踊る小児科医のblog

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理解不能なSTAP細胞問題 クローズアップ現代を見ながら

2014年04月11日 | NEWS / TOPICS
STAP細胞、一般の方は小保方さんに同情的な雰囲気だけど、科学者とはかなり温度差がある。ネット上でもそうだし。まあ、科学者とは言えない私でも違和感は感じる。クローズアップ現代の録画を見ながら。(理研がトカゲの尻尾切りをしていることもおそらくそうだとは思うが)

論文の根幹がしっかりしていて(小保方さんの主張のように捏造ではなく)画像の取り違えや単なる画像操作だったのだとしたら、あるいはデータは存在しているなら、それでSTAP細胞があるという証明はできるはず。何で出来ないのか理解できてない。

今まで存在しなかったものを「ある」と主張するなら、それは証明できて初めて言えること。「ある」ことが証明できなければ、ないものとして扱う。この場合、ないというのは可能性が全くないということとは違う。

違う寒天での電気泳動の画像は直接比較できない。(まあ、これは当たり前だろうな)

「200回以上作成というのもかえって怪しい。時間の無駄。何のためか」(まあ、そう思うよな…)

これだけの研究や論文発表を一人でできるわけないし、共同研究者(直接の上司)が一番の問題だろう。何やらいろんな報道もあるようだがそれは別として。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/254001/

新型出生前検査「2割見落とし」とは →染色体異常のうち16.8%はNIPTでは検出できない

2014年04月10日 | こども・小児科
この朝日の記事(↓)は見出しがダメで、本文を読めば一応理解可能ではあるけど、見出しだけでは誤解を生ずるもの。

■ 新型出生前診断、「異常」2割見逃し 米大研究(2014年2月5日)

読売の産婦人科医のコラムにそのあたり詳しく解説されています。私もわかりにくいと思って検索したら元記事を抑えてトップに検索されてきました。

■ 新型出生前検査「2割見落とし」の真相(宋美玄のママライフ実況中継)

ただ、記事中の数字がちょっとわかりにくいかもしれない。
羅列ですが書き出してみます。(自分でもこれ書いてみてわかった)

■ カリフォルニア州の出生前検査プログラム 132万4607人
     ↓
 18または21トリソミー陽性 6万8990人(5.2%) ←これが意味不明
     ↓
 うち、絨毛検査または羊水検査 2万6059人(37.8%)
     ↓
 そのうち、異常 2993人(11.5%)

  - NIPTで判定可能な異常 2489人(83.2%)
      - ダウン症候群 1592人(53.2%)を含む
  - NIPTでは見つけられない異常 504人(16.8%)

この16.8%のことを「新型出生前診断で2割見逃し」と言っているわけですが、確かにこの見出しは検査の意義も発表の意味も理解していたとは思えない。編集部でわざと誤読による驚きを与えて注意を引くように、(いま流行の言葉で言うと)「悪意をもって」つけたとしか考えられません。

ちなみに、ここでの「異常」とは染色体異常のことを指していますが、いわゆる先天性疾患のうち、染色体異常をもつものはさほど多くありません(25%程度とのこと)。

その中で、従来からダウン(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーは多いものとして知られていましたから、この3つで全体の83%という数字は大体その位かなという感じがします。

NIPT(いわゆる新型出生前診断)については以前書いたのでここでは詳しく触れませんが、たとえ年齢などの条件が適合するとしても、無条件にお勧めするわけではなく、必ず指定病院でカウンセリングを受けた上で判断していただくべきと考えています。

ところで、NIPTで検出可能なのは「21、18、13」の3つと思っていたのですが、記事中に「性染色体の異常」という言葉が出て来ます。何か新しく加わったのかと思ったら、下記のページで詳しく解説してくれています。

「性染色体スクリーニング」という誤解
「性染色体異常(ターナー症候群やクラインフェルター症候群など)をNIPTでスクリーニングすることはあり得ません」

NIPTによるスクリーニングに新しく追加された対象疾患

福島県の甲状腺がん検診「スクリーニング効果は試算してから論じるべき」「なし~30年で比較」

2014年04月08日 | 東日本大震災・原発事故
これまで何度も出した数字ですが、福島県の甲状腺がん検診は、概算で「スクリーニング効果10年として発症率が10万人あたり3人程度」を目安にしながら推移を見ていく必要があるとお伝えしました。それが「多発」なのかどうかは別として。

