踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

7/2~7/31 十和田湖ウォーク、種差ウォーク

2006年07月31日 | SPORTS
2006.07.31 16:25 性感染症シンポジウムの前に10km 7月合計176km

30日(日)朝食後、小雨の中RUN 10km。少し調子悪いのは、朝だからか雨だからか、あるいはまだ疲れが残っているのか。10時から性感染症シンポジウム。
31日(月)月末の締めがあるが、RUN 6km。蒸し暑くなってきたが曇りで、朝夕は涼しく、まだ東北の梅雨は明けない。三社大祭前夜祭。 /7月合計176km(ウォークやエアロバイクなども含む)

2006.07.29 16:25 梅雨はまだ明けない 週42.5km

28日(金)会議あり往復8kmをRun&Walkのつもりだったが、疲れ気味でお休み。
29日(土)雨で走れず、エアロバイク60分660kcal(10km相当) /週42.5km(実際に走ったのは12.5km)

2006.07.27 16:02 トレーニング再開へ

26日(水)RUN 7km トレーニング再開。急病診療所当番にて今日は7kmまでとする。やはり足が重く、無理せずに走ったがタイムは普段通り。少し疲れた。今週は会議出席が多いので、短い距離を重ねて脚の回復を待つ。
27日(木)RUN 2.5km+Walk 2.5km(3.5km相当) 医師会で予防接種説明会。

2006.07.25 09:57 小児科医会往復をRun&Walk

25日(火)RUN 3km+Walk 3km(4km相当) 小児科医会にて往路(下り)はラン、復路はウォーク。思ったよりも足が重い。昨日の濃霧とはうってかわって天気も良く、気温も高めで汗をかく。三沢の女性殺人事件(未解決)に続いて洋野町(旧種市町)の母娘殺人事件で当市の容疑者逮捕の報あり。どうしたことか。

2006.07.24 10:15 弘前・白神まで10週間

24日(月)休養日にしようかと思ったが、来年へのスタートの意味を込めて、いつもの3.5kmコースをウォーク(1km相当)。29分(時速約 7km)、疲れや筋肉の張りもそれなりで、明日から少しずつ走るのも再開できそうだ。次の目標である10月の弘前白神アップルマラソンまで10週間を切った。どの距離にエントリーするか、早く決めないと。

2006.07.23 10:15 十和田湖ウォーク50km

23日(日)年間最大の目標である十和田湖ウォーク50km(17km相当) 朝方小雨だったがスタート前にはあがり、終日曇りで暑くもなく歩くには絶好の天候に。家族のサポートに徹し16時4分に無事全員完歩(11時間)。今回で4回目だが、速く歩こうがゆっくり歩こうが、最後の10kmのつらさは変わらない。来年はできれば15時頃にゴールできればいいのだが。。終了後、疲れや脚の痛みは相当あるが、帰りの運転で足がつることもなく、ある程度脚力はアップしているのだろう。

2006.07.22 10:10 週末にむけてセーブ 週29km

20日(木)少し膝が疼くが、一番短い3.5km
21日(金)準備などで運動できず、お休み。
22日(土)十和田湖ウォーク前泊 夕方診療終了後、十和田湖までドライブ。新郷から雨。入浴後、夕食もほぼ満足。夜はあまり眠れなかったが大体こんなもので想定内。 週29km

2006.07.19 09:08 全国で土砂崩れ被害、こちらは曇り

19日(水)RUN 10km 曇りで風も強くなく走りやすい天候。いつもの5km往復コース。脚の疲れは残って快調とは言えないが、ほぼいつも通りのタイムと走りで帰ってこれた。今のトレーニングが続けられれば10kmはほぼこなせそうだが、その先はまだまだ。全国各地で土砂崩れの被害が続出している。膝痛対策の大腿四頭筋を鍛える体操をはじめる。

2006.07.18 09:07 疲労後の運動再開がポイント

18日(火)風の道公園7往復32分(5km相当) 前日のウォークで足の筋肉は張り気味だが負担にならない範囲でアップダウンのコースで汗を流す。これまでの換算していた「2往復で1km相当」では少し足りない気がするので(時間で5分30秒くらい)、今回から5往復につき1往復追加して計算することにする。要するに、4往復は2kmとするが、6往復ではなく7往復で3kmと計算。ちょっとややこしいので書き出しておくが、実際には12往復以上は走ったことがない。
2往復 1km
4往復 2km
7往復 3km
9往復 4km
12往復 5km
14往復 6km
16往復 7km
19往復 8km
21往復 9km
24往復 10km

2006.07.17 09:06 雨上がりの種差ウォーク 21km

16日(日)RUN 3.5km 午後、急病診療所。帰宅後夕食前に「いちご煮四丁目コース」、小雨だったが途中から本降りになる。それが幸いしたのか過去最速でゴール。
17 日(月)種差ウォーク21km(片足1.5kg合計3kgのウエイト付き) 朝までに雨は上がり快晴に。市内の別コースも考えたが例年と同じ種差・蕪島コースに。6:25スタート、予定を大幅にオーバーして4時間40分で帰宅(それでも早いとは思うが)。残念ながら全員完歩ならず。おにぎり1個+ゼリー 160kcal+ホロンバイルのソフトクリーム+水+帰宅後おにぎり1個+パイロゲン。

