踊る小児科医のblog

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インフルエンザ先週末でピーク越え、2月中旬まで続く見込み(八戸)

2015年01月30日 | こども・小児科
2014年49-52週
0人(1.5)
11人(4.3)
3人(11.7)
13人(21.7)

2015年1-5週
9人(30.2) …診療日1日半
23人(29.9)
19人(32.3)
29人(36.6)
14人(未) …診療日5日の時点

カッコ内は八戸の定点当たり平均患者数
(当院も八戸の定点観測医療機関の一つです)

※今シーズンの患者は成人の方が多く、小児では特別大きな流行には達しない見込みです。

青森県感染症発生動向調査
http://www.pref.aomori.lg.jp/welfare/health/kansen.html

(以下、院内報より)
 今シーズンのインフルエンザは12月2週目から流行が始まりました。例年だと流行開始後4週くらいでピークに達するのですが、今年は冬休みをはさんで3学期が始まる時期に重なったので、ピークが1月下旬までずれ込み、2月中旬にかけて終息に向かうのではないかと予想しています。B型がシーズンの終盤に見られることが多いので、一冬に2回かかる場合もあります。
 現在流行中のウイルスはA香港型(H3N2)で、2009年の「新型」以来みられていたH1N1はほとんど検出されていません。A香港型は小児や高齢者で重症化しやすく、熱性けいれんや脳症などの合併症も比較的多いことで知られています。今シーズンに脳症や死亡例が多発しているという情報はありませんが、今後も注意が必要でしょう。「2009年の新型は深刻だったが、今年のA香港型はいつものことだから心配ない」という風潮は誤りです。
 抗インフルエンザ薬のタミフル(経口薬)やイナビル(吸入薬)の効果はみられており、多くの人は2日以内には熱が下がっています。
 ワクチンの効果が乏しいのでは?という情報が流れましたが、その後、小児では効果がみられているというデータも出ているようです。実際に、インフルエンザにかかった子のほとんどはワクチンを接種していません。なお、当院でも在庫がなくなるか流行が終息してきたら接種終了する予定です。
 ウイルス性胃腸炎は小康状態ですが、2月以降はノロにかわってロタウイルスが流行する時期に入ります。ワクチン導入により入院が減少しています。

「小中学校における喫煙防止教育 喫煙率ゼロと受動喫煙ゼロを達成するために」(11/29講演抄録)

2015年01月30日 | 禁煙・防煙
八戸市医師会学校医研修会「小中学校における喫煙防止教育 喫煙率ゼロと受動喫煙ゼロを達成するために」
平成26年11月29日(土)

 未成年の喫煙率ゼロという「お題目」の本質は、学校教育や家庭のしつけの問題ではない。教職員、両親や家族、大人社会が「タバコを吸ってはいけない」という共通認識の元に、自らの喫煙率ゼロを目指さない限り達成できない。

 喫煙は人とメディアを介して広がる流行病(epidemic)であり、20世紀には1億人が死亡し、このまま放置すれば21世紀には10億人が殺される。青森県は最短命県で喫煙率は男性1位、女性2位(いずれも2010年)であり、小中高生の父親の5割以上、母親の4分の1が喫煙者である。親が喫煙者だと子どもの喫煙経験率は倍増し、母親が吸うとその傾向はさらに強まる。子どもの喫煙は大人が原因である。

 日本人の死亡原因のトップは高血圧や運動、食塩などを引き離して「喫煙」であり、青森県の脱短命県政策は順序が間違っている。喫煙はそれ自体が病気(ニコチン依存症+喫煙関連疾患)で、喫煙者は積極的治療を要する患者であり、禁煙は最も確実かつ短期間に大量の疾病や死亡を劇的に減らすことのできる方法である。

 英国医師は自らの調査で「タバコは寿命を10年縮める」ことが判明し、1960年代にタバコと決別したが、日本では1970年代末にようやくピークを過ぎ、そのツケを現在支払わされている。タバコは老化促進剤であり、非喫煙者の倍のペースで死亡していく。35~69歳の喫煙死者の平均損失余命は22年である。

