踊る小児科医のblog

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日本脳炎死者200人超 インド北部

2005年08月31日 | こども・小児科
国内では予防接種が事実上の“中止”状態にある日本脳炎ですが、リスクがなくなったわけではなく、毎年南アジアから中国にかけて流行は繰り返されています。治療法はなく、死亡率も高い。類縁のウエストナイルウイルスがアメリカで流行すると大きなニュースになりますが(こちらはワクチンはない)、ワクチンがあるにもかかわらず普及せず大きな流行で死者をだしている日本脳炎は、誰にも注目されません。

日本脳炎死者200人超 インド北部
 AP通信によると、インド北部ウッタルプラデシュ州で流行している日本脳炎による子どもの死者は28日までに212人に達した。州保健当局は、さらに300人以上の患者が病院で手当てを受けているとしており、死者はさらに増える恐れがある。
 当初は州東部のゴラクプルを中心に流行していたが、他の地域でも感染者が出始めた。州都ラクノーの病院では運ばれてきた子どもの患者が病室に入りきれず、十分手当てを受けられないまま死亡するケースも出ているという。医療機器の不足も指摘されている。
 同州保健当局によると、同州の子ども約700万人に対し、予算不足のため予防接種を行き渡らせるには程遠い状態。州東部では雨期による洪水も起きており、蚊の大量発生でさらに被害は拡大するとみられる。

千葉真子29歳、独走で北海道マラソン3戦3勝

2005年08月30日 | SPORTS
千葉ちゃんこと千葉真子選手(以下敬称略)は不思議なランナーで、勝っても負けても走るたびにファンを増やしているように思えます。
人気の秘密はあの声と喋りにあるのも確かでしょうが。(^^;
北海道マラソン
独立初レース飾った!千葉 大会新V2

いつも参照する下記のサイトで過去のレースを見直してみても、出場レースを絞ってくる他の一流ランナーと比べて、毎年よく走っているのがわかります。
千葉真子選手RACE LIST (Women's Marathon)
著書「ベスト・スマイル」を買うつもりで忘れてました。次のリストに入れておこう…。

2位の嶋原清子も最後また追い上げましたが、東京の再現とはなりませんでした。
男子で30km付近でトップに立ったモカンバが、最後はフラフラによろめきながら千葉に抜かされていったシーン。あれはやっぱり夏のマラソンで水分補給や水かけなどの対処が十分でなかった中での熱中症でしょうか。かつてのロス五輪でのアンデルセン選手を思い出させる姿でした。大丈夫だったんだろうか。

今回ちょっと面白かったのは、男子優勝の渡辺共則と高校の同級で男子女子陸上部のキャプテン同士(そして旭化成も一緒)だったということ。
この29歳という年齢は、マラソンでは他のスポーツと違ってまだピークを過ぎたとはいえないところで、シドニーで高橋が金メダルをとったのが28歳、ベルリンで当時世界最高をうち立てたのが29歳、野口がアテネで勝ったのは27歳、高岡が日本記録を出したのが32歳。

マラソン選手の年齢をもう少し調べてみると、今回優勝した千葉真子と渡辺共則が29歳、2位の嶋原清子が28歳。野口みずきも28歳。個人的に期待している大島めぐみも29歳。この世代がここ1-2年の中心になってくるのでしょう。
渋井陽子は26歳、坂本直子は24歳(坂本はいつ復活するんだ?)、そしてマラソンは走ってませんが福士加代子が23歳。
高橋尚子は33歳、弘山晴美が36歳(9月2日で37歳)。

こうやってみると、福士は急いでマラソン転向することもないし、本人も長い距離を走りたいわけでもないみたいだから、機が熟するのを待ちましょう。(^^;
高橋の東京国際女子マラソンも注目ですが、やっぱり11月20日でしたか。その週は毎年八戸医学会があるのに加えて、今年は第九演奏会だ。
ビデオで観戦するにしても、結果がわかってしまっているのは仕方ないか…。

ポーラ・ラドクリフは1973年12月17日生まれですから、31歳ですか。2時間15分25秒の驚異的な世界記録を打ち立てたのが2003年4月ということは、29歳。

今回もう一人注目したのが、市橋有里。最初に少しだけ画面に映っただけで、その後順位やタイムも伝わっていませんでしたが、HPの記事によると2時間44分32秒の15位で完走したとのこと。また、本格的に練習をしたのは1カ月前からだったということですから、今回は足がかりとしてまた第一線に出てくることを期待したいですね。調べてみると、市橋もまだ27歳。1999年世界選手権セビリア大会の2.27.02がPBですから、スピードマラソンのこの時代に厳しいことは確かですが、せっかく八戸うみねこマラソンにも来たことだし、もう一花咲かせてほしいものです。

