踊る小児科医のblog

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インフルエンザ警報発令<独自>

2009年10月26日 | 新型インフルエンザ
インフルエンザはこの4週間で2倍4倍8倍と増え続け、今週は今日1日で先週の半数に達しています。注意報、警報の基準は、定点医療機関あたり10人で注意報、30人で警報となっており、今週いっぱいで30人に達するかどうか微妙なところですが、独自判断で警報を発令してしまいます。

当院も定点医療機関の一つですが、今週のデータが集計されて実際に警報が発令されるかどうかは来週の半ば過ぎにまで待たなくてはいけないので、先に現状をお知らせすることにしました。

例年の流行であればこの調子で増えるとあと1~2週間でピークを過ぎるはずなのですが、今回は「感受性者」が多く、学級閉鎖や休校措置が1週間(例年だと3日程度)ずつ実施されているので、結果的に流行のピークが後にずれることも考えられ、はっきりとした予想がつけられない状況にあります。

第37週 当院 6 八戸 2.0 青森県 0.6
第38週 当院 2 八戸 1.8 青森県 0.8
第39週 当院 0 八戸 0.5 青森県 0.6
第40週 当院 2 八戸 1.2 青森県 1.8
第41週 当院 3 八戸 5.4 青森県 4.6
第42週 当院 8 八戸 10.7 青森県 11.9 ←注意報発令
第43週 当院 22 八戸 ??.? 青森県 ??.?
第44週 当院 11+α
(この数字には簡易検査陰性でも臨床的にインフルエンザと診断した人数も含まれています)

なお、10/25(日)の急病診療所の患者数は228人、インフルエンザは145名(来院患者数の63.6%)となっており、既にパンク状態にあります。下記★のような状態でなく、ただ「熱が出た」から「インフルエンザが心配」ということで急病診療所や病院の夜間外来を受診することのないようにして下さい。
<<具合の悪い子を連れ出して受診させても、長時間待たされてもっと具合が悪くなるだけです>>
正直言って、実態を知っているものにとって、あんなところにインフルエンザの流行期に受診させようとする人の気がしれません。。(>_<)

「こんなときにはすぐ受診を」
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/e7c49387e3e5c5ff45f810309790746e
★ 緊急を要する重症化の徴候(米国CDC)
1. 呼吸が速くて苦しそう
2. 顔色が蒼白い
3. 水分が摂れていない(脱水症状)
4. 何回も繰り返して吐く
5. 意識がはっきりしない、呼びかけへの受け答えがちゃんとしていない
6. 機嫌が悪く、抱っこされることを嫌がる
7. 主な症状がいったん治まった後で、再び発熱や咳が悪化してくる
★ インフルエンザ脳症の早期症状(日本小児科学会)
1. 「呼びかけの答えない」など意識レベルの低下がみられる
2. けいれんが長く続いたり繰り返したりし、けいれん後の意識障害がつづく
3. 意味不明の言動がみられる

小林市長回答拒否、三浦氏落第回答:八戸市長選タバコ問題アンケート

2009年10月21日 | 禁煙・防煙
市長としての資格に欠けるとしか言いようがありません。
回答拒否の理由は「タバコ耕作組合から推薦を受けているから」とのこと。
市民400人が毎年タバコで死んでいるというのに。(全国20万人から逆算)

先の衆院選では「一心同体」である大島氏のみならず全候補者が回答しました。県知事、青森市長、弘前市長も当然回答しています。
いかにこの4年間で市民ではなく業界に顔を向けて市政運営をしてきたか、そして市民の命や健康ではなく「自身の再選」が最大の目的であったことがわかります。
当然、退場を求めます。

八戸市長選タバコ問題アンケート回答
PDF

ボケ予防に「禁煙・運動・社会活動・同居家族」

2009年10月18日 | 禁煙・防煙
高齢者(70~77歳)の認知機能低下に関する要因

<認知機能を維持する率が高い人>
・中等度~強度の身体活動を週に1回以上行う人
・中学卒業以上の教育を受けている人はそうでない人と比べて約5倍高い
・非喫煙者は喫煙者と比べて約2倍高い(喫煙者は約2倍認知機能が低下しやすい)
・高齢になっても働いている人やボランティア活動をしている人,独り暮らしでない人は24%高い

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)
Alexandra Fiocco博士
Neurology(2009; 72: 2029-2035)
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42400053/year/2009

感染症流行状況【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 八戸市内でもインフルエンザの小流行が続いている状態で、今後さらに流行が拡大するものと考えられます。当院受診者はいずれも問題なく治っていますが、今後も重症化する子が出てこないか注意が必要です。

 その他には9月中旬からRSウイルスと考えられる咳がひどくなるタイプが乳幼児で流行しており、重症化しやすいため注意が必要です。夏かぜの手足口病やヘルパンギーナが9月になってから保育園などでみられています。寒くなってきて、ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎が再び増加してくる時期です。

「すぐに受診」はマチガイ、翌朝まで待って受診を【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 9月に文部大臣が全国の子どもたちに「症状があったらすぐ受診を」という文書を配布しましたが、これは大きな間違いで、小児科医の間でも問題になっています。次の項目にあるような緊急を要する場合でなければ、一晩待って翌日に受診するようにして下さい。

