1995年に相当。(水色)

4)本格調査 確定+疑い(緑色)は4→8→15人に増加。

5)有病率(赤色)は10.1人(10万人あたり)で、先行調査4分の1を超えてきた。

6)検査間隔を2.5年と仮定した場合の年間の発症率(水色)は4.1人(10万人あたり)で、スクリーニング効果10年とした場合の先行調査の3.7人を上回ってきた。

7)一次判定率や二次受診率がまだ低いので、この数字は8人程度まで上昇する可能性が高い。(ベラルーシ95年の2倍程度)

8)一次受診者中のBC判定の割合を見ると、0.7%程度で先行調査にほぼ匹敵する数字になってきた。

今後の発表データをみていかないと断定的なことは言えないが、少なくとも「増加していない」と判断することは不可能。

甲状腺がん8→15例(5/18) 発症率4.1~8.7人/10万人(2.5年で) 「増加」はほぼ確実に

2015年06月03日 | 東日本大震災・原発事故
過去の記事(一番下に列記)も読み返してみましたが、一貫して「わからない」という判断だったものが、今回初めて「2巡目での増加はほぼ確実」という判断に転じました。

データはチェックしてFBに載せてましたが、ブログでの解析が遅くなりました。解析といってもあくまで表面的なものですが、誰もやってくれないし、誰の意見もあてにできません。資料をパッと見てもわからないし、継続して比較することが肝要。

第19回福島県「県民健康調査」検討委員会資料(平成27年5月18日開催)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-19-siryo.html


抜き出してまとめた表。(クリックして別ウインドウで拡大)

一番上の行(その上が切れている)は先行調査の前回分(2月)。
赤の有病率36.5が、今回(5月)37.1人/10万人になった。
 2月発表 確定86+疑い23=109人
 5月発表 確定98+疑い13=111人
この差には特段の意味はない。

これを、(これまでと同じ前提で)スクリーニング効果10年分とすると、発症率は3.7人/10万人。
(スクリーニング効果10年分が正しいかどうかはここでは論じない。あくまで仮定の数字としてこれを基に比較するための数字)

福島の甲状腺がん 2巡目で4人 発症率1.9~4.9人/10万人(2.5年分) ベラルーシ95年に相当 2014年12月27日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/478ebf3d0fad4878507b9afc0fe0064b
これも比較のために毎回用いているベラルーシの95年は、0-14歳が4.0、15-18歳が3.8、19-34歳が1.4。

先行調査の3.7とはベラルーシの95年に匹敵する数字。
2014年の12月ですでに2巡目もそのラインを超えてきていた。

本格調査(2014~2015)
 2月発表 確定1+疑い7=8人
 5月発表 確定5+疑い10=15人
 有病率 7.5→10.1/10万人

検査間隔を2.5年とすると、
発症率は、
(8×10万)/(106068×2.5)=3.0人(10万人あたり)
(15×10万)/(148027×2.5)=4.1人(10万人あたり)

一次検査の判定率や二次受診率を考慮しない段階で、先行調査を上回っている。

この二つを考慮に入れてみると、
 一次判定率 121997/148027
 二次受診率 593/1043
それぞれひっくり返してかける(=割る)

15/148027×(148027/121997)×(1043/593)×(10万/2.5)=8.7人(10万人あたり)

2014年12月の時点で発症率1.9~4.9人/10万人と言っていたものが、今回(2015年5月)は発症率4.1~8.7人/10万人に倍増。

これが4→8→15人の意味。
(単純に数が増えたと情緒的に怒っていてはいけない)

この「発症率4~8人」が「先行調査と同じ」だと仮定すると、先行調査(有病率37人)のスクリーニング効果は5年程度ということになるが、
5年と仮定すると、先行調査の発症率は、
 37/5=7.4人
となって、ベラルーシ95年の2倍近い数字になり、先行調査の時点で多発だということになる。

スクリーニング効果をあれほど喧伝したのだから、最低でも10年分はあると仮定して考えるのが普通。
(この仮定の数字を誰も言ってないので議論が噛み合わない)

だとしたら、今回の「発症率4.1~8.7人/10万人」は、先行調査の「発症率3.7人/10万人」との比較では「増加」は間違いないだろう。

ただし、この「増加傾向」がこの後の3巡目以降も続くかどうかはわからないし、今回のデータも年齢分布や、被曝線量、地域などでの比較が必要だろう。

そこまで調べる能力も時間もないが、大雑把な「先行調査と2巡目の比較」という数字だけで、ここまでは推論することができる。

最終的には、3巡目以降、おそらく10年は要するだろう。
その間に何かできることがあるなら別だが、それが考えられない現在、調査結果を毎回チェックしていくしかない。

肝腎なのは、検診の受診率が低下してしまっては何もわからなくなること。政府や県に不信感があるならなおのこと、検診を受けてデータを明らかにすべき。
わかってもらえるだろうか。

14) 福島県の甲状腺がん「2巡目で1例確定が大事件なのか」を考えてみる 2015年02月15日
13) 福島の甲状腺がん 2巡目で4人 発症率1.9~4.9人/10万人(2.5年分) ベラルーシ95年に相当 2014年12月27日
12) 福島県の甲状腺がん検診 確定57+疑い46=103人に 3年目の増加で懸念は減少 実施基準に疑問も 2014年08月25日
11) 福島の甲状腺がん「確定49+疑い40=89例」 増えたこと(2年目)も増えないこと(3年目)も懸念材料 2014年05月20日
10) 福島県の甲状腺がん検診「スクリーニング効果は試算してから論じるべき」「なし~30年で比較」 2014年04月08日
9) 福島の甲状腺がん「確定32+疑い42=74名」 3年目は低くなりそうだが、懸念材料にも… 2014年03月06日

過去の記事(2013.3-2013.11)

1) 福島の甲状腺がん検査の患者数は? 感度・特異度により3人?12人? (応用できる一般式付き) 2013年03月18日
2) 福島県外3市と福島県内の甲状腺検査結果の比較 考えられる推論2つはいずれも不可解 2013年04月03日
3) 福島の甲状腺がん検査の患者数の推計式を感度・特異度でグラフ化してみました 2013年04月04日
4) 「福島の小児甲状腺がん:確定12人、疑い15人」のニュースについて(現時点での判断) 2013年06月05日
5) 福島県の小児甲状腺がん:7~15人(確定~疑い)/10万人:2012年は2011年より減少傾向か:判断は数年後 2013年06月06日
6) 福島県の甲状腺がん検診結果をどう読むか 発生率1~2人/10万人はベラルーシと同じ(某紙掲載原稿) 2013年06月11日
7) 福島の甲状腺がん18+25=43例 発生率は2-3/10万人に増加 二次実施者中の割合は変わらず 2013年08月21日
8) 福島の甲状腺がん「確定26+疑い32=58名」発症率は約3人/10万人で8月と同じ。判断は出来ず(11/12) 2013年11月13日