青森県における麻疹対策と予防接種広域化の現状

2005年08月29日 | こども・小児科
#以下は日本小児科医会会報に掲載予定の原稿ですが、そのままこちらに掲載しておきます。青森県における麻疹(はしか)の流行状況と対策の経緯を簡単にまとめたものです。

青森県における麻疹対策と予防接種広域化の現状
         青森県小児科医会 久芳康朗

●全国ワースト1の流行から

 青森県では2002年初頭より全国平均を上回る麻疹の流行が続き、同年4月から6月にかけて全国ワースト1を記録する事態となった。県でも麻疹流行防止対策保健所長会議を開催するなどして流行の拡大防止に務めたが、実際にとられた対策は健診や他の予防接種の際の接種勧奨や広報による呼びかけといった一般的なものであった。

 それまで県内では郡部の町村を中心に個別接種への移行が進まず、集団接種も接種回数が限られるなど接種率向上を阻害する要因が大きく、麻疹の接種率は平成11年度62.1%、12年度72.6%と全国平均を大きく下回っていた。この接種率も実施計画により算出された対象者数を分母とした数字であり、全県的な累積接種率の調査はなされていなかった。

 八戸市では、医師会と市や県の担当者を交えた対策会議を開催し、上記の他に入園入学時のチェック体制や予防接種広域化に向けた働きかけなどが検討され、1歳以上の麻疹未接種児がポリオやBCGの集団接種を受診した際には担当医から接種勧奨を行い、麻疹流行時にはポリオを取りやめて麻疹を受けさせるよう指導を統一させた。1歳半健診時の未接種者への勧奨と健診未受診児への連絡などの対策も各市町村で行っている。

 その結果、2004年に県小児科医会で実施した接種率調査(後述)において、八戸市では累積接種率が生後17か月で76.7%から87.3%へ、35か月で86.4%から98.2%へと、2年間で約10%上昇してほぼ満足できるレベルにまで達していた。一方、隣接する階上町では八戸市と一体化した個別接種が行われているにも関わらず、接種率が2002年の八戸市と同等であったことから、体制面ではなく実際の対策を地道に行ってきたことが接種率を押し上げた要因ではないかと推測される(図1)。
図1

 全県的にも、接種体制の大きな変化があったわけではないが、全国の流行状況と合致して、2004年以降散発的な発生報告のみで流行に至らない状況が続いている(図2)。
図2

●全国の対策に遅れをとる

 青森県では麻疹だけでなく乳児死亡率や平均寿命、さらには自殺率に至るまで全国最下位を争うような状態が続いてきた。その要因として厳しい気候や地理的な条件、人的資源の不足、県民所得の低迷などがあげられ、町村部で個別接種への移行が進まなかったことも、自治体財政の悪化が主な要因であった。

 しかし、流行のあった2002年の時点で沖縄や北海道から始まった「はしかゼロプロジェクト」の動きは全国に広がってきており、広域的予防接種も多くの県で実施されるか具体的な検討に入っていたが、青森県は全く検討されていない最後の県の1つに入るなど、情報や施策の面でも大きく遅れをとっていた。

 この間の「はしかゼロ対策小児科医協議会」設立や「はしかゼロプロジェクト・アピール2003」なども踏まえて、県小児科医会でもアクションプランを作成し、県知事に対して「はしかゼロプロジェクトについての提案」を提出した(2003年11月)。

 その概要は、他の先進地域と同様に、5年間で1歳児の接種率を95%以上に引き上げて県内の麻疹患者発生をゼロにし、10年間で排除期に到達することを目標とするもので、具体的活動としては予防接種の全県広域化、継続的な接種率調査と患者全数把握システムの構築、未接種者への接種勧奨や教育・広報活動などを主とするものであった。

●予防接種率調査と広域化実施への検討

 2004年に「21世紀の予防接種」をテーマに八戸市で開催された東北北海道小児科医会連合会を機に、県小児科医会の佐々木が中心となって県内の各市町村における接種率調査が行われ、累積接種率の平均は生後18、35か月で40.5、82.5%と全国と比べ低水準であり、接種体制によって大きな差がみられた。

 同時に、県でも我々の提案を受けて広域化実施に向けた調査検討に入り、小児科医会および県医師会とも意見交換が開始された。

●予防接種広域化の実際と今後の課題

 現在、医師会と県が中心になって予防接種の広域化に向けて検討が重ねられており、2006年4月から実施の予定となっている。その概要としては、大分方式などを参考にして、次のような方向で準備が進められている。