2006.07.15 09:05 エアロバイクで距離を稼ぐ 週42km

14日(金)RUN 3.5km 休養日にしたかったが最短の「いちご煮四丁目コース」を走っておく。平日に休まず短い距離でも走れれば成果は上がるのだが。
15 日(土)エアロバイク60分695kcal(負荷18~20)10km相当 夕方、少し眠り夕立が来そうな雲行きで風もあるので走らずエアロに変更。サッカーオールスターの前半と相撲を観ながら。千代大海は勝ったのに何を言っていたのか。露鵬はその後記者に暴力をふるって出場停止になる。 週42.5km (実際に走ったのは16km)

2006.07.14 09:46 夏を走る

13日(木)RUN 7km 今日も蒸し暑い。夜、20℃前後に下がっていたのでいつものよこまちコースで走ってみたが、後半は汗びっしょりで頭がボーっとしてくる。北国とはいえ、お盆過ぎまでは時間や天候を選んで走らないと大変だ。(一番良いのは早朝だが、起きられないし仕事に差し支えそうなので無理だろう)

2006.07.12 23:44 ビートルズはみんな喫煙者

12日(水)エアロバイク70分760kcal(負荷18) 暑い一日。夕方、スポーツ番組が相撲しかなかったので、ビートルズのHELP!のビデオを観ながらエアロバイク。汗をかいてバテたが体重は減らず。スタジオのシーンではリンゴがくわえタバコでドラム。小さくなったポールは灰皿で入浴。

2006.07.11 23:29 W杯も終わって十和田湖ウォークまで2週を切る

10日(月)本来なら休養日だが、夕食後調子が悪くないので、母の命日供養をかねて(?)東霊園Run 5.5km31分。W杯決勝延長後半から観る。ジダン退場、イタリアPK全員成功。新潟のスイカ。夕食京都八起庵の鴨なんば。
11日(火)夕食でビールを飲んだあと眠ってしまいお休み。

2006.07.09 00:28 祝!マークさん宗谷岬ゴール

9日(日)ステッパー70分(5km相当) 朝、ドイツ・ポルトガル3位決定戦最後だけ観戦、午前、墓参。昼、マークさん宗谷岬到達ライブ画像。午後、札幌ハーフ野口優勝。オーストラリア国旗でオージービーフ焼肉。

2006.07.08 00:26 まだハーフを走る脚力はないと痛感 週46km

2日(日)ステッパー70分(5km相当) 雨で階上とんかつラン中止。グリーンハウスでストックなどを買う。リストウエイト(各1.5kg)を再購入したので、陸上日本選手権の福士の走りなどをみながら久しぶりにステッパー。夕食は自宅トンカツ亭。
3日(月)お休み
4日(火)RUN 5kmよこまち往復 翌日に疲れを残さないように2.5km往復にしておく
5日(水)ステッパー110分(8km相当) イタリア・ドイツ戦再放送をみながら
6日(木)ステッパー70分(5km相当) 中日・巨人戦川上10勝目
7日(金)ウォーク&Run 8km(5km相当)
8日(土)Run階上18km 1:55 行きは向かい風だったが調子悪くなかったので少しずつ伸ばし階上のよこまち9kmまで、帰り15kmすぎて足が動かず、夕食鶏肉サラダと寿司。 /週46km

ぜんそく教室(全3回)開催のお知らせ(院内報より)

2006年07月31日 | こども・小児科
 ご案内が大変遅くなりました。今年もぜんそく教室を開催します。

第1回「喘息の基礎知識」
 日時 8月19日(土)15:00~16:00 (14:30~ビデオ)
 内容 気管支喘息とは? 喘息の症状 治療の目標 発作のときの対処
    治療につかう薬の知識 発作のないときの管理

 喘息の治療のためには、患者さんやご家族が病気のことを知り、薬のことを知り、対処法を理解した上で長期にわたって取り組んでいくことが必要になります。内容は昨年までとほぼ同じですので、参加できなかった回がある方はその回だけ参加していただいても結構です。

第2回「ぜんそく児の日常生活」
 日時 9月16日(土)15:00~16:00 (14:30~ビデオ)
 内容 家庭での環境 日常生活・学校・行事 体をきたえる
    喘息のセルフ・ケア 前回の復習

 真夏は比較的落ち着いていることが多い季節ですが、お盆過ぎて涼しい風が吹きはじめると喘息の発作も散見される季節に入ります。
 第2回は環境対策を中心に、日常生活や学校生活などについてまとめてみたいと思います。喘息の治療は薬だけではありません。発作をおこしてからあわてないように、発作のないときにコツコツと貯金をためていくつもりで一緒に勉強していきましょう。

