踊る小児科医のblog

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ニセ科学を考える「打ち身に砂糖水」は本当?

2007年10月29日 | こども・小児科
ニセ科学とその周辺については、EM菌とニセ科学の間(2007年03月10日)に書きかけたのですが、中身がないままでした。その後も、使えば使うほど増える電子マネー(!)だとか、ダルビッシュの「犬の首輪」2本(^^;)だとか、ああいうのを見ると日本の科学教育(数学じゃなくて算数・理科)やメディアリテラシー教育は、基本的なところで失敗しているんじゃないかと思えてきますね。

メールで様々なご質問をいただくことがありますが、通院中の患者さんなどの場合を除いてお返事は失礼させていただいております。ただし、今回ある方からいただいた質問は、簡単な練習問題として面白いかと思ったので、大意を抜粋してここに掲載させていただきます。最初にお断りしておきますが「打ち身に砂糖水」がニセ科学だと追及しているわけではありません。あくまでニセ科学とその周辺を考える題材としてとりあげてみただけです。

<質問>
「私の働いている職場では打ち身などに砂糖水をつけるのですが本当に効果があるのでしょうか。主任は効果があると言ってつけるのですが、自分が体験したことがないので信じられないし、他の人に聞かれても自信を持って答えられません。医学的な根拠はあるのでしょうか? S市 M」

<答>
 医学的な根拠はありません。
 砂糖水に効果がある可能性を全て否定する(あるいは逆に有害であると断定する)根拠もありませんが、もし効果があるとしても客観的にその差を証明できる程とは思えません。
 打ち身のときには「冷却」すべきだと思います。

<解説>
ここでは砂糖水をつけると打ち身に効くかどうか、その真偽については触れないでおきます。
もし砂糖水に効果があるのであれば、それをどうやって証明すればいいのか考えてみましょう。
・砂糖水に効果があるのなら、その有効成分は砂糖(主にショ糖)と考えられるので、砂糖の抗炎症作用が、動物実験など様々な方法で確かめられること。
・種々の濃度の砂糖水を皮膚に塗ると、有効な濃度で皮膚から皮下組織、あるいは筋肉へ吸収されることが確かめられること。
・実際に臨床的に打ち身に対する効果を確かめるためには、比較対照試験が必要です。
 1)「何もしない」グループと比較する
 2)プラセボ(偽薬)コントロールと比較する
 3)一般的に行われている治療(冷却や消炎鎮痛剤の塗布など)と比較する

1)は新薬の治験のようなボランティア(アルバイト)でないと、実際に症状のある人に「何もしない」ことを選択することは倫理的には困難。
2)は良く知られた例で、高名なお医者さんに「よく効く薬だよ」と言って処方されれば、小麦粉を固めただけの「クスリ」であっても一定の割合で改善効果が認められる(病も気から)ので、プラセボ(偽薬)よりも効くということが確かめられなければ、薬の効果ではなくプラセボ効果しかないということになります。
より厳密に行うためには、処方する医師が本物の薬か偽薬かを知っていると、無意識のうちに言動にあらわれ患者さんに対する効果に影響することが知られているため、医師も患者も知らない「二重盲検法」という方法が用いられます。
例えば、保育士さんもどちらかわからないように砂糖水と食塩水を用意しておいて、その結果を時間と共に観察し比較するというわけです。
3)は更に、砂糖水が冷却や消炎鎮痛剤と同等または優れた治療であることを証明する方法です。
いずれも、両群で統計学的な差を証明するためには、相当数のケースが必要になります。
また、砂糖水では問題になりませんが、新薬や民間療法などでは当然副作用の問題が出てきますが、ここでは省略します。

砂糖水の効果は、以上のような手法では全く確かめられていないし、これからも実証される見込みはありませんから(そんなことしても時間とお金と手間がかかるだけで誰の得にもならない)、今後も「不明」のまま「驚異の民間療法(下記サイト参照)」として言い伝えられていくのでしょう。

ではなぜ効くとされているのか。言い伝えられているのか。
ここでは「効果があることは証明されていない」と書きましたが、これはもちろん「効果が否定された」と同義ではありません。
ですから、本当に効果があるのに単に科学的に証明されていないだけ、というのが一つの可能性。
ところが、ネットで検索してみるとみつかるのは次のようなページばかりです。