1)参加は各市町村の手挙げ方式
2)種類はBCG、三種混合、麻疹、風疹(麻疹・風疹混合ワクチンに変更予定)、日本脳炎、二種混合の6種類
3)契約は市町村長と県医師会長
4)接種料金は統一しない
5)予診票は統一する
6)請求事務は医療機関から市町村へ直接
7)依頼書は不要

 広域化にはできるだけ多くの、望ましくは全ての市町村が参加してはじめて県内の子どもたちが等しく接種の機会を与えられることになるのだが、参加市町村がどの程度になるか不透明なことが最も懸念される点である。

 また、提案した麻疹対策のうち実際に動き始めたのは広域化のみであり、その他の対策は検討課題となったまま進展していない。

 現在、県内で流行が小休止の状態にあり、来年度から広域化やMRワクチン2回接種が実施されることで、少し安心している感がなきにしもあらずだが、例えば八戸市の2003年の就学時健診における麻疹予防接種率は86.8%と低く、年長児や成人の感受性者が多数残されていて市町村によって大きな差が存在することを考えると、いつ流行が拡大してもおかしくはない。

「アスベストと健康障害」講演会(青森市)

2005年08月27日 | こども・小児科
講演 「アスベストと健康障害」
講師 名取雄司先生(医師-中皮腫・じん肺・アスベストセンター代表)
日時 2005年9月10日(土)16:00~17:30(一般の方)、~18:00(医療関係者)
会場 青森市文化会館・中会議室(4階)
参加 無料
主催 青森県保険医協会 TEL 017-722-5483 FAX 017-774-1326
講師紹介 名取先生は、この問題に長年に亘り取り組んでこられ、昨年11月19-21日に東京で開催された「世界アスベスト会議」(GAC-2004 in Tokyo)の事務局も担当され、海外でもご活躍されている、アスベスト問題の第一人者です。

資料
アスベスト対策の徹底を提言する医師・名取雄司(なとり・ゆうじ)さん
 アスベスト(石綿)による健康被害が日本を揺さぶり続けている。ただし、これは予知できた危機だった。なぜ避けられなかったのか。「命や安全が経済活動よりも絶対に優先だという考え方が日本にないからです」
 奈良県立医大卒業後、研修医生活を経て20年前、呼吸器内科医として神奈川県にある横須賀共済病院へ。米軍基地で働く日本人労働者を診る中で、アスベスト被害の深刻な実態に気付いた。
 米国などで建築業に被害が多発していたのを受け「日本でもいずれ大きな問題になる」と10年前、東京の下町で建築関係者の診察を始めた。2003年から被害者を支援する民間団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」所長も務め、横須賀でも診療を続ける。
 政府は7月末、総合対策を発表。「報道されて動いているのは(学校の吹き付けアスベストが問題になった)1987年と同じ」と冷ややかだ。
 当時は専門家が点検しなかったため、見逃しもあったとみられる。「政府対応の検証もすぐには無理。省庁間の考え方にずれがあって起きた問題だから。業界や研究者も含めた検証をじっくり進めてほしい」
 それよりも患者や家族のため、労災補償の審査の迅速化と時効の延長、医療費の助成を優先すべきだと提言する。
 「どこにアスベストがあるのかを知っている石綿企業はデータを公開せず、除去で商売できる。ほかの企業も製造や販売をやめてから情報公開する。何かがおかしい」。東京都出身。47歳。