 第3回「喘息のセルフケア」は10月21日(土)の予定です。

8~9月の診療日、急病診療所、各種教室、相談外来の予定

2006年07月30日 | こども・小児科
 8月は14~15日がお盆休みになります。16日は通常通りの診療ですが水曜なので午後休診です。9月2日(土) は学会出席のため休診になります。
 8月の急病診療所当番は8月5日(土) 、15日(火) 、27日(日) 昼の3回です。
 次回の赤ちゃん教室は9月9日(土)。「育児相談・子どもの心相談」(初回のみ無料)、「禁煙・卒煙外来」は随時受け付けております。
 メール予約システムをご利用下さい。(ホームページのメニューから入るか、yoyaku@kuba.gr.jp 宛まで)

院内版感染症情報 ~2006年第29週(7/17~7/23)

2006年07月29日 | こども・小児科
 前号で5月中には終息する見込みと書いた季節はずれのインフルエンザは、学校毎に飛び火していき7月まで流行が残りました。
 6月から増えているのは高熱が初期にみられる夏かぜタイプで、ノドのブツブツがひどくなるヘルパンギーナや手足口病、高熱が続き結膜炎を合併するアデノウイルス、下痢を伴うウイルス性胃腸炎が含まれています。

 新聞などで「プール熱流行中」と書かれていますが、俗にプール熱(いまの小児科医はこの病名は使いません)と呼ばれる咽頭結膜熱を含むアデノウイルス感染症は、結膜炎を伴う場合も伴わない場合もあり、気管支炎や胃腸炎など多彩な症状を示す強いウイルスで、夏かぜとしてだけでなく1年中みられるウイルスです。時に高熱が5日くらい続く場合があります。ほとんどの場合はプールとは関係なく、接触や飛沫など普通の風邪と同じ経路で感染します。

 これらのウイルスには効く薬がありませんので、熱だけの場合はそのまま自宅での看護が主になるし、咳や下痢などの症状があればそれぞれに対する薬を出す場合もあります。普通の夏かぜなら2-3日しっかり休ませれば自然に回復してくれます。

禁煙治療でニコチンパッチが保険適用になりました(院内報より)

2006年07月28日 | 禁煙・防煙
 禁煙治療に必須のニコチンパッチ(貼り薬)が6月から保険適用となりました。これで診察代、薬代すべてに保険が効くことになり、毎日のタバコ代よりもずっと少ない金額で禁煙治療が行えるようになりました。
 これまでは禁煙外来目的で受診される方が主で、通院しているお子さんのご家族の受診は多くなかったのですが、この機会にすべての方に禁煙していただけることを願っております。

十和田湖ウォークでいかに食べるか

2006年07月25日 | SPORTS
十和田湖ウォーク50kmを歩ききるためには、いかにして水分と栄養を補給するかがポイントになってきます。もう一つは、荷物を増やさないことですね。速く歩く人ほど荷物が少なく、遅くて脚力のない人ほど荷物が多いように思えます。

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イオン飲料500ml(凍らせる)
大川岱などのポイントで水を追加

朝 おにぎり2個
子の口 バナナ1本
御鼻部山 おにぎり1個

歩行中適宜
ウイダーinゼリー エネルギーイン 180g 180kcal
アメ数個

滝ノ沢峠
みそ汁、きゅうり漬け物
おにぎり1個

大川岱
アイスモナカ1個 約240kcal(→今年はとらず)

和井内
携帯食

計算してませんが、これでどれくらいのカロリーになるでしょう。
ちなみに、10時間歩くと私の体重で2000~3000kcalは消費するようですから、これでも多すぎることはないはずですが、体重は夕食前でも増えてました。(^^;
糖分・炭水化物に偏りすぎの気もしますので、来年からビタミンやアミノ酸入りスポーツ飲料を考慮しよう。(効くのかどうかわかりませんが)

十和田湖ウォーク4年連続完歩の秘訣は「うりこま」

2006年07月24日 | SPORTS
今年の十和田湖ウォークも天候に恵まれ、朝方まで小雨が残ったものの、ウォーク中は湿り気のある涼気で絶好のウォーキング日和となりました。

2003 初参加で泣くような思いで完歩(家族3人は途中リタイア) 9時間50分
2004 猛暑の奥入瀬往復コースを息子と2人で完歩
2005 8時間5分の自己ベスト、息子も8時間半、娘とカミサンも11時間40分で初めて完歩
2006 脚の痛みを抱える家族3人をサポートしながら、11時間5分と前年の記録を更新して、2年連続で4人全員完歩

十和田湖ウォークには依存性・常習性があるようです。歩いている時には、特に最後の10kmでは「こんなにまでして歩いて何が楽しいのか」と思ったりするわけですが、次の日には来年のことを頭に思い描いていたりする。まあ、歩いたことがない人には、理解できない世界ですね。

一番脚力のない娘に、ウォーキングの基本的なポイントを4つ教えたわけですが、覚えやすいように(?)頭文字をつなげて「うりこま」としてみました。(意味不明)

う 腕を振る
り リズム
こ 腰から
ま 真っ直ぐに(体、腹、足の向き)