 喫煙者がだまされている最大の嘘は「ストレス解消神話」である。ニコチンによる一時的な多幸感は、反復摂取によって耐性を生じ、摂取回数や量が増加してニコチン依存症が形成される。同時に、二次的な環境刺激による「条件づけ(条件反射)」によって心理的依存が生まれ、ニコチン欠乏時の渇望(ストレス)が増強される。非喫煙者にはこのストレスは存在しない。タバコはストレスを増加させ、禁煙するとストレスは減少するというのが真実である。

 受動喫煙により世界で毎年約60万人が死亡しており、そのうち約16万人は小児である。乳幼児突然死症候群により国内で毎年150人前後の乳児が死亡しているが、現在ではタバコの関与が最も大きいと推測されている。喫煙者の家庭のPM2.5は平均30μg/m3高く、受動喫煙による生涯死亡リスクは10~20%に達する。これは「放射線被曝100mSvによる0.5%増加」の20倍以上のリスクであり、環境基準(10万人に1人)にするには全面禁煙しかない。

 WHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)受動喫煙防止ガイドラインの求める「例外なき全面禁煙」の実施期限が2010年だったにも関わらず、日本では飲食店などの公共的施設の喫煙が放置されている。飲食店を全面禁煙にした国では心筋梗塞や脳卒中が15~20%減少したと報告されている。水俣病やアスベストなどと同様に、命よりも金が優先される政治が続いている。

「タバコは嗜好品で依存性は弱い。分煙で受動喫煙は防げる。タバコ税で社会に貢献」などといった神話はいずれも意図的な嘘や詭弁である。「タバコを吸う権利なんぞガキと貧乏人と黒人とバカにくれてやる」というタバコ会社重役の発言をビデオで紹介し、真実を学んでいる。

 FCTCの求めるタバコ税大幅増税や画像警告により莫大な数の命が救えるにも関わらず実施されない。タバコ会社から広告収入を得ているメディアは、FCTCでタバコ産業の広告やスポンサーシップが禁止されていることを報じない。

「タバコに害があるから吸わないようにしよう」ではなく、タバコで誰が儲けて誰が損をしているか、どんな真実が隠されているのかを自分で判断できるようになることが重要であり、危険ドラッグなどの様々な問題にも通じる。

 禁煙治療により楽に禁煙できる。喫煙する親には子どもから直接伝えるのが効果的である。

「人の命は地球より重い」とは思わないが「安倍首相に責任がない」とも思わない

2015年01月26日 | 平和・人権
ネット上の(あるいはリアルの)極端な両論には辟易する。「自己責任(アベは正しい)」とか「アベが殺した」とか。それだからあなた方は支持されないんだよ。と言われてもわからないんだろうな。。
1:55 - 2015年1月26日

(以下、twitter再録)

安倍政権としては、人質が解放されれば大きな成果だし、「あらゆる対策を講じたけれども人質が殺された」場合でも、それで安倍批判が高まれば「テロ組織と同調する勢力」と切り捨てられるし、テロとの戦いに更なる「国際軍事協調路線」を推進できる。
10:32 - 2015年1月22日

ありゃ、会見質問なしか、「終わりまーす。」 本人確認、殺害は事実と認めたということだけはわかったが。。
1:31 - 2015年1月25日

ナルホド、人質を一人ずつ殺すというのは言われてみれば常套手段なのだが、全然想定してなかった(…テロリストにはなれないな)。安倍首相とすれば二人殺されるよりも痛手は大きい。人質交換で解決するかどうか、長期化して問題が複雑化する気配。。
1:36 - 2015年1月25日

We are not ABE とか、I am Not Abe とか、英語の意味がわからないんですけど。私はKUBAなのでABEではありませんが、阿部さんとか阿倍さんとか安倍さんはどうするの?
0:01 - 2015年1月26日

米英とイスラム国は交戦状態(イ国を国と認めるかどうかは別として)。イ国対策として周辺国への巨額の援助(人道援助かどうかを区別する意味はない)をして、イ国対策で米英と協調すると宣言しているのだから、日本もイ国の敵国。要するにこれは「戦争」なのだから、国民が殺されるのはあり得る事態。
0:19 - 2015年1月26日

おそらく誰が首相であったとしても米英との協調路線とかイスラム国対策での周辺国援助などの政策は同じようにとっていたに違いないが、安倍首相の好戦的な態度や中東歴訪時の物言いがイスラム国を刺激したことは間違いない。そんなこと「子どもでもわかる当たり前の事」で議論する意味がない。
0:34 - 2015年1月26日