中皮腫・死者数、7県市が把握せず…国の説明不足?
 アスベスト(石綿)が原因とされるがんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」による都道府県別の死者数を、一部の自治体では把握していないことが、読売新聞の全国調査で明らかになった。
 中皮腫による死者数は、厚生労働省が1995年に人口動態統計の死因分類に加え、アスベストによる健康被害の実態把握の基本になるとされる。厚労省は毎年、都道府県にデータを送付しているが、専門家は「国はデータ提供の際に、その数字が持つ意味をきちんと説明するべきだ」と指摘している。
 人口動態統計では、各市町村が住民の死亡データを集約し、都道府県を通じて厚労省に送付。死因の分類は同省が一元的に行い、その結果を都道府県ごとに送り返す仕組みだ。
 読売新聞が、各都道府県と政令市の保健衛生部局に、95年~2003年の中皮腫による死者数を問い合わせたところ、22日現在、すべての年の人数を把握していたのは北海道、東京都、愛知県、大阪府など33の都道府県と政令市だった。20の府県・市は一部の把握にとどまり、残る5県2市は全く把握していなかった。
 死者数を把握していない理由について、岩手県や京都市など7自治体は「県では独自に中皮腫を分類していないため」と回答。厚労省から送り返される死因別データの存在自体を都道府県側が知らない実態がうかがえる。
 また、青森県、秋田県、宮城県、神戸市、福岡市など9県市は、当初「把握していない」と回答したが、その後、「把握」「一部把握」と再回答した。
 今回のアスベスト問題の発端となった兵庫県では、被害が企業から公表された翌日の6月30日、厚労省から死者数のデータ提供を受けていた。
 20年以上前からアスベスト被害を警告している東京女子大の広瀬弘忠教授(リスク心理学)は、「事態は労災問題から環境問題へと広がりつつあり、今後は社会全体の対策を考える必要がある。死者数データは政策判断や住民の理解を得るために役立つ。せっかく自治体に提供するなら、国側ももっとその意味合いを説明するべきだ」と話している。

このブログ内の関連ページ
アスベストで肺がんは5倍、タバコで10倍、両者で50倍 [?禁煙・防煙?]?/?2005年08月01日
アスベスト 広がる被害 遅れた対策 [?NEWS / TOPICS?]?/?2004年12月23日

国・自治体
アスベスト(石綿)情報(厚生労働省)
青森県におけるアスベスト対策について
アスベスト(石綿)に関する情報(八戸市)

アスベスト専門サイト
中皮腫・じん肺・アスベストセンター
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
アスベスト対策情報(石綿対策全国連絡会議 BANJAN)
アスベストについて考える

衆院選候補者タバコ問題アンケート結果

2005年08月26日 | 禁煙・防煙
衆院選候補者タバコ問題アンケートの結果を「青森県タバコ問題懇談会」のホームページに掲載しました。
ただし、回答数が6名と少ないため、これから届いた分も追加更新する予定です。
記者発表は29日か30日にずれ込むことになりそうなので、期日までにご回答いただいた候補者の分だけでもネット上で先行発表することにしました。
回答内容についてのコメントは現時点ではしないでおきます。
政策中心で判断し投票するための一助としてください。

インドネシアでポリオ流行

2005年08月25日 | こども・小児科
#とりあえず詳しいコメントなしでニュース拾いなどをしておきます。いったん根絶された地域でも予防接種を怠るとこうなってしまうという例で、これでまた世界中からポリオが無くなる日が遠くなり、国内でポリオ予防接種をやめられる日が来るのも遠ざかりました(元々、今年中の目標は無理になっていたところではありますが)。

インドネシアでポリオ流行 10年前「根絶」今後拡大も
 インドネシアで10年前に根絶されたとみられたポリオ(小児まひ)が流行、24日までに患者が200人を超えた。さらに拡大して他国に波及する恐れが指摘され、政府や世界保健機関(WHO)が対応に追われている。
 ポリオは東南アジアでは1997年、カンボジアでの感染報告が最後で、WHOは2000年の京都会議でアジア太平洋の37カ国・地域でポリオを根絶したとする「京都宣言」を発表。予防接種の普及で近年、アフリカと南アジアの一部地域に封じ込め、WHOは天然痘に続いて今年中に世界からの撲滅を目指していたが、4月以降イエメンやインドネシアに飛び火し、年内撲滅は難しくなっている。
 インドネシアでは5月初めにジャワ島西部で外国からの輸入感染とみられる患者が見つかって以降、首都ジャカルタやジャワ島中部、スマトラ島南部に拡大。成人男性1人を含む226人の感染が確認された。
 政府は今月30日と9月下旬に全国で子供約2400万人に予防接種を実施する方針。流行地域では既に一斉接種が行われたが、安全性を疑問視する親が子供に受けさせない例が多く、流行の一因となっている。
 予防接種を支援する国連児童基金(ユニセフ)の医師は「雨期で衛生状態が悪くなる10月までに封じ込めないと流行が定着、感染輸出国になる恐れがある」と警告した。
 ポリオ(小児まひ) ポリオウイルスが口から感染し、手足などにまひが出る病気。急性灰白髄炎とも呼ばれ、呼吸中枢が侵されると死亡することもある。世界保健機関(WHO)はアジア西太平洋地域や、欧州地域で根絶を宣言したが、アフリカなどで感染が拡大。原因はナイジェリアで2003年、予防接種で不妊になるなどと誤った情報が流れ、約10カ月接種が中断したことが大きな要因とされる。

