踊る小児科医のblog

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子どもの悩み、問題知って 人工授精児ら冊子で訴え

2007年11月29日 | こども・小児科
#こういった生殖医療の最大の問題点は、親の都合や希望は認めても、生まれてくる子どもの気持ちには全然配慮されていないことです。代理母も然り。

子どもの悩み、問題知って 人工授精児ら冊子で訴え

 夫が無精子症などのため子どもを持てない夫婦が、第三者から精子の提供を受けて行
う非配偶者間人工授精(AID)。国内で約60年前から続くこの方法で生まれた当事
者の自助グループが、子どもから見た問題点を小冊子にまとめた。
 日本学術会議は、現在は学会が認めていない代理出産の是非などを検討、1月中に結
論をまとめる。グループは「生殖技術の拡大を考える前に、既存技術でどんな問題が起
きているかを知って」と、12月1日に東京でシンポジウムを開く。
 ▽違和感
 20代の会社員洋子さん(仮名)が、自身がAID児と知ったのは5年前。父親の重
い病気が遺伝性と分かり、自分も発病かと悩んでいる最中に母親から告げられた。
 AIDは1949年に国内初の女児が慶応大で誕生し、その後も慶大を中心に1万人
以上の子どもが生まれたとされる。だが提供者は匿名で、詳しい実態は非公表。大半の
親は事実を隠しており、洋子さん同様、親の病気や離婚を機に突然告げられ「ずっとう
そをつかれていた」と親に不信感を抱く例が少なくない。
 洋子さんの場合、父親があまり関心を持ってくれなかったことや、親類で自分だけが
どこか違うという気持ちなど、数々の違和感の謎が解けた。「秘密がある家庭の緊張し
た空気を子どもは敏感に感じ、苦しんでいる。知らせない方が幸せというのは間違い」
と話す。
 ▽会いたい
 30代の医師、克さん(仮名)が事実を知ったのも5年前。医学生時代の血液検査で
、父親と血がつながっていないことが分かった。親子であることに何の疑問も抱いてい
なかった克さんは「自分を支えていたものの半分が突然消えた」ような気持ちに陥った

 母親が治療を受けた慶大を訪ね、精子提供者の手掛かりを得ようとするが断られた。
提供者は医学部の学生が多いとの情報を基に治療当時の在学者をたどり、インターネッ
トや新聞で集めた多数の顔写真の中に自分と似た人を探すが、それらしい人には行き当
たらない。
 克さんは「親は今の両親。提供者を親とは思わない」と言う。それでも、会いたい。
「もし小さいうちに知り、提供者にも会えていれば、気持ちは今と全く違っていた」と
考えている。
 小冊子は代理出産や卵子提供が広がれば「生まれた子どもはわたしたちと同じ悩みや
苦しみを感じるかもしれない」と指摘。洋子さんは「実施するなら出自を知る権利の保
障は最低要件。将来の子どもの気持ちを本当に受け止められるか、ぜひ考えて」と話し
ている。
 シンポジウムは1日午後6時から、東京都港区赤坂1ノ2ノ2、日本財団ビルで。

運動、体重と貧血

2007年11月21日 | こども・小児科
このグラフはある方の12年間にわたる健診データから、体重(BW)とヘモグロビン(Hb)の変動をプロットしたものです。
2回にわたる運動と節制による体重の減少(1997年、2004年)に伴ってヘモグロビンも減少し、2005年には正常値を大きく下回って貧血になってしまいました。
2006年にかけて鉄剤を内服したのと体重が少し増加したこともあって正常値に戻っていますが、2007年には体重がまた減って再び貧血に逆戻り。
このように、体重とヘモグロビンのカーブは見事に一致していることが一目で見てとれます。

運動は主にウォーキング・ジョギングとエアロバイクで、2003年からは遅いけれども少しずつ走る距離を伸ばしたり各地のマラソン大会に参加するなどされているようです。

このような運動や体重減少(過度のダイエットを含む)に伴う貧血は、中高生の女子や運動選手などにみられることがよくありますが、その要因として、食事からの鉄分摂取不足に加えて、「筋肉内での鉄需要の増加、発汗による鉄の喪失、足底部にかかる強い衝撃による赤血球の破壊などがあげられます。運動習慣のない人が急に激しい運動をした時や、陸上の長距離選手がトレーニングを続けていて、この状態になることがあります。」
・運動と貧血
 http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000400/hpg000000341.htm

