『小説 外務省 尖閣問題の正体』孫崎 享
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Bookmeterへの短評
高校生程度の知性と知的好奇心があり、社会問題、特に日中関係や安全保障などに少しでも関心があり、自ら物事を考えて判断しようという気概があるなら、まずはこの小説を読んでから論じるべき(前著を読んでいることが望ましいが逆の方がむしろ良いかも)。小説という形式をとっているので、史実を掘り起こす部分と推論を重ねていく部分があるのは当然だが、結論として「尖閣棚上げ合意に戻る」しかないのは明らか。しかし、安倍首相や外務省は孫崎氏を黙殺し続けるしかない。その結果、
「中国が旗を立てれば安保の適用外。米国は介入しない。戦いがエスカレートすれば日本は勝つ見込みがない。『固有の領土』論は世界で相手にされていない。法律的に誰も中国を批難できない。「棚上げ合意を破った」と言われることが唯一の弱点だが、日本は馬鹿だから自国に有利な合意をないと言っている」(作中の中国幹部の発言を要約)
私の国は馬鹿じゃないと言えますか。
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『小説 外務省 尖閣問題の正体』に出てくるお店、言葉、本、曲
ホテルオークラ「オーキッドルーム」
レストラン「アルゴ」麹町・旧東条会館9階
東京會舘「ユニオンクラブ」皇居外苑馬場先門・東京會舘8階
青山学院アイビーホール カフェ&ダイニング「フィリア」
日本工業倶楽部
紀尾井町「福田屋」
帝国ホテル「インペリアルラウンジアクア」
永田町「黒澤」
グランドアーク半蔵門 フレンチ・レストラン「パティオ」
ロシアレストラン「サラファン」 神保町・三省堂書店近く
電気ビル内 日本外国特派員協会 バー
新宿三丁目ビックスビル地下2階 喫茶室「ルノアール」
ホテルグランドヒル市ヶ谷
ヒラリー・クリントン
「植えられた場所で花を咲かせ」
ダンテ『神曲』
「地獄の最も暗黒な場所は道徳的危機のときに中立を保っていた(何も発言しなかった)人のために用意されている」
ルオー『ミセレーレ』「七剣の悲しみを負う聖母」
中島みゆき
アザミ嬢のララバイ
時代
ファイト
『ALWAYS三丁目の夕日』
エンディング「花の名」
アンナ・アフマートヴァ
人は思っていた…
『アンナ・アフマートヴァ詩集』
読売新聞社説1979年5月31日
「尖閣問題を紛争のタネにするな」
夏目漱石『吾輩は猫である』
苦沙弥先生と落雲館のせいとのいざこざに関する哲学者先生の言葉
シェリング
勝利という概念は、敵対する者との関係でなく、自分自身が持つ価値体系との関係で意味を持つ
羽場久美子
国境の取り合いはゼロサム・ゲームです。ゼロサム・ゲームは取った、取られたで終るのではなくて、そこから次の戦争が始まります
中野孝次『清貧の思想』
孫崎・ウォルフレン『独立の思考』
八木啓代
検察による小沢一郎追及は「選挙で政権を取った民主党に対し、検察という権力が実験を取り戻そうとする一種のクーデターだ」
マルティン・ニーメラーの言葉
リアン・ライムス(歌手)
『落ちるのを恐れないで。我々は結局天使の側にいるのだから(Don't be afraid to fall. We're on the side of angels after all)』
マーティン・ファクラー ニューヨーク・タイムズ東京支局長
「官僚機構の一部と化したメディアの罪」
『20人の識者がみた「小沢事件」の真実』
麻布中学
『雁』森鴎外、『藤村詩集』島崎藤村、『大津順吉・和解・ある男、その姉の死』志賀直哉、『地獄変』芥川龍之介、『銀河鉄道の夜』宮沢賢治、『君たちはどう生きるか』吉野源三郎、『楡家の人びと』北杜夫、『点と線』松本清張、『冥土・旅順入城式』内田百、『狂人日記・阿Q正伝』魯迅、『変身』カフカ、『日本語の年齢』大野晋、『文車日記』田辺聖子
彼は「リベラルとは『人間を大事にしましょうね』というようなスローガンではなく、人間の深い洞察からくる」と思っている。だから、「リベラル日本社会が今崩壊しているのは知的階層の崩壊からきている」と考えている。
河野太郎のブログ
「日中漁業協定」2010年9月28日
チェーホフ『アドリアナ』
文化放送 木曜朝6時10分 「おはよう寺ちゃん」 寺島尚正
ビートルズ『イマジン』 ←間違い
応無所住 而生其心(おうむしょじゅう にしょうごしん)
応に住する所無くして而も其の心を生ずべし
『こころをとどめている人々は努めはげむ。かれらは住居を楽しまない。白鳥が池を立ち去るように、かれらはあの家、この家を捨てる』
日本の「固有の領土」という幼稚な論法は世界各国で全く相手にされていない。中国が尖閣諸島を自分のものにする行動をとっても、法律的に誰も批難できない。「棚上げの合意があった。中国はこの合意を破った」と言われることが唯一の弱点だが、日本は馬鹿だから、自国に有利であるはずの合意をないと言っている。
杜甫「月夜」
良寛
生涯 身を立つるに懶く
…
雙脚 等閑に伸ばす
『エセーニン詩集』内村剛介訳
わが思念を去らぬもの
---
「リベラルとは『人間を大事にしましょうね』というようなスローガンではなく、人間の深い洞察からくる」「リベラル日本社会が今崩壊しているのは知的階層の崩壊からきている」『小説外務省 尖閣問題の正体』孫崎享より
