信号待ちをしていると、子どもを乗せた車の中で親が喫煙している姿をよく見かけます。
青森県が2007年に県内の小中学校・高校で調査した結果、父親の6割、母親の4分の1が喫煙していることがわかりました。
全国調査でも30代の喫煙率が最も高く、男性が46.9%、女性は16.8%(JT調査・2009年)となっていますが、本県の父親・母親はそれと比べてもかなり高い喫煙率であることがわかります。
この親の子どもたちは、多かれ少なかれ受動喫煙の中で育っています。もちろん、最近では受動喫煙の害についての知識が広まったため、ベランダや外に出て吸うなど、子どもの前では吸わない方も増えていると思います。
しかし、肺から吐き出されるタバコ煙が室内を汚染するため、喫煙する家族がいない子どもと比べると何倍もニコチンや有害物質が体に取り込まれていることがわかっています。特に、母親の喫煙でその差が大きくなります。
さらに最近では、床やソファ、車内などに残留した有害成分による三次喫煙(サードハンド・スモーク)の害も指摘されています。
受動喫煙によって多くの人が亡くなっているため、世界中で屋内全面禁煙の動きが加速していることをお伝えしましたが、家庭や車の中での受動喫煙はどうなるのでしょうか。
子どもが同乗している車内での喫煙を禁止する国や州も増えていますが、家庭の中まで法律で踏み込むことは現実的とは言えません。
さらに大きな問題は、親がタバコを吸うと子どもがタバコを吸い始める率が高くなるという点です。特に、母親が吸うと娘の喫煙率が高くなり、世代を超えて連鎖していきます。
子どもの喫煙を教育やしつけの問題にしても何も解決しません。タバコ税増税、屋内全面禁煙などの社会的規制により親も子どもも吸わない無煙社会を築くことが必要なのです。