まあ「秘訣」でも何でもありませんが…

ちなみに、同じ距離を歩くわけですから、ゆっくり歩いたから疲れが少ないわけでもなく、最後がつらいのは同じようなものでした。ということは、昨年のように速く歩いて早く休んだ方がいいのですが、ただ待っているのも阿呆らしいし。。
平均時速5km(休憩時間を含む)で15時に快調にゴールできることが目標か。



2006年十和田湖ウォーク参加記録の画像6+2枚を掲載しました

マークさんはなぜ歩かなくてはいけなかったのか (2)

2006年07月22日 | 禁煙・防煙
タバコ規制対策のすべて

 実はタバコ問題ほど簡単なものはない。対策のすべては既に提示され、ロードマップもつまずきやすいポイントも先進諸国の経験により明らかにされている。日本はオーストラリアなどの先進国と同じ道を歩めばいいだけで、日本政府得意の「対米追従」をタバコ対策でこそ行うべきなのだ。それらはFCTCにも明確に示されているが、今すぐに取るべき主要な対策を列記してみると次のようになる。
 1)タバコ税大幅増税(一箱1000円)、2)屋外自動販売機の撤去(深浦町)、3)全ての公共的な場の禁煙化(飲食店・タクシー・路上など)、4)タバコ広告やスポンサーシップの全面禁止と包装の警告表示、5)全ての学校やメディアを通じた喫煙防止教育、6)禁煙治療の保険適用化と適応拡大、7)包括的なタバコ規制法の制定(北朝鮮)、そして8)タバコの製造・販売の禁止(ブータン)。
 マークさんは禁煙推進のアイデアとして "TELL" すなわち Tax(税)、Education(教育)、Legislation(法律)、Litigation(訴訟)の4つを特に重要視している。増税による財源はタバコ農家の転作と喫煙防止教育や医療費に用いられる。教育は子どもに対してだけでなく、テレビCMなどを通じて全ての国民に徹底して継続的な情報を与え続ける。職場における受動喫煙で雇用者が敗訴することは既に江戸川区で判例が確定している。タクシー訴訟でも国やタクシー会社は実質的に敗訴している。これらを適用すれば、全ての飲食店やJR・タクシーなどを含むあらゆる職場も、禁煙にする以外に選択肢はない。
 これらは全て包括的なタバコ規制法に盛り込まれるべきだが、「本丸」は法律が踏み込むことのできない「家庭」にある。生まれる前からタバコの煙まみれで育っている日本の子どもたちを救い出すために、あらゆる周辺的な対策をとり続ける必要がある。

トップダウンで早急な対策を

 しかし、実際にはタバコ問題ほど複雑で社会のあらゆるところまで入り込んでいる構造的な問題はない。構造改革を一枚看板に掲げた小泉政権は、本当に構造改革が必要なタバコと核燃問題には決して手を触れようとはしなかった。そしてこの2つは青森県において最も宿命的に深く根を下ろしている問題なのだ。
 民主主義のプロセスでは、長い年月をかけて合意に達したり、この国特有の「足して二で割る」手法が用いられたりする。しかし、タバコ問題において喫煙者と非喫煙者の主張を足して二で割ることは何も意味もないばかりか、根本的な対策への障害となることを銘記すべきである。
 マークさんは不完全分煙の飲食店や施設を「Pee pool(オシッコプール)」と表現していたが、現在とられている「対策」なるものは万事がその域を脱しておらず、いかにしてタバコ会社の売り上げを減らさないようにしながらタバコ規制を行うかという全く矛盾したものにほかならない。
 FCTC発効後1年を過ぎても一箱20円ばかりの微々たる増税しか実施することができず、必要な規制法の制定を図ろうとする動きが全くないことからも、本気で国民をタバコから守ろうとしていないことは明らかだ。あの北朝鮮ですら既にタバコ統制法を制定して喫煙率の減少目標を立て、喫煙者には大学入学資格を剥奪するなどの規制を実施しているのに。
 もちろん、喫煙者や規制の必要性を理解できない人たちに対し、情報を提供して理解を求める努力は必要だが、現実に犠牲者が増え続けている状況には、トップダウンで必要な対策を早急に取らなくてはならない。麻薬やダイオキシンを規制するのに、麻薬中毒患者やダイオキシン排出業者と話し合って決めようとする国がどこにあるだろうか。

何かを変えるには自ら行動すること

 マークさんは毎日40~50kmもの行程を、脚の痛みや疲労と闘いながら強い意志で歩き続けた。本来なら国がトップダウンで行うべき根本的対策を待っていたのでは犠牲者が増え続けるだけだという状況に対し、お世話になった大好きなこの国の人たちへの恩返しとして、自身の行動によって一人でも多くの人を救いたい、それだけでなく大きな潮流となって政策転換へと繋がることも願って、自分にできるアクションとして歩くことを選んだ。
 八戸における講演で "Be the change you want to see in the world" というガンジーの言葉を引用して、何かを変えようと思ったらまず自ら行動しなさいと訴えたのが強く印象に残っている。
 このようなボトムアップの手段による影響力は一見すると微々たるものに思われるかもしれない。しかし、彼の歩く姿と真摯な言葉は、全国各地で確実に多くの人の心をつかんでゆり動かし、次の行動へ繋がっていくきっかけとなった。あらためて感謝したい。
 この国が国民の健康を守ろうとするまともな社会であったならマークさんは歩く必要がなく、また本来ならこのような行動は日本人が行うべきものであった。
 国はマークさんの行動とメッセージの真意を理解して早急に政策転換を図らなくてはいけない。

