踊る小児科医のblog

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「喫煙率ゼロ達成」2014年の推定2033年から、2018年の推定2041年に8年先送り

2018年10月03日 | 禁煙・防煙
「喫煙率ゼロ達成年推定」2014年から4年経って、推定は2033年から2041年に8年も先送り。


喫煙率調査はJTデータ(7月発表)で、9月発表の厚労省データではありません。

単純に直線を引いてゼロになる年を計算するだけ。期間は男女が2000-2018、合計が2000-2018。


男性 減少率 -1.4%/年 あと19.5年(2037年)
女性 減少率 -0.3%/年 あと31.3年(2049年)
合計 減少率 -0.8%/年 あと23.9年(2041年)

上記の表で、男女の起始年も2010年にすると、男性は減少率が0.3%鈍って達成年が6年も先送りになり、女性は減少率が0.1%加速して達成年も10年前倒しになることがわかります。
男性は2010年代半ばからの足踏み
女性は2000年代の足踏みとその後の減少
がグラフでも見て取れます。

同じ試算を2014年にした時には、
男性(2000-2014):あと18.3年(2032年)
女性(2005-2014):あと22.1年(2036年)
合計(2010-2014):あと18.8年(2033年)
(ここで女性が2005年からなのは恣意的だったのですが、今回、男性に合わせました)

都道府県別喫煙率(2016年):青森県は男性・女性・男女総合ともに銀メダル(2位)に

2018年05月31日 | 禁煙・防煙
昨年(2017年)公表された都道府県別喫煙率(2016年)。3年毎の国民生活基礎調査のデータですが、過去2回(2013、2010)はいずれも男性1位、女性2位、男女総合2位。
(銀、金、銀メダル)



今回、佐賀が停滞したため男性の連続金メダルの記録は途絶え、男・女・合計ともに銀メダル(2位)ということで覚えやすくなりました。

上位(ワースト)は、北海道、青森、佐賀の争いで、岩手・福島の東北勢がしぶとく実力を発揮。

下位(ベスト)の京都・奈良とは男性で依然として10%近くの大差。(わずかに縮まったとは言え)

都道府県別喫煙率(国民生活基礎調査)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/smoking.html

都道府県別喫煙率をグラフ化してみる(国民生活基礎調査) 2017/07/10
http://www.garbagenews.net/archives/2185244.html

都道府県別の健康寿命(2016年) 青森県男性は健康寿命34位、闘病期間1位(最短)

2018年05月30日 | 禁煙・防煙
2016年の都道府県別の健康寿命が発表になっています。
青森県
男性 健康寿命34位 制限期間1位(最短)
女性 健康寿命20位 制限期間4位
この結果は、発見時に手遅れで、見つかってから早期に亡くなってしまう人が多い結果だろうと予想したのですが、他の都道府県との比較が数字だけではわからないので、散布図にしてみました。




全体として、男女とも右肩下がりに分布している。
散布図の右上の方が平均寿命が長く、左下の方が短かい。
(わかりやすくするための赤の補助線を入れてみました=当初の図の補助線がいい加減だったので、正確なものに差し替えました)
そして、青森県、特に男性は左下の飛び地。
健康寿命ビリの秋田県は、闘病期間が少し長いので、全国の集団からさほど離されないで済んでいる。

この「健康寿命」「闘病期間」と「平均寿命」の関係については様々な要因がありそうなので、専門家の見解を知りたいところですが、これを見ると男女とも長野県は健康寿命は中位で、その中で闘病期間が比較的長めなので、平均寿命が長くなっていると読めます。
これが早期発見の結果なのか。

逆に青森県は男女とも闘病期間が短かいのは、手遅れが多いからなのか。
(このグラフからはそう推測されますが)

むしろ、長野県よりも、山梨県(男性)や愛知県・三重県(女性)などを参考にした方が良いのではないか。
とも思えます。
「長野県長寿神話」を過信していた可能性は?