<ネット上で検索された記載例>

>Q.打ち身や擦り傷に砂糖水を塗ると良いと聞きましたが本当でしょうか?
>A.本当です。
>切り傷には砂糖を其の儘つけると止血に効果的です。
>擦り傷や打ち身には濃い目の砂糖水を塗ると、止血作用と熱を取り腫れに効きます。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q118916216

>驚異の民間療法
>患部に砂糖水を塗るだけ。でもこれが凄い。
>本当は怪我をしたらすぐに塗らないと効かないらしいのだけど、
>既に青アザになった患部に塗っても効果があった。
>時間が経つとちゃんとアザが薄くなっていく。もちろんコブにも効果がある。
http://www.ne.jp/asahi/baby/butterfly/mama5.html

これでは何の説得力もないのですが、最初に書いたニセ科学を信じる人たちというのは、ああそうなのか砂糖水に効果があるんだと信じてしまうわけですね。。
最初の例は何の根拠も示さずに「効果があるから本当だ」と言っているだけ。
私たちは根拠のはっきりしない意見や伝聞を書く場合、このような断定的表現は用いず、「~のようだ」あるいは「~とされている」「私は~と思う(考える)」などといった表現を用います。

二番目の例は主観的な判断だけで「凄い効果がある」と信じている。
上記の「プラセボ効果」や「自然治癒」(打ち身ですから何もしなくても自然に数日で治るのに、塗ったために早く治ったと思いこんでいる)である可能性を除外できていません。
時間が経つとアザが薄くなっていくのは、生きている証拠です。

何度も書きますが、「効果があることは証明されていない」のと「効果が否定された」ことは同じではありません。
無論この方たちが誰かをだまそうとして書いているわけではなく、善意で良いことを知らせようとしているように思えますが、このような非科学的な考え方では、何も言っていないのと同じことなのです。

<ニセ科学の問題点>
 砂糖水を塗るというケースでは、証明されていない効果が期待できるかもしれないことに加えて、親や保育者の愛情が子どもたちに伝わり、この場合は悪いことはそんなになさそうに思えます。実は、砂糖(イソジンシュガー)は褥創の治療に使われていますので、創傷治癒にプラスの効果がある可能性は否定できません。(打ち身で皮膚の上から浸透して炎症を抑えるとはとても思えませんが…)
 また、中医学では砂糖は温める効果がある(黒糖は温めて白砂糖は冷やす?)とされているようです。ただし、これは経口摂取した場合で、外から塗って「熱を取り腫れに効く」というのは疑問が残ります。

 いずれにせよ、その程度にノンビリと構えて「どちらでも良い」といういい加減な書き方をしているのは、砂糖水の場合、1)価格が安くインチキ商売のタネになる心配がない、2)食べられるものなので外用での安全性は問題にならない、という2点が確かめられているからであり、多くの「ニセ科学」や「ニセ科学と科学の間にあるもの」の問題は、その2点に尽きると言っても過言ではありません。
 1)インチキ商売のタネになっている(詐欺または詐欺まがい)
 2)安全性に問題がある(健康被害)
騙されても誰も損をしないし、何の害もないのなら、勝手に騙されていればいいわけなのですが、そうじゃないから問題なんです。

<ニセ科学と科学の見分け方>

ニセ科学の見分け方(妄想科學日報)
http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20070426/1177549698
「ニセ科学」入門(大阪大学サイバーメディアセンター菊池誠)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/nisekagaku_nyumon.html
kikulog
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/
疑似科学(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%91%E4%BC%BC%E7%A7%91%E5%AD%A6

青森県保険医協会禁煙宣言

2007年10月28日 | 禁煙・防煙
#私が提案して同協会環境部および理事会で議論し、先週採択されました。医療団体としては今更の禁煙宣言で遅きに失した感がありますが、現実には医療機関や医師歯科医師の禁煙、学校の敷地内禁煙などを含めて、達成されていない目標が多く、今後の課題と言えます。全文は下記リンク先に掲載してあり重複しますが、こちらにも掲載させていただきます。

青森県保険医協会禁煙宣言

 青森県保険医協会は、地域における医師・歯科医師の専門家集団として、タバコの害から県民の健康と生命を守り、タバコの害のない社会(無煙社会)づくりを推進するために積極的な禁煙活動を行っていきます。

