踊る小児科医のblog

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第12回子どもの防煙研究集会(4/24盛岡)

2010年04月23日 | 禁煙・防煙
#明日の予定ですが、自分の活動記録としてこちらにも掲載しておきます。

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第12回子どもの防煙研究集会プログラム

日時:平成22年4月24日(土)午後3時~6時
  (第113回日本小児科学会学術集会にあわせて開催)
場所:岩手県国保会館会議室「白鳥」
  (盛岡市大沢川原3-7-30、JR盛岡駅から徒歩5分)
共催:日本小児科連絡協議会(※)「子どもをタバコの害から守る」合同委員会
  (※日本小児科連絡協議会は、(社)日本小児科学会、(社)日本小児保健協会、
  (社)日本小児科医会の3団体による連絡協議のための組織です。)
   子どもの防煙研究会
対象:日本小児科学会会員に限らず、子どもの防煙に関心のある方々
認定医制度:日本小児科学会専門医制度研修集会3単位
参加費:無料(資料代別途)

テーマ : 子どもの防煙のための医療・教育・行政の連携に向けて
サブテーマ:東北地方の未成年者喫煙ゼロプロジェクト

A. 講演
1.「未成年の喫煙率ゼロをめざす青森県タバコ問題懇談会の取り組み」
    青森県:くば小児科クリニック 久芳康朗先生
2.「大学の無煙化で学生の防煙をめざす」
    岩手県:岩手大学保健管理センター 立身政信先生
3.「中高生のための禁煙外来の現状と課題」
    山形県:公立学校共済組合東北中央病院放射線科・禁煙外来 大竹修一先生
4.「仙台市における受動喫煙防止対策の取り組み」
    宮城県:仙台市健康福祉局保健衛生部健康増進課 太田みどり様
5.「呼気中一酸化炭素濃度(eCO)の測定と受動喫煙」
    福島県:大原こどもクリニック 大原洋一郎先生
B.パネルディスカッション
テーマ「2014年までに東北地方の未成年者喫煙ゼロ実現」のために
司会:加治正行(静岡市保健所長)、原田正平(国立成育医療研究センター研究所室長)
パネリスト:久芳康朗、立身政信、大竹修一、太田みどり、大原洋一郎(敬称略)

子どもの防煙研究会
http://plaza.umin.ac.jp/~harasho/nsmk/boen/index.htm
全国禁煙状況データベース
http://www.kawasaki-disease.net/~kinen/

禁煙センセイ「巨人・キムタク(木村拓也コーチ)を襲ったくも膜下出血を考える」

2010年04月07日 | 禁煙・防煙
巨人・キムタク(木村拓也コーチ)を襲ったくも膜下出血を考える(楽しく禁煙:"禁煙センセイ"(禁煙外来医師)が開設した禁煙ブログ)
http://smoke-free.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-4e60.html

是非お読み下さい。
あらためまして、ご冥福をお祈りいたします。
このような悲劇が繰り返されないよう、無煙社会をつくっていくことを祈念します。

クモ膜下出血は喫煙男性で3.6倍も高い

2010年04月05日 | 禁煙・防煙
巨人の木村拓也コーチがクモ膜下出血で倒れたことで大きく注目されていますが、これまでの経過も思わしくないようで回復を祈りたいと思います。
厚労省の大規模な調査結果からクモ膜下出血と喫煙の関係が強いことが明らかになっており、比較的若い中高年男性の突然死、過労死や後遺症を残す原因として大きな地位を占めています。
新聞報道によると、木村コーチも残念ながら喫煙者であったことが明らかになっています。

ここで注意しておきたいのは、こういった疫学調査というものは、特定の個人の病気について単独で因果関係を証明したり否定したりするものではないということです。ここで、木村コーチが喫煙者でありクモ膜下出血で倒れたからといって、喫煙が単独の原因であると断定することはできません。その他の要因(飲酒や過労、ストレス、血圧など)が関与した可能性も当然あるでしょう。

しかし、そういった様々な要因をコントロールした上で多数の人の調査から、喫煙男性がクモ膜下出血になるリスクは3.6倍も高いということが証明されているのです。疫学という分野を “確率論” だからと軽視する方が一部にいるようですが、医学というのは数学や物理学と違って、治療にせよ原因の究明にせよ全てこの疫学的研究が基礎になっています。疫学を否定することは現代医学を否定して経験則だけで治療していた中世以前に戻ることに他なりません。

木村コーチが喫煙者であったことで個人攻撃をしているわけではありません。
しかし、一流のアスリートや指導者、体育教師の中で喫煙者が多いという日本のこの現実に対して、警鐘を鳴らす必要があることは明らかです。
そして、一般の方にも今回のニュースに対して、ただ気の毒だとか回復を祈るということだけでなく、マスコミが触れようとしない事実をきちんと知っていただきたいと思います。

