踊る小児科医のblog

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八戸市議選の候補者を地元紙アンケートから機械的に選んでみると…

2015年04月25日 | 政治・行政
アンケート(画像) FB外からもみえるはず。別ウインドウで開く

①の8項目のうち3項目を候補者と同じように選ぶ
→「産業・雇用」「子育て・教育」「スポーツ・文化」の3つを選択

A.3項目一致:石橋、高橋
B.2項目一致:
「産業・雇用」「子育て・教育」→杉本、壬生、佐藤、夏坂、小屋敷、西村、工藤、伊藤、秋山、小田、森園、山名、松橋、坂本、冷水、中西、岡田、吉田、立花、藤川、大下
「産業・雇用」「スポーツ・文化」→五戸
「子育て・教育」「スポーツ・文化」→古舘、八嶋、三浦、大館

②小林市政
A.支持しない→苫米地、田端、山名、清水
B.どちらともいえない→佐藤、伊藤、小田、石橋、八嶋、五戸、冷水、三浦、寺地、吉田、大下、佐藤

③人口減少・地域活性化で「具体的な政策(らしきもの」をあげている(内容は別として)
杉本、佐藤、夏坂、伊藤、苫米地、田端、石橋、高橋、前沢、三浦、大下、清水

②の「どちらともいえない」以上を絶対条件としてふるいにかけると、

②B+①A 石橋
②B+①B 佐藤、伊藤、小田、八嶋、五戸、冷水、三浦、吉田、大下
②A+①A なし
②A+①B 山名

③にも名前が挙がっている人
石橋、佐藤、伊藤、三浦、大下

5人のうち3人は知っている人、2人は知らない新人
結構良い精度ではないか

ちなみに、無所属新人なのに小林市政支持と答えたのは、
杉本、久保、森貝、中西
この人達は何のために立候補するのか理解できない。せめて是々非々でなければ存在意義がないだろう。

(敬称略)

『地下水は語る 見えない資源の危機』守田優著

2015年04月24日 | 東日本大震災・原発事故
#図書館で借りた本のメモです。広瀬隆氏の首都圏地下水汚染説(福島から首都圏に流れて行っている)批判のために読んだはずなのですが、まとめる機会を逸していました。(2013年11月)

『地下水は語る 見えない資源の危機』守田優著

用語

不圧地下水 上部に加圧層がない 民家の浅井戸や崖下の湧水の元
加圧粘土層
被圧帯水層 被圧地下水

沖積世 最終氷期の最盛期にあたる1万8000年前以降。
沖積層 気候が温暖化して海水面が上昇し、堆積作用によって海岸平野が形成された。沖積平野。関東平野、大阪平野、濃尾平野など。
東京低地では有楽町層という沖積層が平均30mの厚さで被圧帯水層を覆っている。
沖積平野の表層(沖積層)は軟弱地盤としての特徴をもつ。表層収縮の主体。

洪積層 第四期(約260万年前から現在まで)の初めから最終氷期までの時期につくられた地層。沖積層より厚く、固く締まっている。
粘土・シルトや砂・砂礫、さらにはローム層のような火山噴出物などからなる。
洪積層という用語は現在では使われていない。

洪積台地 最終氷期までの洪積世に形成された扇状地、三角州、海岸平野などの平坦な面が、その後の海水準の低下、あるいは地殻変動によって隆起してつくられた地形。武蔵野台地など。

武蔵野台地
不圧帯水層 ローム層・段丘礫層
被圧帯水層 上総層群・東京層群 間に難透水層
武蔵野台地では不圧帯水層と被圧帯水層が接している。

第4章 環境としての地下水

共有資源としての地下水

エリノア・オストロム教授 2009年ノーベル経済学賞
共有資源のガバナンス
河川水、地下水などの水資源、森林、魚、牧草などの個人や組織が共同で使用し管理する資源
コモンズ Commons
共有資源の管理のための有効な方法は、「国家による解決」でも「市場による解決」でもなく、セルフ・ガバナンスという第三の道であるとした。
共有資源に利害関係をもつ者(ステークホルダー)が自主的に適切なルールを取り決めて保全管理する方法
持続可能な地下水管理は、共有資源のセルフ・ガバナンスによってのみ可能
結果として、豊かできれいな地下水を将来の世代に残すことができる

原発事故による地下水の放射能汚染

産業技術総合研究所「福島県の地下水環境」2011年4月6日
(探したが原文を入手できない)