イスラム国が現代社会やイスラム教世界でも許容すべき存在ではないのは議論の余地はないが、米英各国が軍事力で殲滅する見込みがないのも誰もが認める事実。その中で、安倍政権はこの二人だけでなく、周辺地域の日本人の安全について殆ど考慮していなかった。この状況に陥った現在でもそれは同じ。
0:55 - 2015年1月26日

安倍政権としては二人が助かるか、二人とも殺されるのが好都合だったのだが、一人ずつ殺されるというのは最悪の状況。ヨルダンの世論を向こうに回して死刑囚を解放して日本人一人を助けろというのは随分勝手な論理。(ちなみに私は死刑制度廃止論者)
1:00 - 2015年1月26日

「健診で何も異常がなかったら吸っていても大丈夫でしょうか?」=小学生の疑問に答える (10)

2015年01月23日 | 禁煙・防煙
 病気で亡くなった人も、病気が発見される前までは健診で異常が発見されなかったわけですから、健診で何も異常がなかったからといって吸い続けても大丈夫ということは言えません。

 タバコを吸い続けていると、40代後半から70代まで、タバコを吸わない人と比べて約2倍のペースで死亡者が増え続けます。一つ前の質問「禁煙したら健康への影響は減りますか」に書いたように、40代前半までに禁煙すれば、吸わない人との差は明らかではなくなりますので、「健診で異常が発見される前に」できるだけ早く禁煙するようにしましょう。

 病気が発見されてから禁煙するのでは遅いのです。

「禁煙したら健康への影響は減りますか?」=小学生の疑問に答える (9)

2015年01月23日 | 禁煙・防煙
 もちろん、禁煙すれば確実に病気のリスク(病気になる危険性)は下がり、禁煙してからの年数が長ければ長いほど、タバコを吸わない人のレベルに近づきます。ただし、その下がり方には病気によって差があり、虚血性心疾患(心筋梗塞など)は10年たてば吸わない人に近いレベルまで下がりますが、肺がんは10年たった後でも吸わない人の1.4倍程度のリスクが残ります(毎日吸っていれば4.5倍も高いので十分下がったとは言えますが)。

 当然のことながら、若いうちに禁煙すれば健康への影響は少なくてすみ、歳をとってから禁煙すると影響は残ります。「寿命が10年縮む」という英国医師の調査でも、40代前半までに禁煙した人は、吸わない人とあまり差がない程度に寿命が回復しています。

 「肺が黒くなったのが元に戻るのか?」という質問を受けたこともありますが、生きている人の肺を定期的にのぞいてみることはできないので、直接確かめた人はいないと思います。人間の体には異物を除去する機能がありますが、おそらく全部元通りになるのは難しいだろうと思います。ですから、禁煙するのは早ければ早いほど良いのです。

「八戸市屋内スケート場にランニングコースを」パブコメ送付(1/13)

2015年01月21日 | 地域・社会
1月14日でパブコメは終了しましたが、その前日の13日に意見を送付しました。(↓)
実を言うとこの基本設計の図の見方がよくわかりません。
3ページと4ページに1階平面図があって、4ページの「一般利用時」の図では「リンク外周ランニングコース」と書かれている。
そのコースの部分には、3ページの「大会時」の図では「地下通路」という文字が書かれていて、同ページの上図のCGではリンク外周のマットの部分(だと思う)に相当するようなのだが。。
この「地下通路」がランニングコースなのか、マサカそんなことはないと思うが。。
この絵を見ると、スタンドは思ったよりも狭くて、観客席上段の外周にランニングコースを設置できるほどのスペースはなさそう。。
(ラウンジなんてそれほど広くなくてもいいから必要な部分を使い勝手がいいように作って欲しい。細かいところはわかりませんが。)

(仮称)八戸市屋内スケート場建設事業基本設計業務への意見募集
http://www.city.hachinohe.aomori.jp/index.cfm/12,79068,41,html
平成26年12月13日(土)~平成27年1月14日(水)【必着】

(仮称)八戸市屋内スケート場建設事業基本設計(案) [5.23MB PDF]
http://www.city.hachinohe.aomori.jp/index.cfm/12,79068,c,html/79068/20141211-151426.pdf

