踊る小児科医のblog

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「選挙序盤の情勢報道は信頼性が高い 参院選全選挙区をチェック」

2019年07月24日 | 政治・行政
 2019年7月の参院選について、試しに調べてみたところ、予想通りの精度の高さでした。調査結果の解析に加えて、記者の判断も加味されているはず。
 というのも、こういった世論調査の結果を見ると、あたかも「陰謀論」のように、数字が操作されているとか、世論誘導だとか言い出す人がいて辟易とさせられるから(…皆さんの周りにはいないかもしれませんが)。。

「調査結果はそのまま受け止めて、自らの判断で投票すればいいだけ」(無論、無条件で信じたり、それに従って投票すれば間違いがないという意味ではありません。)



 今回の参院選の序盤(7/5)と終盤(7/17)の情勢報道(共同通信)を選挙結果と比較してみました。
 外れた選挙区はいずれも序盤で接戦と伝えており、選挙戦の中で追い上げ、逆転が起きたものと考えられます。
(ここで浮かんでくるのは、序盤=選挙戦が始まる前=に接戦になっていなければ、大きなことがない限り、覆すことは難しいという仮説です。青森の「善戦」も、結果的にはその範囲内に含まれました。)

 方法としては、序盤の情勢報道で「名前が出てくる順」に順位をつけ、結果と照らし合わせてみました。結果として、外れたのは下記の9選挙区のみで、他は全て一致していました(複数区での順位の違いは別として、当選者だけでみれば)。

 ☆印は終盤情勢で接戦とされた8選挙区で、野党優勢の2選挙区★と合わせた10選挙区全てを野党が制しています。

 複数区では、静岡は国民現職が立民新人を抜き返し、大阪は立民新人が落として維新が2議席目を獲得(結果はトップ)、広島は国民現職が当選して自民現職が落選(自民新人と入れ替わり)。

 無所属で当選した9人のうち8人は1人区の野党統一候補、広島は立国社推薦(国民)で、いずれも野党系です。

 結果的に、序盤情勢では自民65+公明14+維新9=88(改選数は自民66+公明11+維新7=84)だったものが、最終結果は自民57+公明14+維新10=81となり、
 自民 序盤情勢から-8 改選数から-9
 公明 序盤情勢から±0 改選数から+3
 維新 序盤情勢から+1 改選数から+3
自民の−9を公明維新の+6でカバーした形になりましたが、「改憲勢力」2/3のための85議席には4議席届かないことになりました。
(公明維新の+6の意味を考えることも必要でしょう)

 なお、「れいわ」は序盤情勢で1議席獲得の可能性ありと報じられていましたが、2議席目とN国の1議席を合わせた「+2」は序盤では誰も予想していなかったと思います。
(序盤情勢と比較して、比例で自民−2、立民−1が「れいわ・N国」の影響を被ったものと判断できます)

<外れた選挙区>
☆岩手「平野[自]やや先行、横沢[無]が猛迫」
☆秋田「中泉[自]、寺田[無]大接戦」(中泉が先)
☆山形「大沼[自]わずかに先行、芳賀[無]巻き返しを図る」
☆新潟「塚田[自]と打越[無]横一線」(塚田が先)
・静岡「2議席目を巡り、徳川[立]と榛葉[国]がデッドヒート」(徳川が先)
☆滋賀「二之湯[自]がわずかに先行、嘉田[無]が激しく追う」
・大阪「亀石が当選圏、梅村[維]、辰巳[共]が追い掛けている」(梅村当選、亀石落選)
・広島「議席独占狙う自民」(森本[無]が当選)
☆大分「磯崎[自]が優勢で、安達[無]が懸命に追う」

<情勢報道通り>
☆宮城「石垣[立]、愛知[自]横一線」(石垣が先)
☆愛媛「永江[無]ややリード」

<最初から野党優勢>
★長野「知名度で羽田[国]先行」
★沖縄「高良[無]ややリード」

八戸市議選公報で候補者を比較 これを読めば投票する候補選びはバッチグー

2019年04月17日 | 政治・行政
明日、期日前投票に行く予定なので、少し真面目に公報をチェックしてみました。新聞の立候補者の一覧表も参考にして。。実を言うと、(個人的には)このチェックリストを読んでも投票する候補はバッチグーでは決まりません、困ったことに。。

候補者の氏名及び党派別の一覧 [92KB pdf]
選挙公報 [4721KB pdf]

▽公報に政党の公認・推薦の情報を記載していない候補者が多数。自民党が多いが国民民主も数名(いずれも数えてません)。市議会では政党・会派に関わらず市民と議員との関わりが濃密であるとは言え、最大の基本情報を掲載しないのは有権者に対して不誠実。特に上条さんは特殊な政党を「新党」としか記載しないのは意図的としか考えられない。
▽詳細に一人一人評価するのは不可能だし意味がないので、総合評価と個別の項目について検討。

▽トータルのパッケージとしては、三浦さんと山内さんがわかりやすく納得できる内容。
▽逆に総合評価で最低なのは藤川さん。この方はポスターもそうだったけど、この公報の内容では女子高生レベルと言われても仕方ないのでは(…有権者を馬鹿にしてるのだろうか)。

▽以下、具体的項目を誰が取り上げたかをチェック(敬称略)。全氏についてチェックしましたが漏れがあるかもしれません。なお、山内=やまのうちたかし、山之内=山之内ゆう、これはわかりにくい(票が割れるかも)。高橋、吉田、久保も二人ずついる。

▽年齢が記載<新聞を見ればわかることだが>:吉田こうりゅう(26)、夏坂(50)、高橋まさと(36)、山之内(35)、上条(54)、あいだ(52)、中村(57)。生年を元号・西暦で書いている候補者は他にもいるが、年齢もどのような時代を生きて立候補したのか判断する上で重要な基本情報。(平成生まれは吉田こうりゅう1名のみ)
▽ネット情報を記載:三浦、高橋まさと、夏坂、高橋貴之、中村、久保ももえ、山内(7人しかいない!)