2006年から2007年にかけて再び大きく減少していますが、最近ドキドキしたり急な動作で耳鳴りがしたり、以前より走るのが苦しくなっていたので、また下がってきたのではないかと感じていたとのことです。

以上、一例報告でした。

残飯はダメで放射能はタレ流しOK

2007年11月19日 | 環境・エネルギー
なるほど、確かにあちこちの船から残飯やら屎尿やらゴミを投げ捨てられたら大変なことになります。持ち帰って処理するのが当たり前で、摘発は当然ですね。
はて、さて、
しかし、六ヶ所の再処理工場では海洋に総量規制なく(要するに自由に)放射性物質を垂れ流しているのではなかったか…。
海に流せば薄まるから何の心配もないと国はのたまっていますが…。
(八戸をはじめとする三陸沿岸に集中的に流れ着くことは間違いありません)
前にも書いたかもしれませんが、私は自分の子どもたちに「当たり前のことを当たり前に分かる人間になれ」と言ってきました。(それだけしか言ってなかったかも)
で、、当たり前ってなんなんでしょう。(-_-)

宴会ゴミを川へ廃棄、横浜海保が屋形船所有者を摘発
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071118i212.htm

核再処理工場稼働に反対する集会
http://news.tbs.co.jp/20071118/newseye/tbs_newseye3710791.html
 来年の本格稼働をめざして試験運転中の、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理工場の稼働に反対する集会が東京で開かれました。
 「私たちが今何をすべきか考えて下さい。そして、来年2月に本格稼動が始まるかもしれません」
 「若い人たちが自分の問題としてこのことを考えていることに衝撃を受けて」(参加者)
 青森県の六ヶ所再処理工場では現在、来年の本格操業に向けて試験運転が行われていて、今月、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の製造が始まりました。
 この日の集会にはおよそ1000人が参加し、再処理工場の本格稼働に反対するミュージシャンらによる演奏やトークが行われました。
 また、集会のあと、参加者らは日比谷公園から東京駅近くまでおよそ1時間半にわたってデモ行進を行い、稼働の中止を呼びかけました。(18日20:09)

健康増進法は受動喫煙防止を義務づけています

2007年11月18日 | 禁煙・防煙
4年も前の2003年5月に施行された健康増進法は、あらゆる施設の管理者に対して受動喫煙の防止を義務づけています。この場合の「管理者」には、飲食店の店主(法律に明記されている)だけでなく、各種の会合や大会などの主催者が含まれることは当然のことと言えるでしょう。法律に罰則規定が盛り込まれていないだけであり、守っても守らなくてもいい法律ではありません。(私たちは実効性を伴うよう法律の改正か、全面的なタバコ規制法の制定を求めています)

■ 県内飲食業 禁煙11%止まり(2007年11月17日 東奥日報)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20071117130808.asp

●健康増進法(2003年5月1日施行) 第25条 受動喫煙の防止

学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

*「その他の施設」とは、鉄軌道駅、バスターミナル、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナル、金融機関、美術館、博物館、社会福祉施設、商店、ホテル、旅館等の宿泊施設、屋外競技場、遊技場、娯楽施設等多数の者が利用する施設を含むものであり、同条の趣旨に鑑み、鉄軌道車両、バス及びタクシー車両、航空機、旅客船などについても「その他の施設」に含むものである。(2003年4月30日厚生労働省健康局長通知)

全面禁煙で心臓発作11-17%減少

2007年11月18日 | 禁煙・防煙
スコットランド(2006)
 全面禁煙施行前 年平均 3%減少
 全面禁煙施行後 1年間 17%減少
  …喫煙者だけでなく受動喫煙を強いられてきた人の健康状態が改善
アイルランド(2004)
 全面禁煙施行後 1年間 11%減少

