万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

新銀行東京―悪いのは人かシステムか?

2009年01月03日 15時13分10秒 | 日本政治
新銀行東京 旧経営陣を刑事告発へ 背任視野に責任追及(産経新聞) - goo ニュース
 企業の経営者が会社の存続を危うくするような損失を発生させる。この行為だけでは、通常、企業の経営者が刑事告発されることはありません。ところが、新銀行東京では、ついい、旧経営陣が、背任罪で刑事告発されるかもしれないというのです。

 刑事告発の背景には、よほどのことがあったに違いありません。昨年にも、当銀行の元銀行員が、ブローカーと結託して不正融資を行った廉で詐欺罪で起訴される事件が明るみになりましたが、経営陣が背任罪に問われるとなりますと、トップぐるみのより大がかりな不正があったと考えざるを得ません。旧経営陣は、一体、誰の利益のために、焦付きが予測される危ない融資を引き受けたのでしょうか。旧経営陣が、個人的な利益を図ったとも考えられません。新銀行東京が、公的金融機関であることを考慮しますと、景気対策による政府保証付き融資の拡大にあっても、同様の問題が発生することが懸念されるのです。

 しばしば、新東京銀行の財務悪化の要因は、財務内容の評価を基準に自動的な融資が審査される、スコアリングモデルと呼ばれるシステムにあると説明されてきました。しかしながら、本当の原因は、”システム”ではなく、”人”にあるのかもしれません。

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コメント (2)
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