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冬場、道が凍ったときでも使えるランニングコースを設置してほしい。
図を見るとランニングコースも書かれているが、リンクのすぐ外側の通路だとスケート選手が出入りするので、ランニングコースとしては使いにくく危険と思われます。
観客席上段の外側であれば、選手と接触することもなく、いつでも使えます。
追い越しを考えると、大人二人が並んでも接触しない程度の幅(できれば陸上トラック2レーン分程度)あることが望ましい。
ランニング人口は非常に多くなっており、ニーズは大きいものと考えられます。
利用料は他の運動施設と同程度の料金が望ましいので、大きな収益にはならないかもしれませんが、通年での確実な利用者増を見込めます。
設計の変更を望みます。
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「ニコチンを他の目的に活用できませんか?」=小学生の疑問に答える (8)

2015年01月18日 | 禁煙・防煙
 ニコチンの薬としての作用を医療のために使うことができないか、という考えはこれまでもありましたが、現実には禁煙治療で使われるニコチンパッチ(貼り薬)やニコチンガム以外には何の役にも立っていません。

 ニコチンそのものは、授業でお伝えしたよう、タバコ1本で赤ちゃんが死亡し、3本で大人が死亡するほどの猛毒です。禁煙治療のためのニコチンパッチも、体重や喫煙本数によって薬の量の調節をしないと、頭痛や吐き気、倦怠感(けんたいかん)などが強く出ることがあり、微量でもニコチンを体に入れるのは危険なことなのだと実感しました。

 なお、ニコチンの毒性を低減してつくられたネオニコチノイドという種類の物質が農薬や殺虫剤として世界中で使用されるようになり、環境への影響が新たな議論になってきています。ニュースでも伝えられた「ミツバチの大量死」との関連が指摘され、ヨーロッパでは規制が強化されてきていますが、日本では逆に規制を緩和する方向になっているようです。この点についての議論はまだ決着していませんが、注意を払っておくべき問題としてここに追加させていただきました。

「タバコの種類によって害に違いは?有害物質のないタバコは?電子タバコは?」=小学生の疑問に答える (7)

2015年01月18日 | 禁煙・防煙
 タバコの種類による害の違いはありません。全てのタバコは有害です。この点については、『タバコと健康』というパンフレットでも説明されているので省略しますが、マイルドとかライト、スリム、低タールなどといったタバコの商品名や説明にだまされてはいけません。

 授業でもお話ししたように、日本で一番売れていた「マイルドセブン」が「メビウス」に名称を変更したのは、「ブランドイメージを一新するため」ではなく、ヨーロッパやアメリカでは「マイルド」という名称を使うことが禁じられたからなのです。そんなことは、新聞でもテレビでも報じられません。一番大切なことは、表立って報じられないのだという例として覚えておいて下さい。(別の例として原発事故の時の政府の説明をお示ししたことを覚えているかと思います。)

 ここ1~2年で、アメリカやヨーロッパ諸国では、中国製の電子タバコが未成年や若者の間で流行してきて大きな問題になっています。電子タバコにも程度の違いはあれニコチンや発がん物質などの有害物質が含まれているので危険です。

 紙巻きタバコ(シガレット)や電子タバコだけでなく、「噛みタバコ」などを含めて、全てのタバコ製品は有害であり、安全なタバコというものは存在しません。

 全てのタバコ製品は、「喫煙者の健康のため」でも、「喫煙者が禁煙しやすくするため」でもなく、タバコ会社が利益を得るために売られているのだということを忘れないようにして下さい。

「人口減を越えて 直言・私の処方箋」超要約版(捨てるためのメモ)

2015年01月12日 | 地域・社会
「人口減」とか「地方消滅」とかが昨年にわかに浮上した問題のようで、新年も持てはやされているみたいだけど、これって15年前にすべき議論だったのでは。。(遅きに失したとしても何もしないよりはマシだろうが)
以下超要約版(切り抜いたけど二度と読まないと思うので)

1.三村明夫 日本商工会議所会頭「子育て予算 倍増必要」
 危機意識を多くの人が共有し、高齢者への社会保障財源を少子化対策に振り向け、もっと多くの高齢者や女性に働かせることが課題。