● 男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について
 厚生労働省研究班による多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告
 http://epi.ncc.go.jp/jp/jphc/outcome_entry/smoke_apopl/
○ 喫煙者は、非喫煙者にくらべ、男性で1.3倍、女性で2.0倍、脳卒中になりやすい。
○ たばことクモ膜下出血の関係は強く、本数が増えるほどリスクが高くなる
>なかでも、喫煙とクモ膜下出血(男性73人、女性106人に発症)の関係は強く、
>たばこを吸う人は、全く吸わない人に比べて、男性で3.6倍、女性で2.7 倍、
>なりやすいことが示されました。さらに、1日にたばこを吸う本数が増えるほど、
>クモ膜下出血の発症が段階的に増えていきます。
>クモ膜下出血の発症の原因としては、血圧や喫煙が報告はされていましたが、
>今回のようにたばこの1日に吸う本数との関係で、1-19本よりも、20本以上で
>発症の危険が上昇してくることを示した研究はほとんどありませんでした。

● 「やせてしまった」と漏らす くも膜下出血の木村コーチ
 http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/100403/bbl1004031144005-n1.htm
>タバコも吸うし、お酒も大好き。宮崎出身だけに焼酎には目がなかった。
>それでも身体が壊れるほどの暴飲暴食をする姿は見たことがない。

4月24日(土) 午後1時まで:4~5月の診療日、急病診療所予定

2010年04月01日 | こども・小児科
 4月24日(土) は研究会発表で盛岡に行くため午後1時までの診療になります。 5月はGWを含めて暦通りで臨時休診はありません。 急病診療所当番は4月6日(火) 夜、4月17日(土) 夜、5月3日(祝) 夜になります。次回の赤ちゃん教室は、5月15日(土) の予定です。育児・子どもの心相談、禁煙外来(保険診療)は随時受け付けております。メール予約システムをご利用下さい。

(院内報より)

小児用肺炎球菌ワクチン(PCV7「プレベナー」)接種開始

2010年04月01日 | 予防接種
 細菌性髄膜炎を予防するワクチンと言うと、これまでお伝えしていたヒブ(Hib:インフルエンザ菌)があるじゃないかと思われるかもしれませんが、ヒブの次に主要な細菌である肺炎球菌のワクチンが、世界から大きく遅れてやっと国内でも接種できるようになりました。ヒブと肺炎球菌を合わせると細菌性髄膜炎の9割を防ぐことができ、中耳炎や副鼻腔炎の減少も期待されます。

 接種の必要性(細菌性髄膜炎は早期診断が困難で死亡や後遺症の率が高く、抗生剤耐性菌が増えて治療が難しくなっている点)や、接種時期・回数などはヒブと同様ですが、若干異なる点もあるので別にまとめて表にしておきます。高齢者用とは全く異なるワクチンで、助成もなく全額自費になります。1回9000円と高額になりますが、納入価が高いのでこれでも全国最低レベルになるはずです。

 三種混合やヒブとの同時接種は可能ですが、3種類の同時接種は実施しないことにします。三種混合と同時接種の場合は8000円になります。

→最近のワクチン情報まとめ(別表PDF)

(院内報より)

ヒブ (Hib) と高齢者肺炎球菌ワクチン:八戸市で一部助成

2010年04月01日 | 予防接種
 昨年、県内全市町村に青森県保険医協会で助成の陳情を議会に提出し、夏には八戸市議会議員と懇談会を開催して私からワクチンの必要性について説明したところ、9月議会で採択され新年度の予算に組み込まれました。予想よりも少ない1回2000円の助成になってしまいましたが、ヒブワクチンは4回必要であり高額になるため、少しでも接種率の向上に繋がることが期待されます。

 助成実施は7月からになります。なお、ヒブワクチンは予約してもすぐに入荷する状況にないので、お早めにご予約ください。高齢者の肺炎球菌ワクチンもこの機会に接種できるようにしますので、ご家族でご希望の方はどうぞ。

(院内報より)

日本脳炎ワクチンは一体どうなってるのか?

2010年04月01日 | 予防接種
 結論から言うと進展はなく、従来型の製造が終了してしまったのに、I期を従来型で接種した子が新しいワクチンでⅡ期の接種をすることができない状態が続いています。Ⅰ期が未接種のまま7歳半を過ぎた子の救済措置もまだです。現在できるのはⅠ期初回(2回)と追加接種(1回)です。Ⅰ期追加はⅠ期初回(2回)を新しいワクチンで接種した子のみになります(7月以降)。

(院内報より)

来シーズンのインフルエンザ予防接種は?