▽具体的項目の評価から外れるが、一番面白かったのは「やしま隆」氏の「中高年の主張」。内容への賛否は別として、有権者が知りたいのはこういうことなのだろうと感じた。

▽スポーツ(一般論を除いて、本人の経歴や主張などより):吉田こうりゅう(サッカー)、ひなた(ソフトテニス)、山之内(アイスホッケー)、もりぞの(スポーツクラブ)、やしま(演劇・ダンス・音楽)、山内(柔道)、豊田(ソフトボール)、たなぶ(ダンス・フィットネス)、小屋敷(ウォーキング)、立花(体育振興会)
▽伝統文化:工藤(三社大祭華屋台)、山内(騎馬打毬)、豊田(縄文・三社大祭・えんぶり)

▽市議会活性化:三浦
▽元教職:吉田じゅんいち、苫米地、山之内、岡田(伊藤は未記載=新聞には記載)

▽給食無料化:たばた、寺地(教育費無料化)、久保しょう、苫米地
▽給付型奨学金:高橋まさと、寺地(教育費無料化)、久保しょう、苫米地、小屋敷
▽小児医療費(所得制限緩和):高橋まさと、苫米地、小屋敷、たなぶ(医療介護の助成拡充)

▽原発・核燃サイクル:たばた、山名
▽消費税:たばた、久保しょう、苫米地
▽憲法:たばた、久保しょう、苫米地、やしま

▽地域を特定:ひなた(鮫・浜通り)、松橋(大館)、あいだ(中心街)、中村(中居林・江陽)、立花(本八・中心街・長根)
▽八戸駅:岡田、工藤、山内(←駅西口開発がなぜ2002年でなはく2019年の論点になっているのか個人的には理解できないのですが)

▽子育て中をアピール:三浦、久保ももえ、たなぶ
▽その他:三浦(くらし=6項目の掛け算)、伊藤(共創・市民派)、たばた(九十億円の新工場団地批判)、石橋(八戸→はちのへ改名)、坂本(LNG、国立海洋研)、小屋敷(コンパクトシティ)

▽医療関係者:なし
▽福祉関係者:石橋(障がい者施設)、苫米地(養護学校)、高山(住職)、豊田(社会福祉法人)

▽ここに名前が出てこない方は評価に値しないという意味です。私の場合、選挙期間中に選挙運動に接する機会がほぼゼロなので、公報の情報で判断するしかありません。ただし、前述のように、これで投票行動が決まるかと言えば、そうでもないと言わざるを得ませんが。。

「アダムズ方式を衆議院中選挙区に適用/参院は全県2人ずつ」という案を検証してみる

2017年06月03日 | 政治・行政
主要な興味のあるテーマではないのですが、小選挙区の格差是正で青森県が1議席減ったことについて、記事になったり国会でも質問(…升田議員/ちょっと恥ずかしい)があったりしたようなので、4月に試算した結果を掲載してみます。

(私自身は、衆議院<下院>で格差2倍以内というのは、地方に認められた最大限の権利であり、この段階で文句をいう人<小林市長や升田議員>は民主主義の基本を理解していないものとみなします。そもそも青森県に4人も議員は必要ありません。)

提案は
・衆議院小選挙区の各県への割り振りを計算する「アダムズ方式」を、小選挙区ではなく中選挙区の定数としてしまう。
・2〜4人を基本とし、5人以上の都道府県は数区に分ける。[5人(2+3)、6人(3+3)、7人(3+4)、8人(4+4)、9人(3+3+3)、10人(3+3+4)、以下同様]
・参議院は人口に関わらず各都道府県で2人(3年ごとに1人ずつ)、合計94人とする。

エクセルに入れて計算してみました。
有権者数は2016年秋の数字。
現在の定数(6減で289)に合うように、アダムズ方式の一定数を「400,500」に設定。
(これはエクセル上で微調整して得られた大凡の数字ですが、議席数の配分はこれ以外にならないはず。正式な一定数の決め方は知りません。)


表は小さくて見えないと思うので、拡大できるPDFファイルも掲載しておきます。誰も見ないとは思いますが。。
→PDF

太字の議席数がその結果で、
その右の「新定数」との差を見ると、

■減少→宮城、新潟、滋賀、岡山、広島、山口、愛媛、長崎、沖縄[−1]
 合計[−9]

■増加→埼玉[+1]、千葉[+1]、東京[+4]、神奈川[+2]、愛知[+1]
 合計[+9]

現在の格差是正の際に、本来なら「9増15減」でなくてはいけないのに、影響が出る選挙区数を減らすために「0増6減」にしたという経緯がありました。
その差の「9増9減」が上記の都県に相当するのだと思います。

現在の「新定数」で、議席数当たりの人口が最も少ない鳥取県を基準にして比較すると、

■現在(新定数):最大1.86倍(東京都)
■この提案   :最大1.66倍(岡山県)

青森県は両者とも1.57倍で、全国平均の1.53倍とほぼ同じ。

この格差は、都道府県ごとの比較ですから、現在の「選挙区間の比較」における数字とは別になりますが、格差を許容範囲の2倍以内の中で少なめの数字に収めることが可能で、合理的だと感じます。

これを、全県1区か、多いところ(5人以上)では数区に分ける。最多の東京は29なので、3×3+4×5の8区に分けることになる。

この段階で、都道府県内の選挙区の格差をできるだけ減らすように区割りすれば、上記の都道府県間の比較と大差ない数字に収まるはず。

2〜4人の中選挙区とすると、現在の勢力分布を元に推測すると、
自民+民進(または自民+自民)で2議席
残りを自民、民進、共産、公明、地域によっては維新などが争う構図になり、得票率に近い議席数になることが期待されます。

参議院の方を地域代表性にして、衆参両院の役割をはっきりと分ける。
この点について、憲法改正が必要なのか、現憲法の下でも可能なのかは、知りません。

長々と書きましたが、問題は、小選挙区制から中選挙区制に戻す可能性が、現制度で当選して成立している政権下では殆どゼロに近いこと。
(なので、このような試算と思索はほとんど無意味)

