確定申告の時期を迎えた。今年はe-Taxを利用しみてみようと思い、陶芸の帰りに住民登録をしている実家のある自治体の市役所に寄った。ICチップ付の住基カードを作り、そこに電子証明を記録するのである。申請書を出して待つこと1時間。待ち時間は長いが即日発行であるには違いない。決して混雑しているわけではない。単にカードの作成に時間がかかるというだけのことのようだ。住基カードを手に入れて、そのまま出勤。途中、上野で下車して駅前のヨドバシでICカードリーダーを買う。
勤めを終えて帰宅してから、カードリーダーのセットアップをしてみる。個人の日常生活において、パソコンにICカードリーダーをつないで使う機会というのはそうあるものではないだろう。カードリーダーの説明書は、あたかもe-Taxのためだけにそれが存在しているかのような書きっぷりだ。セットアップの流れで、自然に確定申告まで行ってしまう。
e-Taxというのは、自宅のパソコンで確定申告を全て完了できるシステムなのかと思って、住基カードだの電子証明だのカードリーダーだのを求めて歩き回ってみたのだが、そうではないらしい。確かに、確定申告用紙への記載事項はパソコン上で提出できるし、源泉徴収票の提出は省略できるが、明細書や添付資料などを別途提出しなければならないものもある。源泉徴収が原則となっているこの国の徴税システムのなかで、確定申告を敢えてしなければならないということは、当然に原則から外れた何事かがあるからだ。そうした例外事項も含めてネット上で処理できて初めて電子申告というものが成り立つのではないか。それを、できることだけネットで処理させて、それ以外のものは結局従来通りのやりかたで申告させるというのでは、そもそも何のための電子申告なのだろうか。
役所に独創性などを期待するのが間違いだということは承知しているが、それにしても既存のプロセスの特定の部分だけネット化して、あたかも仕事をしているかのようなつもりになる神経が常人の理解を超えている。このe-Taxのシステム構築にどれほどの費用と時間をかけたのか知らないが、現状のままで終わってしまうのなら無駄どころか犯罪行為に等しいだろう。役所に限らず、組織が巨大化すれば、そこで執行される個々の作業は細分化され、本来の目的や意図との関係性は薄くなるものだ。自分自身の仕事もそうした官僚制の典型のようなものなので他人の仕事をとやかく言えた義理は無いのだが、それにしても酷いシステムだ。
住基カードもカードリーダーもe-Tax以外の用途は今のところ無い。ICチップを搭載した住基カードがあれば、全国のコンビニで住民票や印鑑証明を取得できるという。果たして、日常生活のなかで住民票や印鑑証明が必要な場面が年に何回あるだろうか。カードリーダーはソニーの非接触型のものを選んだので、電子マネーや交通カードの残高や利用履歴を確認でき、電子マネーのチャージもできる。しかし、残高や履歴を見てどうしろというのだろう。
ほぼ半日、e-Taxのために奔走してみたが、自分が生活している場について実に深く勉強でき、ありがたいことである。ところで、住基カードやICカードリーダーの用途について、何か面白いものをご存知の方がおられたら、是非、ご教示願いたい。
勤めを終えて帰宅してから、カードリーダーのセットアップをしてみる。個人の日常生活において、パソコンにICカードリーダーをつないで使う機会というのはそうあるものではないだろう。カードリーダーの説明書は、あたかもe-Taxのためだけにそれが存在しているかのような書きっぷりだ。セットアップの流れで、自然に確定申告まで行ってしまう。
e-Taxというのは、自宅のパソコンで確定申告を全て完了できるシステムなのかと思って、住基カードだの電子証明だのカードリーダーだのを求めて歩き回ってみたのだが、そうではないらしい。確かに、確定申告用紙への記載事項はパソコン上で提出できるし、源泉徴収票の提出は省略できるが、明細書や添付資料などを別途提出しなければならないものもある。源泉徴収が原則となっているこの国の徴税システムのなかで、確定申告を敢えてしなければならないということは、当然に原則から外れた何事かがあるからだ。そうした例外事項も含めてネット上で処理できて初めて電子申告というものが成り立つのではないか。それを、できることだけネットで処理させて、それ以外のものは結局従来通りのやりかたで申告させるというのでは、そもそも何のための電子申告なのだろうか。
役所に独創性などを期待するのが間違いだということは承知しているが、それにしても既存のプロセスの特定の部分だけネット化して、あたかも仕事をしているかのようなつもりになる神経が常人の理解を超えている。このe-Taxのシステム構築にどれほどの費用と時間をかけたのか知らないが、現状のままで終わってしまうのなら無駄どころか犯罪行為に等しいだろう。役所に限らず、組織が巨大化すれば、そこで執行される個々の作業は細分化され、本来の目的や意図との関係性は薄くなるものだ。自分自身の仕事もそうした官僚制の典型のようなものなので他人の仕事をとやかく言えた義理は無いのだが、それにしても酷いシステムだ。
住基カードもカードリーダーもe-Tax以外の用途は今のところ無い。ICチップを搭載した住基カードがあれば、全国のコンビニで住民票や印鑑証明を取得できるという。果たして、日常生活のなかで住民票や印鑑証明が必要な場面が年に何回あるだろうか。カードリーダーはソニーの非接触型のものを選んだので、電子マネーや交通カードの残高や利用履歴を確認でき、電子マネーのチャージもできる。しかし、残高や履歴を見てどうしろというのだろう。
ほぼ半日、e-Taxのために奔走してみたが、自分が生活している場について実に深く勉強でき、ありがたいことである。ところで、住基カードやICカードリーダーの用途について、何か面白いものをご存知の方がおられたら、是非、ご教示願いたい。