踊る小児科医のblog

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自由研究「八戸の夏は暑くなっているか」1951〜2018年の最高気温の分析から

2018年10月04日 | 環境・エネルギー
<結論>
1)7月は暑くなっている可能性が高いが、比較期間の設定により変化しうる
2)8月の傾向はこの検討では何とも言えないが、
3)ヤマセの影響もあり変動が大きく、8月後半でも暑くなることもある
4)熱中症の危険性を考えると八戸三社大祭は9月にすべき

<方法>
気象庁のサイトから1951年〜2018年の7/1-8/31の最高気温をダウンロードし、エクセル上で整形し、1951-2010年の最高気温の平均、最高、最低、2011-18年の最高気温、平均を算出
WBGTは熱中症サイトからダウンロード(7/1-8/31)

<結果>
図1 1951-2010年の最高気温の最高、平均、最低(各太線)の上に、2011-18年の最高気温を重ねてみた

変動が大きく、一見して何かの意味を読み取るのは難しい。
7月は平均(黄色)よりも上に偏っているように見える。
8月は2017年(オレンジ色の太線)のように低温が続いた年もあり、変動が大きく傾向は読み取れない。

図2 2011-18年も平均してみた(オレンジ色)

特に7月から8/5頃にかけて、黄色より上の部分が大きくなっているが、8/20過ぎの数日も高くなっているように見える。比較期間が前者は60年、後者は8年なので、今後の傾向を追加していかないと(あるいは比較期間を変えてみないと)なんとも言えない。

図3 7月の最高気温の平均

各年の平均最高気温の推移と、その平均。51-10平均(緑)と比べて、11-18平均(黄色)は高くなっているように読み取れるが、これも比較期間の選定により変わり得る。

図4 8月の最高気温の平均

こちらは、各年の推移と平均値(過去60年間と最近8年間)を見て、明らかな傾向は指摘できない。

表1 7月と8月の最高気温の平均

以上を数字で示すと、7月は平均で1度以上高くなっているが、8月はほとんど差がない。

図5 三社大祭開催期間(8/1と8/3)の最高気温

1970年代半ばにも高温の時期があったことが示されている。1990年代後半以降は、ほぼ隔年で32℃以上に上がっている。

図6 かつての三社大祭開催期間(8/21と8/23)の最高気温

「8/1と8/3」に比べると32℃を超える日数は明らかに少なくなっているが、数年に1回は2日のうちどちらかが32℃を超えていることが読み取れる。

表2 7/31-8/4の最高気温

図2のうち、現在の前夜祭〜後夜祭の期間(7/31-8/4)を表にすると、過去の最高気温がいずれも34℃を超えており、過去最高の37℃(1978年)を記録したのもこの期間である。図2をみてわかる通り、この期間が最も最高気温が高い時期であり、屋外で長時間の活動を強いられる祭りをあえて期間に実施する危険性について厳しく再考すべき。

表3 8/20-8/24の最高気温

同様に8/20-8/24を表にしてみると、過去60年間では平均が26℃台かそれ以下であるのに対し、直近8年間のうち4日で27℃か28℃を超えている。2018年の最高気温はこの期間に観測されており(図1)、7/31-8/4よりは低くなる可能性が高いものの、変動幅が大きくこの時期が安全であるとは判断できない。むしろ、今後危険性が増ことを想定した方が良いだろう。

図7 暑さ指数(WBGT)と気温の関係

実際の熱中症対策の指標となる暑さ指数(WBGT)と気温の関係を2018年の8月に限って調べてみたが、両者はほぼパラレルに動いており、最高気温が高かった3つの時期で解離がみられるものの、WBGTが「危険」となる31℃以上に上がった日はなかった。ただし、8/1と8/20過ぎの時期は「厳重警戒」を超えており、今後もどの時期でも厳重警戒以上になり得ると考えた方が良いだろう。

図8 気温(乾球温度)と相対湿度、WBGTの関係

例えば同じ32℃であっても、湿度によってWBGTの値には大きな差が生ずる。図7での解離はそのためと考えられるが、8月後半から9月に入れば同じ気温でも湿度が下がって過ごしやすくなるはず。今回の検討では9月は調査していないが、9月以降遅ければ遅いほど熱中症の危険性が低くなるのは自明の理である。

以上について、①正常性バイアス、②事故防止に関するハインリッヒの法則、③熱中症予防と水分補給についての誤解(必要条件と十分条件の違い)等について考察を加えた上で、正式に要請文を個人名で出そうかと考えたが、面倒なのでやめることにする。子どもの命が大事でないわけではないが、ここで得られた結論は実証的ではあるが、ある意味では自明の話とも言えるので、これをもって新たな知見が得られたとして変化が起きることは考えにくい。

取り返しのつかない事態が起こる前に、自律的に変化が起きることを期待したいとは思うが。。

「喫煙率ゼロ達成」2014年の推定2033年から、2018年の推定2041年に8年先送り

2018年10月03日 | 禁煙・防煙
「喫煙率ゼロ達成年推定」2014年から4年経って、推定は2033年から2041年に8年も先送り。


喫煙率調査はJTデータ(7月発表)で、9月発表の厚労省データではありません。

単純に直線を引いてゼロになる年を計算するだけ。期間は男女が2000-2018、合計が2000-2018。


男性 減少率 -1.4%/年 あと19.5年(2037年)
女性 減少率 -0.3%/年 あと31.3年(2049年)
合計 減少率 -0.8%/年 あと23.9年(2041年)

上記の表で、男女の起始年も2010年にすると、男性は減少率が0.3%鈍って達成年が6年も先送りになり、女性は減少率が0.1%加速して達成年も10年前倒しになることがわかります。
男性は2010年代半ばからの足踏み
女性は2000年代の足踏みとその後の減少
がグラフでも見て取れます。

同じ試算を2014年にした時には、
男性(2000-2014):あと18.3年(2032年)
女性(2005-2014):あと22.1年(2036年)
合計(2010-2014):あと18.8年(2033年)
(ここで女性が2005年からなのは恣意的だったのですが、今回、男性に合わせました)