2.小室淑恵 ワーク・ライフバランス社長「早急に働き方の改革を」
 男性も介護を担う「大介護時代」になり、働き手、税収、年金が減り、次世代への負の遺産となる。団塊ジュニア世代の出産が終わる前に短期集中で待機児童を解消し、女性だけでなく男性の働き方を変えないといけない。

3.松谷明彦 政策研究大学院大学名誉教授「財政支出の縮小目指せ」
 人口減少を前提としたシステムにつくり変え、「小さな財政」を目指す。独創的な商品へ生産構造を変え、30代で地方に戻るために、付加価値を生み出す地場産業を育てるよう自主性を発揮させるべき。

4.牧大介 西栗倉・森の学校社長「土地利用 大胆な転換を」
 地域での仕事づくりだけでは半分で、移住者を受け入れられる居住空間を提供するために、土地利用規制を大手術し、地域の資源を有効活用できる枠組みを整えることが大事。

5.原和男 色川地域振興推進委員会会長「誇りの再生 移住の鍵」
 経済中心の視点だけではなく、住民の自慢と自信の機運があれば、魅力に感じて移住者は入ってくる。返済免除の融資制度など、金額以上の効果が期待できる対策で、地域らしさを保った再生を行う最後のチャンス。

(追記)

6.坂本誠 全国町村会調査室長「制約なく住める環境を」2015.1.12
 2000年代の「選択と集中」路線は、地方の雇用確保という視点を欠き、東京への集中が進んだ。地域の中心都市への集中投資は新たな切り捨てであり、都市と地方が奪い合う構図にせず、給付型奨学金や若者の移住者向けの住宅整備などにより、住む地域を選べる条件整備が必要。

7.中島さおり 仏在住エッセイスト「女性働くほうが子増える」2015.1.13
 フランスの合計特殊出生率が高いのは、女性が働きながら産んで育てられる状況が整っているから。3歳で無料の保育学校に入り、育児休業中の収入補償も大きい。働き方を変え、男性も女性も早く帰宅する余裕が必要。法律や制度を変えるのが政治の責任。

8.難波功士 関西学院大教授「地方発のビジネス期待」2015.1.14
 若者は立身出世や東京への憧憬、最新のトレンドを求めて上京したが、今は憧れを持っておらず、縮小社会の中で地元志向が見られる。地方での雇用が問題だが、若者が地方発のビジネスを展開しつつあり、柔軟な後押しを望みたい。

「タバコはなぜ生まれたのですか? 国とタバコ会社の関係は?」=小学生の疑問に答える (6)

2015年01月09日 | 禁煙・防煙
 タバコの歴史は、コロンブスがアメリカ大陸から持ち帰ったところから始まるようです。当時のアメリカ大陸では、先住民が宗教的な儀式のときに用いていたと考えられています。日本には、戦国時代(別の説によると江戸時代初期)に鉄砲やキリスト教などと一緒に伝来しました。戦争の道具である鉄砲とタバコがセットになって来たことに因縁を感じます。(戦争とタバコ-1)

 江戸時代には浮世絵に描かれているように「キセル」という道具に詰めて吸われていました。この時代に、貝原益軒というお医者さんは『養生訓』(1712年)という有名な本の中に「タバコには習慣性があってやめられなくなり、病気になりやすく、貧乏人には出費が多いので、最初から吸わない方が良い」と記載しています。タバコの害や依存性が科学的に解明されてきたのが1950~60年代ですから、その250年も前に世界に先駆けて現代にも通用する警告を発していたことに驚かされます。

 明治時代になって、日露戦争で大国ロシアと戦うためにお金が足りなくなり、それまで民間会社が作っていたタバコ(紙巻きタバコ)を、国が独占して販売して、その利益を戦費にあてることになりました。(戦争とタバコ-2)

 その後も、国が一貫して製造販売し続け、第二次大戦後は「専売公社」という国営企業で売られていました。

 1985年(昭和60年)に、国鉄(現在のJR各社)や電電公社(現在のNTT各社)などと共に民営化され、日本たばこ産業(JT)という民間会社になったのですが、実際には財務大臣が株式の2分の1を保有し、「たばこ事業法」という法律でタバコ産業を振興していくことが定められた、実質的な準国営企業と言える形態が続いています。(東日本大震災の後に復興財源のために株式の6分の1が売却され、現在では3分の1の保有になっています)