だから元に戻せない制度は作ってはいけないと言ったんだよ。。(一応、そうは思っていたし、当時は現在のようなネット社会ではなかったけど、発言はしていたはず。)

何度も同じことを繰り返しますが、細川、河野、土井、小沢という今から考えると信じがたいほどリベラルな連中が、現在の惨憺たる状況を作り出した。あの深夜の談合で。

一票の格差は「2倍以内」という司法判断に公然と疑義を申し立てる八戸市小林眞市長

2017年04月21日 | 政治・行政
八戸市の小林眞市長は以前から、一票の格差は「2倍以内」という司法判断について公然と疑義を申し立てているが、これは公僕として憲法遵守義務があり、立法府による法律およびそれに対する司法判断に従う義務がある首長として、憲法違反に相当する言動ではないかと考えます。



都会と地方との間で、ある程度の一票の格差があって然るべきとは考えますが、衆議院(下院)で「2倍以内」というのは国民の感覚としても司法判断としても至極常識的であり、その程度の感覚すら持てない人が市長であるという事実に危機感を覚えます。

選挙制度についての抜本的な改正が必要なのは別の次元の話であり、また、都会と地方との格差が2倍以上でも許容されるかどうかを議論するのは参議院(上院)の話であり、衆議院(下院)において「2倍以内」まで地方への特権が認められている(有権者の権利がギリギリ半分まで削られている)という厳然たる事実をわきまえるべきだと思う。

「青森市長選の公報」を読んで蚊帳の外から勝手に論じるの巻

2016年11月26日 | 政治・行政
あと1日しかないし、ここに書いたことは誰かに対するメッセージなどではありません。部外者が野次馬根性で書いてるだけと御批判していただいても結構ですが、今回の青森市長選の結果は、青森市の浮き沈みだけでなく、青森県や、県内市町村の今後の方向性を左右していく分岐点になると考えてウォッチングしています。
これまで情報をチェックしたり考えたりしてこなかったので、かなりの難題なのではないかと感じてます。。青森市民が、この状況で選択して、あとで「こんなつもりじゃなかった」ということにならないか。。(←いずれの候補が当選しても)

公報PDF
https://www.city.aomori.aomori.jp/senkyo-kanri/kurashi-guide/senkyo/sityousen_top/documents/senkyokouhou.pdf

全部読み終わって → 渋谷氏の敵は小野寺氏ではなく横山氏だと思うが、陣営も支援者も小野寺氏を追いかけることばかり考えて、現実が見えてないのでは(…違ってれば良いのだが)。
隠れトランプ票と同じではないが、隠れ横山票の存在が勝敗を左右することになるのでは。。
何の根拠もない予想では、小野寺:渋谷:横山は5:4:2または4:3:2。。もちろん、何の根拠もないので外れる可能性はあります。外れる場合にどう外れるのかも予測できません。
結果として、青森市が何らかの形で踏みとどまっていくという観点では渋谷>横山>小野寺だろうと思いますが。。

(追記)予想を渋谷>小野寺≧横山に変更(11/26夜)

渋谷氏
・基本的に鹿内姿勢の継承をうたってるために、踏み込んだ政策や、前市政への批判や相違点が伝わってこない。
・特にアウガについては、最終的に鹿内さんがどう決着をつけようとしたのか曖昧なままで、一番具体策がない。
・「市民が主役」と言いつつ、市民が主役となるプロセスが提示されていない。
・自公が反対した「子供医療費無料化」についても、他候補が(選挙戦術上)批判したり撤回を公約に入れていないので、アピールポイントになっていない。
・市役所建設費について、見直しや圧縮の可能性が述べられていない。(現行予算のままということ)
・一番穏当で現実的で、なおかつ市民へのチャンネルも開かれた市政になるように思うが、鹿内後継というだけで鹿内票がそのまま入るとは思えない。

横山氏
・「駅前アウガ中心のまちづくりとの決別」や「駅舎44億円負担の撤回」だけでなく、他の政策も一番具体的で、公報・公約としては出来がいい。(その是非はともかくとして)
・上記の「駅前アウガから除雪費用へ」というのは馬鹿らしいほど単純でわかりやすい。(同上)
・独自の視点(墓地建設と県外利用者への開放など)もあり、かなり多くの人の意見を聞いて取り入れたのではないかと想像。
・ただし、これらが全部実現したら、駅前も郊外も一緒に雪の中に沈んでいく可能性大。
・青森市の生き残り戦略や将来像が不明確。主要産業は除雪、ねぶた、県庁(職員の消費)ということにならないだろうか。
・アウガ破綻処理の場合、現存施設(ホールや図書館、その他のスペース)はどうなるかよくわからない。
・コンパクトシティ構想とアウガ破綻の問題は全部一致するのか、それぞれ異なった側面があるのか、どう考えているのかわからない。(この公報を読む限り両者一体という考えと受け止められるが)

穴水氏
・青森市でフルマラソン開催という点だけ評価するが、ハーフですら悪評が絶えないのに(…参加したことはないのですが)、フルを開催できるとは思えない。
・学歴と職歴でどういう方なのか想像しにくいし、まったく知りません。
・最低限、字が潰れない原稿を提出する程度のことはすべき。
・立候補の意味も含めて不明で、医師への不信・嘲笑を増大させた。