#たった1年間でのこの大幅な減少は、通常の保健政策(たとえばメタボリック症候群対策)などでは到底得られるものではなく、喫煙(能動喫煙+受動喫煙)が如何に大きな健康被害や死亡をもたらしているかを端的に示すデータと言えるでしょう。

●心臓発作の入院、1年間で17%減=禁煙の成果か-英スコットランド(2007/09/11)
 英スコットランドで、公共の場での全面禁煙が施行されてから最初の1年間で心臓発作のため入院する人が17%も減少したことがこのほど、スコットランド自治政府の調査によって明らかになった。
 全面禁煙は2006年3月に実施された。自治政府が10日発表したところによると、全面禁煙が導入される前の10年間は、心臓発作で入院する患者の数が年平均3%のペースで減少していたが、導入後の1年間でその比率は一気に17%に上昇したという。調査はスコットランドの9病院を対象に行われた。
 この調査結果について、スコットランド医療当局の研究者は「禁煙導入が大きな成果をもたらした。喫煙者だけでなく、受動喫煙を強いられてきた人の健康状態が改善した」と分析している。

●禁煙法で心臓発作が大幅減 アイルランドなど(2007年9月12日)
 室内の公共スペースでの喫煙を全面的に禁止する法律が施行されているアイルランドと英北部スコットランド地方で、心臓発作の発生率が大幅に減少したとの調査結果が相次いで発表された。当局者らは「禁煙法の成果」だと主張、各地に同様の法律制定を促すことにつながるとしている。
 心臓発作は、高血圧などのほか、喫煙も主な原因とされる。
 アイルランドでは2004年、自宅を除くほとんどの室内での喫煙を禁じる法律を施行。全国一律の禁煙法は当時、世界でもまれだった。
 英メディアなどによると、施行後の1年間、アイルランド南西部の公立病院に心臓発作で入院した患者数が、前年比で11%減少した。調査した同国のコーク大病院の医師は「世界各地の保健当局者に禁煙法に目を向けさせるデータ」としている。

受動喫煙で年間2万人が死亡

2007年11月18日 | 禁煙・防煙
職場や家庭で受動喫煙にさらされ続けると、20人に1人が受動喫煙のために死亡します。重金属や有機溶剤など一般の環境汚染物質の基準値が「10万人当たり1人の死亡」を許容する濃度から定められていることを考えると、受動喫煙はその5000倍の危険性を発揮することになります。(『タバコ病辞典-吸う人も吸わない人も危ない』加濃正人編より引用)

 表 10万人当たりの生涯リスク
 喫煙で早死にする  50000人
 受動喫煙で早死に   5000人
 交通事故死      1000人
 アスベスト住宅で肺がん  10人
 環境汚染物質許容基準    1人

フィンランド職業衛生研究所の試算は、全死亡の0.9%が職場での受動喫煙によるとしていますが、それをわが国にあてはめると約8700人にのぼります。職場以外での受動喫煙や肺がん以外のがん、子供の病死も入れると大変な数になりそうです。

米国における年間受動喫煙死亡者が5万3000人であり、受動喫煙は、能動喫煙とアルコール過剰摂取に次ぐ3番目に主要な、予防可能な死亡原因だと述べています。

WHOは2001年の世界禁煙デーに際して「受動喫煙によって人口100万人当たり年間147~251人の死亡者が発生する」との警告を発表しました。(中略)これを日本にあてはめると2~3万人に相当しますが、主に分煙の徹底したアメリカのデータを基にしての試算ですから、分煙が遅れていて非喫煙者のほぼすべてが受動喫煙曝露者であるような日本では、実際の犠牲者がこれより多くなっても不思議はありません。

