秋刀魚を肴に選挙予想ほど旨い酒はないが、それもトロッコ記者でも断言出来る熊本3、4区では味わえるものではなく、ここは場合によっては接戦と想定される熊本2区に絞って、失敬ながら蒲島教授(知事)流に計量政治学で予想を下すことにした。
候補者は現職の野田毅氏(76)、そして総理官邸筋の黙認、自民党元幹事長が後見人ながら同党への公認申請で自民党県連とは揉めた新人の西野大亮氏(39)、それに幸福実現党から出馬の木下順子氏(58)と野党統一候補として社民党の和田要氏(68)という四人の顔触れである。
先ず野党統一候補であるが、自民党候補を上回った民主党候補の得票歴もある2区とはいえ、その政治背景とは大きく異なり、基本的には過去の共産党得票を参考にしての幸福実現党候補と合わせて最大が4万票前後と想定。残りが保守系2候補の争奪戦である。
新聞は「真実を正確に伝える」とはいっても売る者はどうあれ、作る者には感情があって、地域性が濃厚であれば忖度も存在する。
地元紙は「公認(自民党)申請を県連は無視」、「震災助成に野田氏は多大な貢献」と付け加えて「野田氏優勢」を報道。これに対して、西野陣営から「偏向報道」と反発の声も挙がったが、記事内容は真実で有り、また「偏向手法による誘導」という見解も屁理屈でないことは確か。
その分のカバーを西野陣営に与えると、ここは「貢献への謝恩か、それとも明日を託す一票なのか」の単純明解な選択。
話を戻して野田、西野両候補の争奪戦だが、投票率を55%として両候補の総得票は(300000×0.55-40000)125000票。この中で未だ未決定とされる票が、都市部の30%を下回ったとしても同票が20%として25000票と想定。
すなわち現在、地元紙の野田氏優勢は100000の中での予想であって、劣勢の候補でも野党統一候補を下回るという想定はされないわけで現在、両候補とも40000票以上での接戦。その差は10000票以内と考えると、未決定票25000票が当落を大きく左右すると予想される。
地元紙の優勢が75000票を見据えての予想なら3、4区と同様な事前当確だが、これが60000票から65000票での接戦となると、観覧者には実に旨い肴になると予想される・・・。