 現在、タバコによる健康被害から国民を守る政策は「厚生労働省」が担当し、タバコを売って税収を確保する政策は「財務省」が担当しています。

 つまり、国は片方の手でタバコを売り、もう片方の手でタバコの規制をしようとしているという、他の国ではあり得ない構造になっているのです。実際には、財務省は全ての省庁の予算を握っているため権力が強く、他の国で実施されているようなタバコ規制政策がほとんど実現できないという状況にあります。

 世界で毎年600万人もの犠牲者を出し続けているタバコ産業と、各国政府や保健・医療関係者との戦いを「タバコ戦争」と呼んでいます。(戦争とタバコ-3)

 この続きは「なぜ日本では外国と同じような対策がなされていないのでしょうか?」という質問のところでお答えします。

「なぜタバコを売るのですか? タバコを作っても違法にならないのですか?」=小学生の疑問に答える (5)

2015年01月09日 | 禁煙・防煙
 これが一番大切な疑問で、毎年同じような感想や疑問を書いてくれる子が何人もいますが、そう感じてもらえるようにお話をしたつもりなのです。

 タバコは医学的に言えば禁止薬物に指定されるべきで、本来なら法律で禁止しなくてはいけない製品です。タバコにはニコチンという依存性のある薬物が入っていて多くの人がやめられなくなる上に、吸い続けると半数の人を死亡させます。もし、このような消費者向けの商品がタバコ以外にあったら、タバコと同じように何の規制もなく自由に売られているでしょうか。

 タバコが違法ではない理由の一つは、タバコの害や依存性がわかる前からタバコが売られていたからなのですが、問題はそんなに簡単ではありません。

 世界中の国でタバコを法律で禁止している国はまだありません。ブータンは唯一タバコの国内販売を禁じていますが、これは仏教の教えによるもので、首都では「抜け道」から入手する手段はあるようです。(同じ仏教徒の多い日本では、一般国民だけでなくお坊さんでもタバコを吸っている人が結構いるのはどうしたわけでしょう。)

 『タバコと健康』というパンフレットで説明されている「WHOタバコ規制枠組み条約」には、日本も含めて世界のほとんどの国が参加しています。この条約は、タバコ会社が世界中で販売を拡大して被害が広がるのを防ぐために、タバコの価格、販売、広告、受動喫煙防止などのあらゆる面での規制を徹底的に行い、結果的にタバコを非合法化するよりも前に喫煙率がゼロに近づくことを優先しているようです。
 その背景には、タバコ会社の莫大なお金(タバコマネー)を元手とした強大な政治的圧力に対して、各国政府が十分に対抗することができていないという現実があります。(それに対抗するために条約がつくられたのです)

 さらに、日本では国とタバコ会社が非常に特殊で密接な関係にあるため、規制が全く進まないという事情があります。これについては、次のタバコの歴史のところで続きを書きます。

「子どもがタバコを吸っても許されるのですか? 脳に害があるのでは?」=小学生の疑問に答える (4)

2015年01月08日 | 禁煙・防煙
 日本には「未成年者喫煙禁止法」という、明治33年(1900年)に世界に先駆けて制定された法律があり、20歳未満の未成年者がタバコを吸うことが禁じられています。ただし、この法律では、子どもがタバコを吸うと、その子が捕まったり罰せられるのではなく、親や販売した商店が罰金刑になるのです。

 子どもがタバコを吸ってはいけないのは、授業で話したように、まだ発育途上の子どもがタバコを吸うと、脳の発達だけでなく肺や全身に対する悪影響が強くなり、33歳で肺がんになったブライアンさんのように、若いうちに病気になって死んでしまったり、ニコチン依存症の程度が強くなって、禁煙しようとしてもやめられなくなるからです。

 子どもは法律で決まってるからダメで、20歳になったら吸ってもいいということでは決してありません。

 また、授業では話しませんでしたが、子どもの頃からタバコを吸っていると、その次に大麻(マリファナ)や危険ドラッグなどの禁止薬物に手を出しやすくなるので、その入口になるという意味で、タバコは「ゲートウェイ・ドラッグ」と呼ばれているのです。

「タバコの本数を減らせば害は減りますか?」=小学生の疑問に答える (3)

