靴を買った。昨年12月19日に菅野さんの工場でお目にかかったトレーディングポスト青山本店の店長さんのことが記憶にあったので、そのお店にお邪魔した。予め連絡など入れていないので、店長は不在だったが、そのほうがお互いに余計な気を遣わないで済む。菅野さんの工場での会話で、店長は商売のほうは比較的順調だと語っていた。靴がそれほど売れるものだという認識は無かったので、このご時勢で靴を順調に販売する店とは一体どのような店なのだろうと、素朴に興味があった。
店は青山通りと外苑西通りの交差点から程近い、外苑西通り沿いのビルの1階にある。それほど大きな店ではないし、人通りからも外れているのだが、平日の昼間だというのにひっきりなしに来店客がある。品揃えが紳士靴中心なので来店客も当然男性ばかりだ。百貨店の販売統計などでは、全体が成長するなかでは紳士物は最後まで低調で、全体が低迷するなかでは紳士物が真っ先に売上を落とすと言われている。実際に百貨店の売り場を見ても、客の数が最も少ないのが紳士服売り場だろう。そうした先入観を持ってこの店にいると少し驚く。それくらい次から次へと客が来るのである。
あるいはたまたまそういう場面に居合わせただけなのかもしれない。それほど大きな店ではないので、私が来たときには店員はひとりしかおらず、しばらくして外からひとり戻ってきた人がいて、その店員に応対してもらった。
ただ、他の客とのやり取りを聞くともなしに聴いていたり、自分の番になってみたりすると、比較的高額の割によく売れるのがなんとなく納得できる。まず、靴を靴屋に買いに来る人というのは、それなりに靴というもの、身なりというもの、さらには生活のスタイルというものに何がしかのこだわりを持っているのではないだろうか。だから、この店そのものがそうした特定の人々を吸引する場になっているような気がするのである。さらに、商品の展示を眺めると、靴のカットモデルを置いてあり、その成り立ちや構造がよくわかるようになっている。必要があれば、そのモデルを使って商品の説明をするのだろう。そして何よりも、店員が商品に対して愛情を持っているように感じられるのである。商品知識は確かで、何を尋ねても納得できる説明が返ってくる。店員が商品を熟知している、というと当然のことのように思うのだが、現実はそうではないことが多い。当然のことを積み重ねることで差別化を図ることができるというのも、今の時代の現実なのであろう。
店内を眺めながら自分の番が来るのを待っていたり、番がまわってきて店員とやりとりをしながら1時間ほど楽しい時を過ごすことができた。結局、この店のハウスブランドのなかから、ジャズピアニストの名前を冠したスウェードの靴を購入した。
店は青山通りと外苑西通りの交差点から程近い、外苑西通り沿いのビルの1階にある。それほど大きな店ではないし、人通りからも外れているのだが、平日の昼間だというのにひっきりなしに来店客がある。品揃えが紳士靴中心なので来店客も当然男性ばかりだ。百貨店の販売統計などでは、全体が成長するなかでは紳士物は最後まで低調で、全体が低迷するなかでは紳士物が真っ先に売上を落とすと言われている。実際に百貨店の売り場を見ても、客の数が最も少ないのが紳士服売り場だろう。そうした先入観を持ってこの店にいると少し驚く。それくらい次から次へと客が来るのである。
あるいはたまたまそういう場面に居合わせただけなのかもしれない。それほど大きな店ではないので、私が来たときには店員はひとりしかおらず、しばらくして外からひとり戻ってきた人がいて、その店員に応対してもらった。
ただ、他の客とのやり取りを聞くともなしに聴いていたり、自分の番になってみたりすると、比較的高額の割によく売れるのがなんとなく納得できる。まず、靴を靴屋に買いに来る人というのは、それなりに靴というもの、身なりというもの、さらには生活のスタイルというものに何がしかのこだわりを持っているのではないだろうか。だから、この店そのものがそうした特定の人々を吸引する場になっているような気がするのである。さらに、商品の展示を眺めると、靴のカットモデルを置いてあり、その成り立ちや構造がよくわかるようになっている。必要があれば、そのモデルを使って商品の説明をするのだろう。そして何よりも、店員が商品に対して愛情を持っているように感じられるのである。商品知識は確かで、何を尋ねても納得できる説明が返ってくる。店員が商品を熟知している、というと当然のことのように思うのだが、現実はそうではないことが多い。当然のことを積み重ねることで差別化を図ることができるというのも、今の時代の現実なのであろう。
店内を眺めながら自分の番が来るのを待っていたり、番がまわってきて店員とやりとりをしながら1時間ほど楽しい時を過ごすことができた。結局、この店のハウスブランドのなかから、ジャズピアニストの名前を冠したスウェードの靴を購入した。