小野寺氏
・演説の「キング牧師」で滑っていたが、公報も同様で、写真は2枚もいらない。
・自民党と広告代理店が見栄え良くつくろうとするとこうなる。
・具体的な政策は市役所アウガ移転という点だけ(「一部」とは書いてない)。
・市民はアウガに市の窓口が移転したら、不便になるでしょう。そんな(何人か市民に聞けばわかる)常識的な判断すらできない。(あるいは、わかっていてやろうとしている)
・他の項目は、読むに値しない。自分に投票する人は公報などに関係がなく、公報は害にならない程度でいいというメッセージに思える。
・強調している「リーダーシップ」とは、県知事や国会議員との合意の元で、市長から市民に発せられる号令という意味なのだろうか。
・同様に「夢(I have a dream)」は時代錯誤。。オバマさんを狙った?
・「ぶれず、真っ直ぐ、前へ進む」とどこに行き着くのか、経路と目的地が不明。。レミングスみたいに陸奥湾に真っ直ぐ進んで行くことにならなければ良いのだが。。
・公報・公約などに関わりなく、国と県と市が一体となって進んで行くのがベストと信じている方には疑う余地のない候補なのだろう。(ご本人もそう信じているなら)

『維新の肖像』朝河貫一と父・正澄 破滅的な状況を招いた根本原因は維新の持つ思想と制度の欠陥にある

2015年08月10日 | 政治・行政
国会事故調で紹介された朝河貫一の業績や思想を知りたいと思っていたのだが、著書『日本の禍機』は敷居が高く後回しになっていた。貫一の父で戊辰戦争を戦った二本松藩士・朝河正澄と朝河貫一の小説『維新の肖像』を図書館で借りて読了。

この『維新の肖像』の少し残念なところは、タイトルだけ見ると薩長の維新の志士を讃える小説かと誤解しかねないこと。その上、著者の安部龍太郎(直木賞作家)が現首相の安倍晋三と関係があるのではないかと錯覚してしまう。(字が違う)

『維新の肖像』「貫一は歴史学者として明治維新を肯定する立場を取ってきた。…ところが日本は、日露戦争に勝利した頃から徐々に変質していった。…満州事変、…上海事変を起こし、…どうしてこんな国になったのか。日露戦争後に『日本の禍機』を書いて以来、…このテーマに取り組んできた」

『維新の肖像』「初めは維新は偉大な革命であったが、引き継いだ者たちが国家の運営を誤ったために、このような結果を招いたと考えていた。…今日の破滅的な状況を招いた根本原因は維新そのものが持つ思想と制度の欠陥にあるととらえなければ、物事の本質にたどり着くことはできない」

『維新の肖像』薩摩藩邸“焼き討ち”から戊辰戦争に至る薩長の卑劣な手口が、満州事変や上海事変とほとんど同じだと指摘。この小説は、朝河貫一が父・正澄の手記を元に執筆中の小説と、貫一自身の物語が併行する二重構造。歴史作家であり事実関係は踏まえて書いているはず。

『維新の肖像』作者の「根本原因は維新そのものが持つ思想と制度の欠陥」という問題提起にほぼ同意できる。司馬遼太郎の『坂の上の雲』や、この小説における若き日の朝河貫一のように、日露戦争までは大義名分のある自衛戦争で、その後日本国家が変質したと考えていたが、違うと確信。

『維新の肖像』維新における思想や謀略などの諸問題と、戦前の政府・軍部・メディアの問題と、今起きている安倍政権と財界やメディアの問題は、ほとんど同じ根っこから生じたもの。大河「花燃ゆ」や世界遺産登録の維新賛美には大きな違和感。

ものすごく簡単に言うと、長州で攘夷ジョーイと叫んで過激な言動に出た玄瑞を含む下級武士と、尖閣センカクと叫んでいる安倍晋三大好き自民若手議員やネトウヨとは、本質的に何も違わないのではないか。高杉・伊藤らは情勢を把握できていたが、今はそういう人材もいない。

『維新の肖像』安部龍太郎
http://www.usio.co.jp/html/books/shosai.php?book_cd=3922
明治維新によって日本が失ったものとは
朝河父子の生き様から現代日本の病根を探る。
…破滅への道を転げ落ちていく日本の病根を見出そうとする。

朝河貫一『日本の禍機』の復刻 中村尚美(社研教授)
本の周辺2 1987.10.26
http://www.wul.waseda.ac.jp/Libraries/fumi/12/12-14.html

朝河貫一「日本の禍機(かき)」を読む
http://www.sakubundojo.com/blog-entry-46.html

太平洋戦争への入り口で日本人に猛省をうながしていた朝河貫一
http://home.hiroshima-u.ac.jp/utiyama/ISIS-12.8.W.html

『最後の「日本人」朝河貫一の生涯』阿部善雄/著(岩波現代文庫)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/0/6030940.html

変われぬ国 100年前警鐘 福島出身の歴史学者・朝河貫一
2014年6月17日

本の出版について記者会見して語る(左から)梅田秀男さん、武田徹さん、佐藤博幸さん=福島県庁で
写真

 国会事故調査委員会の報告書で、福島県出身の歴史学者朝河貫一が紹介された。黒川清委員長が「朝河は、日露戦争に勝利した後の日本国家のありように警鐘を鳴らす書『日本の禍機(かき)』を著し、日露戦争以後に『変われなかった』日本が進んで行くであろう道を、正確に予測していた」とし、原発事故は「変われなかった」ことで起きたと書いた。
 地元の高校教師らが「100年前からの警告 福島原発事故と朝河貫一」(花伝社、税別千七百円)を出版した。執筆したのは、元高校教員の武田徹さん、梅田秀男さん、福島県立喜多方高教員の佐藤博幸さんの三人。国会事故調の報告書で紹介された朝河を「もっと知ってもらいたい」という。
 朝河は一八七三年の生まれで、父正澄は戊辰戦争で敗れた二本松藩の藩士だった。正澄から漢籍や古典を学んだ。
 九二年に福島県尋常中学(現安積高校)を卒業、九六年に渡米し、一九三七年に米エール大学歴史学教授になった。武田さんは「父子でくせ字が似ているんです」と言い、手紙から分かったエピソードを教えてくれた。