前回お伝えしたのは、
福島の甲状腺がん「確定32+疑い42=74名」 3年目は低くなりそうだが、懸念材料にも… 2014年03月06日

ここで使ったエクセルの表に、スクリーニング効果「なし」~30年までの試算を追加してみました。上段は福島県(2月発表)、下段は福島県外3市(2012年実施、2014年3月二次検診結果発表)。


福島県外3市についてはFacebookのこのページに表を短報で載せました。上記の表の左半分です。

発症率(=現在の発見率(有病率)/スクリーニング効果の年数)は、
「なし」なら 27.5人/10万人
10年なら 2.7人/10万人
20年なら 1.4人/10万人
30年なら 0.9人/10万人
(18歳未満の検査なので最年長でも21歳ですから、20年以上は計算上の架空の数字になりますが)

福島県外3市のデータは甲状腺がんが1例という数なので、直接の比較はできませんが、福島県と桁は同じでやや低め。(1人違うとゼロか倍かという世界ですから、桁での比較を目安としてする程度の参考データとして)

比較として、
1)従来言われていた「百万人に1-2人」は 0.1-0.2人/10万人
2)ベラルーシの90年代前半は 1-3人/10万人

1)の「0.1-0.2人/10万人」を「スクリーニング効果なし」の27.5人と比較すると「100倍とか200倍」という数字が出て来ますが、これは殆どあり得ない話。「脱原発派」と称する人たちが「100倍も多発」などと言って騒ぐのは、本当に脱原発を進めたい人たちにとって迷惑でしかない。

一方、スクリーニング効果を30年まで引っ張っみても「0.9人/10万人」であり、やっと「0.1-0.2人/10万人」と同じ桁まで下がるけど、それでも5~10倍高い。スクリーニング効果だから心配ないという説明は、この簡単な計算を示してからにすべき。(それで納得が得られるかどうか)

現在の福島の「スクリーニング効果10年として2.7人/10万人」という数字がベラルーシの90年代初期の「1-3人/10万人」とほぼ同じ(しかも福島県外の数字とも桁が同じ)ということをどう解釈すべきか。

ベラルーシのグラフを再掲しておく。小児の甲状腺がんはなくなったのではなく、年齢層が思春期、若年成人に持ち上がって、増え続けている。


「スクリーニング効果派」は、ベラルーシが多発であって、福島は10倍多く検出しているだけと言いたいらしいが、10で割ってもベラルーシと同じということは、現在の検診は二桁(100倍)くらい多く(=不必要に)検出している可能性があり、「検診不必要派」と同じということになる。

それなら本当に不必要なのか。
1人の悪性のがんを発見するために、9人、あるいは99人に針を刺したり手術で摘出していると言えるのか。
その1人と残りの9人、あるいは99人を臨床的に区別できるのか。
出来ないなら同じポリシーで細胞診や手術を実施しなければかえって不安が広がるだけではないか。

一番下に、2月発表のデータから結節の大きさの分布の表とグラフを掲載しておく。このように連続している分布の場合は、正常と異常の境目に線を入れられないので、中間域では一例ごとに判断していくことになるが、20mm以上で区切ってみても103例もいることに改めて驚かされる。
甲状腺がんは確定32+疑い42=74名。
(この74名の大きさの分布は記載されていない)

20mm=2cmもある結節であれば、別に高精細の超音波だから見つかったというわけではなく、視診や触診でも容易に確認できる大きさであり、臨床的に発見される甲状腺がん(結節)の診断・治療指針に従って同じ扱いをするのが普通だ。
検診不必要派の意見は結果としてはその可能性が否定できないにしても、臨床的には採用することなど不可能。

問題となっている相矛盾する所見は

1)ベラルーシとの比較(上記)では、スクリーニング効果は10年では説明できず、30年以上を想定しなければ成り立ちそうにない。
2)現在実施されている3年目の数字が1・2年目を下回りそうなのは懸念すべきデータ(3年目が低いなら1・2年目は多発という判断になってしまう)。
3)福島県外3市の数字が福島県と同じ桁に入っていることは楽観論を許す部分もあるかとは思う(が、粗すぎて単純に比較できない)。

これらを一元的に説明できる解釈は私にはわかりません。
こういったモヤモヤする葛藤を表明している人を見つけられないは、私の思考回路がどこか間違っているせいか。皆さんの頭がいいのか。私の頭が悪いのか。
(多発、心配ない、検査不要の)どの立場も現段階では支持できません。

(訂正)前に「スクリーニング効果が10年なら二巡目から1/10に低下しなければならない」と書きましたが、同一地域の検査は一巡で3年ごとなので、1/3に下がるかどうかが目安となるかと思います。