2010年04月01日 | 予防接種
 以前書いた予想通り、「新型」がこれまでのAソ連型にかわって組み込まれるため、4回接種ではなく例年と同じ2回接種で済むことになりました。今後、「新型」指定が解除されて季節性と同じ扱いにならないと、今シーズンと同じような混乱要因が残ることになりますが、そこまで議論が進んでいないようです。予防接種法が今国会で改正され、「新型」ワクチンは新しく設けられた「臨時接種」(勧奨のみの自費接種)という分類になる予定です。夏までに、その後のワクチン情報についてはまとめてお伝えします。

(院内報より)

最近のワクチン情報まとめ(別表)

2010年04月01日 | 予防接種
 2009年以降、ヒブ(Hib)ワクチン「アクトヒブ」、日本脳炎(新)、子宮頸がん予防HPVワクチン「サーバリックス」、小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」が新たに接種できるようになり、高齢者用肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」も採用して接種を開始します。日本脳炎以外は任意接種です。

→最近のワクチン情報まとめ(別表PDF)

(院内報より)

4月からの医療費改定で…明細書発行、地域医療貢献加算?

2010年04月01日 | こども・小児科
 2年に一度「診療報酬」が改定になるのですが、今回も診療現場や患者さんが大変困惑させられる事態が発生することになりました。

 診療所の再診料が2点(20円=3割負担の場合6円)引き下げられると報道されていますが、それと交換条件のように、時間外も電話等で対応している医療機関には地域医療貢献加算(3点)が再診料に加算されることになりました。当院では、開院時より携帯電話の番号を「かかりつけの患者さん」にお伝えしているので、この加算を算定することにしますが、従来と同様に「24時間365日全ての電話に対応すること」が困難なことはご理解下さい。2000年から休日夜間急病診療所に毎日交代で小児科医が出動するようになってから、原則として受診が必要な患者さんはそちらに受診してもらうようにしております。夜11時以降に困らないように、心配な場合は早めの受診を心がけてください。(やむを得ない場合、夜11時以降は輪番病院を消防の案内でおたずね下さい)

 実質的な負担は、次の電子化加算廃止・明細書発行と合わせても1ヶ月の再診回数が2回以内であれば減ることになるはずです。ご理解をお願いします。

 民主党政権は昨年総選挙のマニフェストで、小泉政権以来続けられてきた医療費抑制政策を転換して、OECD各国並みに引き上げると公約してきましたが、今回の改定は地域医療崩壊を防ぐどころか崩壊を加速するものだと医療界をあげて批判しており、次の改定での撤廃に向けて運動しているところです。

 もう一つは、各項目ごとの領収書だけでなく、一つ一つの細目が記載された明細書を毎回発行することが義務づけられました。これはレストランで食事して各メニューごとの料金だけでなく、食材の料金の明細まで書いたレシートを発行するようなものです。このための点数が再診料に1点(10円)追加されることになります。これは新たに生じる負担ではなく、従来あった電子化加算(初診時に3点)が廃止になってその代わりにできたものですが、月の平均受診回数が2回に達しない小児科の場合、負担は減少することになるはずです。

 現在の保険医療制度は長年にわたって複雑怪奇な点数が積み重ねられてきて、一つ一つの点数の意味を全部患者さんに理解してもらうことは難しくなっているため、医療機関におけるトラブルの元になると危惧されています。

 なお、明細書を毎回毎回発行しなくても良いという方はお申し出下さい。その場合でも必要なときにはいつでも発行することができます。

 3歳未満の患者さんは「小児科外来診療料」と言って初診と再診の料金が診療内容に関わらず一定である制度になっており、今回の変更はありません。

(院内報より)

院内版感染症情報 インフルエンザ終息、ウイルス性胃腸炎も下火に

2010年04月01日 | こども・小児科
 インフルエンザは冬休みから3学期開始にかけて微増しましたが現在ほぼ終息しています。軽く済んだり症状の出なかった子も含めると小中学生の過半数は既に感染したものと考えられます。2~3月は例年通りウイルス性胃腸炎(ノロまたはロタウイルス)が流行しましたが春になって下火になりました。

 リンゴ病(伝染性紅斑)は気がついたときには感染性がなくなっている上、ワクチンもないため防ぎようがない感染症ですが、散発的にみられています。

(院内報より)

何でいまごろカネミ油症が問題に?

2010年04月01日 | こども・小児科
 つい最近、水俣病被害者の救済が政治解決したというニュースが流れましたが、カネミ油症事件も歴史上の遠い昔の問題だと思っていたら、実は全く解決されないまま放置されていたのです。1968年に発生したカネミ油症事件は、ダイオキシン類が混入した食用油の摂取により、九州地方を中心に14,000人の届け出があったとされながら、認定患者は現在約1,900人で15%にも満たず、多くの被害者が放置され高齢化が進んでいます。現在、救済法案の成立を求める運動が進められています。詳しくは長崎新聞の特集ページをご覧下さい。

カネミ油症を追う(長崎新聞)

(院内報より)