年代別喫煙率1965-2017(JT調査)と青森県の男女喫煙率(2016)

2018年05月29日 | 禁煙・防煙
2017年までの数字ですが、JT調査による年代別喫煙率のグラフです。
(2018年版は7月に発表される予定)


県民健康・栄養調査(2016年)によると、青森県の男性は33.6%、女性は11.5%となっていますが、実際にはそんなもんじゃない。
小中高生の親の喫煙率は父親が5割強、母親は約1/4となってます。グラフ右側の水色の丸(青という文字)がそれです。

男女合計(全国)では2015年から20%を切り、2017年には初めて2000万人を切っています。
(まだそんなにいるのかとうんざりしますが)
このトレンドに、加熱式タバコがどう絡んでくるかが問題です。

受動喫煙防止法・条例ばかり注目されますが、喫煙率ゼロのために最も効果的なのは価格政策(大幅増税)です。
なぜ自民党がタバコ税増税に反対しているか理由を知りたい方は、大島議長に聞いて下さい。

「屋内スケート場での国際大会開催は困難か」(2018.4.3 地方紙投稿欄掲載)

2018年04月03日 | 禁煙・防煙
#掲載された文章は少しずつ削除・変更があるので、元の投稿文を掲載します。(3/18投稿、4/3掲載)



「屋内スケート場での国際大会開催は困難か」

 日本選手の活躍にわいた平昌五輪・パラリンピックも幕を閉じ、次は八戸市で建設中の屋内スケート場において、世界トップ選手の競技を間近に観戦したいと期待されている向きも多いかと思う。しかし、現状では国際大会の開催は困難ではないかと危惧している。

 近年の五輪開催国である韓国、ロシアなどでは法律により受動喫煙防止対策が徹底しているが、東京五輪開催に向けて閣議決定した健康増進法改正案では、半数以上の飲食店において喫煙が可能になると伝えられている。

 東京都では、国より厳しい条例の制定を準備しており、詳しい内容は未公表だが、国際条約で求められている「例外なき屋内全面禁煙」までは達成できない情勢のようだ。

 一方、八戸市や青森県では条例制定の動きはなく、その必要性も議論されていない。

 昨年、世界選手権の招致が不首尾に終わり、その次の世界ジュニア選手権招致に向けて、宿泊施設の禁煙室の確保が課題だと報じられた。しかし、問題は客室だけでなく、飲食店などを含めた屋内全面禁煙が、国際大会の開催に必要とされる水準ではないのか。

 おそらく、欧州のライバル都市は国際大会の開催経験があり、屋内全面禁煙も実施済みのはずだ。その中で、開催経験もなく、受動喫煙防止対策が世界最低レベルにある日本の都市が勝ち抜くことは想像しにくい。

 このまま楽観的に構えていたら、国内大会しか開催できない施設になりかねない。

「たばこダメ 妊婦守れ!! 同居家族にも禁煙呼びかけ」県・小児科医会・産婦人科医会事業

2018年01月20日 | 禁煙・防煙
地元紙に掲載された事業。見出しでは「妊婦守れ」となっていますが、守るのは「胎児、生まれてくる赤ちゃん、乳児」です。
この内容には県小児科医会の担当として私も掲載項目の要望を出しました。
12月の無煙のまちづくりの日シンポジウム(青森市)でも県の担当者に発表していただきました。

ただし、強く要請したにも関わらず、今回掲載が見送られてしまった項目が「加熱式タバコ」です。
「タバコ」にカッコ書きで(加熱式を含む)と数文字入れてもらうようお願いしたのですが、「国の方針が出ていないから」とのことで見送られてしまいました。

なお、この記事に「県と県医師会」の事業となっていますが、県医師会が関わっていることは初めて知りました。県小児科医会と県産婦人科医会がそれぞれの担当となって進めるものと県から説明されたし、そう理解していました。



妊婦の禁煙支援 青森県など見守りカード(2018/01/19 09:00)

青森県内で今月から配布が始まった妊婦やその家族の禁煙見守りカード「ままさぽ」

 妊婦やその家族の禁煙をサポートしようと、青森県と県医師会は禁煙見守りカード「ままさぽ」を作成、今月から妊婦が市町村などに妊娠を届け出た際、母子手帳と共に配布している。妊産婦に関わる医療機関などがカードに母親や家族の喫煙状況を記入してもらい、情報を共有して妊娠期から産後にかけて一貫した指導につなげる狙い。安全な出産や赤ちゃんの健やかな発育の環境づくりを推進する。
(以下、画像参照)

http://www.daily-tohoku.co.jp/kiji/201801180P196280.html

『世界最低レベルから更に逆行するタバコ規制』(5/20地方紙投稿)

2017年05月27日 | 禁煙・防煙
(6月3日に一部手直しされ、最後の文章も過去形になって掲載されました。画像を最後に載せておきます)