1. 協会が開催する講演会等の会場(懇親会、ロビー、廊下等も含む)は全面禁煙にします。
2. 協会の事務局は敷地内禁煙とし、協会車両も禁煙にします。
3. 会員の医療機関を敷地内禁煙にすることを強く促進します。
4. 会員および医療スタッフ、協会事務局員の禁煙を支援します。
5. 会員の医療機関における禁煙治療の普及を支援します。
6. 地域や職場における健康教育やメディア等を通じて、喫煙・受動喫煙の害についての正しい知識を県民に伝え、禁煙を促します。
7. 小中学校を中心とした喫煙防止教育の実施を支援します。
8. すべての学校の敷地内禁煙を早急に実施するよう働きかけます。
9. 関係諸団体とも連携しながら、自治体や議会等に働きかけて、県内におけるタバコ規制政策の実施を促します。
10. WHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)に定められた諸政策を実施する際に、政府や自治体、関係諸団体とも連携しながら、無煙社会の実現に向けて協力していきます。

2007年(平成19年)10月25日

国会議員への要望:タバコ死毎日300人は政府による人災

2007年10月11日 | 禁煙・防煙
10月6日(土) に桜井充議員(民主党・宮城)の医療改革に関する講演会が青森市で開催され、青森県の横山・平山両議員も参加して懇親会にも出席されたとのことで、私は残念ながら参加できなかったのですが、要望書を提出して参加者にも配布し趣旨を説明してもらいました。以下、これまで書いたことの繰り返しが大部分で長くなりますが、全文を掲載しておきます。

タバコにより毎日300人以上の国民の命が奪われています
-タバコ規制枠組み条約を遵守した規制を実行すれば救える命です-

タバコ問題の真実

・ 国内で毎年11万人以上(毎日300人以上)が喫煙による病気で死亡し、受動喫煙でも2万人前後が亡くなっていることがわかってきました。

・ 全世界では毎年喫煙により500万人が、受動喫煙により数十万人が亡くなっています。2020年には喫煙による死亡は1000万人まで増加するものと警告されています。

・ このまま有効な対策を行わなければ、現在国内に3000~4000万人、世界に13億人もいる喫煙者の半数はタバコにより早死にすることになります。

・ タバコとは「人間を殺す前に一生涯喫煙者にすべく、ニコチンを適切に投与するように如才なく巧妙に作られた製品」(ブルントラントWHO事務局長, 2001)であり、「用途通りに使うことが死をもたらす唯一合法的な製品」(クリントン政権の公衆衛生局長官)です。

・ 喫煙は、メディア・広告と人を通じて伝染する病気であり、WHOは喫煙を「最大の疫病(流行病)」「防ぐことのできる最大の原因」と位置づけています。

・ 受動喫煙はアスベストやディーゼル排ガスなどとは比べものにならない最大の環境問題であり、環境汚染許容基準(曝露10万人あたり1人以下の死亡)の5千~1万倍(曝露10万人あたり5千~1万人)もの超過死亡を引き起こしています。

・ 日本人の中高年男性の最大の死因はタバコであり、メタボリック症候群ではありません。茨城県の検診受診者調査では、死因の24%がタバコで、高血圧の11%、糖尿病の3%を大きく引き離しています。

・ 厚労省ではメタボリック症候群対策(=全国民ダイエット運動)に過大な予算を投入しているのに対し、タバコ規制対策には微々たる予算しかかけていません。これは世界の常識と全く相反するものです。

・ 医学9学会は2005年に「喫煙は嗜好ではなく喫煙病という治療を要する病気・依存症(嗜癖=addiction)」であると発表し、これを受けて2006年より禁煙治療が保険適用となりました。

・ 米国政府はタバコ依存症をコカイン・ヘロイン等の麻薬と同等の依存症と位置づけ、フィリップモリス等のタバコ会社はこれを受け入れているにも関わらず、日本たばこ(JT)は未だにタバコ病裁判において「喫煙は大人の嗜好であり、やめようとすればやめられるにも関わらず本人の意志により喫煙し続けたものであり、タバコ会社には製造販売責任はない」と主張しています。これは膨大な医学的証拠を無視する非常識な主張ですが、裁判所はこれを認定しました。

・ タバコ規制対策は、最も費用がかからず効果が期待できる健康政策(医療費抑制政策)であるにも関わらず、意図的に政策からもメディアからも除外され続けてきました。

・ 青森県民の喫煙率は高く、最短命県です。県では「健康あおもり21」において成人喫煙率半減、未成年・妊婦喫煙率ゼロを目標にしており、自殺、肥満対策と共に最重点課題として取り組んでいます。