しばらくの間、お休みします

2005年08月22日 | こども・小児科
お伝えしたいこと、書きたいことはいっぱいあるし、毎日新たに生じてくるのですが、諸般の事情より一時的に更新を停止させていただきます。いつから再開できるかはわかりませんが、状況によって判断したいと思います。訪れていただいた方には恐縮ですが、ご了承の程よろしくお願いいたします。なお、これまでの書き込みについては引き続きコメントおよびトラックバックは可能ですのでご利用下さい。

2005年衆議院選挙候補者タバコ問題アンケート送付

2005年08月19日 | 禁煙・防煙
#下記のアンケートを青森県タバコ問題懇談会で作成し、17日に送付しました。来週中には結果を集計して発表したいと思います。今回はタバコ税増税や屋外自販機など具体的政策について少し踏み込んだ内容になっていますが、各候補者のこの問題に対する認識が問われるものであり、結果を注目したいと思います。また、前文にはタバコ問題に関する最低限の知識をレクチャーしてこの機会に前職を含めて各党の候補者および政策担当者に伝えて認識を新たにしてもらう意味合いもあります。

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タバコ問題についてのアンケートのお願い  青森県タバコ問題懇談会

 まだまだ暑い日が続く中で総選挙の準備に大変お忙しい日々をお過ごしのことと思います。ご健康に留意されながらも、私たち有権者が正しい判断を下すことのできるような、有意義な選挙戦を繰り広げていただけますよう期待しております。

 現在、国内で毎年11万4千人(県内で約1300人)が喫煙による病気で亡くなっている(*1)のに加えて、およそ2万人(県内で約200人)が受動喫煙による被害で亡くなっていると推計されています。

 また、青森県は日本一の短命県であるばかりでなく、県内の20代女性の喫煙率は50%、30代男性の喫煙率は70%を越えているという驚くべき調査結果(*2)もあり、これらの若い世代がすでに父親・母親となり子どもを産み育てているのが現状です。

 県でも健康寿命アップのための取り組みを進めているところですが、その中でも「単一にして最大の予防可能な疾病の原因」であるタバコの問題を解決するためには、タバコ税やタバコ農家の問題など国政レベルでの対策が喫緊の課題となっており、各政党の政策のみならず個々の国会議員や地方議員、首長の方々のご理解と行動が求められております。

 経済的にもタバコ税収などのメリットが約2兆円であるのに対し、医療費や労働力などの社会的損失が約7兆円、差し引きで毎年約5兆円もの損失を社会に与えているのが実態であり(*3)、税収のために国民の健康が犠牲になってきたこれまでの政策の転換が求められています。付け加えますと、タバコによる「ストレス解消の効用」説は間違いであり、喫煙によってストレスが高くなっているのを一時的に解消しているに過ぎず、禁煙することでストレスは低下するのです。タバコは文字通り「百害あって一利なし」であることを再度ご認識下さいますようお願いいたします。

 私たち青森県タバコ問題懇談会は、タバコの害から県民の健康を守るために、医療、教育関係者、保健・行政関係者など様々な分野の有志が参加して1998年に発足しました。タバコについての様々な問題を解決するためには、医療や教育の場のみならず、社会的、経済的そして政治的なレベルまで幅広く取り組んでいく必要があります。これまで、国政選挙や県知事選挙の際にも候補者へのアンケートを実施させていただきました。

 そこで、今回の衆議院議員選挙への立候補を前にして、それぞれの候補者がタバコ問題に対してどのように考えておられるのか、当選後にどのような行動をお取りいただけるのかを有権者に広く知ってもらい、投票のための判断の一助としていただくために、以下の質問をさせていただきますのでご回答の程よろしくお願いいたします。なお、期日が限られておりますので、ご回答は8月24日(水)までにご送付(必着)いただければ幸いです。

 ご回答はマスコミやインターネットを通じて広く有権者に周知していきたいと考えておりますので、ご了承下さいますようお願いいたします。

参考文献
*1:MORTALITY FROM SMOKING IN DEVELOPED COUNTRIES 1950-2000, 2nd edition: 2004
*2:平成13年県民健康度調査・青森県
*3:医療経済研究機構 2002年