 昨年公表された『たばこ白書』には、受動喫煙により年間約1万5千人が死亡しており、日本の対策は世界最低レベルだとWHOが評価していることが明記されました。

 様々な災害や内戦などで多くの人の命が失われていますが、一方で、家庭や職場などの身近な環境において毎年これだけの犠牲者が出ていることを放置し、有効な対策を実施してこなかった政治に憤りを感じます。受動喫煙死はゼロにすることが可能なのです。

 新たな受動喫煙防止法案のニュースも伝えられていますが、この議論は世界的には十年前に決着しており、2007年には国際条約のガイドラインで例外のない屋内全面禁煙が求められることになったのです。もちろん、日本政府もこれに賛同しました。

 その後、世界各国で受動喫煙対策が進み、ロシアや韓国でも法律が制定されました。日本も2010年までに規制すべきだったはずなのに、2020年の東京五輪に向けた法案が骨抜きにされようとしているようです。

 この厚生労働省案は世界的には認められていない分煙を残した不完全な対策なのに、これを「厳しすぎる」として反発している一部の国会議員は、国民の命を守るという職務を忘れているのではないでしょうか。

 5月31日は世界禁煙デーです。28日には7年ぶりに八戸でシンポジウムが開催されます。世界の最前線の対策を学び、最短命県脱出を目指す一歩にしていきたいと思います。


運動療法は禁煙治療の第一選択となり得るか 〜「運動+禁煙」により「喫煙・肥満・うつ」の悪循環から脱出を

2016年10月26日 | 禁煙・防煙
#2016年9月19日に日本タバコフリー学会(神戸)で発表した演題の抄録です。

運動療法は禁煙治療の第一選択となり得るか
〜「運動+禁煙」により「喫煙・肥満・うつ」の悪循環から脱出を

【目的】運動が禁煙の助けになることは経験的に知られており、助言指導や行動療法の一つとして取り入れられているが、運動自体が各種の依存症を根治し得るという知見が明らかになりつつある。運動療法が禁煙治療の第一選択となる可能性について論じたい。

【背景】青森県は男女とも平均寿命が最下位で、喫煙率は男性1位、女性2位(2010年)と高く、飲酒率(男性)、食塩消費量、インスタントラーメン消費量、運動をする人の割合などもワースト1である。青森県タバコ問題懇談会では、受動喫煙防止対策などの規制を求める活動を続けてきたが、喫煙対策でも全国の後塵を拝してきた。脱短命県を最重点課題として官民の取り組みが行われているが、喫煙対策はおざなりの状態にあり、現状を打破していく必要性を感じてきた。

【仮説】喫煙(ニコチン依存症+喫煙関連疾患)は「運動不足・肥満・糖質塩分過剰・アルコール依存症」および「うつ・産後うつ・自殺・虐待」と相互に連関して悪循環を形成している。食生活から取り組んでも行動変容・意識改革は困難であり、鍵となっている薬物依存症であるタバコを断ち切るために、運動と禁煙治療(薬物療法)の組み合わせにより、非喫煙+運動・適正体重・適量飲酒+メンタルヘルスという好循環への変容が可能となる。

【文献上の検証】Rateyは著書『脳を鍛えるには運動しかない』(2008)において、運動によりドパミン、セロトニン、エンドカンナビノイド等が増加し、ほとんどの人にとって運動が依存症・うつ・ストレス・抗加齢などの最適処方となり得ると記載している。一方、Cochrane LibraryにおいてUssherら(2014)は、運動群で6〜12ヶ月後の長期予後が有意に改善したのは20の臨床研究の中で2つだけだったと統括している。

【考察】個人レベルでは村上春樹氏のように走り始めて禁煙したという人は珍しくない。薬物の刺激により生じた依存症を、生理的な依存症(ランニング依存症など)に置き換えることにより、爽快感、達成感、自己肯定感が得られ、再喫煙の危険性は小さくなる。基礎疾患がある場合は程度に応じた負荷強度の選択が必要だが、既にCOPDを発症している場合でも、呼吸リハビリよりも下肢の運動リハビリの方が長期予後を改善するとされており、運動は禁煙の導入・維持のみならず、残存する疾患リスクや他の生活習慣病リスクの軽減にも寄与することが期待できる。