・ 八戸市の中学生の65%は喫煙者がいる家庭に育っており、受動喫煙防止対策だけでなく、世代間の喫煙習慣の伝染は深刻な状況にあります。特に母親が喫煙すると娘の喫煙率が顕著に増加し、その娘が母親になって赤ちゃんに影響を及ぼすという悪循環を断ち切る必要があります。

・ タバコによる「世界的規模で健康、社会、経済及び環境に及ぼす破壊的な影響」を防ぐために、2005年にWHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)が発効し、日本も批准しています。日本政府はこの条約に沿った規制対策を法制化する義務がありますが、2年を経たにも関わらずごく一部の対策(パッケージ警告表示)などを実施しただけで、日本のタバコ規制対策は先進国でも最低レベルにあります。

・ FCTCにおいて、各国政府はNPO・NGOと協働してタバコ規制対策を推進することが求められています。

・ WHOは本年(2007年)5月31日の世界禁煙デーに、「受動喫煙が非喫煙者の生命と健康を奪い、そこに安全無害なレベルのないこと、分煙や換気では受動喫煙を防ぐことはできず、屋内の喫煙禁止しかないこと」から、次の4項目からなる「受動喫煙防止のための勧告」を世界各国に向けて発表しました。

 * 屋内は分煙ではなく、完全禁煙でなければならない
 * 法律によりすべての人に完全禁煙を保証すること
 * 法律を適切に履行し、十分な対策を講じて徹底させること
 * 家庭での受動喫煙をなくすよう教育を行うこと

・ 引き続き6月末から7月にかけてタイ・バンコクで開催されたFCTC第2回締結国会議において、「受動喫煙防止に関するガイドライン」が日本を含む全会一致で採択され、全ての屋内環境(飲食店・タクシーを含む)の完全禁煙を2010年2月をタイムリミットとして法制化することが義務づけられました。しかし、このことは国内ではほとんど報じられなかっただけでなく、メディアを通じた情報では、厚労省は現行の健康増進法と健康日本21以上の対策(法制化)を行うつもりはないように伝えられています。これは、完全に国際的な約束に反する行為と言えます。

・ 2004年のアイルランドにはじまり、既に世界二十数カ国・地域でパブ・レストランを含む公的スペースの全面禁煙化が特に混乱なく実施されています。

・ 禁煙化施行後1年間で、心臓発作の入院がアイルランドでは11%、スコットランドでは17%も減少したことが明らかになりました。このような迅速かつ劇的な減少は、メタボリック症候群対策をはじめとする通常の保健政策でなし得るものではなく、喫煙および受動喫煙の被害の大きさと対策の有効性を証明するものであり、日本国内での速やかな実施が望まれます。

・ 2003年5月に健康増進法が施行され、受動喫煙を防止することが義務づけられたにも関わらず、現在でもほとんどの飲食店、タクシー等で受動喫煙が放置されています。青森県タバコ問題懇談会では現在、県タクシー協会や県内主要都市のシティホテルに対して禁煙化の調査・要請活動を行っていますが、罰則を伴わない法律が自主規制によって守られる見込みはなく(上記WHO勧告)、健康増進法の改正または総合的なタバコ規制法の制定が望まれます。

・ 日本たばこ産業(JT)は民営化されたとはいえ、財務大臣が50%の株を保有する準国営企業であり、たばこ事業法によってその振興が国策として定められています。これは世界的にみて全く異常な事態であり、本来ならタバコの害から国民を守るべき政府が、税金のためにタバコ産業を振興し国民の命を犠牲にしている国と言えます。

・ 日本のタバコ規制対策を常に妨害し続けて世界のタバコ対策後進国に留めているのは、タバコ産業・財務省・タバコ族議員・メディアの鉄の四角形であり、構造改革すべき最大の分野であるにも関わらず、小泉・安倍政権はタバコ問題の深層に全く手をつけようとしませんでした。

・ 一般に喫煙者はタバコ問題の真実から目をそらし、必要な対策を行うことに消極的なことが多く、企業や組織のリーダーの喫煙率が高い現実が国内のタバコ規制推進を阻害する大きな要因となっています。米国大統領選候補者は非喫煙者であることが最低条件となっていますが(オバマ氏も禁煙)、国や地方のリーダーである国会議員、首長、地方議員も非喫煙者であることが求められる時代になっています。