表層(m層) 土壌と砂礫・砂・泥の入り混じった 5m
泥質岩層(Dm層) 難透水層 20m
砂質岩層(Ds層) 主要な帯水層 200m
地層は東に傾斜

汚染水が深部の砂質岩層まで到達することはない 地下水汚染は表層部に限定される
地下水の流速は、地下水が汚染された表層では1日に1cm程度

汚染経路を明確に特定する必要があるが、大局的には広域まで影響を及ぼすことはない、と結論

原発による地下水汚染の今後

地層の平均的なマクロな流れと汚染水のミクロな流れとは区別しなければならない
汚染水は流れやすい「水みち」を通り、流速は速くなる
「汚染経路を明確に特定する必要がある」とは、このことを意味している

井戸の遮水工に欠陥があると、汚染水が下方に漏れる可能性もある

放射性物質は数百キロメートルの範囲に飛散
降雨によって土壌を汚染し、さらに地下水を汚染する
微量であっても無視することはできない

今後、地下水汚染のリスク管理という観点から、原発周辺の詳細な水質のモニタリングが必須である

地下水は一度汚染されると回復が困難である。
地下水汚染のリスク管理としては、何よりも汚染源の適切な隔離と除去が最優先されなければならない。

繰り返す「国家の暴走を止められない歴史」戦争、原発、タバコ (某所掲載予定原稿)

2015年04月01日 | 東日本大震災・原発事故
「先の大戦、水俣病、薬害エイズ、原発事故などの歴史を見ても、この国の政府が合理的かつ国際的な判断の元に、国民の命を優先する政策に転換することを待つ猶予はない。国を置き去りにして現実を前に進めていくしかない」。これは原発・核燃問題ではなくタバコ問題について某所に書いた文章の一部だが、両問題は全く同じ構造にあり、安部政権下で政策転換が起こる可能性はない。

 いかにして「国を置き去りにして前に進めるか」が問題だが、原発ゼロ路線を選択した独伊だけでなく、米国では経済性による原発撤退が相次ぎ、仏アレバ社は4年連続の赤字、フィンランドの原発建設は費用高騰で見通しが立たず、未だに原発推進を掲げる主要国は日中韓露のみ(日露は重大事故の当事国)というのが現実である。この4国はタバコ大国という点でも共通しているが、すでに中韓露はタバコ規制政策に転換している。

『プロメテウスの罠8』によると、89年にベルリンの壁が崩壊して冷戦が終結した後に、今上天皇は「これでチェルノブイリみたいなことは起こらなくなるだろう。壁がなくなって情報の流れがよくなり、何が起こったか分からないうちに大変なことになってしまうようなことは、もうなくなるのではないか」と侍従長に述懐されたという。その22年後に自国で起きた原発事故と政府の情報隠しに何を思われたであろうか。

 匿名官僚作家による『東京ブラックアウト』では、天皇自身がセリフを持った登場人物として描かれ、フクシマより酷い事故の際に誰が収束させるのかと規制庁長官に問いつめ、原発再稼働に深刻な懸念を表明される。その懸念は現実となり、国民からの請願書一通一通に深夜まで目を通し、衆院議長に重大な決断を伝えるが…。これは全くの空想小説ではなく、前作『原発ホワイトアウト』と同様に半分は現実で、残りの半分も「現実に起きてもおかしくない」範囲での創作として読むべきであろう。

 今上天皇が皇太子時代から憲法の平和主義と象徴天皇制を具現化するために、諸外国との友好や、国民(特に被災者)と共にあることに心を尽くしてきた歴史は誰もが知るところであり、それが現在の圧倒的な皇室支持につながっている。「日本国民の総意に基づく、日本国と日本国民統合の象徴」という理解し難い概念を、永年の言動と存在で身を持って示されてきた。そうやって積み重ねてきた平和国家の礎が、「戦後レジームからの脱却」という一言で葬り去られ、「軍事活動の拡大による世界平和維持」という全く異質の国家像へと造りかえられようとしている。

「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています」という新年の挨拶は、大元帥であり大権を保持していた昭和天皇でも国家の暴走を止められなかった歴史の教訓を、首相を含む国民一人一人が「今」まさに学ぶべきという、従来の慎重な発言から踏み出した「極めて」異例の強いメッセージであり、これを政治的発言と捉えるべきではない。

 冒頭の問いに対し、推進か反対かではなく、幅広い市民による公論形成を基とした、普通の人々が納得できる実現可能な「撤退・生き残り戦略」が求められているが、現実の動きには結びついていない。元経産閣僚の古賀茂明氏による「改革はするが戦争はしない」を基本理念とする「フォーラム4」には、改革の内容を検証しつつ注目していきたい。

(某業界団体新聞に掲載予定の原稿:紙幅の関係で最後の段落は説明不足ですが)