【結論】運動療法を禁煙治療の単独の項目と位置づけて、全ての喫煙者に推奨すべきである。

2016年喫煙率(JT調査) ゆっくり下がっているだけ 政策的影響は観察できない

2016年07月30日 | 禁煙・防煙


 年 2014 2015 2016
男性  30.3  31.0  29.7
女性  9.8  9.6  9.7
合計  19.7  19.9  19.3

サンプル数があまり大きくないので、1年毎の小さな数字の動きをみてもあまり意味がない。
(ちなみに昨年は男性、全体の喫煙率がむしろ上昇しており、女性は昨年も下がったけど今年は0.1%増)

グラフを見ればわかる通り、男女共ダラダラと下がり続けている、というだけのこと。

女性は2000年まで横ばいが続いていましたが、2001年をピークに緩やかだけど直線的な低下に転じています。
男性は1960年代から一貫して下がり続け、今世紀に入って50%を切り、今年やっと30%を切った。

それでもまだ男性の3割近くが吸ってるんですよ。
青森県の実情はこんなもんじゃない。

このグラフを見てもう一つわかることは、増税だとか、健康増進法、タバコ規制枠組み条約 FCTC などの政策的な影響は、(小さな変動はあるにせよ)ほとんど観察不能なレベルにある、ということ。
(影響が数字に出るようなまともな規制政策の実施を怠っている)

「禁煙治療+運動」で脳内ドーパミン回復(下) 禁煙には運動が特効薬・ストレス解消・アンチエイジング

2015年07月17日 | 禁煙・防煙
#後半は禁煙に運動を併用することで悪循環を脱して一石三鳥以上の効果が期待できるということの説明です。
→PDFファイル

●「禁煙治療+運動」が特効薬 生理的ドーパミン回復 ストレス解消 アンチエイジング



a. ただ普通に禁煙すればドーパミン欠乏のため失敗する可能性が高い。依存症という病気のためで、意志とは無関係。

b. 禁煙補助薬によってドーパミン欠乏を補いながら禁煙すれば、楽に禁煙できて成功率も高くなります。失敗しやすいのは「ストレス解消神話」から解放されていない人です。

c. 12週間の禁煙治療の期間の間に、タバコのニコチンにより失われていた「自分でドーパミンを出す能力」が回復してきます。ニコチンがなくても安定したドーパミンのレベルが維持され、イライラやストレスを感じなくなり、最後に薬を中止してもリバウンドはありません。

d. 禁煙のスタートと一緒に運動を始めるようにすると、禁煙初期の喫煙欲求を運動によるドーパミン分泌で解消することができます。運動はニコチン依存症だけでなく、ほとんどの依存症の特効薬なのです。

e. 依存症患者は一般に自己肯定感が低く、何かあるとタバコや酒などに頼ろうとする傾向がありますが、運動による達成感の積み重ねにより、自信と自己肯定感が高まり、再び喫煙する可能性が減少します。

f. 結果的に、禁煙補助薬と運動を併用することにより、禁煙の成功率も高くなることが期待できます。

g. 禁煙すると、一時的な口寂しさから食べる量が増えて、体重が 3kg 程度増えることがありますが、禁煙と一緒に運動を始めることで、この一時的な体重増加を防ぐことができます。

h. 禁煙で味覚が回復し、薄味やだしの味がわかるようになり、塩分や糖分の摂取が減ります。運動が習慣化するとライフスタイルも自然に改善し、ヘルシーな食べ物を好むようになり、肥満も減少します。

i. うつ病や抑うつ傾向の人は、ストレスへの対処能力が低く、身体活動も低下しています。タバコを吸いながら薬を飲んだりストレス対処法を学んでも良くなりません。「禁煙+運動」により悪循環から脱出して、ストレス対処能力も高まり、うつ病の程度を軽くしたり薬を少なくすることも可能になります。

j. 産後の再喫煙の予防にも運動が有効です。産科や育児サークルなどの教室への参加もお勧めできます。

k. 運動の種類は何でも構いません。短時間の喫煙欲求を解消するためなら、体操や運動器具による軽い運動でも効果があります。ある程度の達成感を得てストレスを解消するためには、30~40分以上の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)がお勧めです。無理なく続けられるものを選択して下さい。

l. 息切れしない程度の運動量から徐々に増やしていけば、若い頃の運動能力に近づいていきます。

m. 最終的に、「ストレス解消神話」がウソだということを、紙の上の知識だけでなく、自らのドーパミン分泌が回復して「タバコは全く不要のもので百害あって一利なしだった」と体感することにより理解できれば、「心理的依存」という「タバコの呪縛」から解き放たれ、一生後戻りすることはなくなります。それを実感して維持していくためには、運動習慣が最も有効だと考えられます。