朝河貫一が学んだ福島県尋常中学校本館。国の重要文化財で、安積歴史博物館として公開されている=同県郡山市で

 「(米国で大学教授になることは)天命と受け止めています」と、朝河が帰国予定が迫った一八九九年に父に手紙を送ると、正澄は「独立して過ごすことが出来なくなった時には、自決する覚悟でおります」と返事を書いた。「ただし手紙並びに写真は年に一回位は。ひとえに待っております」と手紙は結ばれている。「自決だけではなく、年一回、と書く。武勇だけではない。これが本当の武士道なんです」と武田さんは言う。
 朝河は渡米後、二度帰国した。一九〇六年、最初の帰国時、福島市での講演を報じた福島民報の記事がある。
 「国の政治のためには、偽り、嘘(うそ)を言い、弱い者をいじめるという必要性を感じることがあるでしょう。(略)それは何のためでしょう。政治には『責任』が伴うのでありますが、このことを無視するからなのであります」
 「日本の禍機」の中でも「日本は国を挙げて国民の反省力向上に努めなければならない。それを怠り、この国の行く末を、一握りの少数者の知力と道義心に頼り、任せている限り、日本の前途は極めて危ういものとなると言わざるをえない」と書いている。
 警鐘は原発事故だけではなく、今の政治にも当てはまる。 (福島駐在編集委員)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/tohokujisin/fukushima_report/list/CK2014061702000188.html

『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』:ボルダルールを青森3区に当てはめると大島<田名部に

2015年07月29日 | 政治・行政
『多数決を疑う』(酒井豊貴)を借りて読み終わったところだが、1章「多数決からの脱却」2章「代替案を絞り込む」までの暫定的結論で、筆者が勧めるのは「ボルダルール」。

ボルダは18世紀後半、フランス革命前の才人。1位3点、2位2点、3位1点という配点で「順位をつけた投票」を行なった場合、単純な多数決よりも民意をより反映する。

わかりやすいように2014年の青森3区の候補者を使ってシミュレーションしてみる。数字は仮定のものです。もう一つ、田名部または松橋を1位にした人は全員大島を最下位にすると仮定。(以下、敬称略)



例1の場合、青森3区候補者のうち、大島(X)49、田名部(Y)43、松橋(Z)8人とすると(これは実際とは異なる数字です)、ボルダルールでは大島は田名部または松橋に決して勝てない。

例1で、大島に投票した49人のうち8人以上が田名部を2位にすれば田名部が当選、田名部2位が6人以下のときは松橋が当選。(グレーの部分の数字)

個別の候補者間の比較で、大島49<田名部51、大島49<松橋51となる。個別にジャンケンすれば負ける。これを「ペア敗者」と定義する。ペア敗者が当選しないようにするのが大きな目的。

その前段階で、2000年の米大統領選ブッシュ対ゴアで、優位に立っていたゴアがネーダー立候補により票が割れ、ブッシュが当選して歴史が大きく変わったことについて言及。

実際の2014年衆院選の得票率は例2に近く、ここでは大島は「ペア敗者」ではないが、大島に投票した51人のうち12人以上が田名部を2位にすると田名部が当選、4人以下だと松橋が当選。田名部2位が6~10人だと大島が当選、という結果になる。

もし大島陣営が田名部を2位に書かないようネガティブキャンペーンを張ると、1位の人数ではビリの松橋が当選してしまう。大島陣営側で「田名部2位の割合」を調整するのは不可能で、田名部当選の可能性が高かった。

(以上、わかりやすいように具体名で例示しましたが、あくまで仮定の話です)

確かに1位の3点と2位3位の2+1=3点が同点なので、このくらいの票差だと2位をどれくらいとるかが大きく、他の候補支持者から必ず3位にされてしまう大島は1位で大きく差をつけないと勝てない。

「ボルダルール」が「ペア敗者」を当選させることは決してないということは数学的に証明されているのだという。

同書の後半では、政策(法案)と対案をペアで比較してX→Y→Z→Xというジャンケンの力関係のような「サイクル」を生み出さないためには、64%の得票が必要だということも紹介(これも数学的に証明されている)。

64%という数字は、憲法改正発議に必要な3分の2と整合性があるように見えるが、実際には小選挙区制導入により過半数の得票で3分の2の議席数が得られる仕組みになったため、憲法は過半数で発議できる。

憲法96条は下位の法律によって実質的に変えられてしまっている。決して3分の2のハードルが高すぎるのではなく、現実は逆であり、国民投票の得票率を64%まで引き上げることが必要と筆者は主張。

しかし、現実に政府・与党がわざわざハードルを高くする憲法改正を発議する可能性はゼロ。1994年の「政治改革」による小選挙区制導入が、戻すことが不可能な「改憲」だったということ。

集団的自衛権、安倍安保法案、違憲論、貴方はこの13段階のどこにいて議論していますか?

2015年07月25日 | 政治・行政

(表を見やすいように変更しましたが、見にくい場合は右クリック=Macではcontrol+クリック=で別ウインドウに拡大してください)

あまりにも議論が整理されないまま非論理的な応報になっているように感じられたので、思いつくまま表を作ってみました。この表は私の頭の中から出てきたもので、学術的な根拠はありませんが、メディアもアカデミズムも、もちろん政界も、こういった提起をしてくれないので試作してみたものです。解釈改憲の段階ももっと何段階もあるのかもしれませんが、とりあえず議論のたたき台として提示してみました。

自分自身や議論の相手がどの段階にいて、何を守るべき、あるいは何を変えるべきと言っているのか、それをきちんと示さないと議論が空回りして何も生み出しません。

その前段階として、全く異なるレベルの議論が混乱・混同(Confusion)されているのは、
1)集団的自衛権の行使認定・安保法制の必要性という問題と、
2)この法案が憲法違反かどうかという議論
 (無論憲法違反は間違いないのですが)
がごちゃごちゃに議論されており、その中で「解釈改憲反対と叫んでいる人達は自衛隊合憲という(より大きな)解釈改憲を認めているではないか、それより今回の解釈改憲の幅は小さい」という詭弁に反論できないでいることに憂慮している。(というより呆れている)