タバコ規制対策の目標とは

 このポイントをはっきりさせておかないと、いつまでたってもタバコ産業の様々な詭弁に有効な反論ができずに現状維持を余儀なくされる羽目になる。
 タバコ規制対策の目標とは、喫煙率を激減させてタバコ病死を減らすこと、究極的にはゼロにすることであり、それはタバコの売上本数を激減させてタバコ会社の存立を危うくし、葉タバコ農家の生計を崩壊させることにほかならない。
 国民の命を守ることと、葉タバコ農家の生計を守ることは、決して両立することはない。
 だからこそ、青森県の政治家や首長はその二つを両立させること、すなわち葉タバコ農家の転作支援を最優先の課題として真剣に取り組むべきであり、共存共栄を唱えてタバコ規制対策を後退させようとしているタバコ族議員は、その言動によってタバコ病の犠牲者を見殺しにしているだけでなく、無策のまま葉タバコ農家をも見捨てているに等しいことを理解すべきだ。

水俣病やアスベストと同じ構造的犯罪

 健康に対する重大な影響が明らかになり、諸外国が適切な対策をとって国民を守っているのに、その規制や対策をとる義務がある政府が国民の命よりも企業の経済活動を優先し、必要な対策を先送りにしたために犠牲者が増大し続けている。この構図は、水俣病や薬害エイズ、アスベスト問題などと相似形で比べものにならないほど大規模な犯罪行為であり、タバコ会社と国の責任が問われる日が来るのは間違いない(現在でも裁判所が正常に機能していれば諸外国と同じ判決が出ているはずなのだが)。
 国が全面的に政策を転換して犠牲者が減少へと転じ、私たちが禁煙活動などという無駄な努力をする必要がなくなる日まで、マークさんから渡された旗を全国の仲間と共に手に持って歩き続けなくてはいけない。

歩けばわかるマークさんの気持ち

 マークさんの禁煙ウォークの計画を2月に初めて聞いた時、やはりウォーキングと禁煙はベストパートナーだと確信した。この88日の間、全国各地で支援者が毎日のように駆けつけて一緒に歩いたり走ったりした。県内で禁煙活動を二十年にも渡って続けてきた角金秀祐氏(当会世話人)は、南部町から大間町まで歩き通してマークさんを応援した。
 ウォーキングやランニングにタバコは厳禁というのはもちろんのこと、地に足をつけて着実に前に歩きつづけることが、害悪と虚飾にまみれたタバコという存在の対極にあるものだということは、自分の足で歩いてみれば体感できるのではないかと思う。(実際にはウォーキングやマラソン大会でタバコを吸う姿を目にすることも多く、ニコチン依存症の根深さを感じざるを得ない。)
 マークさんがなぜ三千キロにも及ぶウォークを敢行したのかに思いを馳せながら、3キロでも5キロでも少し早足で歩いてみませんか。そして、この国のタバコ規制のあり方を早急に変えていくために、医師・歯科医師は国民のリーダーとなって世論や政府を動かしていく義務があることにも、歩きながら思いを巡らせてみて下さい。

・青森県タバコ問題懇談会http://aaa.umin.jp/

マークさんはなぜ歩かなくてはいけなかったのか (1)

2006年07月21日 | 禁煙・防煙
マークさんはなぜ歩かなくてはいけなかったのか
国民を守らずにタバコ産業を守り続ける政府

久芳 康朗 (青森県タバコ問題懇談会代表世話人)

 マーク・ギブンズさんは4月に鹿児島の佐多岬を出発して以来88日間におよぶ禁煙徒歩行脚の末、7月9日についに宗谷岬に到達した。6月に青森県内を縦断した際に講演会や禁煙ウォークなどの支援を行った私たちもその喜びを共に分かちあったが、マークさんの行動と言葉の持つ意味の重みは、ウォークが終了したいま、更に増しているように思う。
 マークさんのゴール後の第一声は、偉業達成の喜びではなく「問題は何も解決していない。こうしている間にも毎日300人もの人が亡くなっていることは悲しい」というものだった。
 マークさんは母国オーストラリアに戻るが、本当のゴールに向けた新たなウォークの旗は、今回のサポートで一本の線となり繋がった全国の支援者の手に渡された。