「タバコ販売と命や健康は両立しない」JTとたばこ販売組合の意見書に青森県タバコ問題懇談会が徹底反論

2014年04月07日 | 禁煙・防煙
青森県タバコ問題懇談会では、JTとたばこ販売組合が弘前市に提出した「意見書」に対する全面的・徹底的な反論を掲載しました。

4)JT意見書への全面的反論:タバコ販売と命や健康は両立しない『全面禁煙の飲食店のみを選択します』 / PDF(2014.4.2)

3)弘前市に対するJTとたばこ販売組合の意見書をタバコ規制妨害工作の歴史的証拠として掲載 / PDF(2014.3.17)
(リンクはいずれも別ウインドウで開きます)

この「意見書」の全文は、世界中で連綿と続いてきたタバコ産業によるタバコ規制妨害工作の歴史的証拠として記録に残しておくために掲載しました。

その前に、青森県タバコ問題懇談会が弘前市長・議長に対して要請したタバコ対策基本条例の要請文と、その基礎となる資料は次のページおよびPDFファイルでご覧いただけます。分量が多くなりますが、可能なら先にご覧いただいた上で、この意見書と反論を続けて読んでいただければ理解が深まるはずです。

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1)弘前市長・議長にタバコ対策基本条例の制定を要望 / 要望書PDF(2014.2.19)

2)市町村長・議会に求める総合的タバコ規制政策「タバコ対策基本条例」の提案 / PDF(2014.1.25)

花子とアンとめ以子の時代 1908年:モンゴメリ34歳 花子15歳 アン11歳 め以子3歳

2014年04月04日 | ART / CULTURE
モンゴメリ 1874(明治7)-1942(昭和17)
村岡花子 1893(明治26)-1968(昭和43) 終戦時 52歳
日露戦争 1904(明治37)-1905(明治38)
赤毛のアン 1908(明治41)
 モンゴメリ34歳 花子15歳
 アン 11歳 1897年(明治30年)
 翻訳1952 花子59歳

ごちそうさん
め以子 1905(明治38)-
関東大震災 1923(大正12) 18歳
終戦時 40歳

八戸市長選2001~公開討論あおもりフォーラム2003の記録

2014年04月03日 | 東日本大震災・原発事故
公開討論あおもりフォーラム http://www.kuba.gr.jp/omake/touronkai/

このページは公式ページができたので閉鎖していたものですが、先日載せていた某サーバ内を整理した際に、自分のページに移動させて記録保存しておくことにしました。
(外部リンクは切れているのがほとんどですがそのままにしてあります)

かつては県議選や小さな町の町長選でも公開討論会や合同・個人演説会が開催されていた。
もちろん、それを開催しようという市民がいて、その機運があったことが第一ですが。

2004年以降は記録を残していなかったので、いつ頃まで「公開討論あおもりフォーラム」の名前で活動して、自然に消滅したのか記憶が定かではありません。
いつしか、公開討論会や合同・個人演説会は青年会議所(JC)が単独で開催するようになりました。


弘前市長選タバコ問題アンケート 葛西・千葉両氏より回答あり ただし葛西氏は個別設問に回答せず

2014年04月03日 | 禁煙・防煙
青森県タバコ問題懇談会では弘前市長選立候補予定者2名にタバコ問題アンケートを実施し、葛西・千葉両氏より回答をいただきました。結果はホームページおよびブログに掲載していますのでご覧下さい。(表題にあるように現職の葛西氏からは個別の設問には全て回答がなく、議会答弁の内容のみの返答でした)

→弘前市長選タバコ問題アンケート回答
→PDFファイルのダウンロード

院内報 2014年2月・3月号を掲載 予防接種の間隔上限撤廃 風疹排除目標に 禁煙店マップ公表など

2014年04月01日 | こども・小児科
院内報 2014年2月・3月号

・院内版感染症情報 ~2014年第13週(03/24~03/30)
・予防接種の間隔の「上限」が撤廃 四種混合・日本脳炎など
・水痘ワクチンの定期化は秋から 子宮頚がんHPVワクチンは未定
・風疹も2020年度までに「排除」目標に 麻疹が一部地域で流行
・「私たちは全面禁煙のお店だけを選びます」 禁煙店マップ公表
・4月・GWの診療、急病診療所の予定

http://www.kuba.gr.jp/info/ihtop.html

(現在、ホームページのリニューアル作業中です)