一番右の解釈の欄で最も重要なのは、いわゆる「九条護憲派」(憲法を守れ、九条を守れ、解釈改憲反対と叫んでいる人達)が、実は憲法を遵守せず、解釈改憲を認めているのだという点。

だから「解釈改憲反対」という言葉には説得力がない。

九条護憲派と立憲主義派という二分類にしたのは暫定的な表現で、この2つに簡単に分けられないということは自分自身で重々承知しているが、

私はいわゆる九条護憲派ではないし、本来なら自衛隊の存在と活動に合法性を持たせるためにも改憲は必要なのだとは思うけれども、現実問題としては九条を変えるべきではないという、論理的には矛盾した立場に立っている。しかし、現在の日本の歴史的経緯と社会状況を見渡してみれば、これが多数派で、改憲派×護憲派という<二項対立>はここでこそ「意味をなさない」と言いたい。

(以下時間切れにて明日追記予定)

八戸市議選の候補者を地元紙アンケートから機械的に選んでみると…

2015年04月25日 | 政治・行政
アンケート(画像) FB外からもみえるはず。別ウインドウで開く

①の8項目のうち3項目を候補者と同じように選ぶ
→「産業・雇用」「子育て・教育」「スポーツ・文化」の3つを選択

A.3項目一致:石橋、高橋
B.2項目一致:
「産業・雇用」「子育て・教育」→杉本、壬生、佐藤、夏坂、小屋敷、西村、工藤、伊藤、秋山、小田、森園、山名、松橋、坂本、冷水、中西、岡田、吉田、立花、藤川、大下
「産業・雇用」「スポーツ・文化」→五戸
「子育て・教育」「スポーツ・文化」→古舘、八嶋、三浦、大館

②小林市政
A.支持しない→苫米地、田端、山名、清水
B.どちらともいえない→佐藤、伊藤、小田、石橋、八嶋、五戸、冷水、三浦、寺地、吉田、大下、佐藤

③人口減少・地域活性化で「具体的な政策(らしきもの」をあげている(内容は別として)
杉本、佐藤、夏坂、伊藤、苫米地、田端、石橋、高橋、前沢、三浦、大下、清水

②の「どちらともいえない」以上を絶対条件としてふるいにかけると、

②B+①A 石橋
②B+①B 佐藤、伊藤、小田、八嶋、五戸、冷水、三浦、吉田、大下
②A+①A なし
②A+①B 山名

③にも名前が挙がっている人
石橋、佐藤、伊藤、三浦、大下

5人のうち3人は知っている人、2人は知らない新人
結構良い精度ではないか

ちなみに、無所属新人なのに小林市政支持と答えたのは、
杉本、久保、森貝、中西
この人達は何のために立候補するのか理解できない。せめて是々非々でなければ存在意義がないだろう。

(敬称略)

青森県の2014総選挙結果をみて素人なりに考えてみた 県民・国民が県や国より先に進むしかない

2014年12月16日 | 政治・行政
青森県の小選挙区重複候補で升田氏が復活して田名部氏が落ちたというのは少々意外だが、青森市民がシビアかつ大人の選択をしたのに対し、八戸市民は小選挙区制の意味がわかってなかったということか。

3区には維新の組織票なんて無いんだから、民主・社民が損して維新だけが得したとも言えるかも。いずれにせよ、1・3区では自民に「猛烈な逆風」が吹いたことは確実だが、それを活かし切れず、最終的には野党間・党内県外候補との食い合いに終わったということ。(1区では活かしたと言えるかもしれないけど、それが維新では…)

共産党は自党がいくら伸びようとも、客観的に見れば自公政権の勝利に貢献したことは疑いようのない事実(自公を減らさないと意味がない)。数からすると、次世代という老人党と入れ替わったよりも少ない。なぜ野党間の「野合」批判を繰り返したのか理解不能。自公批判一点に絞ればまだ可愛げがあったものを。

そもそも、公示前「自民293+公明31=324」だったのが、選挙後に「自民291+公明35=326」なのだから、与党は「現状を維持した」だけ。無論、「減らすのは確実な情勢でいかに減少幅を少なくするか」という「追い込まれ選挙」だったことを考えれば自公与党圧勝と言って間違いないとは思うが。。

ただし、小選挙区制の問題も、共産党が変わらないのもわかりきっていたことで、そんなの言い訳にならない。問題は私たちの側。ボンヤリとした策はあるのだが自分では動けないし、他のことに手が一杯で何もできそうにない。。

   ↓
「ボンヤリとした策」については、何とか文面にだけでもしてみたい

「小選挙区制の問題」
…これは、今の制度のままひっくり返してから変えるしかない(普通に考えれば無理っぽいけど)。。唯一可能性があったとしたら2009年の政権交代時だろうけど、元々この制度は小沢一郎がつくったものだし、それで政権交代できたから良い制度だと今でも思ってるみたいだから。。ドイツのような制度なら良かったんだろうけど。。
「一票の格差」なんかよりずっと問題だとは思ってますが。。

八戸に議員2人を望む人は弱い方へ投票する以外にない 小選挙区で共産党への投票は現政権白紙委任と同義

2014年12月14日 | 政治・行政
表題は簡略化したが、正確には→「八戸に国会議員が2人いたほうが良い」という人は強い方に投票してはいけない。小選挙区で共産党に投票するのは白票(現政権への白紙委任)と同じこと。

意味は明確なので解説はしません。
小選挙区制というのは、そういうこと。
政策本位の選択なんてのは最初からできない。
自己満足で構わない人はそれでいいかもしれないが、残された人生は短い。
異議のある人は細川護煕・河野洋平・小沢一郎の各氏へどうぞ。
(土井たか子さんはきちんと筋を通そうとしたが)

丸山眞男「常に精神の冒険をし、常に疑い、全部相対化し、いろんな角度から検証する」

2014年09月01日 | 政治・行政
丸山眞男「常に精神の冒険をしなければならない。正しいと思っていることを常に疑い、冒険に出して、無事に乗り越えて帰ってこれるかどうか。全部相対化し、その人の中に入り込みながら、絶対視するのではなく、いろんな角度から検証するという学問態度…」(江田五月氏)