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Bookmeterへの短評
高校生程度の知性と知的好奇心があり、社会問題、特に日中関係や安全保障などに少しでも関心があり、自ら物事を考えて判断しようという気概があるなら、まずはこの小説を読んでから論じるべき(前著を読んでいることが望ましいが逆の方がむしろ良いかも)。小説という形式をとっているので、史実を掘り起こす部分と推論を重ねていく部分があるのは当然だが、結論として「尖閣棚上げ合意に戻る」しかないのは明らか。しかし、安倍首相や外務省は孫崎氏を黙殺し続けるしかない。その結果、
「中国が旗を立てれば安保の適用外。米国は介入しない。戦いがエスカレートすれば日本は勝つ見込みがない。『固有の領土』論は世界で相手にされていない。法律的に誰も中国を批難できない。「棚上げ合意を破った」と言われることが唯一の弱点だが、日本は馬鹿だから自国に有利な合意をないと言っている」(作中の中国幹部の発言を要約)
私の国は馬鹿じゃないと言えますか。
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『小説 外務省 尖閣問題の正体』に出てくるお店、言葉、本、曲
ホテルオークラ「オーキッドルーム」
レストラン「アルゴ」麹町・旧東条会館9階
東京會舘「ユニオンクラブ」皇居外苑馬場先門・東京會舘8階
青山学院アイビーホール カフェ&ダイニング「フィリア」
日本工業倶楽部
紀尾井町「福田屋」
帝国ホテル「インペリアルラウンジアクア」
永田町「黒澤」
グランドアーク半蔵門 フレンチ・レストラン「パティオ」
ロシアレストラン「サラファン」 神保町・三省堂書店近く
電気ビル内 日本外国特派員協会 バー
新宿三丁目ビックスビル地下2階 喫茶室「ルノアール」
ホテルグランドヒル市ヶ谷
ヒラリー・クリントン
「植えられた場所で花を咲かせ」
ダンテ『神曲』
「地獄の最も暗黒な場所は道徳的危機のときに中立を保っていた(何も発言しなかった)人のために用意されている」
ルオー『ミセレーレ』「七剣の悲しみを負う聖母」
中島みゆき
アザミ嬢のララバイ
時代
ファイト
『ALWAYS三丁目の夕日』
エンディング「花の名」
アンナ・アフマートヴァ
人は思っていた…
『アンナ・アフマートヴァ詩集』
読売新聞社説1979年5月31日
「尖閣問題を紛争のタネにするな」
夏目漱石『吾輩は猫である』
苦沙弥先生と落雲館のせいとのいざこざに関する哲学者先生の言葉
シェリング
勝利という概念は、敵対する者との関係でなく、自分自身が持つ価値体系との関係で意味を持つ
羽場久美子
国境の取り合いはゼロサム・ゲームです。ゼロサム・ゲームは取った、取られたで終るのではなくて、そこから次の戦争が始まります
中野孝次『清貧の思想』
孫崎・ウォルフレン『独立の思考』
八木啓代
検察による小沢一郎追及は「選挙で政権を取った民主党に対し、検察という権力が実験を取り戻そうとする一種のクーデターだ」
マルティン・ニーメラーの言葉
リアン・ライムス(歌手)
『落ちるのを恐れないで。我々は結局天使の側にいるのだから(Don't be afraid to fall. We're on the side of angels after all)』
マーティン・ファクラー ニューヨーク・タイムズ東京支局長
「官僚機構の一部と化したメディアの罪」
『20人の識者がみた「小沢事件」の真実』
麻布中学
『雁』森鴎外、『藤村詩集』島崎藤村、『大津順吉・和解・ある男、その姉の死』志賀直哉、『地獄変』芥川龍之介、『銀河鉄道の夜』宮沢賢治、『君たちはどう生きるか』吉野源三郎、『楡家の人びと』北杜夫、『点と線』松本清張、『冥土・旅順入城式』内田百、『狂人日記・阿Q正伝』魯迅、『変身』カフカ、『日本語の年齢』大野晋、『文車日記』田辺聖子
彼は「リベラルとは『人間を大事にしましょうね』というようなスローガンではなく、人間の深い洞察からくる」と思っている。だから、「リベラル日本社会が今崩壊しているのは知的階層の崩壊からきている」と考えている。
河野太郎のブログ
「日中漁業協定」2010年9月28日
チェーホフ『アドリアナ』
文化放送 木曜朝6時10分 「おはよう寺ちゃん」 寺島尚正
ビートルズ『イマジン』 ←間違い
応無所住 而生其心(おうむしょじゅう にしょうごしん)
応に住する所無くして而も其の心を生ずべし
『こころをとどめている人々は努めはげむ。かれらは住居を楽しまない。白鳥が池を立ち去るように、かれらはあの家、この家を捨てる』
日本の「固有の領土」という幼稚な論法は世界各国で全く相手にされていない。中国が尖閣諸島を自分のものにする行動をとっても、法律的に誰も批難できない。「棚上げの合意があった。中国はこの合意を破った」と言われることが唯一の弱点だが、日本は馬鹿だから、自国に有利であるはずの合意をないと言っている。
杜甫「月夜」
良寛
生涯 身を立つるに懶く
…
雙脚 等閑に伸ばす
『エセーニン詩集』内村剛介訳
わが思念を去らぬもの
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「リベラルとは『人間を大事にしましょうね』というようなスローガンではなく、人間の深い洞察からくる」「リベラル日本社会が今崩壊しているのは知的階層の崩壊からきている」『小説外務省 尖閣問題の正体』孫崎享より