・ タバコに関する医学的な論争は既に終結しています。この問題の解決はひとえに政治の手に握られています。タバコから国民の命を守ることができるのは医師ではなく政治家なのです。

・ タバコがストレス解消になるという俗説は誤りです。喫煙によりニコチン切れの離脱症状(禁断症状)が一時的に解消されるに過ぎず、タバコはストレスを解消するのではなくストレスを増加させているのです。

タバコ規制対策の目標

・ 早急に喫煙率を低下させて、タバコによる惨禍から国民の命を守るために、国際標準に則ったタバコ規制対策を実施すること。

・ 具体的には、FCTCに定められた各項目を遵守したタバコ規制法の法制化を図ること。

・ たばこ事業法を撤廃し、国が保有しているJT株を全て放出すること。

・ タバコ規制対策を行うこととは、タバコの消費(タバコ会社の売上げ)を激減させることに他ならないことを確認すべきです。

青森県における最重要課題

・ 県南部を中心とした葉タバコ農家の早急かつ大胆な救済・転作対策(財源はタバコ税)。
 * タバコ産業は今後数年間で急速に衰退していくことが確実です。一刻の猶予も許されません。

具体的な対策 =先進諸国で実施されている対策を日本でも実施するだけのことです

・ タバコ税大幅増税:毎年100円ずつ、900~1000円(英国・ニューヨーク等)まで段階的に増税する。
 * タバコ税大幅増税は「一石五鳥」の最も効果的なタバコ規制対策です。
 * 1) タバコによる死亡者減少、2) 医療費大幅減少、3) タバコ税収の増加、4) 未成年喫煙率の激減、5) タバコ税の逆進性の解消
 * タバコ税増税は「庶民増税」などではなく国民の命を守るための最も重要な健康政策です(世界銀行)。与野党を問わず、この点に関する無理解や誤解が未だにみられるようですが、世界的にみて日本のタバコ価格(税率)は低すぎます。国際的な常識に沿った政策の実現をお願いします。

・ 受動喫煙禁止のための完全禁煙環境の法制化
 * 全ての屋内の職場、飲食店、ホテル、タクシー、屋内に準ずる屋外施設(スタジアムやバス停など)を含む。例外を認めない。
 * 罰則を伴わなければ実効性は確保できません(=現行の健康増進法)。
 * 喫煙場所の規制は、受動喫煙を防ぐだけでなく、喫煙者を禁煙へと導き、法規制が困難な家庭における子どもの受動喫煙を低下させるためにも重要な対策であり、迅速な実施が求められます。

・ 未成年への販売を防ぐための屋外自動販売機の撤去
 * 青森県には深浦町の先進的な取り組みがあり、国内のみならず世界にその名を知らしめました。青森県タバコ問題懇談会では故・平沢町長の命日である12月8日を「無煙のまちづくりの日」に制定し、本年度第1回の表彰を行う予定です。
 * ICカード式自販機は未成年の購入を防ぐことはできません。(実験の行われている種子島において、いったん減少した未成年喫煙補導数が再度増加していますが、JT・財務省やマスコミはその事実を伝えようとしません)

・ タバコ会社のイメージ広告およびスポーツ・文化活動へのスポンサーシップの禁止
 * 東奥日報社主催、JT共催で、青森県や県教委などが後援して開催される予定の「JTディライトフォーラム」は、タバコ産業によるスポンサーシップを禁止したFCTCに明確に違反しています。

・政府によるテレビCMなどを含む、国民に対するタバコの害の啓発活動、家庭における受動喫煙防止教育

・全ての小中学校における喫煙防止教育

この問題についてエキスパートの国会議員は…

 津島雄二先生(自民党) 禁煙推進議員連盟顧問・自民党税調会長
(タバコ税増税・自販機撤去・JT株放出賛成 http://www.anti-smoke-jp.com/gougai.htm)
 小宮山洋子先生(民主党) 禁煙推進議員連盟事務局長          
 長妻 昭先生(民主党) 禁煙推進議員連盟・民主党「歩きたばこ禁止法案」
 下田敦子先生(民主党) 禁煙推進議員連盟・青森県タバコ問題懇談会
の各先生方です。