日本の常識は世界の非常識

 日本国内でタバコ病死は年間11万4千人(毎日300人強)、受動喫煙による死亡も約2万人、合わせて毎年13万人以上の人がタバコの犠牲になっている。これは決して自然死ではなく、自業自得(自己責任)でもない。
 常習者の半数を死に追いやる毒物であり依存性のある薬物を、何の規制もなく道端の自動販売機で子どもが自由に買えるようにして、新たな喫煙者(依存症患者)へ引きずり込んでいる国。その毒物を販売する企業(JT)の株の50%を保有して法律でその産業を奨励している国。この異常事態を、緊急に対策をとるべき問題だと認識することができない一部の医療者や政治家。
 「日本の常識は世界の非常識」と言われて久しいが、私たちはゴールの見えない禁煙活動に疲れ、いつまでも変わらぬ「世界の非常識」が“この国の常識”だと慣らされつつあった。
 マークさんのストレートで身体的な行動とメッセージは、そんな私たちの目を再度はっきりと覚ましてくれた。

オーストラリアから30年遅れた日本の対策

 オーストラリアはタバコ規制政策のトップランナーだが、30年前には男性の喫煙率は47%で現在の日本と同じくらい高かったという。それが、政府とNPOの協働による規制と学校やメディアを通じた教育プログラムなどにより現在17%にまで低下し、このペースが続けば2030年頃には男女とも喫煙率ゼロになるものと期待されている。
 日本のタバコ規制対策も2003年の健康増進法施行をはさんでここ数年で飛躍的に進歩したとよく言われる。確かにそれは事実かもしれないが、喫煙率だけでなく国の規制政策においても国民のタバコに対する知識レベルにおいてもオーストラリアとは30年もの開きがあり、やっとスタート地点にたどり着いたに過ぎない。

真実を知らされていない国民

 マークさんの喫煙者に対する目は優しく、今回のウォークによって「禁煙は愛」というメッセージが一人でも多くの人に届き禁煙してくれることを願っている。小学生との交流会で「タバコを吸っている人のことをどう思うか」と質問され、「カワイソウ。真実を知らされずに死にゆく人だ」と答えている。そして、特に若者や子どもたちがタバコの害についての真実を知れば、タバコという高い依存性のある「商品」により身を滅ぼす選択をしなくなるはずだと信じている。
 マークさんは小学生に対し、13歳からタバコを吸い続けて34歳で肺がんにより亡くなったブライアンさんの写真を見せ、ブライアンさんや残された妻子と同じような悲劇が毎日300もの家族で繰り返されていることを語った。
 マークさん自身、喫煙防止教育をはじめて受けたのが9歳で、その時みせられた写真の衝撃を忘れることはできなかったという。小学生との交流会の最後に、マークさんからの問いかけに対して全員が将来絶対にタバコを吸わないと手を挙げた。この子たちはマークさんとの約束を一生忘れることはないだろう。
 私はマークさんと同じ歳だが、もちろんこのような教育は受けていない。それどころか、医学部でもタバコの害をまともに習った覚えはなく、いま持っている知識の大半はここ数年で身につけたものだ。まして一般の方がタバコの害についてわずかな知識しか持たないのも、この国の現状では当然のことだ。「大人は吸ってもいいが子どもは駄目だ」などという教育は全く意味をなさない。全ての年齢層に対してメディアなどのあらゆる手段を使った継続的な教育と情報提供を行っていく必要があるのだが、タバコ・マネーの影響下にある既存メディアには多くを期待することができない。
 マークさんは、国民に正しい知識を伝えようとしない政府やメディアに憤りながらも、真実はインターネットを通じて容易に入手できる時代になっており、一人一人が主体的に情報を取得していく必要性も強調していた。

国民の命を守ろうとしない国

 その一方で、国民を守ろうとせず対策を先送りにしてタバコ病死を放置しつづける政府や、タバコの害をきちんと患者に伝えてやめさせようとしない医師への言葉は手厳しい。
 静岡市で一人の喘息を持つ中学生が集めた署名と請願によって路上喫煙禁止条例が制定されたニュースが「美談」として伝えられているが、マークさんは、本来なら国が子どもたちの健康を守らなくてはいけないのに、こんなことは全く逆ではないかと強い言葉で意識の転換を喚起している。
 しかも、このような「美談」ですらごく稀なケースであり、今回私たちが青森県内の全市町村議会に提出した路上喫煙禁止条例制定の請願・陳情は、ただの一つとして採択されることはなかったのが現実である。

タバコはどんな形態や偽装をしても致死的

 毎年5月31日の世界禁煙デーにWHOはスローガンを発表している。2006年は「Tobacco: Deadly in any form or disguise(タバコ:どんな形や装いでも命取り)」であり、自社の利益のために世界中の人々を欺きながら毎年500万人もの命を奪い続けているタバコ会社の反社会的な広告販売活動を厳しく批判したものだが、5月31日にこの標語を取り上げたメディアは皆無であった。前年に発効したタバコ規制枠組み条約(FCTC)も、タバコ会社の企業活動を世界中の国が手を結んで包括的に規制していくことが目的であるが、そのことを正しく理解している国民は一握りに過ぎない。
 しかも、タバコ規制の総本山であるべき厚労省が「やめたい人を手助けする禁煙支援」なる禁煙週間のテーマを別につくりだして肝腎のWHOのスローガンを「参考」扱いに格下げしてしまい、「どんな形や装いのたばこであっても喫煙は様々な疾病の危険因子であり、禁煙は生活習慣病予防の基本の一つである」などという本旨からかけ離れた腰の引けた説明を付けている始末なのだ。