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2005年青森県衆議院選挙候補者タバコ問題アンケート

(1) 未成年の喫煙防止対策および成人の禁煙対策としてタバコ税の大幅増税が最も有効であることはすでに世界各国で実証されており、喫煙率・死亡率減少、医療費減少、税収増、未成年喫煙大幅減、タバコ税の逆進性解消の「一石五鳥」の政策として医療団体や禁煙推進団体から早急なる実施を求めているところです。

a) タバコ税をどうすべきとお考えですか。
□ 段階的・継続的な大幅増税を実施する
□ 単発または大幅でない増税を実施する
□ タバコ税を増税する必要はない
□ その他(            )

b) タバコの価格は最終的に1箱何円くらいにすべきとお考えですか。(参考:ニューヨーク約900円、イギリス約800円)
□ 1000円またはそれ以上 □ 800~900円 □ 600~700円 □ 400~500円 □ 300円
□ その他(            )

(2) 現在、国内の屋外タバコ自動販売機の多くは店員の目が行き届かない位置にあるなど未成年喫煙禁止法に違反した状態にあり、未成年の喫煙防止のために緊急の対策が必要と考えられます。どのような対策をとるべきとお考えですか。
□ 屋外のタバコ自販機は全て撤去するか店内に移動させる
□ 違法状態の屋外自販機のみ撤去するか店内に移動させる
□ 成人識別カード対応自販機の普及を待つ
□ 現状のままで対策をとる必要はない
□ その他(            )

(3) 平成15年5月に健康増進法が施行され施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務が課せられましたが、飲食店などにおける禁煙・分煙対策は遅々として進んでいないのが実情です。これに対して、どのような対策をとるべきとお考えですか。
□ 健康増進法を改正して罰則規定を設ける
□ 健康増進法は改正せず、禁煙・分煙対策のために国や県として資金援助をする
□ 現状のまま業界の自主規制にまかせる
□ その他(            )

(4) 本県は全国でも有数の葉タバコ産地です。禁煙対策を進めるに際して、タバコ農家に対する具体的な政策が必要と思われますが、どのようにお考えでしょうか。
□ 転作を奨励するために、タバコ税を財源とした転作補助金などの政策を推進する   
□ 今まで通り葉タバコ農業を推進する
□ その他(            )

(5) 現在、東京都千代田区のみならず全国の自治体に路上喫煙禁止条例制定の動きが広がっています。今後、路上喫煙禁止条例についてどのようにすべきとお考えでしょうか
□ 国内で法制化すべき
□ 県内でも自治体による条例制定を推進すべき
□ 現状のまま喫煙者のマナーにまかせる
□ その他(            )

(6) 総合的なタバコ規制対策を進めるにあたって、財政的見地からタバコ産業の奨励をはかっている「たばこ事業法」の存在が大きな障害になっており、その撤廃または大幅な改正を求める声が高まっています。

a) 「たばこ事業法」をどのようにすべきとお考えでしょうか
□ 「たばこ事業法」は撤廃すべき  □ 「たばこ事業法」を大幅に改正すべき □ 「たばこ事業法」を改正する必要はない
□ その他(            )

b) 先進各国で制定されているような、総合的なタバコ規制政策を定めた「タバコ規制法(仮称)」について
□ 新たに「タバコ規制法」を制定すべき □ 新たに「タバコ規制法」を制定する必要はない
□ その他(            )

(7) 禁煙推進議員連盟について

a) 前職の方におたずねします。
□ 禁煙推進議員連盟に参加していた □ 参加していなかった

b) 全ての候補者におたずねします。
□ 当選したら禁煙推進議員連盟に参加する □ 当選しても参加するつもりはない □ 当選してから検討する

(8) あなたはタバコ会社から政治献金やカンパを受けてますか。
□ 受けている □ 受けたことがある □ 現在も過去も受けていない

(9) 候補者ご自身はタバコを吸われますか。
□ 吸わない □ 以前吸っていたが禁煙した □ 現在も喫煙している

(10) 選挙事務所の禁煙対策はどうなっていますか。
□ 完全禁煙(屋内あるいは敷地内に喫煙できるスペースが1か所もない)
□ 完全分煙(喫煙室から禁煙エリアに煙が流れてこない)
□ 不完全分煙(仕切りのない喫煙コーナーや換気扇など)
□ 禁煙・分煙対策をとっていない

ヘルシンキ世界陸上2005:マラソン観戦記

2005年08月18日 | SPORTS
ああいった市街地をクネクネと曲がって走る周回コースは、面白いといえば面白いですね。1周毎のタイムを出してもらえるとわかりやすいのですが。
TBSの中継については、もう何も言うまい語るまい。あれはスポーツ番組ではないのだと思うところから始めないといけません。あきらめましょう。織田某は心頭滅却していないものとする。