日本で行われた推計では、国立がんセンターが「年に1万9000人が受動喫煙死、うち肺がんが1000~2000人」と発表しています。

喫煙者の方から見ても受動喫煙の問題は深刻です。何の悪意もなく、周囲にいる人を傷つけ、ときには殺してしまいますが、その相手は、もっとも高い確率で愛する家族です。

日本での受動喫煙による犠牲者を年間1万9000人とすると、喫煙者3200万人が毎年1万9000人を殺しているわけで、喫煙者の1684人に1人が1年のうちに(合法的な)殺人を犯しています。喫煙生活を50年続けたとすると、34人に1人が一生のうちに人を殺してしまうことになるのです。もちろん、人前では絶対喫煙しないような優良喫煙者を含めての計算ですから、職場や公共の場で平気で喫煙できてしまう人は、一生涯のうち何人あの世に送っているかわかりません。(同書より引用=著者の許可は得てませんので引用の原則–主従関係に従っていないことをお断りしておきます)

受動喫煙も人を殺す(世界禁煙デー標語)

2007年11月18日 | 禁煙・防煙
2001年のWHO世界禁煙デー標語は、前年(2000年)の
"Tobacco kills - Don't be duped"
 「タバコは人を殺すー騙されるな=直訳」
 「その1本、みんなの命、けずられる=厚生省訳」
を受けて、
"Second-hand smoke kills. Let's clear the air"
 「受動喫煙も人を殺す きれいな空気を=直訳」
 「他人の煙が命をけずる 受動喫煙をなくそう=厚生労働省訳」
でした。

カナダ政府も「受動喫煙はあなたの命を奪う」とTVキャンペーンを行いました。

受動喫煙はあなたの命を奪います。ヘザーさんがその証人です。
ヘザーさんはタバコを吸ったことがありませんが、タバコの煙が充満したレストランで働き続けました。そして、いま彼女は肺がんのため死の床にあります(註:その後亡くなったとのこと)。いくつかの反タバコキャンペーンは受動喫煙が人々の「迷惑」であると訴えていますが、カナダ政府は「受動喫煙は人を殺す」と断言します。被害のターゲットになることを断固として拒否しましょう。
2nd hand smoke can kill you. Just ask Heather.
Heather never smoked, but she worked in smoke-filled restaurants. Now she's dying from lung cancer. Some tobacco companies say that 2nd hand smoke bothers people. Health Canada says it kills. Refuse to be a target. (October 2003)
http://www.hc-sc.gc.ca/hl-vs/tobac-tabac/res/media/camp/index_e.html

軽度発達障害が疑われる子どもによく見られる状況

2007年11月14日 | こども・小児科
~1歳
目が合いにくい おとなしくあまり手がかからない 抱きにくい 夜泣きがひどい 喃語が少ない 「バイバイ」などの簡単な声かけの理解が難しい

~1歳半頃
指差しをしない 発語がない 名前を呼んでも振り向かない 周囲の人への関心が少なく模倣行動をしない 動きが活発でじっとしていることがほとんどない

~2,3歳
他社と関わるための「ことば」が少なく,オウム返しが多い ごっご遊びへの関心が少ない 物を並べたり回転する物を見ているのが好き 高いところでも怖がらずに登る 苦手な音や感触がある 偏食が強い 睡眠のリズムが整いにくい

~就学前
集団の中での指示を理解し行動するのが苦手 「決まった手順」へのこだわりがあり,変更を嫌がる 他児との「ことば」のやりとりが苦手で上手に一緒に遊べない 文字・マーク,電卓などへの関心が高い 道路を渡る時など「危険」を感じずに突き進むことがある 洋服の着脱を一人でするのが苦手

~小学生
授業時間中にじっとしているのが苦手 勉強についていけない 忘れ物が多い 整理整頓が苦手で,物を無くしたり忘れることが多い 遊びのルールを覚えるのが難しい 他児と協調して行動するのが苦手 「冗談」が理解できず浮いてしまう からかわれたり,いじめられることがある 登校を渋る

中学生以上
学習面で得手,不得手が顕著 友だちとの交流を好まない,「仲間」ができにくい 興味あることへの関心が強いが,偏っている

出典 渋井展子:一般小児科医のための「ちょっと気になる子ども」への支援
   日本小児科医会会報 第34号(平成19年10月)

(上記は個人的なメモですが、一般の方にも参考になるかと思い、ここに掲載させていただきました)