第1回に続いて繰り返すことになるが環境生態、水環境、大気環境、衛生環境学等の専門学者に焼却施設の方式、型で優秀性の順位を決められるわけがなく、トータル的には同施設場長を経験した団体法人の技術部長に同判断を委ねるというのは妥当と思われるが、同団体法人が施設メーカーの一部による賛助会員によって構成されるとなると、その判断は公平、公正さに欠けるという疑問的な批判は否定できない。
また考えるまでもなく、総合評価方式において上記のような審査委員会が、同様な自然環境の地方において、搬入される廃棄物の資質にも大差がないという中、A施設組合にはB社の焼却炉が最良と選出されて、C施設組合にはD社の焼却炉がベストだと判定すること事態が不自然。これが「審査委員会は承認機関」という説の理由であって、彼らを広告塔くらいにしか想定していない主催者側にはそれだけで十分なのである。
また地下鉄新路線の建設事業において、入札結果の段階で落札した業者は、すでにコンクリート大柱群を準備完了にあったというのは特異なケースとしても、100億円規模の事業で入札結果後、直ぐに全てを準備出来るかという疑問は当然ある。
それに総合評価方式の一般入札に向けての資料作成となると、本格的に取り組むには1000万円以上の諸経費を要するといわれる。そして現在、震災復旧、オリンピック景気で技術者不足の九州では、少なくとも半分は事業負担することになるゼネコンにとって、受注できるか否かの不透明な事業に対して賭けでは挑めないというのが彼らの本音。結局、業界側の物理的な理由と発注側の思惑とが上手く合致して、後はセレモニーで粛々と日程が消化される。
それでは、どの段階で判定が下されるかというと、補助金等の申請に向けての策定から詳細設計の完了までの期間。すなわち、遅くとも入札、審査前までには決定されるというのが事情通の一致した見解。それだと、該当外の焼却炉メーカーも一部は後発事業に向けての誠意として、セレモニーへの協力参加は営業上で可能という理屈にはなる。
だが改めて断っておくが、先述した通り場合によっては、表上の結論とされる審査委員会前までは熾烈な営業攻勢が展開されるが(逆転狙い)、それ以前における結論は一種の官製談合。
ところで、住民の意向とは関係なく自治行政の間で誘致合戦が行われるのは、施設組合長よりも該当地の首長に決定権が委ねられるという背景が、その理由。後述することになるが、地元対策費として約2%が営業経費で用意されるとも噂され、また補助金や意向のキャッチボールで中央とを往復すると、着工に向けて尽力した組合議員として旨味も計算される。
「組合議員でも関与できるか否かで月とスッポンほどの大差があって、その背景は情報収集力と政治力学、それに権益での執念」
これも事情通の一致した見解。
それでも組合議員の中、場合によっては上っ面をかじった一般議員の間から
「疑惑が多過ぎて、契約は不承認」
承認議会の前になって騒ぎが起こったりもするが、それはやがて沈黙に化ける。その背景に何があったかは推察となる。
最終処分場の建設が発注されて、平成30年には着工の予定といわれる合志市(菊池環境保全組合)の新環境工場について、「新日鉄住金」という名前が挙がった。そこで第1回、2回と一般論としての基礎を述べてきたが、理解できた市民の皆さまには、これからが検証に基づく解説に向けた講座・・・。
(第3回へ続く)