n. 青森県が最短命県から脱出するためには、食事(塩分・糖分)、飲酒、運動、ストレス対策などを別々に行うのではなく、喫煙者は必ず禁煙するところからスタートし、「喫煙・肥満・うつ」の三角形を好循環に変えるために、「禁煙治療+運動」をベースにして他の対策を積み重ねていくことが必要です。

o. 運動には老化防止効果があり、「禁煙+運動」は認知症予防、アンチエイジングの特効薬と言えます。

「禁煙治療+運動」で脳内ドーパミン回復(上)「タバコでストレス解消」はウソ 喫煙・肥満・うつの悪循環

2015年07月17日 | 禁煙・防煙
#患者さんだけでなく、一般、教育(子供・親)、行政、医療関係者にも説明するための資料(裏表2ページ)を作成したので、2回に分けて掲載します。前半は「ストレス解消」はウソで、タバコを吸いながら悪循環に陥っている状態についての説明。後半は禁煙+運動が悪循環脱出の特効薬であることについて。
→PDFファイル

●「タバコでストレス解消」は真っ赤なウソ 喫煙でストレス増加 禁煙でストレス減少

喫煙者も非喫煙者もだまされている「ストレス解消神話」から解放されることが、スタートでもありゴールでもあります。



a. タバコを吸うと、吸収されたニコチンが脳の中でドーパミンという神経伝達物質を増やします。ドーパミンが脳の特定の部位を刺激すると、快感や達成感などを感じます。

b. やはりタバコでストレスを解消しているのではないかと思うかもしれませんが、ここでだまされてはいけません。元々ドーパミンを出す能力は全ての人が持っています。運動後の爽快感、受験に合格した時の達成感、美味しいものを食べた時や性的快感などにもドーパミンは関与しています。

c. ところが、喫煙者は外から摂取したニコチンによる強い刺激でドーパミンを出すことを繰り返していると、ニコチンが切れた時に自分でドーパミンを出す能力がなくなってしまい、ドーパミン欠乏のため常にイライラして満足感が得られない状態に陥ります。そして、タバコを吸った時だけ一時的にニコチンが供給されてドーパミン不足が補われると「ストレスが解消された」と感じるのです。

d. これは麻薬などの薬物依存症の離脱症状と同じで、ニコチン依存症という病気の症状そのものです。

e. この「ニコチン切れのストレス」は、非喫煙者にはありません。喫煙によって増えたストレスです。

f. 実際にストレスの程度を測定すると喫煙者の方がストレスは多く、禁煙するとストレスは減少します。(禁煙するとストレスが増えると感じるのは、上記の「ニコチン切れのストレス」のことです)

g. うつ病や抑うつ傾向の人はドーパミンが低下しており、喫煙者にはうつ病が多く、うつ病の人には喫煙者が多い。喫煙本数が多いほど抑うつ傾向は強く、自殺率も高くなります。喫煙とうつの悪循環です。

h. 妊娠中に禁煙しても、出産後に「育児ストレス」から再び吸い始める人が多く、ストレスを解消するつもりが実際にはストレスは増加し、育児不安が高まって虐待へと繋がっていきます。データは公表されていませんが、報道されるような虐待事例の両親のほとんどは喫煙者だと関係者は口を揃えます。

i. 喫煙者は、ドーパミン欠乏がタバコで一時的に解消されるという体験を繰り返すことにより、アルコールや危険ドラッグなどの依存症を合併する頻度が高くなります。これも公表されていませんが、ドラッグで検挙される人のほとんどは喫煙者であり、タバコはゲートウェイ・ドラッグと呼ばれています。

j. 喫煙者は薄味やだしの味がわからず、味が濃くて糖分の多いラーメンや牛丼のような食べ物を好みます。やせるためにタバコを吸い始める人もいますが、喫煙者の方が肥満や糖尿病の割合が高いのです。

k. 運動によりドーパミンは高まりますが、うつ病の人は運動不足で、喫煙者も運動習慣のない人が多い。喫煙者は呼吸機能が低下しており、すぐに息切れがして、運動を続けることができなくなっています。

l. 「喫煙・肥満・うつ」の三つはお互いに悪影響を及ぼし、悪循環に陥っています。この「三角形」が、青森県が最短命県である原因であり、別々に対策を取っていたのでは改善は期待できません。

m. 「喫煙・肥満・うつ」の三角形は、早死にだけでなく老化や認知症の早期発症にもつながります。喫煙者はスモーカーズ・フェイスと呼ばれるように顔貌も肌も早くに老化し、認知症の頻度も高いのです。