男子は高岡が注目されましたが、トップについていってズルズル落ち始めたら途端に見捨ててしまう。あそこからが(本人は苦しいけど)面白いところなのですが、その後は高岡の「た」の字も出さずに、終盤で4位に入っていることがわかったらまた騒ぎ出す。本人はもう1回挑戦するようですが、最後の走りをみてみたいですね。尾方はベストの仕上がりで実力が相当ついてきたのでしょう。軽快な走りで、3位を確実にものにしました。しかし、入船だっけ。最後に抜かしたのがイスラエルの50歳の選手。解説の瀬古が「私は49歳ですが」と言っていたのには笑いましたが、あの順位でゴールできるのも驚異的です。それなら瀬古も走れよ、と言いたかった。

女子は原以外の4人が消極的などと書かれていますが、そんなことないでしょう。第2集団は実質的に消滅したわけだし、あのレースなら上から落ちてくると考えるのが普通でしょう。それぞれ実力は出した堅実な走りで、持ちタイムからすると悪くないレースだったのではないでしょうか。大島がもう少しスピードについていけるかと期待したのですが、今後ラドクリフやヌデレバと互角に戦えるようになるか、まだ年齢的にはこれからなので注目していきましょう。しかし、ラドクリフはアテネの敗戦が何だったのかという走りで、あのスピードレースには野口がアテネの時のベストの状態でも難しいでしょうね。原は今回はあの飛び出ししかなかったと思います。無謀でも何でもなく、後半の粘りで身体能力の高さを証明したし、前回の名古屋とほぼ同タイムということは、実質的には数分早くなっているものと考えて良いでしょう。来年あたり野口との直接対決を見てみたいものです。「まことちゃんゴール」グワッシ

マラソン以外では、女子棒高跳びイシンバエワの世界新は、こんなに棒高跳びって美しい競技だったのかとある種の感動を呼び起こしました。(生では見られず眠ってしまいましたが)

イシンバエワ、空も味方した世界記録更新 女子棒高跳び決勝(2005年08月13日)

8月16日
* スピードマラソンの時代 ラドクリフの強さ
8月15日
* 層の厚さに陰りの女子 男子にほしい若手の台頭
■女子マラソンで原が見せてくれた勇気(折山淑美)[05.08.15]
■ラドクリフが女子マラソン優勝、原は6位 やり投げで世界新誕生  最終日(スポーツナビ)[05.08.15]
■尾方、冷静な判断で銅つかむ 男子マラソン(向吉三郎)[05.08.14]
■尾方が銅メダル 男子リレーはメダル獲得ならず  第8日(スポーツナビ)[05.08.14]

芸術(Art)は誰のものか~青森の市民アート・サポート

2005年08月17日 | ART / CULTURE
8月17日東奥日報夕刊の「ちょっとお尋ねします」(このコーナーはWEBには掲載されない)に掲載された小倉俊一氏のインタビュー(櫛引素夫氏記事)。
内容については触れられませんが、関連リンクを辿ってみます。
と言いつつ、時間がないので表紙といくつかのページのみ再訪。
ICANOFには創設以来、ただの傍観者として関わってきましたが(←言葉の定義から外れているような気もする)、市民アート・サポートとは何ぞや、などという議論はしません、難しくて書けないので。
難しくない、というのが一つのポイントである(あった)かと思いますが。
しかし、何事も、難しくない本物というのはあり得ないわけで、学術だけでなく、芸術も、スポーツも、文化も。
しかし、難しいようで実は本質は明解だったり、簡単なようで本質は難解だったりするわけです。
でも、言葉で言い表せないので、ある一瞬のきらめきや心の震えや、生きていくためにどうしても必要な心の糧を、求めて彷徨う。
そういうもので、この世界も悪くないなと、食いつないでいく。
本当は、自分でそのきらめきを生み出せればいいのだが。。

ICANOF(イカノフ)
harappa(ハラッパ)
ARTizan(アルチザン)
日記亭「蕪野」

八戸の震度計は複数箇所に設置すべきだ~宮城県沖地震

2005年08月16日 | NEWS / TOPICS
久しぶりに大きな地震でした。そろそろ終わるかと思ったところで更に大きくなって、このくらい長く続いたのはあまり記憶にありません。揺れ始めから大きくなるまでの時間があったので震源まで少し距離があるかと思いましたが、想定された震源域の宮城県沖地震でした。宮城県川崎町で震度6弱、M7.2、これがいわゆる「宮城県沖地震」の本震ではないようですが、仙台の屋内プールなどでかなりの被害が出ているようです。八戸では特に被害は伝えられておらず、うちでも診察室の小さな「太陽の塔」が落ちただけで、以前落下事故を起こしたことのある居間のiMacも無事でした。(^^;

