万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

定額給付金の”ちぐはぐ”

2009年01月10日 16時08分52秒 | 日本経済
給付金 11閣僚「もらう」(産経新聞) - goo ニュース
 定額給付金の目的は、漠然と”景気対策”とされています。しかしながら、この政策には、”ちぐはぐ”な点が多すぎると思うのです。

 第一の”ちぐはぐ”は、生活支援なのか、消費喚起なのか、具体的な政策目的が曖昧なことから発生します。もし、不況下での生活支援ならば、高額所得者への支援は控えるべきでしょうし、消費喚起ならば、全国民に給付されなくてはなりません。

 第二の”ちぐはぐ”は、一人当たり1万2千円の額では、現在、失業者を多く出している自動車といった製造業に対しては、効果は極めて薄いということです。結局、安価な輸入品の消費が増えるかもしれず、国産の高額の製品の買い控えは、解消されそうにありません(雇用対策にならない・・・)。

 第3の”ちぐはぐ”は、原因が海外市場にある場合、国内消費の拡大による景気回復は、あまり期待ができないということです。製造業の輸出不振は、アメリカをはじめとした海外市で場の落ち込みが主因であり、日本国での給付金の支給は、一時的な内需の底上げに過ぎなくなるかもしれません。

 定額給付金には、以上に述べたような多くの”ちぐはぐ”があります。この点を考えますと、本政策の見直し論にも一理があると思うのです。

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コメント (14)
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