NHK 戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか
2014年度「知の巨人たち」 7月19日(土)
第3回 民主主義を求めて 政治学者 丸山眞男
http://www.nhk.or.jp/postwar/program/past/

「日本に内発的なデモクラシーの萌芽があったんだと言いたい気持ちは非常に強かったんですよね。占領軍から押しつけられたものじゃないという気持ちが明治の精神の中にもあったんだと、福沢とか持ってきてですね…」

「政治に対して無関心、嫌悪の支配するところでは、民主政治の実質が否定され、政治家は独裁化し、ボス化する。独裁者は民主主義の敵であり、政治は形骸化される。民主主義の実態は、プロセスを重視するのである。討論が重視されるのである。権力に対して常に問いかけること、問い続けることである」

「永久革命は、ただ民主主義についてのみ語りうる。民主主義は制度としてでなく、プロセスとして、永遠の運動としてのみ現実的なのである」

江田五月氏「丸山(眞男)先生から言われたことで思い出すのは、常に精神の冒険をしなければならない。自分はこれが正しいと思っていることを常に疑って、これを冒険に出して、無事に冒険を乗り越えて帰ってこれるかどうか。そういう意味で、この人は素晴らしいとかいう話じゃなくて、それを全部相対化して、その人の中に入り込みながら、しかしそれを絶対視するのではなくて、いろんな角度から検証するという学問態度というのをずっと持ってこられたんで…」

(若者がこの(当たり前ともいえる)言葉に耳を傾けることはあるのだろうか…私自身、丸山眞男は名前は知っていても著作を読んだこともありませんでしたが)

江田氏「戦後民主主義は虚妄だと、建前だけで薄っぺらなものだという説もあるけれど、それでも戦後民主主義の虚妄に賭ける、虚妄だと言われながらこれしかない、スカスカの民主主義ではあっても、もっともっと内実を充実させていく努力をしなきゃいけない。そんなに、民主主義をさらさらっと勉強して、さらさらっと捨て去って、民主主義は駄目ねなんて、そういうものではないでしょう。かなり骨太の民主主義者だった」

「今日でも新たに原爆症の患者が生まれている。長期患者あるいは二世の被爆者が、今日でも白血病で死んでいる。日々起こっている。毎日、原爆は落ちている。広島は毎日起こっている。毎日新しく、毎日我々に、問題を突きつけている」丸山氏も被爆者だったことを初めて公表

「何か日本はおかしいところがある。一番、世間を騒がしたのはオウム真理教ですね。あれが非常に変わったもの、自分たちと縁が無い、どうしてあんなのが生まれたのかと、思う方が少なくないようですけど、私はひと事と思えません。一言にしていえば、私の青年時代、日本中がオウム真理教だったのではないか。そうすると、非常によく思い当たる。一歩日本の外に出れば全然通じない理屈が、日本の中でだけ堂々と通用している。それ以外の議論は、耳にもしないし問題にしない」

(私はオウム幹部と同世代であり彼らと私と何が違ったのかかなり突き詰めて考えたし、縁遠いなどとは思えなかった。村上春樹氏と河合隼雄氏の対談本でも取りあげられている)

「最後に理屈を言いますならば、他者感覚のなさということなんです。他者がいないんです。同じ仲間とばかり話していますから、その怖さです」
(この「怖さ」がいま現実に吹き荒れている事態)

江田五月氏「自分自身が正しいと思っていることを常に疑ってみる、相対化する。そしてその自分自身が正しいと思っているものに対抗する。自分と意見が違う、その自分と意見の違うものをどれだけ自分が内在的に理解するか。その上で自分の意見と内在的に理解した他者の意見とを、自分の中でぶつけ合わせてみることによって、思想の発展が出てくる。これは非常に(丸山から)教わったことですね。今現実の政治の中でそういうようなことが、あまりにもちょっと足りないという感じはしてまして、多数を持っている人たちも、自分の考えに、あぐらをかくんじゃなくて、少数、あるいは自分と違う他者への、いっぺん共感してみようという思いを持って、お互いの討論をすると、少数の方も同じことは言えるわけですけどね、そういうことがないと、次のステージにのぼっていくことがなかなかできない」

「もし「永久革命」という言葉に意味があるとしたら、民主主義だけが永久革命という名で呼ばれるに値する。世界中どこも民主化を完了した国はない。これから永久に革命していかなければならない。あらゆる国は民主化の過程にある」

「ネット選挙解禁」騒ぎ 中身は? まず情報の確認から 各候補者・政党リスト(緑の党を含む)

2013年07月02日 | 政治・行政
また「ネット選挙」ミニバブルでIT関連企業に政党助成金(税金)が流れ込むだけ。
マスコミは「ネット選挙解禁」と騒いでいるが、公示前の「ネット政治活動」はこれまでもほとんど自由だった。
(直接的な投票呼びかけを除けば…そんなの枝葉末節の問題)
そして、実は選挙なんて公示前に98%終わっている。
マラソンと同じ。あとは走りきるだけ。
(よほどの失言や政局の急変がないかぎり)
だから、選挙が終わったら「ネット選挙解禁」は投票結果に影響しなかった、なんてオールドメディアは嬉しそうに書き立てるだろう。
目に見えている。

それよりも前に、「ネット選挙解禁」の上っ面ではなく中身はどうなってますか。
有権者は候補者のサイトをチェックしてますか。
候補者は有権者に主張を届けようとする努力をしてますか。
メディアは候補者の情報を有権者に届けようとしていますか。

「ネット選挙解禁」によって、公示日以降もそれまでの「ネット政治活動」をストップせずに、そのまま「ネット選挙活動」に移行できることは、確かに進歩と言えるかもしれない。
が、10年も経ってこの程度のことが実現したからと言ってあまり喜ぶ気にもなれない。
問われるのは、日常的にネット上(だけでなくリアルとネットの双方)で有権者に対して双方向の情報発信をしているかどうかということだろう。