 10月初旬現在、発熱や咳の患者の多くはインフルエンザではなく、その中の一部にインフルエンザやそれを疑う子がみられています。そのような状況で、あわてて夜間救急を受診することは、インフルエンザじゃない子どもにわざわざ感染させるリスクを増やし、流行を拡大させることにつながるからです。

 熱が出て数時間以内の「超早期」受診では、もしインフルエンザであっても検査しても陰性になる可能性が高く、その場合に「インフルエンザではない」とは言えないため、経過と症状をみた上で、翌日以降に判断することになります。インフルエンザの検査は痛みを伴うため、子どもに何回もさせたい検査ではなく、また、検査キットが既に品薄の状態にあり、1人に何回も検査することは貴重な資源の無駄使いと言えます。国立成育医療センターの治療方針でも、発熱後12時間以内には原則として検査しないことになっています。

 ただし、早い時期の受診であっても(検査の有無に関わらず)インフルエンザに効果のみられる漢方薬「麻黄湯」を使って初期症状を軽くすることは期待できます。また、家族内での感染や、流行がもっと明らかになった時期であれば、検査は必須ではありませんので、症状や所見などから抗インフルエンザ薬を処方することもできます。要するに、他のときと同じように、落ち着いて普通に判断して受診していただければ結構だということになります。

こんなときはすぐに受診を【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
◎ 緊急を要する重症化の徴候(米国CDC)
1. 呼吸が速くて苦しそう
2. 顔色が蒼白い
3. 水分が摂れていない(脱水症状)
4. 何回も繰り返して吐く
5. 意識がはっきりしない、呼びかけへの受け答えがちゃんとしていない
6. 機嫌が悪く、抱っこされることを嫌がる
7. 主な症状がいったん治まった後で、再び発熱や咳が悪化してくる

◎ インフルエンザ脳症の早期症状(日本小児科学会)
1. 「呼びかけの答えない」など意識レベルの低下がみられる
2. けいれんが長く続いたり繰り返したりし、けいれん後の意識障害がつづく
3. 意味不明の言動がみられる

これまでの流行状況と重症化例について【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 10月6日現在、国内の死亡者は21名(全世界で4千名)に達しましたが、患者数は数十万~百万人に達しているものと考えられます。当初考えられていた「死亡率0.5%程度」という予想通りだと数千名が死亡している計算になりますが、それよりも低い数字で経緯しています。既に冬の流行期を過ぎたオーストラリアやアルゼンチンでも季節性よりも低い数字になっているようです。

 これは、流行の中心が若年層にあり、例年多数の死亡者を出す高齢者層での流行が抑えられていることが主な要因と考えられ、逆に言うと、例年なら重症化することの少ない年長児や若者の間でも、特に妊婦や喘息などの基礎疾患があるときには重症化への注意が必要だということを示しています。

 また、日本では欧米に比べて乳幼児のインフルエンザ脳症のリスクが高く注意が必要であり、国内でも季節性に比べて小児で急速に呼吸障害が進行する例が多いように報告されていますので、上記のような症状のあるときには緊急に受診(けいれんや意識障害のある場合は救急車も可)が必要になります。

喫煙者は重症化しやすい【新型インフル】

2009年10月09日 | 禁煙・防煙
 「季節性」と同様に、今回の「新型」でも海外の死亡例の解析から喫煙者がハイリスクであることが判明しています。国内で「基礎疾患のない死亡例」と報道されている中に喫煙者がどの程度いるか不明ですが、相当程度含まれているものと推測されます。

 厚労省もマスコミもこのことを全く警告しようとしないことは、この国の「タバコ放置政策」を物語っているものと言えます。

「かかったらダメ」という思い込みを捨てる【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 「新型」という今回のインフルエンザも、来シーズン以降は「季節性」となり、2~3年以内には国民の多くは(発症の有無に関わらず)感染して免疫を獲得することになります。予防接種は感染を防ぐためのものではなく、感染しても発症しないか、発症しても重症化せずに済むことを期待してのものです。

 現在なされている感染対策は、「私の家族だけは最後まで感染せずに生き残る」ことを目的としているものではなく、流行開始時期を遅らせたり、ピークの山を小さくしたり、重症化する人を減らすことを目的としたものです。「感染したからアウト、罹らなかったからセーフ」ということではありません。

 「新型」も「季節性」も、予防、診断、治療、看護の原則は変わりません。その中で、重症かしないかどうか注意して対処することも全く同じなのです。

2つのインフルエンザワクチン予防接種受付中→接種開始【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 「季節性」のワクチンは例年通り実施し、10月5日より接種開始しております。

 「新型」については報道されている通りで、医療関係者、妊婦や喘息などの病気のある人、1歳から小学校3年生まで、それ以上の子どもの順に接種時期をずらして出荷するということです。この通りに混乱なく運ぶかどうかわかりませんが、全ての方の予約を受けておりますので、接種が可能になり次第連絡することにいたします。

 0歳児は「両親への接種」ということになっていますが、6ヶ月以上で保育園に入っている子は接種の対象外となっているようです。この点は現場で接種できるようにしたいと考えていますが、どうなるか不透明な状況ですので予約希望の方には後日連絡します。

 季節性の料金は例年と同じで、新型は統一価格で2回で6150円、国内産と輸入ワクチン合わせて約7700万人分のワクチンを確保するのだそうです。