参考資料

・ 日本禁煙学会ホームページ等に掲載されていますが、上記の数字の根拠等についてお問い合わせがあれば資料をそろえてお届けいたします。

連絡先

 青森県タバコ問題懇談会事務局
 http://aaa.umin.jp/

ビバリーヒルズに住みたい

2007年10月03日 | 禁煙・防煙
いや、本当に住みたいわけではなくて、八戸の方がいいかな。(?)
それに、住みたいと思って住めるわけでもないのですが。。(^_^;)
一番良いのは、八戸がビバリーヒルズになることか。

ビバリーヒルズ、レストラン屋外席での喫煙が全面禁止に(2007年10月02日)
http://www.asahi.com/culture/enews/RTR200710020040.html
 [ロサンゼルス 1日 ロイター] 芸能人らが多く住むことで有名な米ビバリーヒルズでは1日から、レストランの外での喫煙を正式に禁止とする法律が施行された。食事をする人たちにより健全な環境をつくることが目的。
 レストランやバーの屋外席でたばこを吸うと罰金が科せられる。額は1回目の違反で100ドル(約11600円)、繰り返し違反した場合は500ドル、などとなっている。
[写真] 10月1日、芸能人らが多く住むことで有名な米ビバリーヒルズで、レストランの外での喫煙を正式に禁止とする法律が施行された。写真は昨年3月、ビバリーヒルズで撮影(2007年 ロイター/Fred Prouser)

インフルエンザの予防接種のご案内 2007-2008年版

2007年10月01日 | 予防接種
 今年も冬の流行に備えて10月中旬からインフルエンザの予防接種を実施します。例年通り、小児には2回の接種が勧められています。

 インフルエンザは感染力が非常に強く合併症も多い感染症で、毎年のように小児の脳炎・脳症などによる死亡例が報告されています。
 最近の海外におけるSARSや鳥インフルエンザの流行と人への感染、昨年の不規則なインフルエンザの流行などもふまえて、インフルエンザの予防接種を皆さんにお勧めしております。
 SARSや鳥インフルエンザ・新型インフルエンザと普通のインフルエンザを症状だけで区別することはできず、インフルエンザの診断キットも100%の精度ではありません。また、SARSや鳥インフルエンザ・新型インフルエンザのワクチンは直ちに実施できる段階ではありません。
 私たちにできる対策は、個人防衛としてのインフルエンザの予防接種を進めることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。
 インフルエンザの予防接種は感染したときに発症を防ぐ効果は高くありませんが、入院や死亡などの重篤な合併症を減らすことが知られています。
 当院では今シーズンも昨年と同程度の本数を確保してありますが、念のため早めの予約をお願いします。

 接種する場合は、なるべく年内に2回目が終わるようにスケジュールを組みましょう。流行が始まってから接種しても効果はあまり期待できません。

☆ なお、高齢者は公費(一部負担あり)で接種できますが、残念ながら子どもには補助はありません ☆


【1】任意接種 = 全額自費 … 0歳~64歳

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満:積極的に接種を勧めているわけではなく、接種すれば抗体は上昇することがわかってきましたが、効果が十分確かめられているわけではありません。本人ではなく家族が予防接種を受ける方が防御効果は高いものと思われます。

○ 生後6か月以降:保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限りどなたでも接種できます。
特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・教師・保育士、医療・福祉関係者、警察・消防・自衛隊関係者など、流行時に社会的影響の大きい立場にある方

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・1~5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・6~12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回 (3,500円/回)☆
・13~64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回 (4,000円/回)☆

※2回接種する場合の接種間隔は1~4週間ですが、可能なら4週間あけて下さい。

☆ 同時接種割引について
 なるべく多くの方が受けやすくするために、2人以上の方が同時に接種する場合、それぞれの料金から500円ずつ割り引いております。一緒に予約して同じ日に接種していただければ、ご家族だけでなく、親戚やお友達同士でも構いません。

 なお、任意接種の料金は病院によって異なります(地域で価格を統一すると独禁法違反になります)。また「料金=ワクチンの価格」ではありません。コンビニでお菓子を売っているのとは違いますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【2】予防接種法による高齢者への接種 … 10月~12月(予定)

● 対象
・65歳以上の方(希望者)
・60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(ウイルスの型に大きな変異がある場合は2回)

● 料金
・自己負担は1,000円(予定:残りは自治体が負担)

※慢性の病気で通院したり薬をのんでいる方は、かかりつけの内科医でご相談下さい。

くば小児科クリニック TEL 0178-32-1198