(後半へ続く)

生活習慣病予防に運動量の目安 毎日ジョギング30分

2006年07月14日 | SPORTS
こんな記事に目がとまりました。
生活習慣病防ぐには… 厚労省が運動量の目安まとめる
本題に入る前に、最近メタボリックシンドロームやら生活習慣病やらで「運動と食事」が強調されていますが、はっきり言って日本人全体で「運動と食事」習慣を変えて、病気を予防したり医療費を抑制したりするのは相当困難だろうと思います。
もちろん、個人個人では大きな意味がありますが。
その前にやるべきことは、きちんとしたタバコ規制政策であることを先におことわりしておきます。

で、記事の話題に戻りますが、生活習慣病を予防するために運動量の目安をつくったということで、毎日のエクササイズの参考になりそうなので紹介しておきます。

<日常生活>
歩行 20分
自転車 15分
子供と遊ぶ 15分
階段昇降 10分
重い荷物を運ぶ 7~8分
床掃除 20分
洗車 20分
庭仕事 15分

<スポーツ>
軽い筋力トレーニング 20分
ゴルフ 15分
軽いジョギング 10分
ランニング 7~8分
水泳 7~8分

この運動量を「1個」という単位で表して、週23個必要だという。
つまり、1日3個、例えば「軽いジョギング10分」または「ランニング7~8分」×3で毎日25分から30分走ってもまだ足りない。

運動の消費カロリーは下記のページなどで計算できますが、
→ダイエット用語基礎トレーニング 3.消費カロリー
→運動消費エネルギーチェック
この「1個」は大体100kcal前後になるようです。

毎日330kcalとすると、ごはん1膳(150g)250kcalに納豆(40g)80kcalをかけた程度ですね。
→カロリー早見表 - 簡単なカロリー計算

一応、私は通勤もないし日中も座っているだけなので、意識して運動するようにしていて上記はクリアできてますが、運動不足の方がいきなり週23個を目標にするのは結構大変かもしれません。通勤や家事などの分を足せばそれなりに増えるし、カレンダーにシールでも貼って集め出せばすぐだと思いますが。

夏休み2006~青森県内美術館情報

2006年07月11日 | ART / CULTURE
青森県立美術館
青森県立美術館開館記念展 シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代
2006年7月13日(木) - 9月24日(日)
9:00 - 18:00 (入場は17:30まで) 会期中無休

三内丸山 縄文時遊館

常田健・土蔵のアトリエ美術館

Nara Yoshitomo and graf “A to Z”
Term: July 29 to October 22, 2006
Venue: Yoshii Brick Brew House, 2-1, Yoshinocho, Hirosaki, Aomori
Hours: 10:00-19:00
Closed: Mondays; [Tuesdays when the holiday falls on Monday.]
Admissions: 1000yen for Adults, 700yen for College and High school students, 300yen for children under 15

八戸市博物館
特別展「吉田初三郎と八戸」
開催期間 2006/07/15(土)~2006/08/20(日)
入館料 期間中、一般のみ特別料金(50円増額)

八戸市美術館

ICANOF Media Art Show 2006 "TELOMERIC" vol. 3
会期:2006年7月19日(水)~8月6日(日) 計19日間
会場:八戸市美術館  開館時間 11時~19時 (会期中の休館日なし)
※入場無料(特別プログラムを除く)

マークさん宗谷岬到達・オーストラリア国旗で祝賀会

2006年07月10日 | 禁煙・防煙
禁煙お遍路のマーク・ギブンズさんが88日間にも及ぶウォークの末、とうとう宗谷岬に到達しました。9日昼にはライブカメラの小さな映像で寄せ書きの日の丸とオーストラリア国旗を確認。「禁煙は愛 ASH君の旅」ブログをみて感激を新たにしました。
マークさん、玲子さん、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。

2006年7月 9日 (日) 宗谷岬ゴール ありがとう!

当日は我が家でもマークさんの偉業達成を祝ってオージービーフで焼肉。
(乾杯はオーストラリアワインではなく焼酎でしたが)
オーストラリアの国旗って正確にはどんなんだっけと思って調べてみたら、オマケに印刷用のPDFファイルまで掲載されていたので、お子さまランチ風(?)にご飯にさして記念撮影。

ついでと言っては失礼ですが、ニュージーランドの旗との違いを再確認しました。

(ブログの更新が2か月近く途絶えていましたが、何とか復活したいところです)