2015年01月07日 | 禁煙・防煙
 結論から言うと、害はほとんど減りません。禁煙するしかないのです。

 今すぐに禁煙する気はないけれど、健康のために本数を減らすという人がいます。確かに同じ喫煙者の中でも、1日に吸う本数が多いほど、あるいは吸っていた年数が長いほど、タバコによる病気や死亡のリスクは高くなるので、本数を減らせば少しはマシなように思えるのかもしれません。ただし、ここには大きな落とし穴があります。

 一日中我慢してガマンして、ニコチン切れの状態が続いてからタバコを吸うと、タバコが「よりおいしく」感じられ(錯覚)、ストレスが解消されて(これも錯覚)、自分にとって「なくてはならないものだ」という潜在意識が高められてしまい、結果的に禁煙することが難しくなる可能性が高いのです。

 しかも、そのようにしてニコチン依存症が強化されてしまうと、少ない本数で維持することができなくなり、結果的に元の本数に戻ったり、さらに吸う本数が増えてしまう可能性もあります。

 昔は本数を減らしながら禁煙するという方法をすすめる人もいましたが、今はむしろ禁煙が難しくなる「良くない方法」と考えられています。

 それに加えて、家族に対する受動喫煙の害もあります。タバコは1本でも有害ですので、受動喫煙をゼロにするには家族全員が禁煙するしか方法はありません。

「今の親の世代が一番喫煙率が高いと聞いて驚きました」=小学生の疑問に答える (2)

2015年01月07日 | 禁煙・防煙
 少し説明が足りなかったかもしれませんが、男性に関しては、今の高齢者が若かった頃の方がずっと喫煙率が高く、男性の約8割が吸っていました。この世代も年齢を重ねるにつれ禁煙する人が増えたのに加えて、喫煙者の方が早く亡くなる人が多かったために、現在は高齢者ほど喫煙率が低くなっています。また、若い人は喫煙防止教育の効果や、「タバコはダサい」と感じる人が増えてきたために、喫煙率が急降下しています。結果的に、皆さんのお父さんの世代(30歳代~40歳代)が最も喫煙率が高くなっています。特に青森県の父親世代は約55%もの人がタバコを吸っているので大きな問題です。(2011年の調査)

 女性の場合は話が別です。かつては高齢者の方が高めで、若い女性はあまり吸わなかったのですが、若い女性をターゲットにしたタバコ会社のマーケティング戦略が「成功」して、2000年ごろまで未成年や20歳代の喫煙率が上昇し続けました。その世代が皆さんのお母さんの世代(30歳代~40歳代)にあたります。その下の世代は男性と同じように喫煙率が下がっているので、やはり一番喫煙率が高い年代となり、特に青森県のお母さん世代は全国平均(約10%)の2.5倍も高い喫煙率なのです

 タバコによる死亡者数は、男性はすでにピークを越えてきましたが、女性は今後もまだ増えていくことが予想されています。受動喫煙を防ぐためにも、皆さんの親の世代の喫煙率を下げることが必要なのです。

八戸の交通事故多発交差点(H24&H25)三島神社・平中・馬場頭・四本松・旭ケ丘・沢里・沼館

2015年01月07日 | 地域・社会
平成25年の交通事故多発交差点(東奥日報調べ)
http://www.sonpo.or.jp/protection/kousaten/kousatenmap25/02/

ワースト1 三島神社入口交差点(八戸市)
ワースト2 県立図書館前交差点(青森市)
ワースト2 平中交差点(八戸市)
ワースト4 国道柳町交差点(青森市)
ワースト4 馬場頭交差点(八戸市)
ワースト4 四本松交差点(八戸市)

平成24年の交通事故多発交差点(東奥日報調べ)
http://www.sonpo.or.jp/protection/kousaten/kousatenmap24/02/

ワースト1 国道柳町交差点(青森市)
ワースト1 西バイパスフェリー埠頭入口交差点(青森市)
ワースト1 県立図書館前交差点(青森市)
ワースト4 古川交差点(青森市)
ワースト4 中央インター前交差点(青森市)
ワースト4 環7細越交差点(青森市)
ワースト4 東北石油北側交差点(青森市)
ワースト4 旭ケ丘団地入口交差点(八戸市)
ワースト4 馬場頭交差点(八戸市)
ワースト4 沢里橋西口交差点(八戸市)
ワースト4 沼館交差点(八戸市)