有権者や未成年のネット上における政治・言論活動については、制限的な記事や相変わらずの自粛ムードが残っているようだが、各陣営に属さない個人が政策などに基づく議論や発言を行うことは原則自由であるという点からスタートしないといけない。
未成年が禁じられているのは選挙活動であって、ネット上の政治活動は禁じられていない。

■ 公開討論会(青森県選挙区・6名中5名出席)

2013参議院議員選挙マニフェスト型公開討論会(6/23)
http://www.youtube.com/watch?v=fRSqeC0qFPU

欠席 滝沢

■ 市民団体による候補者アンケート(情報収集中)

参院選候補者タバコ問題アンケート(青森県タバコ問題懇談会)
http://ameblo.jp/aomori-aa/entry-11564386262.html

回答拒否 滝沢 波多野

■ 各候補者のアドレス(7/1現在)

平山幸司(生活)
HP http://hirayamakoji.jp/
Blog http://hirayamakoji.blog.ocn.ne.jp/
twitter https://twitter.com/aomori15 (299 → 441) +142
FB https://www.facebook.com/pages/平山幸司/447872498576243
Youtube http://www.youtube.com/user/hirakoaomori

滝沢 求(自民)
HP http://takisawamotome.com/
Blog http://motome-takisawa.blog.ocn.ne.jp/
twitter https://twitter.com/takisawamotome (39 → 77) +38
FB https://www.facebook.com/motome.takisawa

吉俣 洋(共産)
HP -
Blog http://yoshimata.exblog.jp/
twitter https://twitter.com/yoyoshimata (2476→2584) +108
FB https://www.facebook.com/you.yoshimata
Youtube http://www.youtube.com/user/kyousantouaomori

工藤 信(無・民主)
HP http://kudoshin.jp/
Blog http://kudoshin.blogspot.jp/
twitter -
FB -

波多野里奈(みんな)
HP http://hatanorina.jp/
Blog http://hatanorina.jp/wp/wp/topics/blog
twitter -
FB https://www.facebook.com/hatano.rina

石田昭弘(幸福)
HP -
Blog http://ameblo.jp/ishitaakihiro/
twitter -
FB -

木村隆次(自民・比例)
HP http://ryuji-kimura.com/
Blog http://ryuji-kimura.com/?page_id=46
twitter -
FB https://www.facebook.com/92.ryuji.kimura

twitterの数字はフォロー者数(6/14 → 7/1)

■ 各政党のマニフェスト(緑の党を含む)

自民党
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/121527.html
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/sen_san23/sen_san23-2013-06-27_2.pdf

民主党
http://www.dpj.or.jp/policies/manifesto2013
http://www.dpj.or.jp/global/downloads/manifesto2013.pdf

公明党
https://www.komei.or.jp/policy/manifesto/2013.html
重点政策全文
https://www.komei.or.jp/policy/policy/pdf/2013jyutenseisaku.pdf
当面する重要政治課題
https://www.komei.or.jp/policy/policy/pdf/2013currentpolicy.pdf

共産党
http://www.jcp.or.jp/web_policy/html/2013sanin-seisaku.html
http://www.jcp.or.jp/web_download/2013-saninsen-seisaku.pdf

生活の党
http://wp.seikatsu1.jp/activity/party/act0000093.html

みどりの風
http://mikaze.jp/gallery/index.cgi

緑の党
http://greens.gr.jp/policy/
http://greens.gr.jp/2013kokkai_info/7740/
http://greens.gr.jp/uploads/2013/07/GMFT2013_.pdf

みんなの党
http://www.your-party.jp/policy/manifest.html
http://www.your-party.jp/news/office/002185/

日本維新
https://j-ishin.jp/election/
https://j-ishin.jp/pdf/2013manifest.pdf

笑える、自民公募茶番劇

2009年07月30日 | 政治・行政
出来レース。。民主党陣営はホッとしているでしょうね。。(^_^;)
(高橋県議-これも世襲だがーを警戒してたでしょう)

自民党青森県連「世襲」決定、党本部は反対
 自民党青森県連は29日、同党津島派会長の津島雄二・党税制調査会長(衆院青森1区)の引退表明を受け、後継候補として、津島氏の長男、淳氏(42)の擁立を決め、党本部へ公認申請した。
 これに対し、世襲候補の立候補制限を主導してきた菅義偉選挙対策副委員長は同日、「公認決定(権)は党本部にある。選対を預かる立場としては公認すべきではないと考える」と述べ、淳氏の公認は認められないとの考えを示した。
(2009年7月29日21時50分 読売新聞)

大島・田名部両氏との意見交換会

2009年07月30日 | 政治・行政
今月開催された大島・田名部両代議士との有意義な懇談会に出席してきました。
率直な意見交換が出来たと思います。自民・民主両党の政策について、どちらかを手放しで賛成できるというわけではなく、一長一短はあると思います。
しかし、現在の喫煙者3千万人の8割、2千4百万人を禁煙させることができて、千2百万人の命を救うことが出来る「タバコ税増税(一箱千円)」を政策集に掲載した民主党を今回は支持したいと思います。。これは世界の常識(=日本の非常識)です。
政策集に載せてマニフェストから外れたことについては席上触れておきました。
しかし、次期政権党の政策集に「たばこ事業法廃止」がきちんとうたわれたことは画期的な出来事です。
「国民の命を最優先する政治」という観点から、タバコ税増税を叩き潰して現在も増税反対である大島氏は落第、田名部氏は合格という判断です。(両氏ともに失礼をお詫びします)

タバコの惨禍(年間19万6千人死亡、受動喫煙で2万人死亡)は、水俣病やアスベストの比ではありません。。人殺し企業JTと財務省の癒着を止めて天下の悪法「たばこ事業法」を廃止するには、当面政権交代しか手段はありません。