しかし、地震の度に何とかしなくてはいけないと感じているのが、八戸の震度。発表では「震度3」とのことですが、これが3のわけないでしょう。間違いなく震度4です。階上も南郷も4だし、八戸よりも震源から遠い五戸、七戸などでも4が出ているのに、八戸市湊町(ここが問題の館鼻測候所)はこれまでも常に体感した震度よりも1ずつ小さい値しか観測されない。(もちろん、揺れ方には震源からの距離だけでなく様々なファクターが加わっていることはわかりますが、それにしても差がありすぎます)

このことは、ただ「小さいか大きいか」だけでなく、経済的にも「大きな」問題になって跳ね返ってくる可能性があるのではないかと心配しています。もし三陸はるか沖地震かそれ以上の被害となる大きな地震になって、激甚災害指定などで国から復興支援の予算が降りるか降りないかという分かれ目になったときに、この館鼻測候所がはじき出した震度1(あるいは強・弱)の違いによって市民に「二次災害」をもたらすのではないか。。
その心配はないのでしょうか。

県内の震度情報
 震度4
  八戸市南郷区* 七戸町森ノ上* 百石町上明堂* 
  五戸町古舘 名川町平* 階上町道仏*(以下省略) 
 震度3
  田舎館村田舎館* 八戸市湊町 八戸市島守(以下省略)
*印は気象庁以外の震度観測点についての情報

NonoUe人形の館~奈里多究星の世界を堪能

2005年08月15日 | ART / CULTURE
2日限りのお盆休み(うち1日は日曜日)もアッという間に過ぎ去ってしまいましたが、男女マラソンやその他いろいろある中で、まずお伝えしておきたいのがこちら。

NonoUe人形の館
奈里多究星公式サイトARTWORTH

平成14年に閉校になった野々上小中学校の校舎を利用して今年(平成17年)4月にオープンになったもので、新聞やTVのニュースで取り上げられたのも覚えていましたが、今回初めて行って予想以上の素晴らしさに驚きました。古い校舎をそのまま利用した展示室も独特の趣があり、人形作りをするアトリエには私たちが行ったときにも作者の奈里多究星(なりた・きゅうせい)さんがいらしていたようです。しかも、入場料は大人三百円、高校生以下は無料ということですから、うちは家族4人で行って(図体は大人4人分なのですが)600円と、こんなに安くてこんなに贅沢に鑑賞できていいんだろうかと心配になるほどでした。肝腎の人形についてはここではコメントしませんが、これは実物をみていただくのが一番。是非足をお運び下さい。それだけを目的にして行っても絶対損はしませんから。

廃校校舎を「人形の館」に/七戸

七戸町のお祭りの山車にも奈里多氏の人形が載ることになるのだそうですが、八戸のゴタゴタわけのわからない山車に嫌気がさしている一市民としては、羨ましい限りです。楽しみですね。(八戸のお祭り関係者、特に山車のデザイン関係の方や審査関係の方は、みておくべきだと思います)

あの日から20年目に、日航機エンジン爆発事故

2005年08月12日 | NEWS / TOPICS
jal.jpg20年前のあの日、前日に東京から大阪へ新幹線で帰省していた私は、奈良の実家でこの事故の第一報を聞きました。もし1日ずれていたら、新幹線ではなく飛行機を利用していたら、あの飛行機に乗り合わせたかもしれなかったなどと思い出していたら、今晩のニュースで、たまたまNHKのカメラマンが撮影していた、福岡空港から離陸直後にエンジンから大きな炎があがった映像をみて仰天しました。あれを「エンジントラブル」などという表現で誤魔化して良いものか。はっきり言ってバクハツしてるでしょう。

今月、久しぶりに大阪に行きますが、幸い八戸まで新幹線が来てますので、大阪までは飛行機は使いません。以前宇部の学会に出席したときに、広島まで新幹線で行ったことがありましたが、帰りは飛行機を使わざるを得なかった。今年秋に札幌に行くのも、帰りはJRにしますが行きは飛行機じゃないと無理で、ちょっと憂鬱。

奇跡的に助かった川上慶子さんの治療手記が治療にあたった医師の遺品から見つかったというニュースです。川上慶子さんもこのような形でまた脚光を浴びることを望まないと思うので引用しませんが、現在看護婦になられたのも、この医師をはじめとした医療チームの影響があったのかもしれません。
20年という歳月は重く長い。しかし、あっと言う間でもありました。
大学生だった私も、中3と中1の子どもを苦心しながら育てているところです。