踊る小児科医のblog

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インフルエンザの予防接種のご案内 2010-2011年版

2010年10月01日 | 新型インフルエンザ
 今シーズンはすでに報道されている通り、2009年に流行したA/H1N1pdm “新型” とA香港型、B型の3種類の株が入ったワクチンの接種になります。まだ「新型」の指定が解除されておらず「新・臨時接種」という扱いとなり、法律で規定されているため、例年と異なり料金などは一律の方式になります。八戸市・階上町以外の市町村では公費助成の範囲などが異なる場合がありますので、自治体からの案内も参照して下さい。

 接種開始は10月1日からで、昨シーズンのような優先順位の設定はなく、すべての方が予約順に接種できます。希望者の分のワクチンは確保できる見込みですが、例年11月頃は1回目と2回目の患者さんが重なって混雑するため、早めの予約、接種をお願いします。

 インフルエンザは新型にせよ季節性にせよ、感染力が強く合併症も多い感染症で、毎年のように小児の脳炎・脳症などによる死亡例も報告されています。インフルエンザの予防接種は感染したときに発症を防ぐ効果は高くありませんが、入院や死亡などの重篤な合併症を減らすことが期待されています。

 今年は9月から国内で新型およびA香港型の流行が報告されており、昨シーズン全く流行しなかったA香港型の流行が懸念されています。例年のようにB型との混合流行になる可能性もあります。一般に、A/H1N1(Aソ連型や新型)よりもA香港型の方が症状や合併症も強くなる傾向があり注意が必要です。

 私たちにできる対策は、個人防衛としてのインフルエンザの予防接種を進めることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。

【1】予防接種法による新・臨時接種(0歳~64歳) 10月1日~3月31日

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満:接種すれば抗体は上昇することがわかってきましたが、効果が十分確かめられているわけではないため、本人ではなく家族が予防接種を受ける方が防御効果は高いものと思われます。

○ 生後6か月以降:保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限り全てのお子さんに接種をお勧めします。
特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・医療・福祉関係者、教師・保育士、警察・消防・自衛隊関係者など、流行時
 に社会的影響の大きい立場にある方

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回
・1~5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回
・6~12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回
・13~64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回(中高生には2回接種をお勧めします)

※2回接種する場合の接種間隔は1~4週間ですが、可能なら3~4週間あけて下さい。

● 料金
・1回目:3600円 ☆
・2回目:2550円(他院で1回目を接種した場合は3600円) ☆★

☆非課税世帯、生活保護の方は無料(事前に自治体に申し込む必要あり)
★階上町民は2回目が無料(13歳未満または13歳以上で必要と認めた場合)

【2】予防接種法による高齢者への接種(二類定期接種) 10/1~3/31

● 対象
・65歳以上の方(希望者)
・60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(医師が必要と認めた場合は2回)

● 料金
・1回目:3600円(自己負担は1,000円) ☆
・2回目:2550円(他院で1回目を接種した場合は3600円) ☆

☆非課税世帯、生活保護の方は無料(事前に自治体に申し込む必要あり)

※慢性の病気で通院したり薬をのんでいる方はかかりつけ医にご相談下さい。

院内版感染症情報

2010年10月01日 | こども・小児科
 夏から流行していた「熱が2日くらい続く夏かぜ」が9月中旬までみられました。前号に書いた手足口病は目立った流行にならずに済んでいるようです。

 9月下旬から、咳やハナが出るタイプの風邪がメインになってきています。嘔吐や下痢が主症状のウイルス性胃腸炎も夏かぜの一部としてみられていましたが、11月にかけて寒くなってくるとノロウイルスなどの胃腸炎が急増する時期に入ります。

 すでに国内でインフルエンザ(主にA香港型)の流行が報告されています。 →インフルエンザの予防接種については次のページをご覧下さい。