6/4~7/1 マークさんと歩く、W杯、トレーニング再開

2006年07月01日 | SPORTS
2006.07.01 00:25 ワールドカップ観戦が障害に 週24km

25日(日)Run 10km 久しぶりに晴れて風もあり、無謀かと思われた午後2時半スタート(ビートルズを録画している関係で時間がとれなかった)。やはり暑さで長距離は無理と判断し、5km地点で引き返してくる。タイムはこれまででも一番良い部類。
26日(月)休養日 深夜、イタリア・オーストラリア戦、ロスタイム劇的なトッティのPKで幕切れ。
27日(火)Run 7km よこまちコース、やはり風の道公園11段坂が難関だが、ペースを落とさずに登り切れた。帰宅後、ウクライナ・スイス戦の最後(録画)をみる。深夜、ブラジル・ガーナ戦(前半で2-0)。
28日(水)風の道公園10往復(7km相当) 暑い一日、今年初めて30℃を越える。走って帰った後も疲れが残り1時間ほど眠る。サッカーは休養日。
29日(木)夕食後眠ってしまい走れず、お休み
30日(金)マンハッタン・ジャズ・オーケストラ公演にて運動なし /6月合計113.5km(5月の記録を更新)
7月1日(土)急病診療所当番にて休み /週24km

2006.06.24 00:24 行事の疲れが残るがトレーニング再開 週20km

18日(日)朝、公会堂まで4km、市内禁煙ウォーク6km、合計10km(3km相当)
19日(月)休養日
20日(火)Run 7km
21日(水)風の道公園10往復(7km相当)
22日(木)お休み
23日(金)ウォーク市内往復8km(3km相当)
24日(土)急病診療所当番にて休み /週20km

2006.06.17 00:23 マークさんのハイペースに何とかついていけた 週28km

17日(土)マークさんと南部町から約20kmを3時間、時速7km近くのスピードでウォーク(7km相当) /週28km

2006.06.16 00:23 風の道公園11段坂が病みつきになる

11日(日)風の道公園12往復(8km相当)
12日(月)休養日
13日(火)風の道公園8往復(6km相当)
14日(水)Run 7km
15日(木)お休み
16日(金)お休み

2006.06.10 00:22 急病診療所のあとに走れると距離を稼げる 週35.5km

4日(日)急病診療所のあと3.5km
5日(月)エアロバイク40分460kcal 7km相当
6日(火)休養日(月曜日から)
7日(水)Run 16km
8日(木)風の道公園6往復(5km相当)
9日(金)ウォーク4km36分(1km相当)
10日(土)ウォーク8km(3km相当) /週35.5km

2006年世界禁煙デー記念講演会「“禁煙は愛”を伝えたい」&禁煙ウォーク

2006年07月01日 | 禁煙・防煙
2006年世界禁煙デー記念講演会「“禁煙は愛”を伝えたい」&禁煙ウォーク
禁煙行脚のマーク・ギブンズさんが青森縦断

 「禁煙は愛」のメッセージを幟に掲げ、禁煙マークの菅笠に白装束のお遍路姿で、喫煙や受動喫煙の害を人々に伝えるため鹿児島から北海道の宗谷岬まで3千キロを88日間かけて歩いている看護師のマーク・ギブンズさんが、6月17日に八戸に到着し翌18日に青森県タバコ問題懇談会が開催した世界禁煙デー記念講演会において特別講演を行った。

 前半のシンポジウム「青森県内の禁煙活動と課題」では、宮川隆美・上十三保健所長から県の禁煙政策について、特に県庁や出先機関の禁煙化に断固として取り組む姿勢だが、健康福祉部関連施設にとどまっている現状が報告され、鳴海晃代表世話人(弘前市)から「学校敷地内禁煙化の現状と喫煙防止教育」と題して県内の小中学校の敷地内禁煙化に大きな地域差がある実態などが報告された。久芳康朗代表世話人(八戸市)からは路上喫煙禁止条例制定に向けて、喫煙者にとって一見厳しいと思われる規制こそが喫煙率を下げ命を救う「喫煙者に優しい」政策であり、禁止エリアに喫煙所を設けるような対策は目的を見失ったものであることなどが報告された。同懇談会では県内全市町村に条例制定の請願・陳情を提出し、署名活動も開始している。

 マーク・ギブンズさんによる特別講演「TRUTH IS OUT THERE “禁煙は愛”を伝えたい」では、日本の喫煙率や規制対策などはオーストラリアから30年遅れており、この国の政府が国民をタバコの害から守ろうとしていないこと、国民がタバコに関する真実を知らされていないこと、その現状を変え少しでも多くの人々が気づくきっかけとなるために行脚する決心をしたことなどが穏やかで説得力のある語り口で述べられ、会場に詰めかけた70名の参加者は熱心に耳を傾けた。

 最後に、村上壽治・八戸市医師会長より今後の医師会の禁煙活動についてご挨拶をいただき講演会を終了した。

 引き続き実施された八戸市内禁煙ウォークにも44名の方が参加し、マークさんを先頭にタバコ人形をかぶった会員や歩こう会の方たちが、吸い殻拾いをしながら「禁煙は愛、吸わないで下さい」と訴えて歩いた。

 マークさんはこの後、22日までに県内を縦断して大間から函館へと旅立ち、7月9日のゴールを目指して各地で交流を繰り広げながら一日40キロにも及ぶウォークを続けている。この間、全国の禁煙関係者を中心に支援の輪は大きなうねりとなり、禁煙治療の保険適用化やタバコ税増税、新幹線全席禁煙化などの動きと相まって、タバコ規制政策の大きな転換点を過ぎつつあることを強く実感している。