技術と価格からなる総合評価から落札、発注メーカーを決める際、その選考、選定に関わる学識経験者の委員には九州の場合、殆どが地元大学教授、または九州大学の教授を据える。
ところが馬場昭治天草市長は、宿泊の提供まで要する宮城大学の北辻教授を迎えた。
同教授が天草出身で、馬場市長とは幼い時からの旧知の間柄であった訳でもなく、また同市長と同じく天草広域連合に深く関わる田嶋章二苓北町長の縁戚だったという訳でもなかろう。
先述した通り、北辻教授はごみの再資源化に熱心で、「シュレッダーダスト溶融スラグのコンクリート用細骨材にしての利用」に関して研究論文を発表している教授。
勿論、専門家ではあるが、「研究においては第一人者」と言えば、熊大や九大の教授辺りに失礼に当たるといったレベル。
ただ再資源化の研究者で、専門はシャフト型というのは確か。
また先に紹介した論文が、新日鉄エンジニアリング(現日鉄エンジニアリング・日鉄住金グループ)の社員との共同研究。
この二つが、特筆される特徴。
即ち、日本で広く普及しているストーカ型の専門家ではなく、再資源化が研究段階にあって、それにコークス(石炭)を燃料として燃やし続けるシャフト型の専門家。
それに日鉄エンジニアリング(日鉄住金グループ)との関わりが論文、また操業中の焼却施設と密接な関係にある教授。
この二点から馬場市長は、はるばる宮城大学から同教授を選考、選定委員に迎えたのだ。
となると、希望の処理施設型はシャフト型で、発注先は「日鉄住金グループ」という事にはならないだろうか。
勿論、これはあくまで推察される「馬場市長の希望」である。
「環境(組合)議員に影響力を持つ与党の重鎮O議員、そして行政機関委員に関わる事務局のN氏らが忖度すると、その希望は叶うと見ている」
この見解は、同市に詳しい人物の見解だが、そこまで語ると失礼な邪推。
ただ、その下地にある事は確か。
一方、日鉄住金グループは、北九州市でストーカ型の焼却炉を建設中にあるが、これは日鉄グループによる国内初のストーカ型で、ドイツのSBE社買収によるものだ。
尚、同ストーカ型の焼却炉は、初稼働が025年4月の予定で、即ち天草広域連合の「国内で稼働実績を持つストーカ、シャフト型」という入札条件からは除外され、日鉄住金グループからの参加はシャフト型となる。
先述した通り、宇城広域連合では禁止されている「総合アドバイザーの入り込んだグループ」を組合議員に隠蔽し、同グループの落札、発注を図ったが、6億3500万円の随契も見逃す天草市とあっては、田嶋苓北町長辺りに組合関係首長として、厳しく検証の務めを果して貰いたいと、それが入札参加メーカー側の期待、その声である。
熊本県内で語られる「総合評価方式の80%は官製談合」とは違法行為であって、それは熊本県の恥…。