幼稚園・保育園の敷地内禁煙77.1%<未実施25施設名一覧>、職員の喫煙率:男性34.8%、女性0.9%

2015年06月19日 | 禁煙・防煙
八戸市内の幼稚園・保育園の禁煙化状況と職員の喫煙率 2015年

● アンケート調査 2015年5月
 八戸市内の114施設:幼稚園24、認可保育所76、認可外保育所14
 (認定こども園を含む)
 回答あり 103 回答なし 6 103+6=109施設を分母とする
 (休園中1+同一施設4=合計5施設は除外)

● 幼稚園・保育園の禁煙化状況
 敷地内禁煙 84/109 77.1% (2014年 76/112 67.9%)
 建物内禁煙 7 6.4%
 分煙    5 4.6%
 措置なし  3 2.8%
 回答なし  10 9.2% (回答なし6+記入なし4)



● 職員の喫煙率
 男性 46/132 34.8% (2014年 44/119 37.0%)
 女性 14/1630 0.9% (2014年 19/1494 1.3%)



● 禁煙化状況別の職員の喫煙率
            男性  女性
 敷地内禁煙の施設   30.8% 0.7%
 敷地内禁煙以外の施設 50.0% 1.7%



● 2014年の医師会調査、乳幼児保健講習会、市からの指導・通達の効果はほとんどみられなかった

● 敷地内禁煙にしていない幼稚園・保育園(回答なしも含む)
 幼稚園 5
  旭ヶ丘幼稚園、千葉幼稚園、長者幼稚園、小中野幼稚園、
  めぐみ幼稚園
 認可保育所 14
  城下保育園、むつみ保育園、藤覚保育園、芽生保育園、
  千草保育園、江陽こども園、松葉保育園、岬台保育園、
  小久保保育園、根城保育園、河原木中央保育園、
  根岸保育所、日計保育園、多賀台保育園
 無認可保育所 6
  ヤクルト城下保育所、ヤクルト小中野保育所、
  竹の子保育園、チャイルドホームこぐま園、
  はちのへこども学園、託児所Nuage

八戸市の小中教職員喫煙率:男性26.7%(一般男性に匹敵)、女性2.2%(女性医師と同等=あと18人でゼロに)

2015年06月12日 | 禁煙・防煙
#2月に調査されていたデータですが公表されずにいたものです。(※)

● 小中学校教職員の喫煙率調査 八戸市 2015
 調査対象 20歳以上の教職員
  校長、教頭、教諭、講師、養護(助)教諭、
  学校事務、栄養教諭(学校栄養職員)
  ※技能主事、特別支援アシスタント、PTA事務は除く
 調査期間 2015年2月~3月
 対象人数 不明
 回答数  1,304人
 回答率  不明
 実施   八戸市教育委員会

● 小中学校教職員の喫煙率 八戸市 2015
 男性
  喫煙   131 26.7%
  過去喫煙 146 29.8%
  非喫煙  213 43.5%
  合計   490
 女性
  喫煙   18 2.2%
  過去喫煙 43 5.3%
  非喫煙  753 92.5%
  合計   814

● 医師(2012日医)、一般(JT2014)との比較


※このデータは市教委が公表することはないだろうと思いますが、行政に情報公開請求すれば強制的に出てくるもの(秘匿する必要のない公的な資料)ですので、こちらに掲載しておきます。

喫煙者や家族に知ってほしい「タバコのウソと真実」

2015年05月28日 | 禁煙・防煙


1. 死亡原因のトップはタバコ(喫煙+受動喫煙)
   減塩や運動より前に、まず禁煙
2. タバコを吸うこと自体が病気(ニコチン依存症)
   喫煙者は治療を必要とする患者
3. 「タバコでストレス解消」は真っ赤なウソ
   喫煙はストレスを増やし、禁煙でストレスは減る
4. 「ニコチン切れのストレス」は禁煙補助薬で治療
5. 受動喫煙はどんなに微量でも危険 分煙では防げない
   屋内全面禁煙で心筋梗塞や脳卒中、喘息が減少

              青森県タバコ問題懇談会

5月31日「世界禁煙デー2015記念フォーラム in 青森」発表予定資料より
http://ameblo.jp/aomori-aa/entry-12014114026.html